(06/05/21) 玉割り人ゆき(1975/日本/監督:牧口雄二)
(06/04/21) トカゲ女(2004/タイ/監督:マノップ・ウドムデート)
(06/04/21) 立喰師列伝(2006/日本/監督:押井守)
(06/03/17) Touch the Sound そこにある音。(2004/ドイツ/監督:トーマス・リーデルシェイマー)
(06/03/11) ドラえもん のび太の恐竜2006(2006/日本/監督:渡辺歩)
(06/02/14) 着信アリ(2004/日本/監督:三池崇史)
(05/12/29) 天空の草原のナンサ(2005/ドイツ/監督:ビャンバスレン・ダバーン)
(05/12/18) ディア・ウェンディ(2005/デンマーク/監督:トマス・ヴィンターベア)
(05/12/07) 天然性侵略と模造愛(2005/日本/監督:山岡信貴)
(05/11/01) 旅するジーンズと16歳の夏(2005/アメリカ/監督:ケン・クワピス)
(05/10/09) 茶の味(2003/日本/監督:石井克人)
(05/09/15) チャーリーとチョコレート工場(2005/アメリカ/監督:ティム・バートン)
(05/09/12) 鉄塔武蔵野線(1997/日本/監督:長尾直樹)
(05/08/27) 東海道お化け道中(1969/日本/監督:安田公義・黒田義之)
(05/08/27) トーク・トゥ・ハー(2002/スペイン/監督:ペドロ・アルモドバル)
(05/08/25) ドッグヴィル(2003/デンマーク/監督:ラース・フォン・トリアー)
(05/07/29) デビルマン(2004/日本/監督:那須博之)
(05/07/24) 血と骨(2004/日本/監督:崔洋一)
(05/07/18) ドラムライン(2002/アメリカ/監督:チャールズ・ストーン三世)
(05/07/16) 誰も知らない(2004/日本/監督:是枝裕和)
(05/07/11) 東海道四谷怪談(1959/日本/監督:中川信夫)
(05/05/30) 弾丸ランナー(1996/日本/監督:サブ)
(05/05/28) 大巨獣ガッパ(1967/日本/監督:野口晴康)
(05/04/10) 富江 最終章〜禁断の果実〜(2002/日本/監督:中原俊)
(05/04/10) 富江(1999/日本/監督:及川中)
(05/04/08) 太陽を盗んだ男(1979/日本/監督:長谷川和彦)
(05/04/04) 田園に死す(1974/日本/監督:寺山修司)
(05/03/11) 東京ゴミ女(2000/日本/監督:廣木隆一)
(05/03/11) 中国の鳥人(1997/日本/監督:三池崇史)
(04/06/16) 小さな中国のお針子(2002/フランス/監督:ダイ・ジージエ)
(06/04/21) トカゲ女(2004/タイ/監督:マノップ・ウドムデート)
(06/04/21) 立喰師列伝(2006/日本/監督:押井守)
(06/03/17) Touch the Sound そこにある音。(2004/ドイツ/監督:トーマス・リーデルシェイマー)
(06/03/11) ドラえもん のび太の恐竜2006(2006/日本/監督:渡辺歩)
(06/02/14) 着信アリ(2004/日本/監督:三池崇史)
(05/12/29) 天空の草原のナンサ(2005/ドイツ/監督:ビャンバスレン・ダバーン)
(05/12/18) ディア・ウェンディ(2005/デンマーク/監督:トマス・ヴィンターベア)
(05/12/07) 天然性侵略と模造愛(2005/日本/監督:山岡信貴)
(05/11/01) 旅するジーンズと16歳の夏(2005/アメリカ/監督:ケン・クワピス)
(05/10/09) 茶の味(2003/日本/監督:石井克人)
(05/09/15) チャーリーとチョコレート工場(2005/アメリカ/監督:ティム・バートン)
(05/09/12) 鉄塔武蔵野線(1997/日本/監督:長尾直樹)
(05/08/27) 東海道お化け道中(1969/日本/監督:安田公義・黒田義之)
(05/08/27) トーク・トゥ・ハー(2002/スペイン/監督:ペドロ・アルモドバル)
(05/08/25) ドッグヴィル(2003/デンマーク/監督:ラース・フォン・トリアー)
(05/07/29) デビルマン(2004/日本/監督:那須博之)
(05/07/24) 血と骨(2004/日本/監督:崔洋一)
(05/07/18) ドラムライン(2002/アメリカ/監督:チャールズ・ストーン三世)
(05/07/16) 誰も知らない(2004/日本/監督:是枝裕和)
(05/07/11) 東海道四谷怪談(1959/日本/監督:中川信夫)
(05/05/30) 弾丸ランナー(1996/日本/監督:サブ)
(05/05/28) 大巨獣ガッパ(1967/日本/監督:野口晴康)
(05/04/10) 富江 最終章〜禁断の果実〜(2002/日本/監督:中原俊)
(05/04/10) 富江(1999/日本/監督:及川中)
(05/04/08) 太陽を盗んだ男(1979/日本/監督:長谷川和彦)
(05/04/04) 田園に死す(1974/日本/監督:寺山修司)
(05/03/11) 東京ゴミ女(2000/日本/監督:廣木隆一)
(05/03/11) 中国の鳥人(1997/日本/監督:三池崇史)
(04/06/16) 小さな中国のお針子(2002/フランス/監督:ダイ・ジージエ)
2006年05月21日
玉割り人ゆき(1975/日本/監督:牧口雄二)
“笑うポルノ、ヌケるコメディ”にて。
京都・島原の遊郭で、“玉割り人”として働くゆき(潤ますみ)。ゆきは、遊郭に売られてきた未通女に性技の基本を教えるセックスの師匠であり、また足抜けした娼妓への仕置きの差配もしている。娼妓を足抜けさせようとして失敗した大工の六造(川谷拓三)は、ゆきによって男性器を切り落とされてしまう。以来、六造はゆきを執拗に追いかけるようになる。
娼妓には鬼と罵られ、女を捨てたはずだったゆきだが、ふとしたきっかけで知り合ったアナーキストの森(大下哲矢)に惹かれていく。
牧口雄二の作品は、眼をそむけたくなるほどのゴアシーンがありながら、リリカルな詩情が感じられ、ときにはホロリとさせられたりする。
本作は足抜け娼妓への仕置がかなりキツイ。川谷拓三がチンコ切られるのは男じゃないので冷静に見られるが、娼妓が足の生爪剥がされるのがね…。そこまでするか、玉割り人。
川谷拓三は、足抜けは女にそそのかされたと言い逃れをしたあげくチンコ切られてしまうカッコ悪い男なのだが、これぞ拓ボン。ゆきへの復讐のため、アナーキストの男を刺し、返す刀で「ワレの顔くちゃくちゃにしたるでぇ」とゆきに襲いかかったところを、虫の息の男に銃で撃たれて絶命。壁にもたれかかった姿勢のまま、ションベン垂らしながらという壮絶な死に様をみせる。いやもう、カッコ悪いんだけどカッコイイ。牧口監督は拓ボンの使い方を心得ている。
後の徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑(監督・牧口雄二/1976)では、似たような設定で反対に男気のある役をやっており、牧口監督は拓ボンが相当お気に入りのようである。
リリカルな雰囲気といえば、ゆきの妹分・はつえ(森崎由紀)と幼なじみの正夫(奈辺悟)のせつない恋が印象的。はつえの清浄な雰囲気がいじらしく、娼妓とアナーキストでは決して成就しないであろうふたりの恋物語が哀しい。
正夫が死んでしまい、ゆきも島原から姿を消したものの、はつえは娼妓として太夫にまで昇りつめると豪語し、スクリーンからこちらをちらりとねめつけるラストカットにはどきりとした。
評価:★★★★☆
2006年04月21日
トカゲ女(2004/タイ/監督:マノップ・ウドムデート)
【シネセゾン渋谷】
バンコクに住む女流人気作家のクワン(ルンラウィー・バリジンダークン)は、ヤモリの悪霊を題材にしたホラー小説を発表、キャンペーンのために訪れたチェンマイで民芸品の小さな箱を購入する。その直後から、彼女は巨大なヤモリの幻覚に悩まされるようになる。やがて、彼女の周囲で奇怪な事件が続き、ついにはヤモリの悪霊に憑依されたクワンがおぞましい“トカゲ女”に変貌してしまう。彼女の恋人で医師のウィトゥーン(ピート・トーンジュア)は彼女を救おうと奔走するが…。ううむ…。
本編中でもトカゲとヤモリがごっちゃになっているが、意図的なんだろうね。トルネード・フィルムだもんね。
ヤモリの悪霊の呪いで、なんで“トカゲ女”になるんだよ…。
そもそもトカゲ/ヤモリ/イモリあたりになると、見分けがつかない人が多いのだろうか?
今でこそ洗練されたシティ派の私だが(・∀・)、子どものころは野生児だったので一目瞭然。騙されないゾー。
たぶん、トカゲって壁や天井を這わないので、ビジュアル上の都合でヤモリにせざるを得ず、でもヤモリってマイナーだし…、どうせ誰も区別つかないからインパクトのある“トカゲ女”にしちゃえ! ってところかな。
別にいいけど、子どものころからヤモリは“屋守”といって家を守ってくれる存在だと思っていたので、悪霊扱いはヤモリに代わって遺憾である。よく見るとカワイイのに、ヤモリ。
古代の呪術師が箱にヤモリの悪霊を封じたため、数百年後に箱を開けた人間に呪いがふりかかる…って、いつの時代のホラー映画でしょうか。なんというユルい設定。
そもそもヤモリの悪霊って何なんだ。意味不明。設定のための設定というか、唐突に浮上してきて何の説明もないので、怖くもなんともない。
そうなんです、これほど怖くないホラー映画は久しぶり。というか初めてかも…。
ヤモリの呪いのかかった人間が仲間を襲ったりするんだけど、あまりにも野暮ったいヤッツケ演出で、怖いわけでも、ましてや笑えるわけでもない。この監督、ホラー映画なんか観たことないに違いない。
ケチョンケチョンに書いてしまったが、実はトルネード・フィルム配給作品の中ではそれほど悪くないw
エロもグロも中途半端で、とにかくユルいホラー映画だが、冒頭の地質学者夫婦(なぜか日本人。この人たち誰?)一行が、ヤモリの呪いで殺しあうくだりなんか、湿度の高いタイの秘境な雰囲気がちょっとよかった気が…したようなしないような。
ココの映画は毎回ボロクソに書いてるのに、懲りずに観ている私も私だが、少なくともえびボクサー(2002/イギリス/監督: マーク・ロック)やコアラ課長(2005/日本/監督:河崎実)ほど退屈ではなかったと思うけど、慣れてしまっただけなのか?
評価:★★☆☆☆
2006年04月21日
立喰師列伝(2006/日本/監督:押井守)
【シネクイント@渋谷】
“立喰師”――それは、己の全知全能を懸けて言葉巧みに無銭飲食を繰り返し、飲食店主たちを震撼させる流浪の仕業師たち。敗戦直後の東京。混沌とした闇市の立喰い蕎麦屋に一人の男が現われた。「つきみ。そばで」。何やらただならぬ雰囲気を漂わせたこの男こそ、のちに“月見の銀二”として人々に怖れられた伝説の立喰師だった。こ、これは…!
うっすら予想はしていたが、「うる星やつら」の“立ち食いウォーズ”だぁ( ゚Д゚)
…後からフライヤー見て知ったのだが、立喰師って押井守がいろんな作品で使ってきたモチーフなんだね。逆転イッパツマンにも出てたとは知らなかった。
映像は、デジタル写真を3DCGアニメーションで動かすスーパーライブメーションという技法が使われていて、非常に独特。実写でもアニメでもあるような、どちらでもないような。確かに見たことのない映像である。
なんというか、コラージュがギクシャク動いているようなこの技法自体はあまり好きになれなかったけれど、ストーリーは…大好きと言っていいかもしれん。
まぁ、ストーリーなんてないようなもんで、架空の立喰師のキャラクターを立て、日本の戦後史にからめた経歴や伝説をいかにもペダンチックなナレーションで紹介しているだけなのであるが。
ハッキリいって、とてつもなく人を選ぶ作品。まず普段本をあまり読まない人にはおすすめできない。立て板に流るる水のごときナレーションは情報量が半端ではなく、それなりの処理能力を要求される。
展開に起伏がないので、立喰師の紹介も4人までいくと中だるみしてくるが、牛丼の牛五郎による“予知野屋襲撃”あたりから俄然面白くなってくるので、なんとか我慢して観て下さい。
システマチックな外食産業の盲点を突く立喰師たちと、店側の攻防。それまでの緩慢な流れから急に動きのある展開になり、マシンガンナレーションとのバランスも良くなってくる。
鑑賞後は狐につままれたような、不可思議な感触が残る。とんでもない作品なのか、押井信者向けのしょーもないシロモノなのか…。少なくとも、私は評価するけど。
“ケツネコロッケのお銀”にビビッときた向きは観るべし。
評価:★★★★☆
2006年03月17日
Touch the Sound そこにある音。(2004/ドイツ/監督:トーマス・リーデルシェイマー)
【ユーロスペース@渋谷】
聴覚障害を持ちながらも世界的パーカッショニストとして活躍するエヴリン・グレニーの姿を追ったドキュメンタリー。精力的に活動を続ける彼女の日々の生活に密着、彼女が身体全体で感じとるという音の世界を、映画を通して同じように体感することを目指して制作された画期的な音の映像詩。おそらくは絶対音感とリンクする能力なのだと思うが、世の中には音に色が見える(イメージ?)人がいるらしい。
そんな人たちは一体、どんな世界に住んでいるのだろう。
このドキュメントフィルムは、まさにそんな世界を少しだけ味わえる気がした。五感が研ぎ澄まされるような感覚をおぼえ、映像を聴き、音を観る。
打楽器のリズムと、この世にあふれる音が全身にしみこんでくる。心地よい時間だった。
エヴリン・グレニーが来日し、日本の音がクローズアップされるシークエンスは興味深い。
不協和音といえそうな街の喧騒と、古寺の静寂のコントラスト。
ふだんはたいして気にしてないけれど、私たちはありとあらゆる音に囲まれている。ふつうの人は快い音・不快な音を無意識に取捨選択して音の洪水をやりすごしているのかもしれない。もしかしたら、私たちの耳は世の中にあふれる音を半分も拾っていないのではないか。それは、常にオープンにしているつもりで、実は何も聴いてないに等しいのかも。
エヴリンのように、すべての音を拾いながらすごすことはしんどいけれど、日常への認識が変わる気がした。
エヴリンのみごとな即興演奏もたっぷり味わえ、打楽器の魅力に気づかされた。
音楽好き・音に興味のある人は必見。
評価:評価:★★★★☆
2006年03月11日
ドラえもん のび太の恐竜2006(2006/日本/監督:渡辺歩)
【渋東シネタワー】
私は映画館へはほぼ一人で行くが、本作はさすがに浮いてしまったなぁ。
孤独な隠れドラファンの大人も来てるはずとふんだのだが、見渡すかぎり大人一人は私だけだったように思う。
こまいのばっかり、にぎやかな映画館でした。
ある日のび太(声:大原めぐみ)は、恐竜の化石を自慢するスネ夫(声:関智一)に対抗し、自分も恐竜の化石探しを開始する。すると、ひょんなことから恐竜の卵らしきものを発見するのだった。そして、その卵を孵化させてみると、なんとそれは白亜紀の日本海近海に棲息していたフタバスズキリュウだった。のび太はこの首長竜を“ピー助”(声:神木隆之介)と名付け、ママに内緒で大切に育て始めるのだったが…。号泣必至の名作、劇場版第一作「ドラえもん のび太の恐竜」のリメイクである。
私は声優陣がリニューアルしてからのドラえもんは見ていないので、不安はあったものの、オリジナルも細部までは覚えていないこともあり新鮮な気持ちで観ることができた。
新声優陣については、やはり最後までドラえもんの声(水田わさび)に違和感がぬぐえなかった。ほとんどの日本人にはドラえもん=大山のぶ代が強烈にすり込まれているので、これは致し方ないかもしれない。だが、ヘタに大山ドラを踏襲することなく、新しいドラえもんをやろうとしている苦労と心意気は買いたい。
新しいドラえもんといえば、作画の個性は相当なもの。キャラの線が今までとぜんぜん違う。どちらかといえば、アニメ版よりも原作に近いのかな。ギャグを全身で表現する、柔軟な線のキャラクターになっている。そういえば、ドラえもんはギャグ漫画だったのだ。
好き嫌いがかなり出るであろう絵で、私も最初は荒っぽい印象を受けたが、これまでの優等生的ドラえもんキャラでは考えられないギャグ表現は新鮮だった。
テレビアニメ版はどうなんだろう。映画は良い意味であくの強いドラえもんになったという印象である。
もともと素晴らしいストーリーだが、今回も私、号泣してしまいました。
仲間との信頼と友情、冒険と成長、のび太とピー助の別れ。エンタテイメントの全てが詰まっている。
タケコプターで墜落しそうになったジャイアンの手を取り助けるのび太。しずかちゃんのピンチに真っ先に飛び出していくのび太。なんて勇気のある少年なんだろう。のび太の本質を誰よりも見抜いているピー助との別れは胸を揺さぶられる。
そういえば、本作では、もちろん大いにドラえもんの秘密道具の恩恵には預かっているものの、のび太は自分の力でいろいろなことをなし遂げ、仲間の信頼を得ている。
ドラえもんが、本来の役目どおり、のび太のサポートに徹しているところは、長い間のび太の成長を見守ってきている大人の観客には感慨深いものがあるだろう。
印象に残ったのは、のび太とパパのエピソード、ラストで白亜紀から戻ってきたのび太たちとママのやりとり。
「多勢で、何をやってたの?」「うん、ちょっとね…」
大人には理解できない、5人の冒険物語のしめくくりは、とても感動的だった。
久しぶりにオリジナルも観たいね。泣きたいときは、これを観よう。
評価:★★★★☆
映画ドラえもん のび太の恐竜
大山のぶ代 小原乃梨子 肝付兼太
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2006年02月14日
着信アリ(2004/日本/監督:三池崇史)
女子大生・由美(柴咲コウ)が合コンに出席していた時のこと。彼女の友人・陽子(永田杏奈)の携帯電話が聞き覚えのない着信音で鳴った。確認すると、陽子自身の番号で発信され、伝言メッセージには彼女の悲鳴にも似た声が録音されている。また、着信は3日後の時刻という何とも気味の悪い現象だった。やがて3日後のその時刻、陽子はあのメッセージと同じ悲鳴を上げて転落死した。数日後には、同じ合コンの席にいたケンジ(井田篤)も自分の声の着信メッセージを受け、やがて陽子と同様の不可解な死を遂げる。そしてその恐怖は、由美の親友・なつみ(吹石一恵)の携帯電話にも及んでいた…。
深夜に一人で観てたんで、ホラー演出はそれなりにガクブルだったんだけど、シナリオはまったく評価できない。支離滅裂といってもいい。
「リング」以来のフォーマットである“呪いの伝播ツール”として携帯電話が使われているわけだが、設定のための設定という感じで、ずいぶん無理がある。まず携帯電話という設定ありきで、理由や必然性を説明することを放棄している。
こういう安易な設定を見せられると、「リング」はやはりよくできているなぁと思う。
呪いの発生源である母子の関係に、幼児虐待や“代理ミュンヒハウゼン症候群”(愛する者を患者に仕立て上げ、献身的に世話をすることで他者の関心を引く)という凝った設定を用いているが、描きこみ不足で説得力があまり感じられない。こういう重いテーマを扱うのなら、きちんと描かなければ不見識な気さえするんだけど。
いろいろと矛盾の多い本作だが、最もよくわからなかったのは、なぜ被害者のゾンビが柴咲コウに襲いかかってきたのか。呪いを止めようとするんならまだしも。
幼いころ虐待を受けていた柴咲コウの記憶がフラッシュバックし、妄想の母親を受け入れることでゾンビがおとなしくなるのも、この時点ではアリかもしれないが、ラストまで観ると結局わけがわからない。
ところで、「自分の携帯番号から発信された未来時刻の着信を受けるとその時刻に死ぬ」のを防ぐには、最初のほうで女子高生の集団が言っていた「自分の番号を着信拒否」すればいいんじゃないの?
まぁ、携帯を解約して本体を処分しても、アカの他人の携帯に予告電話がかかってくるくらいだから無駄かもしれないけど、そこからさらに柴咲コウの携帯に呪いが移るのは都合良すぎである。携帯のメモリを通じて呪いが広がるという設定もここで破綻してしまい、じゃぁ何で携帯だったのかという最初の疑問に戻るのであった。
評価:★★☆☆☆
着信アリ(初回生産限定版・3枚組) 柴咲コウ 秋元康 三池崇史
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2005年12月29日
天空の草原のナンサ(2005/ドイツ/監督:ビャンバスレン・ダバーン)
【シャンテ シネ@日比谷】
どこまでも続くモンゴルの大草原。その中に遊牧民の一家が暮らしている。父と母、そしてその愛を受けた6歳の娘ナンサとその妹、小さな弟の5人だ。ある日、ナンサはほら穴で見つけた子犬にツォーホルと名付けて、家に連れ帰る。しかし父親は飼うことを許さない。父の留守中にこっそりツォーホルを飼い出すナンサだが、ある日、放牧先でツォーホルとはぐれてしまう。そこで遊牧民のおばあさんに出会ったナンサは、“黄色い犬の伝説”を知る。ストーリーはどうってことのない、モンゴルの遊牧民の日常を淡々と追ったドキュメント風ドラマ。出演しているのは実際の家族で、まったく気負いのない自然な演技に引き込まれた(犬ですら!)。
これが遊牧民の普遍的な家族像なのかな。家族の一員としてあたりまえのように仕事をこなす子どもたち、優しい母親、寡黙な父親、生活を支える動物たち。
とても素敵な家族である。
舞台は終始、見渡すかぎり何もない、風の吹き抜ける草原。日本ではアニメでくらいしかお眼にかかれない風景で、“天空の草原”とは言い得て妙だ。
このように自然と直結した暮らしは、ときには苛酷な大自然に翻弄されることもあるだろうが、すべてを包み込む大地と晴れ渡った空のコントラストは限りなくやさしくて、心に染み入る。
モンゴルというなじみの薄い国で、大地とともに生きる遊牧民の暮らしぶりを丁寧に追った映像は一見の価値がある。
テントのような移動式家屋の内部が意外と豪華で暮らしやすそうなことに驚いたり、これを解体するシーンも興味深い。
家をたたんでしまえば、一家の荷物はびっくりするほど少ない。荷を牛に引かせ、羊を追いながらお引っ越し。こんなに身軽でシンプルな生活には憧れてしまうなぁ。
家の跡地で、お父さんとお母さんが感謝の祈りを捧げるシーンは素朴な感動を覚えることだろう。
評価:★★★★☆
2005年12月18日
ディア・ウェンディ(2005/デンマーク/監督:トマス・ヴィンターベア)
【アミューズCQN@渋谷】
ラース・フォン・トリアー脚本と知って俄然興味の沸いた本作だが、集客率は今ひとつのようで、劇場はガラガラ。ゆったり観られてよかったんだけど、ちょっと寂しいねぇ。
アメリカの小さな炭坑町。今、僕は愛する“ウェンディ”への別れの手紙を書いている。何でこういうことになったか…。話は初めて僕がウェンディに出会ったころに遡る。スーパーで働くディック(ジェイミー・ベル)がふとしたきっかけで購入した玩具の銃。しかしそれは本物の銃だった。友人のスティーヴィーとともに射撃練習を始めたディックは、銃をウェンディと名付け、恋人のような一体感を感じる。銃を片時も放さないようになった2人。ディックは町の負け犬たちを誘い、銃を持つことによって自信をつけさせようとする。監督は別人でも、トリアー色の色濃い本作。
話が進むにつれ、舞台である炭鉱町があまりに小さいことに驚く。独特の閉塞感が、ドッグヴィル(2003/デンマーク/監督:ラース・フォン・トリアー)を彷彿とさせる。
小さな町で、コンプレックスと疎外感を味わっていた子どもたちが、銃を手にしたことにより、自信と優越感を持ちはじめる。
子どもたちは“ダンディーズ”というチームを作り、廃炭鉱で集会を開くようになる。だんだんと儀式が仰々しくなり、銃を神格化させていくさまは、あまりにも幼稚で滑稽。本来の自分では生き辛い現実から逃避し、ファンタジーの世界にのめり込んでいくのが痛々しい。
こういう秘密結社ごっこは子どもにとっては魅力的で、それだけなら他愛のない遊びだが、何しろ本物の銃を扱っているのだから穏やかではない。
いつでも人を殺せる道具を懐に忍ばせていれば、誰でも気が大きくなるし、堂々とふるまえるだろう。
死なないと分かっていて車に飛び込むのは、勇気とは言わないのだ。
“正義の名のもとに銃を持つ”だなんて、どう考えたって矛盾している。
自分たちが見下されないよう、無言の脅しをかけるのが正義?
武力を誇示するものを、武力で叩きのめすのが正義?
“平和のための銃社会”“平和のための核武装”、何かが間違っている。いつか必ず破滅に導くことがわかっているのに、借り物の鎧をまとわずにいられない。
人間って、なんて愚かで弱いんだろう。
評価:★★★★☆
2005年12月07日
天然性侵略と模造愛(2005/日本/監督:山岡信貴)
【アップリンクX@渋谷】
アンダーグラウンドの鬼才・山岡信貴監督がパソコンを駆使し、たったひとりで作り上げた異色のSFサスペンス。

恋人のマヒルに働かせて、自分はのんびり自堕落な生活を楽しむ青年ナナセ。ある日、不思議なメッセージをきっかけに彼の身辺に異変が起こり始める。どうやら、ナナセそっくりの男がいる。それも一人や二人ではない。それらの異変の裏にちらつく20年前に失踪した生物科学者の父の影。そして、地球外から来た謎の生命体の死骸…。些細な事件はやがて生物としての人類の危機へとなだれ込んでゆく。
な、なんだかすごいものを観てしまったぞ。
面白かった…かな? うん、面白かった。
観る前はきっと、ついていけない映画だと思っていた。
実際のところ、ついていけてたのかどうかわからないが、小さなスクリーンに収まりきらない、圧倒的な狂気にひれ伏しそうになってしまった。
難解で深遠なテーマ、どこに進んでいくのかまったくわからないストーリー。ぐいぐい引き込まれた。みたことのない独自のビジュアルセンスと濃密な世界観。いやもう、放心状態です。
同監督の「Pig's Inferno」も多いに気になってきたけど、追加上映も9日限りかぁ。
い、行けない…(´・ω・`)
評価:★★★★☆
2005年11月01日
旅するジーンズと16歳の夏(2005/アメリカ/監督:ケン・クワピス)
公開前から気になっていた映画。
不安になるほどひっそりとした公開だが、そろそろ上映が終わってしまいそうなので、やはり劇場で観ておきたくなった。
明るく奔放なブリジット、プエルトリコ系で情熱的なカルメン、ギリシャ移民の可憐で内気なリーナ、個性的で反抗児のティビーは、母親たちが同じマタニティ教室に通っていたこともあり、産まれる前からずっと一緒だった。初めてばらばらに過ごすことになった16歳の夏、ショッピング中の古着屋で、ぜんぜん体型が違う4人の誰が履いてもぴったりサイズという不思議なジーンズをみつける。その魔法のジーンズを買った4人は、ひとり1週間ずつ履いて、そのときの出来事を記録して次の人に送るというルールを決め、それぞれの夏をすごす地に旅立っていく。
女の子4人が主役だが、甘さもほろ苦さもバランスがよく、ガーリッシュすぎないので男性も観やすい作品だと思う。
ただし、“大の男も泣ける映画”というのは誇張ではないので、「男は人前で云々」という人は要注意。
映画の日の本日は立ち見が出るほどの盛況ぶりで、男性も多かったが、場内は男女問わず鼻をすする音が…。
1本のジーンズをリレーし、それぞれのひと夏のエピソードがテンポよく展開。
どのエピソードも過不足なく丁寧に描かれていて、いきいきと泣いたり笑ったりする少女たちがまぶしい。
いつも一緒だった4人が、それぞれひとりで経験することになる、人生の痛みと苦しみ。
それを乗り越えるのは自分自身だが、支えてくれる友だちがいる人生の、なんと充実していることか。
ジーンズの魔法は誰が履いてもサイズぴったりなところだけで、それ以上の奇跡を起こしてくれるわけではない。友情をつなぐことで勇気と励ましをくれ、自ら決断し行動するきっかけとなるキーアイテムに徹しているところがニクイ。
観終わって、非常に満足した気分になるのは、全てにおいてバランスの良い映画だからだと思う。
4人組というのもキャラクターにバリエーションをもたせるのに功を奏しているし、一見ばらばらなキャスティングも、誰が突出することも埋没することもなく、きれいなアンサンブルを見せてくれた。
エピソードの間にジーンズ輸送のプロセスをはさむ演出も、まさに“旅するジーンズ”という感じでとてもよかった。
原題は“トラベリング・パンツ”というらしいが、この邦題も内容にぴったりで良いんじゃないでしょうか。
評価:★★★★☆
トラベリング・パンツ アン ブラッシェアーズ Ann Brashares 大嶌 双恵
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2005年10月09日
茶の味(2003/日本/監督:石井克人)
山間の小さな村に住む春野家の人々。片思いの女の子が転校し、後悔しきりの長男(佐藤貴広)。小学校一年生の妹(坂野真弥)は、巨大化した自分が勝手に動き回るのに悩んでいる。母(手塚理美)は義父(我修院達也)の指導のもと、アニメーター復帰作の制作に夢中。そんな妻にほうっておかれ、面白くない夫(三浦友和)。うららかな春に霞のようなモヤモヤを抱えている家族だったが、時間とともにそれぞれの状況も変化していき…。
全編通して、ひねもすのたりといった空気に、観ている最中は何度も止めたくなったが、最後にはもっとこの空気に浸っていたくなる。
なんとも不思議な味わいの映画。これはお茶よりもさらに淡白な“白湯”の滋味だと思った。カンヌ映画祭などにも出品されたそうだが、この味が日本人以外に通じるのだろうか?
妹役の坂野真弥と、叔父の浅野忠信の脱力系の演技がとても良い。
浅野忠信はそれほど好きな俳優でもないんだけど、やはりこの人の独特の存在感はすごい。周囲も浅野色に染めてしまう。淡々としつつも緻密な演技に引き込まれてしまった。
浅野忠信と元恋人の中島朋子のやりとりなど、あの見事な、グダグダでくすぐったい空気感を出すのは、並の俳優にはとても難しそう。
それにしても血縁関係がよくわからなかったなぁ。
おじい(我修院達也)と三浦友和が実の親子で、手塚理美と浅野忠信が実の姉弟?
春野家に三浦友和が婿入りしてるようなのだが、なぜそこにおじいがいるのか?
おじいと手塚理美は同じ職業で師弟といってもいい関係のようだし、ここに至るまでもなんだかいろいろとドラマがありそうな家族ではある。
【★★★★☆】
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2005年09月15日
チャーリーとチョコレート工場(2005/アメリカ/監督:ティム・バートン)
[新宿ピカデリー1]
ストーリーは、原作および前作「夢のチョコレート工場」とほぼ同じなので要約は割愛。前作はミュージカル仕立てだったのだが、今作はストレートな造りのため、ウンパルンパの歌と踊りが際立つ。
ウンパルンパの歌は前作のインパクトが強すぎることもあり、実はこの映画で最も苦労した箇所のひとつなのではないかと思う。一曲ごとに曲調を変え、ウンパルンパの奇天烈なパフォーマンスで、こちらもなかなか強烈な仕上がりになっている。
私はフリークスマニアなので、前作で本物のミゼットがわらわらちょこちょこ動きまわるのがタマランかったのだが、今回のウンパルンパ人は同じ人(ディープ・ロイ)を合成で増殖させているだけ。最初はちょっとがっかりしたが、これが非常に味のある顔つきで、どこをとっても同じ顔、金太郎飴状態のウンパルンパ人が画面を埋めつくす地獄絵図に、だんだんトリップしてくる。
よかったのはやはりチョコレート工場の内部。前作では泥流にしか見えなったチョコレートの河は、ちゃんと美味しそうなチョコレートに見えたしねw。あれなら私も飛び込んじゃうな。
原作にはないウィリー・ウォンカ(ジョニー・デップ)の過去(父親との確執)については、肯定的な意見が多いようだが、私ははっきりいっていらん付け足しだと思った。ま、個人的な好みだけど、家族愛を全面に押し出すようなのは趣味じゃないしね。貧しいチャーリー・バケット(フレディー・ハイモア)の家庭は、家のすさまじい傾きっぷり(45°に傾いてるドアのまま出入りしてるのはワラタ)と、老人4人がひとつのベッドで寝ているシュールさがコミカルに映り、貧しくても温かい家族の絆の描写も押しつけがましくない。バケット家だけでも充分家族愛というテーマは伝わってくると思うので、ウォンカの過去まで持ち出してきたのはくどいね。
ウォンカは経歴不詳・謎の天才ショコラティエで良かったんじゃないかなぁ。エキセントリックさの理由付けはあんまりしないで欲しかった。
ここらへんは、底辺に流れる悪意とのバランスをとるためのシナリオなのかな? こういう点を高評価につなげる人も多いのだろうが、シュールでダークな世界観でガッチリ固めた本作が観たかった気もする。
それにしても、子ども時代のウォンカの歯列矯正器は医療器具というより拷問に近い気が。そのおかげか、ウォンカの歯並びは美しかったけどねぇ。昔は本当にあんな恐ろしげな器械で矯正してたんだろか。
チャーリー役のフレディー・ハイモアはとてもかわいくて好印象。数年後にドラッグ漬けになっていないことを祈るばかりだ。←典型的ハリウッド子役のイメージ
予想以上に前作とイメージがかぶるのが気になったが、どちらも原作のエッセンスを損ねることなく愛をもって造られているということでもある。
なんだかんだいっても、誰もがかぶりつきで楽しめる傑作でしょう。
来月公開の「コープス ブライド」の前売券もしっかり買って帰ったよ。
【★★★★☆】
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チャーリーとチョコレート工場 特別版 ジョニー・デップ ロアルド・ダール ティム・バートン
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おすすめ平均文句なく楽しめました
ひさびさに、バートン印が満載の痛快作。
愉しいおもちゃ箱。
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2005年09月12日
鉄塔武蔵野線(1997/日本/監督:長尾直樹)
武蔵野線とはJRの路線ではなく、東京都保谷市と埼玉県日高市を結ぶ、全長28.1kmの高圧送電線のこと。
公開当時、送電線を束ねる鉄塔をたどる少年たちの物語という映画の記事をなにかで読んで、すごく興味を惹かれた。その後はタイトルすら忘れてしまい、ずっと観る機会もなかったのだが、このほどCSでようやく観ることができて、なんというか、感無量であります。
父の影響で、幼いころから鉄塔マニアの
いつもそこにあるのに、誰も改めてその存在に気付かない鉄塔。見慣れた日常風景の中に、独自の秘密の匂いを嗅ぎ出すのは子どもならでは。そんな日々もあったなぁと懐かしさに胸が熱くなり、ひと夏の冒険に心躍る。
誰もが多かれ少なかれ、小さな冒険を試みた子ども時代を通り過ぎてはいるが、過去に少年だった人のほうが、よりこの物語に入り込めるのだろうと思うとやや残念ではあるのだが。
それは、1号鉄塔を目指すだけでなく、すべての鉄塔の下にビールの王冠を埋めるというたわいもない“ルール”によく現われている。いかにも少年らしいこだわりで、意味などないのだろうが、この行為に本当の価値を見出すのは男性独自の感性だろうという気がした。
ジリジリと照りつける陽射し、濃い影、夕陽に染まる鉄塔、どのシーンを切り取っても夏の匂いが充満し、夏休みのワクワク感と同時に、どこか夏の終わりの寂寞感がただよう。
現在は電車男へと成長した伊藤淳史。無口で意志の強い少年の、鉄塔を見上げる真摯なまなざしが忘れ難い印象を残す、ノスタルジックでせつない映画。
【★★★★☆】
鉄塔武蔵野線 伊藤淳史 長尾直樹 銀林みのる
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おすすめ平均最高のロード鉄塔ムービー
毎年、夏に必ず見てしまう
ひと夏の大冒険
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2005年08月27日
東海道お化け道中(1969/日本/監督:安田公義・黒田義之)
「鬼塚」の塚守りがやくざ同士のいざこざから殺され、その孫娘・お美代は、まだ会ったことのない父親を探して東海道を下る旅に出るが、彼女に犯行を目撃されたやくざたちが彼女を追う。だが、彼女が危機に陥ると「鬼塚」ゆかりの妖怪たちが現れて彼女に協力していく。
大映・妖怪三部作の第3弾。雰囲気としては、1作めの「妖怪百物語」に近い感じ。
前2作に比べ、妖怪のキャラがいまひとつ立っていないように思えるが、本作では妖怪はサポート的な役割を果たしているにすぎず、主役はあくまで美代ちゃんなのだ。
妖怪たちの活躍が添え物的なのがやや残念ではあるが、ドラマの起承転結もしっかりしているので最後まで飽きない。
美代が鬼塚を守ってきた塚守りの孫で、しかもやくざたちは鬼塚で血を流してはならないという言い伝えをやぶったという前提があるので、妖怪たちが美代を助けるのも突飛な感じはしない。
妖怪の存在を敬い、共存しようとする人間は助けるが、むやみに領域を犯す人間には容赦しない。コミカルで親しみやすい面もあれば、おそろしい牙をむくこともある。日本の妖怪は弱い者の味方で、頼りになるね。
【★★★☆☆】
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東海道お化け道中
大映・妖怪三部作の第3弾。雰囲気としては、1作めの「妖怪百物語」に近い感じ。
前2作に比べ、妖怪のキャラがいまひとつ立っていないように思えるが、本作では妖怪はサポート的な役割を果たしているにすぎず、主役はあくまで美代ちゃんなのだ。
妖怪たちの活躍が添え物的なのがやや残念ではあるが、ドラマの起承転結もしっかりしているので最後まで飽きない。
美代が鬼塚を守ってきた塚守りの孫で、しかもやくざたちは鬼塚で血を流してはならないという言い伝えをやぶったという前提があるので、妖怪たちが美代を助けるのも突飛な感じはしない。
妖怪の存在を敬い、共存しようとする人間は助けるが、むやみに領域を犯す人間には容赦しない。コミカルで親しみやすい面もあれば、おそろしい牙をむくこともある。日本の妖怪は弱い者の味方で、頼りになるね。
【★★★☆☆】
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角川エンタテインメント 2005-07-29
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2005年08月27日
トーク・トゥ・ハー(2002/スペイン/監督:ペドロ・アルモドバル)
ほぼネタバレ注意。
バレリーナ志望の美しいアリシア(レオノール・ワトリング)に恋心を抱くベニグノ(ハビエル・カマラ)。アリシアは交通事故に遭い、植物状態になってしまうが、ベニグノは幼いころから寝たきりの母親の世話をしてきた経験を活かし、アリシアの介護士となって献身的に尽くす。
一方、ライターのマルコ(ダリオ・グランディネッティ)は女闘牛士のリディア(ロサリオ・フローレス)と出会い、2人は恋人となるが、リディアもまた競技中の事故で昏睡状態に陥る。リディアはアリシアのクリニックに入院し、同じ境遇のマルコとベニグノにいつしか友情が芽生えていく。
バレリーナと女闘牛士、偏った愛しか知らない男と相手を思いやる男、死んでゆく女と生き返る女、みごとに対称的な2組の男女を描くことで、さまざまな愛の形を浮き彫りにする。
ベニグノがアリシアをレイプし妊娠させてしまうというショッキングな事件により、ベニグノは投獄されてしまう。
ベニグノの行為には嫌悪感を抱かずにいられないが、死産したことによってアリシアは奇跡的に生還する。
4年間、意識が眠っている間も休むことなく語りかけられ、愛を受け続けた女は眠りからめざめるが、ただ泣くばかりの恋人に去られた女はついにめざめることはなかった。どちらがより幸せなのかという極論は意味をなさないが、少なくともベニグノの献身的な介護は、マルコの“諦め”よりも意味のあるひとつの愛の形と思える。ベニグノは意識のないアリシアの全身を清拭し、髪を整え、生理の処理もする。休みの日には、アリシアの好きだった舞台や映画を鑑賞し、内容を語って聴かせる。家族だってなかなかここまでできないだろう。
だが、ベニグノとアリシアの間に“関係性としての恋愛”は成立していない。ベニグノの独善的で一方的な愛を、アリシアは自分の意志でもって受け入れることも拒否することもできず、ただ受け続けるだけだ。眠っている間に、見ず知らずの王子にキスされて目覚めた眠り姫は、王子を受け入れてハッピーエンドとなったが(よく考えたらこの眠り姫は何を考えているのかよくわからないね)、アリシアはどうだったろう。ラストで、バレエ教室に復帰し、舞台を鑑賞するアリシアは、少なくとも事実は事実として受け入れ、なおも前向きに生きていこうとする姿のように見えるが、ベニグノへの感情は言及されないので想像にゆだねるしかない。
ベニグノの行為は許されることではないが、ベニグノにとって何よりも重い罰は、刑務所に入れられたことではなく、自身の行為によってアリシアを目覚めさせてしまったことではないだろうか。ベニグノは人形のアリシアを愛し、何も応えない彼女に尽くすことが幸せだったのだから。
「アリシアと同じ世界に行く」と言い残し、昏睡状態に陥る量の薬を飲んで自殺を図り、結局は死んでしまうが、たとえ首尾よく植物状態になったとしても、そこにアリシアはもういない。彼の代償にふさわしいのは、やっぱり植物状態に陥らせることではなかったのかと思う。彼を殺してしまったことによって、結局は“愛の奇蹟”的な美談となってしまっていることは残念だ。
アルモドバル監督は初期のコメディ路線しか観ておらず、エキセントリックな映画を撮る人というイメージだったのが、本作は深く静かで美しい映画だった。
非常に完成度は高いが、個人的には、初期の洗練されすぎていない独特の色彩感覚やエキセントリックすぎるキャラクター造形のがより好みかな。
【★★★☆☆】
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トーク・トゥ・ハー
バレリーナ志望の美しいアリシア(レオノール・ワトリング)に恋心を抱くベニグノ(ハビエル・カマラ)。アリシアは交通事故に遭い、植物状態になってしまうが、ベニグノは幼いころから寝たきりの母親の世話をしてきた経験を活かし、アリシアの介護士となって献身的に尽くす。
一方、ライターのマルコ(ダリオ・グランディネッティ)は女闘牛士のリディア(ロサリオ・フローレス)と出会い、2人は恋人となるが、リディアもまた競技中の事故で昏睡状態に陥る。リディアはアリシアのクリニックに入院し、同じ境遇のマルコとベニグノにいつしか友情が芽生えていく。
バレリーナと女闘牛士、偏った愛しか知らない男と相手を思いやる男、死んでゆく女と生き返る女、みごとに対称的な2組の男女を描くことで、さまざまな愛の形を浮き彫りにする。
ベニグノがアリシアをレイプし妊娠させてしまうというショッキングな事件により、ベニグノは投獄されてしまう。
ベニグノの行為には嫌悪感を抱かずにいられないが、死産したことによってアリシアは奇跡的に生還する。
4年間、意識が眠っている間も休むことなく語りかけられ、愛を受け続けた女は眠りからめざめるが、ただ泣くばかりの恋人に去られた女はついにめざめることはなかった。どちらがより幸せなのかという極論は意味をなさないが、少なくともベニグノの献身的な介護は、マルコの“諦め”よりも意味のあるひとつの愛の形と思える。ベニグノは意識のないアリシアの全身を清拭し、髪を整え、生理の処理もする。休みの日には、アリシアの好きだった舞台や映画を鑑賞し、内容を語って聴かせる。家族だってなかなかここまでできないだろう。
だが、ベニグノとアリシアの間に“関係性としての恋愛”は成立していない。ベニグノの独善的で一方的な愛を、アリシアは自分の意志でもって受け入れることも拒否することもできず、ただ受け続けるだけだ。眠っている間に、見ず知らずの王子にキスされて目覚めた眠り姫は、王子を受け入れてハッピーエンドとなったが(よく考えたらこの眠り姫は何を考えているのかよくわからないね)、アリシアはどうだったろう。ラストで、バレエ教室に復帰し、舞台を鑑賞するアリシアは、少なくとも事実は事実として受け入れ、なおも前向きに生きていこうとする姿のように見えるが、ベニグノへの感情は言及されないので想像にゆだねるしかない。
ベニグノの行為は許されることではないが、ベニグノにとって何よりも重い罰は、刑務所に入れられたことではなく、自身の行為によってアリシアを目覚めさせてしまったことではないだろうか。ベニグノは人形のアリシアを愛し、何も応えない彼女に尽くすことが幸せだったのだから。
「アリシアと同じ世界に行く」と言い残し、昏睡状態に陥る量の薬を飲んで自殺を図り、結局は死んでしまうが、たとえ首尾よく植物状態になったとしても、そこにアリシアはもういない。彼の代償にふさわしいのは、やっぱり植物状態に陥らせることではなかったのかと思う。彼を殺してしまったことによって、結局は“愛の奇蹟”的な美談となってしまっていることは残念だ。
アルモドバル監督は初期のコメディ路線しか観ておらず、エキセントリックな映画を撮る人というイメージだったのが、本作は深く静かで美しい映画だった。
非常に完成度は高いが、個人的には、初期の洗練されすぎていない独特の色彩感覚やエキセントリックすぎるキャラクター造形のがより好みかな。
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これは…凄い!
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2005年08月25日
ドッグヴィル(2003/デンマーク/監督:ラース・フォン・トリアー)
ロッキー山脈の麓に孤立する小さな村・ドッグヴィル。
ある日、ギャングに追われる美女・グレース(ニコール・キッドマン)が逃げ込んできた。
トム(ポール・ベタニー)は、村でグレースを匿うことを主張。排他的な村人も、村で労働奉仕するグレースに次第に打ち解け、心を開いていく。
グレースもドッグヴィルが好きになっていくが、村人の要求は次第にエスカレートし、やがてグレースを奴隷のように扱うようになる。嫌気がさして村を逃げ出すが、すぐに連れ戻され、逃げないように重しをつけた首輪をはめられた。それからの扱いは家畜と変わりなく、夜な夜な男たちに蹂躙されるグレース。
そして、ギャングがグレースを迎えにやってきて、村に審判の日が訪れる。
地べたに線を引いただけの簡易なセット(というより見取り図)にまず驚く。
建物の屋根も壁もなく、それぞれの家の中(とされるスペース)で、住人が何をやっているのか一目瞭然なのだ。
建物の出入りや、ドアを開ける動作はパントマイムで表現するのだが、「ガラスの仮面」のマヤのひとり芝居にまったく同じシチュエーションがあったなぁ(こちらは演劇だが)。
「ガラスの仮面」の場合は、マヤの演技力を際立たせるための手法だったが、この映画の意図はちょっとわかりにくい。だが観ているうちに、“境界”が存在せず、村全体を一目で俯瞰できることで、かえってドッグヴィルの閉鎖性が際立ってくるのがふしぎだ。あるべきものを排除することによって、見えないものが見えてしまう。逆にいえば、見せたいものがより強調されるという驚くべき演出である。
村の男が家の中でグレースをレイプしているのに、他の村人はまったく気づかないというシーンで、ようやく「やりたかった(見せたかった)のはこれだったのか」と気づくことになる。
反米映画といわれているようだが、舞台はどこでも良いんじゃないだろうか。
日本でも横溝正史の世界などまさにドッグヴィル的だ。
ただ、“人が人を赦すこと/裁くこと”というテーマは欧米の宗教観を感じる。
どれほど人間性を貶められても赦し続けるグレースの存在は、さながら、原罪を背負った人々を試すために降臨した女神のようですらある。
しかし、最後の審判で逡巡し、いったんはドッグヴィルの人々を赦しかけたり、裁きを下すのにも自分の手を使わないところは神らしくない(グレースが手をかけたのはトムだけ)。神は、ハルマゲドンを躊躇はしないだろうに。
結局は『“人を赦す”という傲慢を乗り越えた人間』の出した審判だったのではないかと思うし、そうなると“人を裁く”こともまた傲慢で、どこまでいっても人間とは傲慢で尊大な生き物なのだと痛感した。
ムズカシイことはさておき、ドッグヴィルの人々は“人間の家畜化”のステップが下手だね。完璧な家畜化マニュアルとして、「家畜人ヤプー」(沼正三)をおすすめしとこう。
じつは、この監督の映画は初めて。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」はあえて避けてきたところがあるんだけど、こういう問題性の高い映画は好きなので、やっぱり観てみることにしました。
【★★★★☆】
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ドッグヴィル
ある日、ギャングに追われる美女・グレース(ニコール・キッドマン)が逃げ込んできた。
トム(ポール・ベタニー)は、村でグレースを匿うことを主張。排他的な村人も、村で労働奉仕するグレースに次第に打ち解け、心を開いていく。
グレースもドッグヴィルが好きになっていくが、村人の要求は次第にエスカレートし、やがてグレースを奴隷のように扱うようになる。嫌気がさして村を逃げ出すが、すぐに連れ戻され、逃げないように重しをつけた首輪をはめられた。それからの扱いは家畜と変わりなく、夜な夜な男たちに蹂躙されるグレース。
そして、ギャングがグレースを迎えにやってきて、村に審判の日が訪れる。
地べたに線を引いただけの簡易なセット(というより見取り図)にまず驚く。
建物の屋根も壁もなく、それぞれの家の中(とされるスペース)で、住人が何をやっているのか一目瞭然なのだ。
建物の出入りや、ドアを開ける動作はパントマイムで表現するのだが、「ガラスの仮面」のマヤのひとり芝居にまったく同じシチュエーションがあったなぁ(こちらは演劇だが)。
「ガラスの仮面」の場合は、マヤの演技力を際立たせるための手法だったが、この映画の意図はちょっとわかりにくい。だが観ているうちに、“境界”が存在せず、村全体を一目で俯瞰できることで、かえってドッグヴィルの閉鎖性が際立ってくるのがふしぎだ。あるべきものを排除することによって、見えないものが見えてしまう。逆にいえば、見せたいものがより強調されるという驚くべき演出である。
村の男が家の中でグレースをレイプしているのに、他の村人はまったく気づかないというシーンで、ようやく「やりたかった(見せたかった)のはこれだったのか」と気づくことになる。
反米映画といわれているようだが、舞台はどこでも良いんじゃないだろうか。
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ドッグヴィル プレミアム・エディション
ニコール・キッドマン ラース・フォン・トリアー ポール・ベタニー
ジェネオン エンタテインメント 2004-07-23
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おすすめ平均
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ドッグヴィル コンプリートBOX
ニコール・キッドマン ラース・フォン・トリアー ポール・ベタニー
ジェネオン エンタテインメント 2004-07-23
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2005年07月29日
デビルマン(2004/日本/監督:那須博之)
暑さで頭がおかしくなり、惨澹たる評価の本作を借りてしまいました。
ストーリーはよくわかりません。私の頭が悪いのか、本当にあんまり思い出せない。
中だるみどころか、最初から最後までたるみっぱなしの脚本で、睡魔と戦いながらの鑑賞だったが、がんばって最後まで観たはずなのになぁ?? 細かい疑問点が多すぎて、全体像が掴めなかった。
まったくポイントが絞れていない散漫な脚本、素人目にもいいかげんな演出も問題あるが、出演者の演技が揃いも揃ってアレなので、心に残るシーンが皆無というのも大きい。主演の双子に至っては、笑いを通り越して、もはやいたたまれない。彼らの今後のキャリアが心配だ。(嘘)
ツッコミ入れたらキリがないが、原作を読んでいなくても重要と思われるシーンが省かれている意図がわからない。とくに、デビルマンvsシレーヌの決着と、ミーコが少年を助ける場面がばっさりカットされているのは繋がり悪すぎ。シレーヌなんてその後どうなったのかさっぱりだし、一体何があったんだ。
ボブ・サップや小林幸子のシーンは抜いても、そこは省いちゃいけなかったんじゃ。
……えっ、これ制作費10億!? 学校と牧村家と商店街しか出てこないのに、一体何に使ったの、そのお金。無駄遣いする子どもを叱る親みたいな気分だ。
とりあえず、主演の双子は「ガラスの仮面」を100回読んだほうがいいと思う、マジで。北島マヤのように、演技に真摯に向き合え。
【★☆☆☆☆】
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デビルマン
ストーリーはよくわかりません。私の頭が悪いのか、本当にあんまり思い出せない。
中だるみどころか、最初から最後までたるみっぱなしの脚本で、睡魔と戦いながらの鑑賞だったが、がんばって最後まで観たはずなのになぁ?? 細かい疑問点が多すぎて、全体像が掴めなかった。
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ツッコミ入れたらキリがないが、原作を読んでいなくても重要と思われるシーンが省かれている意図がわからない。とくに、デビルマンvsシレーヌの決着と、ミーコが少年を助ける場面がばっさりカットされているのは繋がり悪すぎ。シレーヌなんてその後どうなったのかさっぱりだし、一体何があったんだ。
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デビルマン 特撮(映像) 永井豪 那須博之 伊崎央登
東映 2005-04-21
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おすすめ平均日本映画界が排出した産業廃棄物
えっと、、
何故この作品を作った!!
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2005年07月24日
血と骨(2004/日本/監督:崔洋一)
一旗挙げることを夢みて、済州島から大阪の朝鮮人集落へやって来た金俊平(ビートたけし)。持ち前の強靭な肉体と凶暴性でのし上がっていき、周囲から恐れられる存在になる。開業した蒲鉾工場で職人を酷使し富を得て、自宅の前に家を買い堂々と愛人を囲うなど、俊平の暴挙はとどまるところを知らない。妻の李英姫(鈴木京香)やふたりの子どもは俊平の暴力に怯えて何も言えず暮らしていた。千原ジュニアがこの映画を“ビートたけしの怪獣映画”と評していたが、なるほどすさまじい暴れっぷり。精力満点で女を次々と蹂躪し、腐った豚の生肉を常食している(……)あたりも人間ばなれしていて良いですね。フーフー吹いてるのは熱いわけではなく、蛆を飛ばすためか?
私の父親も家庭内暴君だったので、観ていてひたすら憂鬱だった。娘の花子(田畑智子)が嫁いだのもやはり暴力亭主というところに“不幸の連鎖”をひしひしと感じ、さらに鬱。いくら俊平の暴力の根底には家族への愛情があると言われても(あるのか?)、やっぱり暴力は人の自尊や矜持を根本から奪うので、ひたすら怯えて暮らす家族のほうに感情移入してしまった。
ただ耐えるだけの妻の描き方が物足りないという感想を多く見かけたが、実際に暴力亭主を持ったらあんな感じかと。私は逆に、逃げ出すわけでもなく暴力に屈し支配される家族にリアリティを感じたなー。
ただ、年老いても徹底して自己中心主義を貫く俊平の行きざまは圧巻だった。身体を害したり家族が死んでも決して自分の生き方に妥協しない。
最期はあれだけ固執した全財産も故国に寄付し、極寒の地で息を引き取る俊平。誰にも心を許さず誰からも愛されなかった人生は、一般的な価値観からは不幸にしか見えないが、自己を貫いて充足して死んでいったのではないだろうか。
すでに老境に差しかかっても若い息子を返り討ちにする腕力は、もしやあの腐肉のおかげだったのだろうか?
ビートたけしは決して演技のうまい役者ではないけれども、アクの強い特異な人物を演じても呑まれることがないので、こういうオヤジはハマリ役。
鈴木京香の自然な老けかたにもびっくりした。今後はあたりさわりのないきれいどころを演じるより、所帯じみたおばさん路線で行ったら良いんじゃないか。
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血と骨 コレクターズ・エディション ビートたけし 梁石日 崔洋一 鈴木京香
ポニーキャニオン 2005-04-06
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おすすめ平均エゴの怪物
金俊平は、モンスターでした。
感ぜよ人体
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2005年07月18日
ドラムライン(2002/アメリカ/監督:チャールズ・ストーン三世)
ついには演奏会で他校と乱闘騒ぎを起こし、さらに楽譜を読めないことが発覚してバンドを追放されてしまう……。
日本ではあまりなじみのないマーチングバンドだが、本国ではスポーツ試合のハーフタイムに演じられるパフォーマンスが試合そっちのけで盛り上がったりするほど熱いらしい。
本気でマーチングバンドに賭けている部員たちは、男女関係なく運動部なみにきっつい訓練を積んでいるのに驚くが、決して軽いとはいえない楽器を演奏しつつ激しく動かなきゃならないんだから、そりゃぁ体力も筋力もいるよねぇ。
そういうわけで、前半はほとんどスポ根ドラマと言っても過言ではなく、音楽に興味がなくてもスポーツ好きならば充分楽しめる。
いやいや、どっちも興味がなくても楽しめます。私がそうなんだけどw
ストーリーは、メインであるマーチングバンドの演奏シーンの迫力を損ねない程度にシンプルでストレート。観るべきものは音楽パフォーマンスであり、ドラマ重視の映画ではないので(と言い切るのもアレだけど)、まぁこんなもんでしょう。主人公に打ち込めるものがあって、それに友情・恋愛・勝負が絡むという青春ドラマのエッセンスが全て詰まっており、無難かつ王道。
難を言えば、主人公が最初から上手すぎるので、感情移入に必要なレベルアップの過程がないということかな。
フィールド狭しと繰り広げられるマーチングバンドのパフォーマンスはとにかく熱く激しくノリノリで、その躍動感に釘付けになる。
競技会での勝負を決める“ドラムライン対決”が新鮮。音楽の世界に、こんな体育会系の勝負のしかたがあるんだねぇ。カッコイイな〜。
日本でブラスバンドパフォーマンスが堪能できる機会といえば、「ブラスト!」来日公演がおススメ。私も昨年、たまたま観に行く機会があったのだが、ブラスバンドというものへの認識が変わりました。
【★★★☆☆】
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2005年07月16日
誰も知らない(2004/日本/監督:是枝裕和)
そんなある日、母親は、20万円の現金と「しばらく頼むね」と書いたメモを置いたまま姿を消した。
私がこの映画のことを知ったのは、例によって、チハラトークで時々映画の感想を述べている千原ジュニアと、実際に出演している木村祐一の公開当時のコメント。カンヌで賞を取ったとかは関係なしに、YOUと木村祐一が出ていることから興味をそそられていた映画であり、題材が題材だけに「さぁ泣くぞ」といった気合いを入れて観たのだが、意に反してまったくお涙頂戴映画になっていないことに驚いた。
このように悲惨な事件をモチーフにとれば、いくらでもドラマチックな内容にできるのに、実に淡々としたトーンで子どもたちの生活が描かれており、事件の是非を問う直接的なメッセージ性はない。このような描き方に賛否両論あるようだが、一歩引いた目線の静かな描写が現実感を伴いつつ、どこかファンタジー性まで持たせた演出には驚嘆。
母親が蒸発した当初は、まだ母親の帰りを信じているためか子どもたちも明るく、それほど悲壮感はないが、当然のように生活資金も底を尽き、徐々に部屋は荒廃し子どもたちの様子も汚らしくなっていく。水道も電気も止められ、どうにもならない状況に明はイライラを隠せなくなってくる。母親がいなくなってから1年はゆうに過ぎていくが、大人と子どもでは時間の流れ方が違う。子どもたちにしてみれば永遠にも等しい長さだったろう。
それでも子どもたちは自分たちの小宇宙に固執し、大人に助けを求めようとしない。そんな子ども特有の楽観性と純粋性とある種の残酷さが痛々しくて胸に迫るが、それが不幸にしか見えないのは大人のフィルタを通すからだ。この映画は極力そんなフィルタを排除しようとしており、ハッピーともアンハッピーともつかないラストシーンで自分なりの答えが見つかる……かもしれない。
主演男優賞の柳楽優弥はもちろんいいが、私は長女役の北浦愛が印象的だった。4人きょうだいの中では最も地味で暗い性格だが、明るく屈託のない子どもより難しい役だと思う。北浦愛の実際のキャラと合っていたのかもしれないが、自然で微妙な表情から心情が最もよく伝わってきた。今後、子役として活躍するのは末っ子の清水萌々子ちゃんかもしれないけどね。
無責任な母親を演じるYOUは、ナチュラルな演技というよりYOUそのもの。子どもたちもそうなんだけど、演技力云々と言って良いのかどうかわからないほど自然体。ただYOUの存在感がこの映画の見どころの一つになっていることは確かで、間の取り方やアドリブはダウンタウンに鍛えられたのだろうと思えることはファンとしてちょっぴり嬉しくなる。(YOUじゃなくてダウンタウンの)
【★★★★☆】
≫巣鴨子供置き去り事件
≫東京都・豊島区子供置き去り事件報道に関する抗議文
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おすすめ平均一人でも多くの、大人、に見てもらいたい映画。
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「誰も知らない」ような社会に生きる私たちへのメッセージを含んだ秀作
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2005年07月11日
東海道四谷怪談(1959/日本/監督:中川信夫)
数ある四谷怪談映画の中でも最高傑作と名高い、中川信夫監督版。同監督の「地獄」(レビュー未掲載)は、どうもなんだかゴチャゴチャしていて私はあまり好きではないのだが、本作は凝った演出とメリハリの効いた脚本で、どぎついホラー映画を見慣れた現代人にも充分通じる魅力があり、お岩怨霊の怖さを知っている日本人でヨカッタ! とすら思えてしまう映画だ。
とても50年近く前の映画とは思えない、斬新でカッコイイ演出には目を見張る。
とくに、天井に戸板に打ち付けられたお岩さんが現われるシーンと、伊右衛門(天知茂)が錯乱し仲間の直助(江見俊太郎)を斬り付けると荒れ寺の一室が一瞬にしてお岩さんの死体を流した沼地に変わるシーンはぞくぞくするほど素晴らしい。
それにしても、伊右衛門役の天知茂の色悪ぶりはどうしてくれよう。プライドばかり高く、優柔不断でどこか女々しい感じがたまらない。原作の伊右衛門の根っからの悪党ぶりとは少しイメージが異なるのだが、私はこの作品で初めて天知茂の魅力が判った気がする。
お岩役の若杉嘉津子の怖さもかなりのもので、かぼそい声の「い〜え〜も〜ん〜ど〜の〜」が当分頭から離れそうにない。
毒を飲まされてただれた顔は不自然さもなく、これまた時代を感じさせない見事な特殊メイクに感心いたしました。
私の子ども時代のもう一つのトラウマ映画は「怪談累が淵」で、長らくあの恐怖をまた味わいたいと思っていたのだが、雰囲気からしてやはり中川信夫監督版なのではないかという気がしてきた。いっちょDVD買ってみっか。
【★★★★★】
東海道四谷怪談 天知茂 中川信夫 鶴屋南北
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おすすめ平均四谷怪談の最高傑作
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2005年05月30日
弾丸ランナー(1996/日本/監督:サブ)
仕事も失敗ばかりで彼女にもふられた冴えない男(田口トモロヲ)が、何かデカイことをやろうと銀行強盗を決意。うっかり忘れたマスクを万引きしようとするが、コンビニ店員で覚醒剤中毒のミュージシャン(DIAMOND☆YUKAI)に気付かれ、慌ててピストルを発射、店員の腕を撃ってしまう。逆上した店員に追いかけられ、逃げるうちに商店街でヤクザ(堤真一)にぶつかった。ヤクザも2人を追いかけ始め、いつのまにか3人で疾走することに。
3人のダメ人間が走って走って走りまくる、ただそれだけの映画。
プロットは面白いんだけど、ランナー映画のわりにテンポがいまひとつで、ドライブ感があまり得られなかった。
しかし、ランナーズハイというのか、三者三様の妄想と過去の記憶がフラッシュバックするタイミングがうまく、最後まで飽きない。
OLとすれ違った3人がそれぞれの妄想を膨らませるくだりは、ひたすら走ることのエクスタシーが最もわかりやすく表現されているのではないだろうか。
ランナー映画というと、東宝50周年の奇作「幻の湖」を思い出すが、やはり走っているうちにだんだん目的がわからなくなり、走るために走っている状態になってしまうあたりが共通している。
限界を超えて走るうちに分泌される脳内麻薬は覚醒剤なんかよりずっと気持ちがイイものなのだろう。そうでなきゃマラソン選手があんなにがんばれるはずはない。
たまにはそんなになるまで走ってみたい気持ちになるね。
【★★★☆☆】
3人のダメ人間が走って走って走りまくる、ただそれだけの映画。
プロットは面白いんだけど、ランナー映画のわりにテンポがいまひとつで、ドライブ感があまり得られなかった。
しかし、ランナーズハイというのか、三者三様の妄想と過去の記憶がフラッシュバックするタイミングがうまく、最後まで飽きない。
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たまにはそんなになるまで走ってみたい気持ちになるね。
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2005年05月28日
大巨獣ガッパ(1967/日本/監督:野口晴康)
雑誌プレイメイト社の社長は、島をまるごと改造したテーマパーク・プレイメイトランドの建設を発表。
島に放す動物を捕獲するため、南洋のオベリスク島を訪れた記者の黒崎浩(川地民夫)とカメラマンの小柳糸子(山本陽子)は、洞窟で巨大生物の骨と卵を発見した。
卵から生まれた爬虫類のような生物・ガッパを現地民の反対も聞き入れずに日本に連れ帰るが、ガッパの親が我が子を追って日本に上陸。2匹の大巨獣に自衛隊や米軍はなすすべもなく、熱海は壊滅状態に陥る。
河童と鳥をミックスしたようなガッパのデザインが異彩を放つ、日活製作の怪獣映画。
雑誌の創刊5周年記念で一大テーマパークを造るというバブリーすぎる発想や、都合良く日本語を話す南洋の島の現地民(どう見ても日本人)など、強引な脚本が目立つが、全体的に丁寧に作られており好印象。ダイレクトな歌詞がステキな主題歌も良い。がっぱ〜〜がっぱ〜〜♪
怪獣の子どもを拉致してくれば、その親が追いかけてくるのはセオリーだが、洞窟から2匹のガッパが現われたときはちょっと驚いた。おとんとおかんセットで! 家族愛を描いた怪獣映画とは思いもよらぬ展開だった。
ふだんは洞窟に引きこもっているくせに、じつは水中に潜れて空も飛べて殺人光線を吐くというスーパー怪獣が2匹とは、もはや人間の力の及ぶところではない。
それにしても、何だかガッパのスケールが統一されていない気がするのだが、怪獣映画では気にしてはいけないポイントなのか?
ガッパはあの親子3匹しかいないのかなぁ。将来、子どもとつがう異性のガッパがいないと種が滅んでしまうよ。がんばれガッパ一族。
でも日本に嫁さん探しに来ないでね。
【★★★☆☆】
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大巨獣ガッパ
島に放す動物を捕獲するため、南洋のオベリスク島を訪れた記者の黒崎浩(川地民夫)とカメラマンの小柳糸子(山本陽子)は、洞窟で巨大生物の骨と卵を発見した。
卵から生まれた爬虫類のような生物・ガッパを現地民の反対も聞き入れずに日本に連れ帰るが、ガッパの親が我が子を追って日本に上陸。2匹の大巨獣に自衛隊や米軍はなすすべもなく、熱海は壊滅状態に陥る。
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それにしても、何だかガッパのスケールが統一されていない気がするのだが、怪獣映画では気にしてはいけないポイントなのか?
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2005年04月10日
富江 最終章〜禁断の果実〜(2002/日本/監督:中原俊)
あまり評価の良くない2・3作目をすっとばし、最終章を観る。
このシリーズは毎回違う女優が富江に紛しており、今作は安藤希。富江にしてはやや幼い感じがするので、イメージ的にはやはり菅野美穂が最もマッチしているかな。
いじめられっ子の登美恵(宮崎あおい)は、同じ名前を持つ富江という美少女に出会い、その美貌と妖しい魅力に惹かれていくが、家に招いた富江を見た登美恵の父親は愕然とする。それは25年前に死んだはずの初恋の相手だった。
1作め同様、ホラーとしてはまったく怖くないが、傍若無人でやりたいことをやり、言いたいことを言う富江のキャラ(基本は命令口調)が原作に近く、悪くない。
またタイトル通り、登美恵と富江はレズビアン的な描かれ方をしており、安藤希と宮崎あおいのファンなら楽しめるのではないだろうか。
何といっても、次第に富江に狂わされていく登美恵の父親の存在がこの映画の質を底上げしている。
それにしても、こんなに続いているということは人気あるんだねぇ、富江シリーズ。
現在、「富江 BEGINING」「富江 REVENGE」が同時公開されており、これが最終章などではぜんぜんないのであった。
BEGINING, REVENGEも予告編を見るかぎりではなかなか面白そうなので、機会があれば観てみたい。
【★★★☆☆】
このシリーズは毎回違う女優が富江に紛しており、今作は安藤希。富江にしてはやや幼い感じがするので、イメージ的にはやはり菅野美穂が最もマッチしているかな。
いじめられっ子の登美恵(宮崎あおい)は、同じ名前を持つ富江という美少女に出会い、その美貌と妖しい魅力に惹かれていくが、家に招いた富江を見た登美恵の父親は愕然とする。それは25年前に死んだはずの初恋の相手だった。
1作め同様、ホラーとしてはまったく怖くないが、傍若無人でやりたいことをやり、言いたいことを言う富江のキャラ(基本は命令口調)が原作に近く、悪くない。
またタイトル通り、登美恵と富江はレズビアン的な描かれ方をしており、安藤希と宮崎あおいのファンなら楽しめるのではないだろうか。
何といっても、次第に富江に狂わされていく登美恵の父親の存在がこの映画の質を底上げしている。
それにしても、こんなに続いているということは人気あるんだねぇ、富江シリーズ。
現在、「富江 BEGINING」「富江 REVENGE」が同時公開されており、これが最終章などではぜんぜんないのであった。
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【★★★☆☆】
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2005年04月10日
富江(1999/日本/監督:及川中)
伊藤潤二のファンなので原作は全て読んでいるが、映画は初めて。
その美貌に全ての男がトリコになり、殺さずにはいられない。バラバラに切り刻んでも、細胞の一片から必ずよみがえる、美しくも恐ろしい富江。リングの貞子に勝るとも劣らないヒロイン造形だと思うのだが、映画はいまひとつ。
富江役の菅野美穂は原作ファンから見ても良いキャスティングだと思うので、前半のなかなか富江の素顔が映されない演出がまだるっこしい。何度も途中で観るのやめそうになったが、菅野美穂が映ってからがこの映画のキモ。
美しさゆえに他の女性にねたまれるのは日常茶飯事だが、「化物」と呼ばれることに対しては異常にキレる富江。化物にはちがいないんだけど、やっぱり女心だなぁ。
【★★☆☆☆】
▼映像で観る富江ワールド。
富江 replay
山口紗弥加 宝生舞 光石冨士朗

富江 re-birth
酒井美紀 妻夫木聡 遠藤久美子 清水崇

富江 最終章-禁断の果実- デラックス版
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富江 アナザフェイス featuring 永井流奈
永井流奈 伊藤潤二

▼マンガで読む富江ワールド。
その美貌に全ての男がトリコになり、殺さずにはいられない。バラバラに切り刻んでも、細胞の一片から必ずよみがえる、美しくも恐ろしい富江。リングの貞子に勝るとも劣らないヒロイン造形だと思うのだが、映画はいまひとつ。
富江役の菅野美穂は原作ファンから見ても良いキャスティングだと思うので、前半のなかなか富江の素顔が映されない演出がまだるっこしい。何度も途中で観るのやめそうになったが、菅野美穂が映ってからがこの映画のキモ。
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永井流奈 伊藤潤二
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2005年04月08日
太陽を盗んだ男(1979/日本/監督:長谷川和彦)
安アパートの一室で原爆を作り国家にケンカをふっかける、冴えない理科教師(沢田研二)。
原爆を作るのは難しくないが、原料となるプルトニウムの入手は不可能。ではどうするか。原子力発電所に盗みに入るのだ。
これがやけにあっさりプルトニウムを盗みだせたり、刑事役の菅原文太のありえない不死身ぶりなど、ツッコミどころは満載なのだが、邦画離れしたスケールの大きさとパワーを感じる一大ピカレスク映画。
何よりもアイデアがすごい。なんでまた原爆なんか作るのか。
テロリストとしては最強にして最凶であろう。手作り原爆を持つ男には誰も逆らえない。
しかし、いざ出来上がってみると何を要求したいのかよくわからなくなって、ラジオ番組に相談してみたりするという、何を考えているのかわからないすっとぼけた男を沢田研二が熱演。「自分が何をしたいのかわからない」って、現代の若者にも充分通じるテーマ性である。
このころのジュリーのオーラはすごい。現在の芸能界にはちょっと見当たらないスター性があり、とてもセクシーだ。
後半のカーチェイスやジュリーと文太の死闘、文太のターミネーターぶりなどのアクションシーンも見ごたえあるが、それよりも前半の原爆作成プロセスがけっこう楽しい。
狭いアパートの一室でどこから入手したのかわからない謎の機器に埋もれ、淡々と原爆作りにいそしむジュリーがなんともカッコイイ。原爆作りの過程も面白いよ。
【★★★★☆】
原爆を作るのは難しくないが、原料となるプルトニウムの入手は不可能。ではどうするか。原子力発電所に盗みに入るのだ。
これがやけにあっさりプルトニウムを盗みだせたり、刑事役の菅原文太のありえない不死身ぶりなど、ツッコミどころは満載なのだが、邦画離れしたスケールの大きさとパワーを感じる一大ピカレスク映画。
何よりもアイデアがすごい。なんでまた原爆なんか作るのか。
テロリストとしては最強にして最凶であろう。手作り原爆を持つ男には誰も逆らえない。
しかし、いざ出来上がってみると何を要求したいのかよくわからなくなって、ラジオ番組に相談してみたりするという、何を考えているのかわからないすっとぼけた男を沢田研二が熱演。「自分が何をしたいのかわからない」って、現代の若者にも充分通じるテーマ性である。
このころのジュリーのオーラはすごい。現在の芸能界にはちょっと見当たらないスター性があり、とてもセクシーだ。
後半のカーチェイスやジュリーと文太の死闘、文太のターミネーターぶりなどのアクションシーンも見ごたえあるが、それよりも前半の原爆作成プロセスがけっこう楽しい。
狭いアパートの一室でどこから入手したのかわからない謎の機器に埋もれ、淡々と原爆作りにいそしむジュリーがなんともカッコイイ。原爆作りの過程も面白いよ。
【★★★★☆】
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2005年04月04日
田園に死す(1974/日本/監督:寺山修司)
こ、こわいよぉ。ガクガクブルブル。
たいていの映画は平気な私だが、これは本当に怖かった。
一種の精神的な母親殺しがテーマであるストーリーもさることながら、赤がやたら鮮烈な色彩設計、地獄絵のようなおどろおどろしい演出、どれも怖すぎだ。
田園という美しい響きと紙一重な、土着的な村(恐山のふもと)の描写も息が詰まるほどの閉塞感がある。
そんな閉塞的な村で、まるで座敷牢に閉じ込められていると感じてしまうほど、母親の重い愛情の鎖から逃れようとする少年像が痛い。これは誰もが心の奥底に隠し持っているある種のトラウマに強烈に訴えかけてくる。それだけは言わないで〜と叫びたくなる。女性である私ですら怖いテーマなので、男性にはやや酷な内容ではないかと思う。
本筋が怖いのでもう二度と観たくないのだが、総天然色という言い方がぴったりくる色彩の世界に蠢く妖しいサーカス一座(というか見世物小屋)はこの手の悪趣味をもつ人は必見。
良くも悪くも強烈な印象を残す、他に類を見ない映画。
意匠・花輪和一に納得。ところで意匠って何やるんだろ?
【★★★★☆】
たいていの映画は平気な私だが、これは本当に怖かった。
一種の精神的な母親殺しがテーマであるストーリーもさることながら、赤がやたら鮮烈な色彩設計、地獄絵のようなおどろおどろしい演出、どれも怖すぎだ。
田園という美しい響きと紙一重な、土着的な村(恐山のふもと)の描写も息が詰まるほどの閉塞感がある。
そんな閉塞的な村で、まるで座敷牢に閉じ込められていると感じてしまうほど、母親の重い愛情の鎖から逃れようとする少年像が痛い。これは誰もが心の奥底に隠し持っているある種のトラウマに強烈に訴えかけてくる。それだけは言わないで〜と叫びたくなる。女性である私ですら怖いテーマなので、男性にはやや酷な内容ではないかと思う。
本筋が怖いのでもう二度と観たくないのだが、総天然色という言い方がぴったりくる色彩の世界に蠢く妖しいサーカス一座(というか見世物小屋)はこの手の悪趣味をもつ人は必見。
良くも悪くも強烈な印象を残す、他に類を見ない映画。
意匠・花輪和一に納得。ところで意匠って何やるんだろ?
【★★★★☆】
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posted by bambi at 22:13
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2005年03月11日
東京ゴミ女(2000/日本/監督:廣木隆一)
同じアパートに住む男のことが好きなあまり、村崎百郎の如く、彼のゴミを持ち帰ってチェックすることを日課としている変な女。これが男女逆だとだいぶ趣が異なるだろうが(おそらくカテゴリはホラーかサスペンス)、若くて可愛い女の子が下着姿でゴミをあさる姿はゆがんだ一途さまで感じてしまい、ゴミ袋から次は何が出てくるのか、こっちまでワクワクしてくる。
内容はかなりエキセントリックなのだが、主人公の冷めたキャラと、ビデオ撮りのぼやけた感じの映像があいまって、淡々とした印象を受ける不思議な映画。
内容はかなりエキセントリックなのだが、主人公の冷めたキャラと、ビデオ撮りのぼやけた感じの映像があいまって、淡々とした印象を受ける不思議な映画。
posted by bambi at 01:13
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2005年03月11日
中国の鳥人(1997/日本/監督:三池崇史)
妙な日本語を操るあやしいガイドに連れられて、エリートサラリーマン(本木雅弘)とチンピラヤクザ(石橋蓮司)がやってきたのは中国・雲南省の山間の村。亀の引く筏、空の飛び方を教えている鳥人学校に通う子どもたちなど、ファンタジー加減が絶妙。
少し前に「山の郵便配達」を再視聴したばかりなのだが、中国の秘境っぷりには本当に驚かされる。水墨画のように美しく雄大な雲南省の風景描写だけでも見る価値あり。
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posted by bambi at 01:09
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2004年06月16日
小さな中国のお針子(2002/フランス/監督:ダイ・ジージエ)
1970年代、文化大革命に揺れる中国では、知識層の若者が山奥に送り込まれ、農作業に従事させられる再教育が行われていた。共に親を医者に持つマオとルーも、毛沢東を崇拝する村人たちの暮らす山奥の小さな村に送られ、過酷な農作業をこなす日々を送ることとなる。その村で、唯一の仕立て屋の孫娘で「お針子」と呼ばれる美しい少女に出会い、たちまち恋に落ちる2人。禁止されている書物を盗み、文盲のお針子に読み聞かせるうちに、少女は自我に目覚め、閉ざされた村の暮らしに疑問を抱き、一人、村を去っていく。
文革への批判というようなニュアンスは薄く、美しく壮大な中国山間部の自然を舞台に、あくまでも2人の青年とお針子(ドリカム状態!)の恋物語を描いた、詩的でノスタルジックな映画。お針子は美しく知識欲も旺盛で魅力的だが、意外と一筋縄ではいかないしたたかな少女で、一人でさっさと村を出ていってしまう強さを持っている。村を捨てたお針子のその後は描かれず、もしかしたら都会で堕落してしまったということも考えられるが、人生を変えてしまうような本(バルザック)と出会えたことはとても幸せなことではないだろうか。村人たちは善良で従順だが、近代文明から隔絶されたミニチュア社会主義国の村で何も知らずに暮らしていくのも、それはそれで平穏な人生だったかもしれず、どちらが最良の人生なのかはわからないが、同じく閉鎖的な田舎の暮らしが嫌で故郷を捨てた人間としては、お針子の選択を応援したいなぁ。
マオ役の青年は、「山の郵便配達」でもみずみずしい演技が光っていた。
文革への批判というようなニュアンスは薄く、美しく壮大な中国山間部の自然を舞台に、あくまでも2人の青年とお針子(ドリカム状態!)の恋物語を描いた、詩的でノスタルジックな映画。お針子は美しく知識欲も旺盛で魅力的だが、意外と一筋縄ではいかないしたたかな少女で、一人でさっさと村を出ていってしまう強さを持っている。村を捨てたお針子のその後は描かれず、もしかしたら都会で堕落してしまったということも考えられるが、人生を変えてしまうような本(バルザック)と出会えたことはとても幸せなことではないだろうか。村人たちは善良で従順だが、近代文明から隔絶されたミニチュア社会主義国の村で何も知らずに暮らしていくのも、それはそれで平穏な人生だったかもしれず、どちらが最良の人生なのかはわからないが、同じく閉鎖的な田舎の暮らしが嫌で故郷を捨てた人間としては、お針子の選択を応援したいなぁ。
マオ役の青年は、「山の郵便配達」でもみずみずしい演技が光っていた。
posted by bambi at 21:09
| LOG #た-と





トホホ…
恐怖要素ふんだん
一生もの




ひと夏の大冒険





日本映画界が排出した産業廃棄物











