(06/05/21) 変態家族 兄貴の嫁さん(1984/日本/監督:周防正行)
(06/05/20) 美女のはらわた(1986/日本/監督:ガイラ)
(06/05/06) プラハ!(2001/チェコ/監督:フィリプ・レンチ)
(06/04/26) ヒョンスンの放課後(2004/イギリス/監督:ダニエル・ゴードン)
(06/04/16) プロデューサーズ(2005/アメリカ/監督:スーザン・ストローマン)
(06/04/05) 火の鳥(1978/日本/監督:市川崑)
(06/03/26) ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005/アメリカ=加/監督:デヴィッド・クローネンバーグ)
(06/03/25) 変態村(2004/ベルギー=仏=ルクセンブルグ/監督:ファブリス・ドゥ・ヴェルツ)
(06/03/24) ファンタスティック・プラネット(1973/フランス=チェコ/監督:ルネ・ラルー)
(06/01/30) 僕のニューヨークライフ(2003/アメリカ=仏=オランダ=英/監督:ウディ・アレン)
(06/01/28) ブラックキス(2004/日本/監督:手塚眞)
(06/01/21) 晴れたらポップなボクの生活(2005/日本/監督:白岩久弥)
(06/01/18) ホテル・ルワンダ(2004/イギリス=伊=南ア/監督:テリー・ジョージ)
(05/12/22) フライト・オブ・フェニックス(2004/アメリカ/監督:ジョン・ムーア)
(05/12/04) フランケンシュタイン(1931/アメリカ/監督:ジェームズ・ホエール)
(05/11/12) ハックル(2002/ハンガリー/監督:パールフィ・ジョルジ)
(05/11/12) ブラザーズ・グリム(2005/アメリカ=チェコ/監督:テリー・ギリアム)
(05/11/08) ぼくのバラ色の人生(1997/ベルギー=仏=英/監督:アラン・ベルリネール)
(05/10/21) ヘイフラワーとキルトシュー(2002/フィンランド/監督:カイサ・ラスティモ)
(05/10/14) 8人の女たち(2002/フランス/監督:フランソワ・オゾン)
(05/10/11) ビッグ・フィシュ(2003/アメリカ/監督:ティム・バートン)
(05/09/26) フック(1991/アメリカ/監督:スティーブン・スピルバーグ)
(05/09/21) ファンタスティック・フォー(2005/アメリカ/監督:ティム・ストーリー)
(05/09/11) 花嫁吸血魔(1960/日本/監督:並木鏡太郎)
(05/09/06) フライド・グリーン・トマト(1991/アメリカ/監督:ジョン・アヴネット)
(05/08/31) バレット・バレエ(2000/日本/監督:塚本晋也)
(05/08/18) プライベート・ベンジャミン(1980/アメリカ/監督:ハワード・ジーフ)
(05/08/08) ファイト・クラブ(1999/アメリカ/監督:デビッド・フィンチャー)
(05/07/31) 北京原人〜Who are you?(1997/日本/監督:佐藤純彌)
(05/07/19) パーティ★モンスター(2003/アメリカ/監督:フェントン・ベイリー)

2006年05月21日

変態家族 兄貴の嫁さん(1984/日本/監督:周防正行)


“笑うポルノ、ヌケるコメディ”にて。

間宮家に、長男・幸一(下元史朗)の嫁、百合子(風かおる)がやってきた。しかし幸一は新婚の妻を放ってバーのママに入れあげている様子。長女・秋子(山地美貴)は風俗に勤めるようになるし、次男・和夫(首藤啓)は万引きで警察に捕まる始末。そんな家族を暖かく見守る百合子を、父・周吉(大杉漣)は頼もしく感じるのだった。

周防正行のデビュー作であり、ピンク映画で小津安二郎へのオマージュをやったことで有名な作品。
当時30代にして、60代くらいの父親の役を演じる大杉漣が絶品。彼の演技のためだけでも一見の価値がある。

“変態家族”というタイトルはパンチが効いてるが、アブノーマルなのはバーのママとSM的プレイにはげむ長男くらい。といってもかなりステレオタイプな描写だし、新妻との夜にもソフトSMを取り入れてみるものの、縛りはかなり雑。周防監督はSMにはぜんぜん興味がないらしい。

全編通して最もエロティックなのは、新妻が掃除中にビニール紐の切れ端を見つけて夫との夜を思い出し、畳の上で自慰にふけるシーンだろう。一階では縁側に座り外をながめながら「母さん、息子にはすぎた嫁じゃないか」とつぶやく大杉漣。この映画の全てはこのラストシーンに凝縮されているといってもいい。

小津世界の静寂と生々しい性描写が違和感なく融合し、カラミもハードじゃないので、女性も観やすいと思う。
男女のカラミシーンがあればあとは何をやってもOKという世界で、多くの才能ある映画人を輩出したピンク映画の醍醐味を味わえる。

評価:★★★☆☆

変態家族 兄貴の嫁さん

カテゴリ: ジャンル別 > 日本映画 > ドラマ > ドラマ総合
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2006年05月20日

美女のはらわた(1986/日本/監督:ガイラ)


harawata2.jpgヤクザに大金を貢いで失踪した姉の行方を捜す少女。突き止めたヤクザに捕まりさんざん陵辱され、情欲が高まる薬を打たれる。見張りのすきを突いて逃げ出した少女を精神科医のよしみ(小沢めぐみ)が助けるが、眼を離したすきに少女は飛び降り自殺をしてしまった。
よしみは少女の復讐を誓い、ヤクザの東を誘惑し催眠暗示をかけて仲間を殺すようにしむけるが、東はとりおさえられ、リンチのすえなぶり殺しにされる。東からよしみの存在を聞きだしたヤクザたちに拉致され、陵辱されるよしみ。その上薬を打たれショックで死んでしまったかのようにみえたが、その日から恐ろしい化け物がヤクザたちを次々に襲う…。

精神科医のくせに、悲惨な少女のカタキを討たんとヤクザにケンカを売るとはスゴイ度胸である。ヤクザなめないほうがいいと思う。
催眠暗示によって兄貴分に斬りかかったヤクザなんて、撃たれたところをとがった棒でグリグリ、殺された後はバラバラに切り刻まれ、ぐちゃぐちゃの肉塊になり果てる。ヤクザ怖ぇぇ。

エンジェルレインという謎の薬の副作用で、ぬるぬるどろどろの化け物に変身するようになった小沢めぐみ。ヤクザの身体を直角に折り曲げたり頭を握りつぶすほどの怪力になり、なぜかチンコも生えてるし、原型をとどめない壮絶な姿に。だけど化け物になりっぱなしではなく、色仕掛けしたいときは女に戻ることも自由自在。復讐するにはかなり都合の良い身体だ。

化け物モードのときのチンコがまた、エイリアンの幼虫そっくりで不気味。
ヤクザの仲間の女にはこれが武器である。女も薬を打っているためか、抵抗もせずエイリアンチンコをしゃぶり(うげ)、アソコへ入れさせる(うげげ)。お約束どおり、エイリアンチンコは女の腹を喰い破ってコンニチハである。

前作処女のはらわた(1986/日本/監督:ガイラ)は「13日の金曜日」パターンで先の予想はつくが、こちらは想像を絶する展開。ポルノ映画に特撮の化け物が登場するとは誰が予想できようか。
ガイラ監督の頭の中はいったいどうなっているのであろう。

評価:★★★☆☆

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2006年05月06日

プラハ!(2001/チェコ/監督:フィリプ・レンチ)

Q-AXシネマ@渋谷】

praha.jpg1968年の東欧チェコ・スロバキアで盛り上がった自由化・民主化運動“プラハの春”を背景に、青春を謳歌する若者たちの恋愛模様をレトロでポップに綴ったミュージカル・コメディ。
1968年夏のチェコ・スロバキア。人々は“プラハの春”を満喫、街には明るくのどかな雰囲気が漂っていた。高校卒業を目前に控えたテレザ(ズザナ・ノリソヴァー)、ブギナ(アルジュヴェタ・スタンコヴァー)、ユルチャ(ルボシュ・コステルニー)の3人は、燃えるような甘い恋を夢みて胸を熱くしていた。一方、若い兵士シモン(ヤン・レーヴァイ)、ボブ(ヤロミール・ノセク)、エマン(ルボシュ・コステルニー)の3人は、アメリカ亡命を夢みて軍を脱走する。やがて彼らはそれぞれに恋に落ち、一夜を共に迎えるが…。

カラフルでレトロなファッションやセットに彩られたチェコ産青春ミュージカル。いいですねぇ。私の趣味のど真ん中にきましたです。
社会派作品の重厚さを、ポップで軽やかなセンスで覆ったチェコ映画といえば、すぐにひなぎく(1966/チェコスロバキア/監督:ヴェラ・ヒティロヴァー)を思い出したのだが、それもそのはず、監督のフィリプ・レンチは映画学校時代にヒティロヴァーに教えを受けているとのこと。(チェコ映画界、意外と層が厚い!)
ひなぎくほど過激でもアヴァンギャルドでもないけれど、そのぶん誰もが楽しめる現代的なエンターテイメント作品となった。

チェコ・スロバキアがまだ社会主義国だったころの時代設定だが、そんな背景は言われなければわからないほど、人びとは明るく陽気に暮らしている。
“プラハの春”とシンクロしているかのような高校卒業前の自由なひとときを、ロストバージンの経験に身を焦がす3人の女の子がとにかくカワイイ。
主役のテレザは正統派東欧美人で、何を着てもすっごく似合う。ゴージャス系の美人なのに、親しみやすくはつらつとして魅力的なヒロインだ。

確信犯的にチープな幾何学的デザインのセットで繰り広げられるミュージカルシーンもセンスが良く、とても楽しい。
ダンスも楽曲もレトロな雰囲気に作りこまれているのだが、これが全体のもっさりオシャレな雰囲気作りに一役買っていて、新鮮なインパクトを受ける。
劇場で売ってたサントラCD、珍しくこれは欲しいナァと思ってしまった。
あ、ウチCDプレイヤーないΣ (゚Д゚;)

評価:★★★★★

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2006年04月26日

ヒョンスンの放課後(2004/イギリス/監督:ダニエル・ゴードン)


astateofmind.jpg前作「奇蹟のイレブン 1966年W杯 北朝鮮VSイタリア戦の真実」の成功により北朝鮮での特別撮影許可を得たイギリス人監督ダニエル・ゴードンの視線から見た北朝鮮の中産層の生活。それはとても興味深いものだった。のべ400万人が参加する北朝鮮最大のイベント、マスゲーム。そのマスゲームに参加することになった二人の女子中学生、ヒョンスンとソンヨンの日常にカメラは8ヶ月間密着した。
ヒョンスンは平壌に住む、体操の得意な女の子。マスゲームへの出演は3度目。でも前回選ばれたからといって又選ばれるとは限らない。練習はきびしく、どんなに寒い冬でも毎日最低、2時間は行う。最初はつらくてさぼってしまったこともあった。それが先生に見つかって…。

私は北朝鮮のマスゲームが好きで、もちろん「アリラン祭 2002」のDVDも持っているのだが、圧倒的な数の人員による絢爛豪華で一糸乱れぬ大パフォーマンスは何度観ても飽きない。

北朝鮮という閉ざされた国については、自ら知ろうとしなければなかなか内情を窺い知ることができない。人びとは何を思い、どんな暮らしをしているのか。
ヒョンスンのマスゲーム練習風景以外にも、学校生活や家庭生活が克明に記録されているこのドキュメントフィルムについて、北朝鮮側はノーチェックだったという。これはとても画期的で興味深い、貴重な映像なのである。
ただ、平壌は特権階級の人びとが暮らす街なので、これが北朝鮮の平均的な生活とは言えない。この国の身分制度の上位にいるヒョンスンやその家族は金正日体制に揺るぎない忠誠を誓う核心層なので、当然といえば当然なのだが、ヒョンスンのような幼い少女も“偉大なる将軍様”に心酔し、しばしば自由主義を憎悪する言動がみられるのはやはり驚く。

凝り固まった一つの思想の下で結束し、テレビなどの娯楽もあまりない生活(放送は一日5時間。平壌ですらほぼ毎晩のように停電がある)のためか、ヒョンスンや友人ソンヨンの家族は対話も多く仲が良く、理想的な家庭ではないだろうか。両親は子どものことを常に考えているし、子どもたちも素直で明るい。彼女たちは親に逆らったり、道をはずれるようなことはないだろう。
しかし、ヒョンスンやソンヨン、その家族たちは北朝鮮ピラミッドの上辺にいるのであり、その下には現在も劣悪な環境や飢餓に苦しみ、現体制の続くかぎり決してそこから抜け出すことのできない無数の人びとがいることを忘れてはいけない。

ヒョンスンとソンヨンが出場するマスゲーム公演の様子がたっぷりと記録されているのも嬉しい。
そこには究極の全体主義が凝縮されている。数万もの人びとが、個を殺し、手の高さや足の角度など細部にいたるまで完璧に統制されたさまは、陶酔感とともに戦慄を感じずにはいられないだろう。

評価:★★★★★

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2006年04月16日

プロデューサーズ(2005/アメリカ/監督:スーザン・ストローマン)


先週、日生劇場の「レ・ミゼラブル」を鑑賞したばかりの私。その余韻も抜けないまま、本作の鑑賞とあいなった。
「プロデューサーズ」の日本版は確か、昨年青山劇場でかかったんだよね。チケット取ろうかと思ってたんだけど、結局「リトルショップ・オブ・ホラーズ」にしちゃったんだよなぁ。

theproducers.jpg1959年、ニューヨーク。かつてはブロードウェイで栄光を極めたものの今やすっかり落ち目のプロデューサー、マックス・ビアリストック(ネイサン・レイン)。製作費を集めるため、今日も有閑老婦人のご機嫌とりに悪戦苦闘。そんな彼のもとにやって来たのは、異常に神経質な小心者の会計士レオ・ブルーム(マシュー・ブロデリック)。さっそく帳簿の整理を始めた彼は、ショウが失敗したほうがプロデューサーは儲かる場合もあるという不思議なカラクリを発見する。それを聞いたマックスは、大コケ確実のミュージカルを作り出資金を丸ごといただいてしまおうとレオに協力を持ちかける。一度は拒否したレオだったが、小さい頃からの夢だったブロードウェイのプロデューサーになるチャンスと思い直し、マックスのもとへと舞い戻る。かくしてレオとマックスは史上最低のミュージカルを作るべく、まずは史上最低の脚本選びに取り掛かるのだが…。

ミュージカルとしては致命的なことに、楽曲にそれほど魅力がないのが残念だ。観終わって、つい口ずさんじゃうような曲が一つもない。正直、これでよくトニー賞とれたなぁと思う。
楽曲のことさえ考えなければ、エンターテイメントに徹したゴキゲンなミュージカルである。
全編きわどいネタと底抜けのバカっぷりで、大いに楽しめた。
ここまでやるかというくらい、徹底的にナチスドイツをおちょくった劇中舞台が不謹慎すぎて、もう大笑いである。

マジメに“史上最低のミュージカルを作る”というコンセプトも良いね。
その作品中において最高とされるものを描いてみせるのは簡単だが、逆に“最低”の素材を集めるとなると、これまた観客のハードルも上がる。皆に“これはヒドイ!”と納得させつつ、実際は最高のエンターテイメントを提供するという難しいことを見事にやってのけている。素晴らしいです。

出演はブロードウェイのオリジナルキャストということで、さすがに歌もダンスも安心して観られる。
ヒロインのユマ・サーマンも、頭のヨワそうなコーラスガール役がばっちり。ダンスはちょっとぎこちないけどね。

最後までハッピー、もやもや気分も憂鬱も吹き飛ばす、爽快な映画。

評価:★★★★☆

舞台の話。
私はあまり舞台鑑賞は多くないが、それでも半年に1度くらいは足を運ぶ。映画もいいが、やはりナマの舞台の感動は何者にも代えがたい。
どんな舞台でも、カーテンコールの直前に客席の熱気がどっとあがる瞬間があり、あぁ舞台っていいなぁと思うのである。
私の場合、ココロもカラダも揺さぶられるミュージカルが好きなので、四季や東宝ミュージカルが多いのだが、京劇や歌舞伎も面白い。今後は宝塚にも行ってみたいのだが(未体験)、おすすめがあれば教えて下さい(・∀・)

今年は、夏の「ダンス オブ ヴァンパイア」(帝劇)、秋に「魔界転生」(新橋演舞場)を狙ってるんだけど、チケット確保はこれから。そんなに上席狙ってるわけじゃないけどね。

…それでは、独断と偏見による“ミュージカルに行ってみよう”のコーナー。もちろん本場のブロードウェイは夢として、国内で観られるものを。
おすすめはやはり、常時質の高い舞台が観られる四季。超ロングランの「ライオンキング」は一度観ておいて損はない。「キャッツ」は歌とダンスがメインで、ストーリー性はあまりないので好き嫌いあり(私は好き)。「オペラ座の怪人」は、映画もいい出来なので充分だが、余裕があれば舞台を。個人的には「美女と野獣」も好きなのだが、今はやってないのかな。

東宝の「レ・ミゼラブル」は何度も観ているが、私の場合2,3日余韻が抜けなくなる。まさに魂を揺さぶられる舞台だ。あぁ、次はいつ観られるんだろう〜

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2006年04月05日

火の鳥(1978/日本/監督:市川崑)


永遠の命を持つという伝説の火の鳥。その生血を飲んだ者もまた、不老不死の身を得られるという。時の強国・ヤマタイ国の女王ヒミコ(高峰三枝子)は、永遠の美貌と命を求めていた。火の鳥は、クマソの国に棲むという。「何としても生血を手に入れよ!」と、ヒミコの命令が下った。クマソの国では、旅の放浪者グズリ(林隆三)が病に苦しむヒナク(大原麗子)という娘の命を救う。二人はみんなの祝福を受け結婚することになった。その婚礼の夜、ヤマタイ国の闘将・猿田彦(若山富三郎)の率いる軍隊がクマソ国を急襲する。クマソ国は壊滅状態。ヒナクの弟・ナギ(尾美としのり)は、猿田彦に捕らえられてしまう。

原作は、日本人なら誰でも知っている手塚治虫の“火の鳥 黎明編”。
番組表で見かけたときはてっきりアニメ作品だと思ったのだが、実写だったので腰を抜かした。
そういえば市川昆監督の“火の鳥”実写映画があると聞いたことがあったが、ソフト化もされてないようなので、実際に観る機会があろうとは思いもよらなんだ。

キャスティング的にはほとんど角川の金田一シリーズを観ているようだが、豪華なことは間違いない。
ああいう原作なので、実写で俳優が演じることなど誰も考えが及ばないと思うが、逆にいえばこのキャスティングにあんまり違和感もない。
若山富三郎の猿田彦なんて、インパクトがあってなかなか良かったです。

原作はいつのまにか処分してしまったのであまり詳しく覚えていなかったが、観ているうちにだんだん鮮明に思い出してきた。ということは、だいぶ原作に忠実に作られていると思う。
忠実に再現するあまり、ところどころ妙な演出が入っているのだが…。
その最たるものは、一部でアニメーションが使われていることであろう。戦闘や自然現象など、ヘンなタイミングでアニメが入ってくるし、そもそも火の鳥自体がアニメ。もちろん全て手塚治虫の絵そのまんまである。
実験的試みではあるが、実写とのバランスが悪く、アニメ部分が浮いてしまっている。
やっぱりオール実写でやってもらいたかったなぁ。リアル火の鳥がどれほどショボくても、それはそれで迷作と呼ばれるものになっていたかもしれない。

しかしまぁ、こんな時代の描写にお目にかかれるのは歴史番組の再現ドラマくらいだろう。
ある意味とてもレアな映画である。
今のところソフト化されていないのでなかなか観る機会はないと思うが、話のネタにどうぞ。

評価:★★★☆☆
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2006年03月26日

ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005/アメリカ=加/監督:デヴィッド・クローネンバーグ)


久しぶりの吉祥寺。上映時間まで井の頭公園を散策したり、心地よい時間を過ごした。
しかしまぁ、桜もまだほとんどつぼみだというのに、園内は気のはやい花見客でみっしり。来週末あたりがピークかな?

hov.jpgインディアナ州の田舎町で小さなダイナーを経営するトム・ストール(ヴィゴ・モーテンセン)は、弁護士の妻エディ(マリア・ベロ)と2人の子どもとともに穏やかな日々を送っていた。そんなある夜、彼の店が拳銃を持った2人組の強盗に襲われる。しかしトムは驚くべき身のこなしで2人を一瞬にして倒してしまう。店の客や従業員の危機を救ったトムは一夜にしてヒーローとなる。それから数日後、片目をえぐられた曰くありげな男がダイナーに現われ、トムに親しげに話しかける。人違いだと否定するトムだったが、トムの過去を知るというその男は、以来執拗に家族につきまとい始める。

…コナン・ドイルの「恐怖の谷」かと思いました( ゚Д゚)
「恐怖の谷」は、過去に追い詰められた男と、その過去のエピソードが2部構成になっているのが秀逸なのだが(といってもシャーロック・ホームズの長編4作中、最も人気がない…私ゃ好きなんだけどなぁ)、本作はトムの“ジョーイ”時代がまったく描かれないためか、トムの贖罪意識に感情移入がしづらかった…というか、突然思いもよらない事態に陥った家族と同じ目線でトムを見るように、あえてそういうつくりになっているのかも。
トムよりも、家族の側にたって、同じ立場だったら…と自問するのが正しい見方かもしれない。
どっちにしろ、ジョーイ時代は相当大暴れしていたようなので、具体的な暴力描写はちょっときつかったかもね。有刺鉄線で眼をえぐるシーンなんか見たくありません。

身近な人の思いもよらない過去が発覚したら。
私は、15年ほど前に世間を震撼させた“女子高生コンクリート詰め事件”の犯人の一人が、現在は普通に結婚して子どもがいると知ったとき、よくわからない怒りと、どうにもやるせない思いが交錯したことを思い出した。
本作の主人公・トムが身を置いていたのがギャングの裏社会であるため、妻の葛藤に共感しづらいのだが、これが例えば日本で起きた、誰もが知っている殺人事件の犯人の妻だと仮定してみると、また違う見方になるのではないだろうか。そしてそれを知らされずに結婚したとしたら…。
過去は過去だと割り切ることは難しいに違いない。

トムの妻エディの職業が弁護士だというのは絶妙な設定だなぁと思った。正義感は人一倍強いだろうし、いろいろと残酷な事件も見てきているかもしれない。弁護士といえども、殺人を犯した被告に嫌悪感を抱くこともあるだろう。それでも手を尽くして被告を救うのが仕事だ。
この夫婦の今後の展開に、意外とエディの弁護士という職業意識はキモになるかもしれない。

ところで、トム役のヴィゴ・モーテンセンって、マイケル・ダグラスに似てるね。私はマイケル・ダグラスが苦手。ヴィゴもやや受け付けない役者になってきた…。

評価:★★★☆☆

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2006年03月25日

変態村(2004/ベルギー=仏=ルクセンブルグ/監督:ファブリス・ドゥ・ヴェルツ)

ライズX@渋谷】

東京国際ファンタスティック映画祭2005の「超!ストレンジ・ムービーナイト」のライナップで見たときから眼を引くタイトルだったねぇ。
結局、ファンタ映画祭は石井輝男ナイトに行ったのだが、同じ企画で上映された奇妙なサーカス(2005/日本/監督:園子温)を公開後に観てツボだったので、これも公開を楽しみにしていた。

hentaimura.jpg各地を巡りながらイベントやお祝いの席で歌を歌い生計を立てているキャバレー・シンガーのマルク(ローラン・リュカ)。彼はある日、移動中に車の故障で立ち往生してしまう。土砂降りの雨の中、辺鄙な場所で途方に暮れるマルク。やがて、森の中の小さなペンションに辿り着いた彼は、そこに一泊することに。ところが初老のオーナー、バルテル(ジャッキー・ベロワイエ)は歌手であるマルクに異様な態度を取り始める。彼は、歌手だった最愛の妻グロリアとマルクを混同し始めていたのだ。翌朝、バルテルの忠告を無視して散歩に出たマルクは、近くの村で恐るべき光景を目撃してしまう。急いでペンションに引き返すマルクだったが、そこにはさらなる恐怖が待っていた。

…いやぁダメですね。
私もエログロ/カルトと呼ばれる映画は嫌いじゃないほうだが、どっちかというとカラッと明るく突き抜けたバカ映画が好きなんでね。こういう陰鬱なやつはどうも。
そもそも、原題の“CALVAIRE”はキリスト磔刑の丘の名前。この手の、キリスト教の隠喩が込められた作品は日本人には理解しづらいものがある。
“ヨーロッパ全土を震撼させた衝撃作!”というコピーは嘘ではないだろうが、変態性というよりも、主人公の磔刑シーンなどキリスト教裏設定の部分に対してのことであろう。

そういうわけで、邦題勝ち(あるいは負け)しているこの作品。
自らハードルを上げているともいえるが、ただタイトルだけ聞けば強烈なインパクトである。さすがトルネードフィルム。
このタイトルが放つインパクトほど、内容は変態じみているわけではない。フィルム全体から漂う陰鬱で不快な雰囲気を除けば、充分鑑賞に耐えられる。

多少、変態じみた描写といえば、村人たちの獣姦シーンだろうか。でもこの村、そもそも女が少ないんじゃない? パブに集う村人たちの中には性別不明なヒトもいるのだが、ほとんど女が出てこない。異性と接する機会が少ない社会では、羊さんや山羊さんや豚さんと仲良くするのは必然的というか、歴史上よくあることだ。
ただ、キリスト教では動物姦はご法度なので(日本でもあんまり褒められることじゃないけど)、このシーンも大変なタブーを犯していることになる。敬虔なヨーロッパ人はどう観たのであろうか。

女の少ない村だとすれば、過去バルテルの妻グロリアを巡って何があったのか、ぼんやりと想像はつく。
マルクが逃げまどう森の中に放置されたままの、磔刑にされた死体は一体誰なのか。グロリアかもしれないし、マルク以前に同じ目にあった旅行者かもしれない。
もしかしたら、この村の住民たちは、マルクが訪れる以前から同じことを繰り返していたのかもしれず、ゾッとさせられるシーンであった。

評価:★★☆☆☆

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2006年03月24日

ファンタスティック・プラネット(1973/フランス=チェコ/監督:ルネ・ラルー)

【DVD】

仏のSF作家ステファン・ウルの長編小説を、マンガ家ローラン・トポールの絵でアニメ化した異色のファンタジー作品で、未開の惑星イガムを舞台に、人間型のオム族と、彼らを奴隷のように扱うドラーグ族の戦いと協調を描く。

ルネ・ラルーのDVDはバラバラに買っているのだが、「ルネ・ラルー コンプリートDVD-BOX」なんてのが出てたのねΣ (゚Д゚;)

巨大なドラーグ族の手のひらに乗るほど小さい人間族は、彼らに生きたオモチャとして扱われている。
まるで虫けらのように弄ばれたり踏みつぶされたりしているのが哀れ。
まぁ、これだけサイズが違うと、人間の家畜や虫に対する扱いを顧みれば当然そうなるかと。ドラーグ族は悪くありません。

切り絵アニメの独特の動きと、サイケでシュールな世界観がマッチし、他に類を見ないアニメとなっている。
グロテスクなクリーチャーたちが蠢く世界は、悪夢としか言いようがない。どこからこんな発想がわくんだろうね。

一度観たら忘れられない、トラウマ的インパクトを放つ作品。

評価:★★★★☆
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2006年01月30日

僕のニューヨークライフ(2003/アメリカ=仏=オランダ=英/監督:ウディ・アレン)


anythingelse.jpgマンハッタンに住む21歳の新進コメディ作家ジェリー(ジェイソン・ビッグス)。彼は互いに一目惚れの恋に落ち、以来同棲している女優の卵アマンダ(クリスティーナ・リッチ)に気を揉んでいた。彼女はいつも気まぐれで不可解な言動が多く、最近はベッドの誘いにも応じてくれない。また、夫と離婚してからいろんな男のもとを転々とし文無しとなったアマンダの母ポーラ(ストッカード・チャニング)がジェリーたちのアパートに転がり込み、ジェリーの頼りないマネージャー、ハーヴィ(ダニー・デヴィート)には自らの生計を立てるために契約更新を迫られるなど、ジェリーの悩みは募るばかり。彼は一方で、教師で先輩作家のドーベル(ウディ・アレン)にそれらの悩み事を打ち明け、人生の指南を仰いでいた。だが、ドーベルもエキセントリックで掴み所がない不思議な人物。そんなある日、アマンダの浮気が発覚するのだが…。

この手の会話劇は、英語のヒアリングができない身にはつらいね。
会話の節々に粋な言いまわしやアメリカンジョークが散りばめられているんだろうけど、微妙なニュアンスが理解できないので、ストーリーやキャラクターで評価するしかないのだが、だいぶ損してる気がして残念だ。

事実、前の席の人が誰も反応しないところでクスクス笑っていて、その笑いのツボが不可解だったのだが、よく見たら白人のオッサンでした…。

会話の妙を楽しむことが難しいうえに、登場人物はエキセントリックな人ばかりで、どうにも感情移入しにくいのだが、キャスティングは魅力的。
すべての男をトリコにする小悪魔的な魅力のクリスティーナ・リッチが可愛くてねぇ。
この人は“女からするとありえない、男の理想の女”をやらせるとピカイチだ。
こんな女、身近にいたら同性からは嫌われますよ…。
こういう役をさらりと嫌みなく演じることができるのは、得難い個性であり、個人的にとても魅力を感じる女優の一人だ。

この映画を最後に、ウディ・アレンは長年慣れ親しんだニューヨークを離れてしまったと聞く。
愛した街への最後のラブレターであるところの本作からは、主人公ジェリーに投影されたウディ・アレンの寂寥感がじんわりと伝わってくる。

評価:★★★☆☆

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2006年01月28日

ブラックキス(2004/日本/監督:手塚眞)

Q-AXシネマ@渋谷】

狙って行ったわけではなかったが、手塚監督、橋本麗香、松岡俊介、奥田瑛二、あんじの初日舞台挨拶があった。
川村カオリは渋滞で間に合わず。

blackkiss.jpgモデルを目指して上京してきたアスカ(橋本麗香)は、ある時偶然にも残忍な殺人現場を目撃してしまう。それは、殺害後、死体を芸術的に装飾する猟奇殺人事件だった。そしてこれ以降、アスカとルームメイトのカスミ(川村カオリ)の周囲で“殺しの芸術家”ブラックキスによる猟奇殺人が続けざまに発生する。犯人は必ず現場に“黒いキスマーク”を残していくのだった。アスカとカスミは、2人を執拗に追うカメラマンのタツオ(安藤政信)、事件を担当する刑事ユウスケ(松岡俊介)とともに、この恐怖の迷宮へと深く引きずり込まれていくのだった…。

舞台挨拶での作品紹介によると、出演者はラストを削った台本を渡されており、誰も結末が分からなかったため、緊張感のある撮影だったそうだ。
そこまでするとは、どんな衝撃的なラストなのかと期待せずにはいられなかったのだが…。

あ、あれ??
情報シャットアウトするようなラストか、これ?

ふーん、それで? えっ、これで終わりかい!

驚くようなどんでん返しがあるでなし、すとんと腑に落ちるような論理性もない。

全体通して、サイコスリラーとしての緊迫感はなかなかのものだったが、監督の言葉に期待しすぎちゃって、ラストでやや拍子抜け。
凝ったディティールを積み重ね、せっせとグロテスクな世界観を作り上げてはいるが、それを凌駕するほどのシナリオにはなっておらず、なんとももったいない。
また、ビジュアル面に力を入れすぎたためか、人物描写が浅い。落としどころが弱いと感じる原因はここにあるのではないか。
ビジュアル面でのオドシは成功しているので、ヘタにミステリ的な要素を入れず、サイコホラーとして徹底的に怖がらせてくれるほうが良かったように思う。

終わってみれば、あれもこれも何だったんだという、消化不良感がたっぷり。
とりあえず、“オールスターキャストの犯人探し”みたいなカンチガイ宣伝はやめていただきたい。
監督が思っているほど、皆が驚愕するようなラストではありません。

評価:★★★☆☆

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2006年01月21日

晴れたらポップなボクの生活(2005/日本/監督:白岩久弥)


主演のカラテカ矢部、共演の池畑慎之介、板尾創路(130R)、木村祐一、片桐はいり、山田雅人の初日舞台挨拶あり。
私はもちろん、板尾さんとキム兄目当てで行ったのだが、劇場にオリエンタルラジオの慎吾とカラテカ入江も来ていたという嬉しいおまけつき。
まぁ、気の小さい私は近くでじーっと見つめていただけという、不気味なファンだったのだが。

harepop.jpg会社を辞め、寮を追い出されてしまい住むところのなくなった青年・尚樹(矢部太郎)。仕事も見つからず、いつしか河川敷のダンボールハウス村で、一癖も二癖もあるホームレス仲間の面々たちと青空生活を送ることに。そんなある日、いつも野球の審判マスクを被っていた変わり者のユウさん(池畑慎之介)が突然マスクを取り、“旅へ出る”と宣言した。それに興味を持った尚樹はその旅に同行する。お金のない2人は、電車に乗ることもなく、ひたすら歩き続けるのだったが…。

都会で暮らすようになってびっくりしたのは、やはりホームレスの多さだった。
駅の構内や公園で、ダンボールを敷いて寝起きしているボロボロの人たち。
この人たちは一体どのような経緯を経てこうなったのか興味を持ったものだが、すぐに見て見ぬふりをしてスルーする都会の知恵を身に付け、いつしか町の日常風景のひとつになっていった。

ドラえもんの道具に“石ころぼうし”(この帽子をかぶると、道ばたに落ちている石ころのように誰も気にしなくなる)なんてのがあるくらいなので、ホームレスという生き方は、ある意味理想形なのかもしれない。
だけど、ユウさんの旅は、過去に迷惑をかけた人たちへの贖罪のためだったし、旅が終われば尚樹は仲間の待つダンボールハウス村に帰っていった。
やっぱり、人として生まれた以上、どんな生き方を選択しても、“人と人のつながり”を絶つことはできないのだ。
“人とのつながり”を拒否して生きてるような人ほど、切実に感じられることなのかもしれない。

見慣れた東京の風景を、石ころのような存在のホームレスのふたりが淡々と歩き続ける。
お金がなくても生きていけるし、楽しみは自分で見つけるもの。
こんなふうに生きていくのは羨ましくもあり、やっぱり働いて遊んでっていうバランスのとれた生活をしたいなと認識を改めたり。
社会からこぼれ落ちることは、タバコをやめるよりも簡単なことかもしれないけど、こぼれ落ちた先にも社会が待っている。
どんな社会で生きていくにしろ、“人とのつながりで何かを見つける”ことができればいいなと思う。

池畑慎之介のホームレス役は異色のキャスティングだが、これがえらくカッコイイ。
壮絶な過去を背負った孤独と、過去から開放され晴れ晴れとした顔、その過去と向き合う苦悩など、さまざまな顔を演じわけ、ユウさんという人物に厚みをもたせていた。

尚樹とユウさんが歩いているシーンが多いが、ときどきカットインされるホームレス村のエピソードも、悲喜こもごもという感じでよかったと思う。
見れば見るほど異色な顔ぶれだが、それぞれとても存在感があって、マヌケな暮らしぶりが楽しい。
山田雅人の役どころである、ホームレスに生活保護を世話して上前をはねる悪徳NPOというのは実際にいるらしいが、設定だけで具体的な描写は少なかったね。もっと小悪党ぶりを発揮して、ホームレス村をひっかきまわすようなエピソードがあってもよかったのでは。

評価:★★★☆☆

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2006年01月18日

ホテル・ルワンダ(2004/イギリス=伊=南ア/監督:テリー・ジョージ)


お恥ずかしながら、私はこの映画の日本公開のいきさつ(公開を求めるネット活動)など初耳だったし、ルワンダ大虐殺の歴史的背景もほとんど知らない。
こんな人、他にいるのか知らないが、映画の内容もよく知らないまま観に行ったのである。
ふだんから映画の情報を積極的に仕入れることもなく、フィーリングで選んで観ているためで、私の映画ライフは一事が万事こんな調子であるが、この映画に関してはまったくの無知っぷりが恥ずかしい。
ただ、昨年のファンタ映画祭の石井輝男ナイトで、映画秘宝スタッフが「いよいよ公開されます!」と熱く紹介していたので、なんとなく気になっていただけである。
サービスデイだったので軽い気持ちで観に行ったのだが、この映画をとりまく状況はただごとではなかった。18:15の回は立ち見も含めて満員札止め。びっくりして最終回の整理番号をもらう。時間になり劇場に戻ってみると、やはり最終回も満員札止めとなっており、ガッカリして帰る人多数。
これはたいへんな映画であることを遅まきながら理解する。心して観なくては。

hotelrwanda.jpg1994年、ルワンダの首都キガリ。多数派のフツ族と少数派のツチ族の内戦はようやく終息したものの街は依然不穏な空気に包まれていた。ベルギー系の高級ホテル“ミル・コリン”で働く有能な支配人ポール(ドン・チードル)は、ある晩帰宅すると暗闇に妻と子どもが身を潜めていた。フツ族大統領が何者かに殺され、これを契機にフツ族の人々がツチ族の市民を襲撃し始めたのだ。ポール自身はフツ族だったが、妻がツチ族だったことから、ひとまずミル・コリンに避難することに。外国資本のミル・コリンはフツ族の民兵たちもうかつには手を出せなかった。そのため、命からがら逃げ延びてきた人々が続々と集まってくるのだが…。

…なるほど、これは多くの人を動かすパワーを持つ映画だ。あまりにも衝撃的である。
魂をわしづかみにされ、激しく揺さぶられる。
外見的にはなんら変わりのない(少なくとも外国人からはそう見える)部族どうしで罵り合い、殺し合う。
ナタを振り下ろして同胞を殺し、累々たる死体の山を築く。これが人間のすることだろうか。
いや、これこそが人間の真の姿なのかもしれないと暗澹たる思いにかられる。
誰でも、虐げられれば不満は蓄積していくし、限度を超えたら爆発することもある。それが大義だと煽られ、隣に憎むべき対象がいて、手にはナタを持っていたら。振り下ろさなければ、過去の憎しみは消えないのかもしれない。
だが、振り下ろすことで新たな憎しみが生まれ、負の連鎖は果てしなく続いていく。
それを止めることができるのもまた人間なのだ。

私たちに何ができるだろうか。
具体的に何かできれば素晴らしいことだが、たとえ何もできなくても、少なくとも“人を憎み、争い、殺す”という行為を否定することはできる。誰もが持つ“憎しみの芽”を育てることなく、そして月並みだが人を愛し敬意をはらうことだ。
ポールの家族を愛し守りたいという強い思いが、結果的には1000人以上の命を救うことになったのだから。

すぐれた啓蒙映画であると同時に、完成度の高い、すばらしく面白い映画である。
事態が悪化していき、ポールやその家族が命の危険にさらされる緊迫感は尋常ではない。涙を流すことも忘れ、スクリーンに釘付けだった。
印象的なセリフの数々、役者たちの確かな演技。
わけのわからないホワイトバンドなんか買うより、この映画を観るべきだ。

この映画から得たもの。
とりあえず、私はずいぶん以前からの懸念事項となっている“骨髄バンク”の登録に行く気になりました。

評価:★★★★★

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2005年12月22日

フライト・オブ・フェニックス(2004/アメリカ/監督:ジョン・ムーア)

新文芸坐@池袋】

シネマ・カーテンコール2005 「極限状況からの脱出!!」にて。

7月のある日、モンゴルでの石油探掘作業を終えたスタッフと廃材を乗せた貨物運搬機が巨大な砂嵐に遭遇、無線と片方のエンジンを破損しゴビ砂漠のど真ん中に不時着してしまう。この事故から生き残ったのは操縦士フランク(デニス・クエイド)ら10人。容赦ない陽差しが照りつける中、やがて彼らは、捜索隊による救出が望み薄であることを悟る。食料も水もほとんどなく、窮地に立たされていく生存者たち。そんな時、生存者の一人エリオット(ジョヴァンニ・リビシ)が不時着した貨物機を調べ、みんなの協力があれば機体の残骸から新しい飛行機を造ることができると提案するのだった。

キャストは地味めでストーリーもシンプルだが、王道シチュエーションをトレースし、熱さとスリリングさ、ついでに男臭さ溢れる本作。
冒頭、砂嵐に襲われて飛行機が墜落するシーンはスゴイ迫力。機体の一部が剥がれ飛んでコックピットをガリガリ削るところなど圧巻である。この臨場感、まさに映画の醍醐味といえよう。

砂漠から脱出するために、飛行機の残骸から新しい飛行機を造ってしまえという荒唐無稽なプロットは、「それがあったか!」と膝を打つべきか、「そんなんアリか?!」と突っ込むべきか。
修理は無理だけど新しいのは造れるって、どんな壊れ方なんだか。

素人ばかりが突貫工事で組み立てた飛行機が果たして飛ぶのか?
…ハリウッド映画だし、もちろん飛ぶに決まってるんだけど、絶妙のタイミングで自称・飛行機設計技術者エリオットの正体が発覚。カメレオン俳優・リビシの演じるエキセントリックで胡散臭いキャラは当然何かあるだろうと予想させるが、なるほどそう来たか。愕然度高めのうまい設定だなぁ。

紆余曲折あっても、やっぱり飛んじゃうDIY飛行機。
でもやっぱり、ラストはこうでなくっちゃね。
爽快で後味の良いラストに大満足。

評価:★★★☆☆
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2005年12月04日

フランケンシュタイン(1931/アメリカ/監督:ジェームズ・ホエール)


frankenstein.jpgホラー映画の金字塔「フランケンシュタイン」「フランケンシュタインの花嫁」を続けて観ることができた。

永遠の生命を追い求めるフランケンシュタイン博士は、幾つかの死体を組み合わせて人造人間を造り上げることに成功した。だが、その頭蓋に収められたものは、殺人者の狂った脳髄だった…。

モノクロ映像はときにカラーより美しく見えることがあるが、この映画はまさにそれ。凝ったセットと、フランケンシュタインの造形の怖ろしさが、光と影のコントラストに怪しく映る。
ホラー映画としてのクオリティもさることながら、1シーン1シーンが絵画のように美しく、印象に残る。
フランケンシュタイン像を定着させた、名優ボリス・カーロフのモンスターメイクはすさまじくインパクトがあるが、それ以上に、非常に凝った美術・セットもまた見ごたえがある。重厚な雰囲気の石造りの塔、怪しさきわまりない実験室、炎上する水車小屋など、ゴシックホラーの世界観の根底を支えている。

続編の「フランケンシュタインの花嫁」も必見。
プレトリアス博士の創造した人工生命体はユニークだし、フランケンシュタイン以上に哀れな失敗作に見える花嫁のキャラクター造形も見事。
続編もあわせてひとつの物語と成している完成度の高さである。

評価:★★★★☆

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2005年11月12日

ハックル(2002/ハンガリー/監督:パールフィ・ジョルジ)


hukkle.jpgハンガリーのとある村。夏の早朝。一人暮らしのチェクリックおじいさんは朝からしゃっくりが止まらない。おじいさんが家の前のベンチに腰を据えた頃、村もようやく動き始める。アヒルがエサ場へと向かい、ブタが散歩に出かける。しかし、一見のどかなこの村で、何やら奇妙な出来事が起こっていた…。

…ものすごく不思議な映画。
じいさんのしゃっくり(=ハックル)が延々と続く中、人々の暮らし、動物の営み、植物の成長が淡々と映し出される。セリフもストーリーも各ショットの関連性も、あるようで、ない。ないようで、あるのかもしれない。
それぞれのショットも、アップになったり俯瞰になったり、どこまでも自由。
のーんびりしているかと思えば、ところどころ妙な風景が眼につくので油断できない。あれ、なんかこの村おかしいね??
でも結局、何がおかしかったのか、どうなったのかさっぱりわからないまま。

何だろうかこの奇妙な感覚は。
虫も植物も動物も人間も並列に映るところが、まるで村を包む大気にでもなったような気になるからかもしれない。
人間の尺度で考えると何やらおかしなことが起こっているようなのだが、それも大気にとっちゃ意味のないことで、自然の営みのひとつなんだろうね。

ところで私もしゃっくりがよく出ます。体質でしょうか?

評価:★★★☆☆

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2005年11月12日

ブラザーズ・グリム(2005/アメリカ=チェコ/監督:テリー・ギリアム)


grimm.jpg19世紀のドイツ。兄ウィル(マット・ディモン)と弟ジェイコブ(ヒース・レジャー)のグリム兄弟は各地の村を旅して、その地に伝わる古い物語を集め回っていた。その一方で、村人たちを苦しめている恐ろしい魔物がいればそれを退治し、賞金を手にしていた。ところが、魔物の正体は兄弟とその助手たちがでっち上げたイカサマだった。しかし、それがバレて将軍ドゥラトンブに捕まった兄弟は、ある村で起きている少女連続失踪事件の解明を命じられるのだが…。

うわぁ、えらいけなされてるなぁこの映画。嫌味でなく、けなしてる人は何を期待していたのか知りたい。
私はファンタジーは嫌いなのだが、ゆるーい笑いとグロテスク描写満載の本作は楽しめた。
これは宣伝にやや問題ありかな。ファンタジー大作に見せかける作戦にしないで、腹割ってグロいドタバタ映画なんですわーって言っとけばよかったのに。個人的にはこの程度じゃまったくグロいと思わないが、そんな前触れならわざわざ劇場に足を運んだ夢見るファンタジーヲタががっかりすることもなかったのでは。

グリム童話のモチーフがいくつか出てくるが(赤ずきん、白雪姫、ヘンゼルとグレーテル、カエルの王子様、ラプンツェル、眠れる森の美女など)、どれもさらりとしたもの。赤ずきんあたりのおなじみエピソードをもう少し本筋にからめて欲しかった気もするが、まぁグリム童話も数が多いから、あれもこれも詰め込みたくなるのはしょうがないか。

呪われた女王役のモニカ・ベルッチはため息が出るほど美しく、本来のヒロイン役レナ・ヘディはやや割を食ってしまったかも。
風景や衣装の重厚さに比べ、ストーリーに深みはなくバタバタしている感じだが、冒頭のペテン師兄弟の脱力するノリについていければ充分楽しめる。

ところで、公式サイトが尋常じゃないほど重くて、とても内容を閲覧する気になれないのだが…。
何か見られたくないことが書いてあるのかもしれません。見ないけど。
ブラザーズ・グリム公式サイト

評価:★★★☆☆

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2005年11月08日

ぼくのバラ色の人生(1997/ベルギー=仏=英/監督:アラン・ベルリネール)


郊外の住宅地に引っ越してきた平凡な家族。だが末っ子のリュドヴィック(ジョルジュ・デュ・フレネ)は、男の子でありながらドレスや人形遊びが大好き。なにかのまちがいで男に生まれてしまったが、将来は女の子になって好きな男の子と結婚したいと思っている。
自分は本当は女の子だと信じているリュドが起こす行動の数々は、地域や学校に波紋を呼び、やがて家族も白い目で見られるように…。

うーん、難しいね。
この映画では、リュド役の少年がきゃしゃで愛らしくて、本当にドレスが似合うような子なので、男の子らしさを強要する周囲の大人に苛立ちを覚えたりするけれど、これがごつくてブサイクな男の子だったらどうだろう。
まぁ、実際にはそういうキャスティングをしなかったことで、重いテーマとファンタジックなシーンのバランスがとれ、観やすい映画になってはいるけれど。

自分の周囲、または家族に、マイノリティが存在したら、個を尊重することができるだろうか。正直なところ、この家族のように時間はかかるかもしれないと思う。
あるいは自分がマイノリティだったら。自分を殺して周囲に溶け込もうとするのか、ありのままの自分をつらぬこうと思うのか。
死ぬ直前、より自分らしい人生だったと思えるほうを選びたいけれど、そういうふうに生きやすい社会を構成する一員でもありたいものだ。

不器用で一途な少年の今後は、決してバラ色なだけではないだろうけれど、そう不幸な人生でもないと思いたい。

評価:★★★☆☆

ぼくのバラ色の人生
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star全ての少数者差別を告発する名作
starとかくリベラルなイメージのフランスですが・・
star見苦しいほど泣きました

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2005年10月21日

ヘイフラワーとキルトシュー(2002/フィンランド/監督:カイサ・ラスティモ)


heyflower01.jpgいつも一緒の仲良し姉妹・ヘイフラワーとキルトシュー。イモの研究一筋で家族のことをかえりみない父親と、家事がまったくできない母親に代わり、家のことを取り仕切っているヘイフラワーは悩んでいた。もうすぐ小学校が始まるが、学校に行っているあいだ、誰がキルトシューの面倒を見てくれるのだろう…?
ヘイフラワーの悩みをよそに、わがまま三昧のキルトシュー。パパもママもわかってくれない。いい子だったヘイフラワーはついにキレてしまう。

ヘイフラワーとキルトシューって、名前がまずカワイイね。
子役の2人はお人形さんみたいで本当にカワイイが、妹のキルトシューはかなりのつわもの。世界は自分を中心に回ってると思ってるねw。まぁ、子どもってそういうとこあるけど、お姉ちゃんのヘイフラワーがあまりにけなげないい子なので、思わずキルトシューを逆さにしてベランダから吊るしたくなったりして。

けれど、あまりの理不尽さにヘイフラワーがボイコットを始めるところは、なんだかとっても安心した。やっぱり大人にとって都合の良い“いい子”って、なんだか心配である。
たまには自分を出すことで、ヘイフラワーはバランスの良い人間に育っていくだろうし、キルトシューも思いどおりにならないこともあるって学べるもんね。まさにきょうだいの良いところ。

ちぐはぐな家族が絆を取り戻していくプロセスはやや大味な印象で、70分は短すぎかなと思う。結局はみんな家族が大好きなんだってことが伝わってくるんだけど、そういう映画だろうってことは想定の範囲内だし、肝心なところをもっと丁寧に描くべき。

北欧の緑豊かな風景や、こだわりを感じるポップなファッションやインテリアは観ていて飽きなかった。
なにはともあれ、ヘイフラワーとキルトシューの、この世のものとは思われない可愛らしさは観ておいて損はないと思われる。

評価:★★★☆☆

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2005年10月14日

8人の女たち(2002/フランス/監督:フランソワ・オゾン)


フランスを代表する新旧8人の女優(ダニエル・ダリュー/カトリーヌ・ドヌーヴ/イザベル・ユペール/エマニュエル・ベアール/ファニー・アルダン/ヴィルジニー・ルドワイヤン/リュディヴィーヌ・サニエ/フィルミーヌ・リシャール)の個性に圧倒される、ミュージカルサスペンスコメディ(?)。

クリスマスを祝うため、雪に閉ざされた大邸宅に家族が集うこととなった。その日の朝、メイドが一家の主マルセルの部屋へ遅い朝食を持っていくと、彼はナイフで背中を刺され死んでいた。外から何者かが侵入した形跡はない。電話線は切られ、雪で外部との連絡を完全に絶たれた8人の女たち。祝祭気分は一転、彼女たちは疑心暗鬼を募らせていく。やがて、互いの詮索が始まる。そして、次々と彼女たち一人ひとりの思惑や秘密が暴露されていく…。

ミステリでいえば、“雪の山荘”(“嵐の孤島”ともいう)という王道シチュエーションだが、謎解きパートはかなりどうでもいい。
家族のタブーや秘密が暴露されていくというプロットは、先日観た「空中庭園(2005/日本/監督:豊田利晃)」とダブってしまったが、テイストはもうまったく異なる。日本だとリアルでシャレにならない秘密を抱える家族ドラマになるところだが、お国柄なのか、おフランスの家族の秘密は濃ゆ〜い、ありえない恋愛ゲームがメイン。もっとコミカルな内容を予想していたのだけど、意外と泥沼の人間関係。しかしこれがぜんぜん重くなく、ポップな仕上がりでとっても観やすいです。

舞台と登場人物が限られているため、ヘタな演出や俳優では単調になったり飽きがきたりするところだが、個性的で魅力的な8人が揃い、それぞれソロで歌い踊るシーンもメリハリがきいていて楽しい。

色鮮やかなのにうるさく感じない、キュートな衣装やセットのセンスも抜群。
さすがフランス、粋な映画です。

評価:★★★★☆

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2005年10月11日

ビッグ・フィシュ(2003/アメリカ/監督:ティム・バートン)

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出産間近の妻とパリで幸せに暮らすジャーナリストのウィル・ブルーム(ビリー・クラダップ)。彼の父エドワード(アルバート・フィニー)は自分の人生を幻想的でマジカルな話として語り、聞く人を魅了し楽しい気分にさせる名人だった。ウィルも子どもの頃はそんな父の話を聞くのが大好きだった。しかし3年前の自分の結婚式で喧嘩して以来、父とは不和が続いていた。そんなある日、母から父の病状が悪化したとの報せを受け、ウィルは妻を連れて実家へと向かう。しかし、病床でも相変わらずホラ話を繰り返す父と、父の本当の姿を知りたいと願う息子の溝はなかなか埋まらなかった…。

こういうのに素直に感動できない自分が寂しいが、家族愛で押してくるのは本当に苦手。
これで泣ける人は幸せな家庭で育ったんだろうね。羨ましい。

まったくシラけっぱなしの2時間だったというわけでもないんだけど。
エドワードの語る、落合信彦ばりの壮大なホラ話はそれなりに楽しめたが、ホラ話を前提として観なければならないとなるとやや退屈。

まぁ、子どもを育てるようなことになれば、こういうのに感動できる子になってほしいとは思うけどね。
人生観が現れますなぁ、映画鑑賞って。

【★★☆☆☆】

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2005年09月26日

フック(1991/アメリカ/監督:スティーブン・スピルバーグ)


子どものころ、バリの原作がとても好きで、何度読んだかわからないほど読み込んだ「ピーター・パン」。
実はこの映画も公開当時に映画館で観ているのだが、“ロビン・ウィリアムズのキモいピーター・パン”という、スピルバーグ作品にしちゃいまひとつな印象しかなかった。
今回も流し見程度のはずだったのだが、あまりにも微妙な感じにレビュー書かずにおれなくなってしまった問題作(?)。

まず、ダスティン・ホフマン(フック船長)とジュリア・ロバーツ(ティンカーベル)が出ていたことにビックリ。そんな大事なこともすっぽ抜けちゃうほど印象の薄い映画だったとは。

子どもだましには違いないが、大人になったピーター・パンという発想は悪くない。とはいえ、タイツ姿ではしゃぐロビン・ウィリアムズはあまりにもキツい(´Д`;)
ジュリア・ロバーツの生々しい顔立ちも妖精って感じじゃないしねぇ。

子ども向けにしちゃ夢がないし、大人向けにはユルすぎる。いったい誰に観てもらいたいのか、不明瞭な作品。“夢を忘れた大人”ってテーマも、別に悪いとは言いませんが、描き方が押しつけがましくて不快。あー、キモかった(´Д`;)

【★★☆☆☆】

フック コレクターズ・エディション
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2005年09月21日

ファンタスティック・フォー(2005/アメリカ/監督:ティム・ストーリー)


fantastic4.jpg銀河ヒッチハイク・ガイド」の最終上映時間までのつなぎで。
そういえば、アメコミ系の映画ってほとんど観ないです私。バットマンもスパイダーマンもMr.インクレディブルも、スーパーマンですら。
嫌いというより、基本的に対象外。こういうジャンルこそまさに映画の醍醐味なんだろうけれど。
でもMr.インクレディブルはTSUTAYA DISCASの予約リストに入れてたかも。そのうち観なくちゃ。

宇宙実験の最中、強力な宇宙嵐に遭った5人。DNAの変化によって、さまざまな特殊能力を発揮するようになり、世間の注目を浴びる。“ファンタスティック・フォー”と呼ばれるようになった4人は、宇宙線を浴びたもう一人、Dr.ドゥーム(ジュリアン・マクマホン)と対決することになる。

To be continued...って感じの終わり方で、今作はイントロダクションとかお披露目的なシナリオという印象。4人+1人が超能力をもつまでの展開が長すぎでない? そんでもって後半の戦闘があっけない。超能力ガシガシのチーム戦は次回作以降、乞ご期待! ってか。
アメコミには疎い私だが、同じ宇宙線を浴びたのにそれぞれ能力が異なるのは摩訶不思議。それぞれの性格をなんとな〜く反映した能力になってるのかな。そんな大味なところもアメコミぽくてヨイけど。

ヒーロー戦隊というより、擬似家族的なつながりの印象が強いチームF4。
Mr.ファンタスティック(ヨアン・グリフィズ)とインビシブル・ガール(ジェシカ・アルバ)のイライラする恋愛関係よりも、インビシブル・ガールとヒューマン・トーチ(クリス・エヴァンス)の姉弟関係のほうがリアルで、姉弟ゲンカもほほえましかった。
最後はMr.ファンタもプロポーズに成功し、次作以降はガッチリ家族戦隊になっていく気配。気はやさしくて力持ち・岩石男のザ・シング(マイケル・チクリス)はイメージキャラとして。

ダーク・エンジェル」以来、久々に見たジェシカ・アルバは一段とキュートでセクシーになっていた。
どことなくエキゾチックな顔立ちなので、ダーク・エンジェルの黒髪のほうが雰囲気があると思うが、今回は明るいアメコミヒロインらしいブロンドにイメチェン。抜群のプロポーションで、健康的なお色気を見せてくれます。ハリウッドではすでに大ブレイク、日本でもブレイク寸前ってところか。

最も驚いたのは、かつてのダチョウ倶楽部のギャグ“ムッシュムラムラ”の元ネタがこの作品のアニメ版だったというトリビア。

【★★★☆☆】
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2005年09月11日

花嫁吸血魔(1960/日本/監督:並木鏡太郎)

[DVD]

女優の卵・藤子(池内淳子)は、ある映画の主役に抜擢されたことで女優仲間の嫉妬を受け、崖から突き落とされて顔に大怪我を負い、女優断念を余儀なくされる。
さらに、病院を抜け出し家に戻ると母親は自殺していた。失意の藤子は、母親の遺書にあった曾祖母の元に身を寄せるが、結局は絶望の果てに自殺してしまう。
実はこの曾祖母は陰陽師の末裔で、自分の命と引き換えに藤子をコウモリ女として蘇らせるのだった。

何がスゴイって、清純派の池内淳子が自ら毛むくじゃらのコウモリ女を演じていることである。吹替えなし。スゲー女優根性。
有名な裏事情としては、東宝社長の反対を押し切って結婚・引退したものの、結婚生活に破れて戻ってきた彼女に用意されたのがこの役ということである。
顔を真っ黒に塗りたくり、腕に毛を生やし、変な扮装で腕をはためかせつつしのび歩く姿は、つくづく自分が情けなくなったにちがいないが、やけくそだろうとなんだろうと、ここまで見事に演じきっているのはすばらしい。

前半の女優パートでは、藤子の清純さ・気立てのよさをこれでもかと見せられるため、後半の醜悪なコウモリ女パートとのギャップがたまらないです。
なんで血を吸わなきゃならないんだとか、出たり消えたりする特殊能力はどこからとか、そもそもなんでコウモリ女なんだとか、突っ込みどころ満載だが、メジャーなカルト映画として一見の価値あり。

【★★★☆☆】

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池内淳子 寺島達夫 三田泰子

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2005年09月06日

フライド・グリーン・トマト(1991/アメリカ/監督:ジョン・アヴネット)

(今回から鑑賞手段を記録しておくことにしますた↓)
[DVD; TSUTAYA DISCAS

夫婦生活に疲れ、更年期障害に悩まされている主婦・エヴリン(キャシー・ベイツ)は、親戚の見舞いに訪れた病院で、話し好きの老女ニニー(ジェシカ・タンディ)に出会う。ニニーが語るのは、黒人差別や女性蔑視の風潮が色濃い時代のアラバマ州で、自由と友情に生きたふたりの女性の物語。
エヴリンは物語にすっかり引き込まれ、面会のたびにニニーに話の続きをせがむようになる。やがて、ニニーの語るイジー(メアリー・スチュアート・マスターソン)とルース(メアリー・ルイーズ・パーカー)の生き方に影響され、エヴリン自身も変わっていくのだった。

現代のエヴリン&ニニーのシークエンスと、イジー&ルースの昔話のシークエンスが交互に展開する構成が秀逸で、長尺にもまったく飽きない。
友情・愛・人種差別・家庭内暴力といった人生の悲喜こもごもに、さらにサスペンスまで加わってきて、さまざまなエッセンスが詰まっているにもかかわらず、全体的な印象はシンプルでストレート。さわやかな後味です。

なんといっても、イジーとルースの友情物語がとても面白い。アメリカ南部の魅力が存分に味わえるし、この時代の黒人や女性への差別というダークサイドの描写も押し付けがましくないのがいい。人種や性別を超えた大きな愛をもつ女性・イジーと、彼女に感化されて生き生きと人生を楽しむようになるルースの友情に心洗われる。
そこはかとなく感じられる同性愛的な側面も、さらりと匂わせる程度に留まっているのはよかった。これが全面に押し出されてくると、まったく印象が違っていたと思われるので。

骨太なイジーとルースの物語にくらべると、エヴリン&ニニーのシークエンスの物語性は軽めで、バランスはいまひとつだが、キャシー・ベイツとジェシカ・タンディの名演により遜色ないものとなっている。

それにしても、殺人事件のオチはさらりとものすごいことを暴露しているが、笑って聴いてる場合か、エヴリン?

【★★★☆☆】

フライド・グリーン・トマト
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2005年08月31日

バレット・バレエ(2000/日本/監督:塚本晋也)

恋人(鈴木京香)を拳銃自殺で死なせてしまった合田(塚本晋也)は、次第に拳銃の魅力に取り憑かれ、不良チームに暴行されたことをきっかけに銃を手に入れるべく街を奔走。しかし、その復しゅうはチームの少女・千里(真野きりな)への不思議なシンパシーによって、思わぬ事態へと発展していく……。

……面白いんだか面白くないんだか、微妙。
先の読めないストーリーにはつい引き込まれてしまうが、“暴力”“拳銃”“死”といったキーワードにはそもそも感情移入しにくいし、そのどれにも焦点が絞り切れていない気がする。
それは全編モノクロームのせいかもしれないのだが。過剰な暴力描写もどことなく現実感が薄く、血しぶきにナマナマしさもない。
モノクロ映像による金属的な硬質感のおかげで、どこか距離を置いて観ることができるのだが、演出としてはややあざとい気が。

“死”にあこがれて、刹那的な日々を送っている少女・千里役の真野きりなが良い。
触れれば壊れそうな、透明感のある美しさで、これまた現実離れしている。いまにもパンクしそうな危うさを孕んで迷走する、複雑で繊細で臆病な少女がとても魅力的だった。

【★★☆☆☆】

バレット・バレエ
B00005HLRK塚本晋也 真野きりな 鈴木京香

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2005年08月18日

プライベート・ベンジャミン(1980/アメリカ/監督:ハワード・ジーフ)

世間知らずのお嬢様、ジュディ・ベンジャミン(ゴールディ・ホーン)は、2度めの結婚をするが、新婚初夜に夫が死んでしまった。
どうしていいかわからないまま呆然とするジュディだったが、あろうことか、軍隊の勧誘担当者の甘い言葉に騙されて陸軍に入隊してしまう。まるでやる気のないジュディは当然のように落ちこぼれるが、両親や女性上官への反発から軍隊に残ることを決意。
その間に知り合ったパリの産婦人科医と親しくなり、やがて3度めの結婚をすることになる。

本格的な訓練でシゴかれてギブアップしそうになるも、やがて軍隊に徐々になじんでいくあたりまでは面白く、期待できそうなコメディに思えるが、産婦人科医とのロマンスが中心になる後半でしょぼ〜ん。一気につまらなくなる。
軍隊喜劇なのかラブコメなのかどっちなのさ。

ジャケットはなぜか不気味なショットが使われているが、劇中のゴールディ・ホーンはとっても可愛い。ただ周りに流されて生きてきたお嬢様が、軍隊で少しずつたくましくなっていく様子を、嫌みのない明るさで生き生きと演じている。
男運の悪すぎるジュディだが、3人めの相手の産婦人科医はヒドイ。何がってセンスが。つきあっていくうちに、ジュディのファッションもどんどん趣味が悪くなっていくんだよね。
髪も男の趣味の色に染めて、誰もが憧れるせっかくのキュートなブロンドが台無し。あ〜もったいない。

良くも悪くも、80年代の典型的アメリカンコメディ。
ゴールディ・ホーンが好きなら観て損はないけれど。

【★★☆☆☆】

プライベート・ベンジャミン
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star動きが表情がとにかくキュートなゴールディ
starいい意味で期待を裏切られました
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2005年08月08日

ファイト・クラブ(1999/アメリカ/監督:デビッド・フィンチャー)

高級マンションに住み、趣味の北欧家具に囲まれてはいるが、なぜか充足感を味わえず不眠症に悩む男(エドワード・ノートン)。
ある日、出張から戻ると自分の部屋が爆発事故に遭い、集めた家具も木っ端微塵になってしまっていた。途方に暮れ、飛行機で知り合った石鹸セールスマンのタイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)の家に転がり込む。だがその条件は「俺を力いっぱい殴れ」というもの。
それから、ふたりの共同生活が始まり、一方でお互いを殴り合うファイト・クラブが生まれた。徐々にタイラーがカリスマを発揮し、会員も増えクラブは組織化していく。

これ、ただのバイオレンス映画ではなかった。
最後までなんだか違和感があったのだが、まず主人公の名前がはっきりしない。そして驚くべきタイラーの正体。このあたりがキモで、実は現代社会に対する強いメッセージ性をもった映画だったのだ。

とにかく前半は面白い。不眠症の主人公が、さまざまな病気を持つ人の自助組織に片っ端から出席して、病気でもないくせに抱き合って大泣きし、すっきりして眠れるようになるというとんでもない睡眠療法なんか笑える。
限界まで殴り合うことで自己を開放するファイト・クラブの爽快さもさることながら、廃屋寸前でドロドロのタイラーの家、金持ちの痩身手術で出た人間の脂肪を盗んで石鹸を作り、それを金持ちに売りつけるというえげつない商売など、ブラックコメディとしてセンスの良さが際立つ。

徐々にファイト・クラブが拡大しテロ集団化していき、タイラーの正体が明らかになってくる後半こそがこの映画のキモなのだが、どうもだんだんついていけなくなってしまった。
ただ、ファイト・クラブの暴走が突飛で非現実的であるほど、タイラーの正体に衝撃度が増すので、全体としてはよくできた脚本だと思う。序盤からきちんと伏線張ってあるしね。

消費社会への反発というテーマ自体は今さらだし、あんまり共感できるものでもないので、別にテーマ性なんかもたせなくても充分面白い話になってたんじゃないかと思う。

どうでもいいけど、クレジットカード会社の本社ビルをぶっつぶしても、個人の記録を消すことはできないと思うよ。データセンターやバックアップサーバーはそれぞれ別のところにあるだろうから、おそらくその後の請求も変わりないはずw
映像的には、窓から見える高層ビルが次々と爆発し崩れ落ちるラストは印象に残るが、本気で狙うんなら郊外のデータセンターだ!

ブラッド・ピットというよりエドワード・ノートンの映画ですな、これは。
とくに一人リンチには唖然。すごい役者だ。

【★★★☆☆】

ファイト・クラブ
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starただの殴り合いモノではない。
starただのハリウッド作品じゃない
star速い展開も、次第に謎が解ける

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2005年07月31日

北京原人〜Who are you?(1997/日本/監督:佐藤純彌)

genjin.jpgときどき契約して、すぐに解約するというサイクルの東映チャンネル(契約料が高いんだよ……)で観た。

……噂にたがわぬ怪作だなぁ。
なんで宇宙で北京原人のDNA操作をやる必要があるのかまずわからない。その後も、ひとつのDNAから原人家族が3人も再生されたりとか、原人とコンタクトをとるためにパンツ一丁になる緒方直人と片岡礼子とか、原人に襲われた片岡礼子に「原人の子を産め!」と迫る丹波哲郎だとか、それに「愛してもいないのにですか?」とトンチンカンな反発をする片岡礼子だとか、大金かけて再生させた原人を実業団陸上競技大会に出場させて世間を驚かせようとしたりだとか、予想もつかないストーリーに驚愕。

後半の“北京原人、中国へ帰る”編になるともうついていけない。
そもそも、北京原人の頭蓋骨の化石から取り出したDNA(どうやって?)から再生したタカシとハナコとケンジ(原人家族の名前w)に、頭蓋骨の持ち主の50万年前の記憶があるわけない。
おととい観たばかりの「アイランド」もそうだけど、どうして観客にはこんな簡単なことがわからないと思うのか。観客バカにすなや。
化石が発掘された中国(いつのまにかモンゴルまで移動してるけど……徒歩でw)で暮らしていた記憶が蘇ってウパーウパー喜ぶわけないのだ。
それが通用するのなら、ゾウマンモスにゾウの記憶がまったくないのはおかしいですやん! 都合良くマンモスの記憶だけ利用しないでもらいたい。

女原人もいる研究所では片岡礼子を犯そうとしたくせに、ほとんど人目が無い野っ原でジョイ・ウォンに襲いかからないのは何故だ、タカシ。

それにしても、監督の佐藤純弥って、ホントに「新幹線大爆破」の監督と同一人物なの?? 「スピード」(レビュー未掲載)にパクられるほど素晴らしい映画を作った監督なのに、この支離滅裂ぶりは信じられない。新幹線大爆破がミラクルだったのか、北京原人のときは呪われていたのか、これ以外の監督作は観ていない私にはさっぱりわからない。

【★☆☆☆☆】

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2005年07月19日

パーティ★モンスター(2003/アメリカ/監督:フェントン・ベイリー)

“ピンクのパッケージにハズレなし”という個人的ジンクスに従って借りてみました。

90年代初頭のニューヨーク。田舎から出てきた青年マイケル・アリグ(マコーレー・カルキン)は、ドラァグクイーンのジェイムズ(セス・グリーン)と出会い、さまざまな奇抜なパーティを企画しクラブシーンを席捲。彼らに影響を受けた若者たちが“クラブ・キッズ”と呼ばれるサブカルチャーを生み、マイケルは時代の寵児となっていくが、次第にドラッグに溺れ……。

実在したカリスマクラブキングを、お久しぶりのマコーレー・カルキンが演じる伝記ムービー。
ルックスはそれなりに色気のある青年に成長しているが、セス・グリーンやマリリン・マンソンのばっちりキマった毒々しいクラブ・キッズ・ファッションに比べ、マコーレーたんだけなんとなく“着せられてる”感じがするんだよねぇ。どこが悪いってわけでもないんだけど。10年のブランクを経て、このエキセントリックな役はちょいと難しかったんではなかろうか。

メリハリのきいたストーリーは面白くて飽きずに観られたが、マイケルの怪物性と純粋性の対比で心の闇を描いた話なのかと思いきや、いきなりサスペンスにシフトしてしまったのは散漫な印象。
伝記ムービーだし実際の殺人事件を取り込むのは当然だったのかもしれないが、別に真相はどうでも良かったような……。

イカレた倒錯ファッションで身を固めたクラブ・キッズが蠢くパーティシーンは見てるだけで楽しい。マイケルの企画もどんどんエスカレートしていき、奇抜というかバカバカしいアイデアに呆れるやら感心するやら。「流血パーティ」もぜひ実現して欲しかった。

【★★★☆☆】

パーティー★モンスター
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star他の映画とは一味違う!!
starNYクラブ・ドラッグカルチャーの狂気
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