(06/05/13) エロ将軍と二十一人の愛妾(1972/日本/監督:鈴木則文)
(06/05/08) インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜[TV版](2005/アメリカ/監督:三池崇史)
(06/05/02) 江戸川乱歩の陰獣(1977/日本/監督:加藤泰)
(06/04/01) 運命じゃない人(2004/日本/監督:内田けんじ)
(06/03/14) 刺青(いれずみ)(1966/日本/監督:増村保造)
(06/03/11) エミリー・ローズ(2005/アメリカ/監督:スコット・デリクソン)
(06/01/28) 鴛鴦歌合戦(1939/日本/監督:マキノ正博)
(05/12/16) ある子供(2005/ベルギー=仏/監督:リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ)
(05/12/06) 伊賀忍法帖(1982/日本/監督:斎藤光正)
(05/11/30) エリザベスタウン(2005/アメリカ/監督:キャメロン・クロウ)
(05/11/23) イゴールの約束(1996/ベルギー=仏=ルクセンブルグ=チュニジア/監督:リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ)
(05/11/22) アクメッド王子の冒険(1926/ドイツ/監督:ロッテ・ライニガー)
(05/11/18) アイドルたち(1968/フランス/監督: マルク'O)
(05/10/24) 狼少女(2005/日本/監督:深川栄洋)
(05/10/08) エイリアンVSヴァネッサ・パラディ(2004/フランス=独=英/監督:ディディエ・ポワロー)
(05/10/01) 妹の恋人(1993/アメリカ/監督:ジェレマイア・S・チェチック)
(05/09/08) オペラ座の怪人(2004/アメリカ/監督:ジョエル・シュマッカー)
(05/09/04) 江戸川乱歩の一寸法師(1955/日本/監督:内川清一郎)
(05/08/23) おわらない物語 アビバの場合(2004/アメリカ/監督:トッド・ソロンズ)
(05/08/07) IZO(2004/日本/監督:三池崇史)
(05/08/03) アタック・オブ・ザ・ジャイアントケーキ(1999/ギリシャ/監督:パノス・H・コートラス)
(05/07/30) アイランド(2005/アメリカ/監督:マイケル・ベイ)
(05/07/17) エレファント(2003/アメリカ/監督:ガス・ヴァン・サント)
(05/07/17) アルマゲドン(1998/アメリカ/監督:マイケル・ベイ)
(05/07/03) オールド・ボーイ(2003/韓国/監督:パク・チャヌク)
(05/06/26) インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(1994/アメリカ/監督:ニール・ジョーダン)
(05/06/13) えびボクサー(2002/イギリス/監督: マーク・ロック)
(05/05/22) 赤い橋の下のぬるい水(2001/日本/監督:今村昌平)
(05/05/15) アトランティス 失われた帝国(2001/アメリカ/監督:ゲイリー・トルースデール カーク・ワイズ)
(05/04/15) ウエルカム・ドールハウス(1995/アメリカ/監督:トッド・ソロンズ)

2006年05月13日

エロ将軍と二十一人の愛妾(1972/日本/監督:鈴木則文)


“笑うポルノ、ヌケるコメディ”にて。
ちなみに“愛妾”は“めかけ”と読む。

この映画、ずっと観たかったんだよね。ありがとうシネマヴェーラ。この企画、最高です!
上映前の小沼勝/中田秀夫監督によるトークショーの最中、鈴木則文監督が劇場に来られていることが発覚。そんな、客席にさりげなく座ってないで下さいよ! ビックリしたなぁもう。

十代将軍・徳川家治(田中小実昌)が“恍惚の人”になり、田沼息次(安部徹)は十一代将軍を豊千代(林真一郎)と強引に決めてしまう。
ところが、日頃から学問ばかりしている豊千代は女を知らない。将軍になれば数百人もの女が仕える大奥に通わなければならないので、まずは筆おろしのため吉原に連れていくが、花魁が膣痙攣を起こしてふたりは離れられなくなり、豊千代は人前に出られなくなってしまったからさあ大変。
困った田沼息次は、お吉(池玲子・その正体は義賊女ねずみ小僧)のアドバイスで、田舎から出てきたばかりのエロ小僧・角助(林真一郎・二役)が豊千代に生き写しであることを知り、さっそく代役に立てる。
無類の女好き・角助は大喜びで、大奥の女に手をつけまくり孕ませまくり。あげくのはてには田沼の妻を一夜貸し出せと要求し、娘ともども親子どんぶり。
田沼の苛立ちなど意にも介さずやりたい放題の角助だったが、大奥で下働きをしていた幼なじみのお菊(渡辺やよい)が嫌がらせを受けて井戸に身投げをしてしまったことを知り、精神が錯乱しはじめた角助。ついには囚人に大奥を解放するという法令を出す。われ先にと大奥になだれ込む囚人たちと女たちによる、狂乱の痴態が繰り広げられるのであった…。

これほどエロでバカでありながら、ベースには則文監督らしい反権力思想がかいまみえる。
すべては百姓一揆で父親を殺されたために恨みを抱き、庶民の血税の上にあぐらをかいている幕府をひっかき廻さんとする女ねずみ小僧・池玲子の描いたシナリオどおりにことは進んでいく。女ねずみ小僧の見込んだとおり、角助の怒涛のエロパワーで大奥はもうめちゃくちゃである。さすが下賎の者の精子は強い。精度の高い命中率で、大奥の女たちはもちろん、京から迎えた皇族の血を引く側室(杉本美樹)も次々と孕ませていく。
獣欲のおもむくまま、高貴な血筋に庶民のバイタリティをたっぷり注入したあげく、男子禁制の大奥にもっとも下賎な囚人たちをなだれ込ませる狂いっぷりに、女ねずみ小僧も「あなたは徳川始まって以来の名君です」とカラダを開いて慰労(池玲子、やっと脱ぐ)。あそこでもここでもと、おかまいなしに繰り広げられる一大乱交のシーンは圧巻である。まさに性の大スペクタクル!

三原葉子がまたとんでもないヨゴレ役で、イイ仕事している。狆をバター犬にして悶えていたかと思えば、次は清の使節団から献上された“パンタ”なる小人の性玩具2匹(+狆)にバージョンアップ! しかしこの“パンタ”は強烈だー。「家畜人ヤプー」みたいですわ。

おなじみ、大泉滉・由利徹・岡八朗トリオも相変わらずの脱力系ギャグを繰り広げる。由利徹と岡八朗はわけのわからない清の使節団として出てくるが、その名も“毛沢山”(もうたくさん)と“陳万紅”(ちんまんこう)。岡八朗(奥目の八ちゃんだよ!)は女に「陳万紅さまぁ〜」と迫られ、実は宦官でチンコがないことを告白。それを聞いた角助はさっそく宦官制度を取り入れようと提案、うっかり賛成して植木バサミでチンコ切られる忠臣が大泉滉なのであった。

タイトルの“二十一人の愛妾”は、本編中に角助が手込めにした女の数なのかな?(数えてなかったけど)
しかし、ハダカになるのは二十一人どころのさわぎではない。というか、出てくる女のほとんどはハダカになって何らかのセクシーシーンがあるという、女体スペクタクル系バカ映画である。
徳川セックス禁止令 色情大名(1972/日本/監督:鈴木則文)とともに、冥土の土産にいっぺん観とけ!

評価:★★★★☆

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2006年05月08日

インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜[TV版](2005/アメリカ/監督:三池崇史)

Perfect Choice 【 パーフェクトチョイス「プレミア!」マスターズ・オブ・ホラー/恐-1 GP チャンネル 】にて。

imprint_tv.jpg

5/27よりシアター・イメージフォーラムにてレイトショー公開の本作。ひと足先にTV放映版を観た。(※TV版と劇場版は尺が異なる)
劇場公開前なので、できるだけ詳細は避けるが、鑑賞予定の方は読まない方がいいかも。

日本ホラー小説大賞を受賞した岩井志麻子の傑作「ぼっけえ、きょうてえ」は、不気味で重苦しく、行間からもモノクロの世界観が広がるばかりで、ほとんど色味を感じなかった。岡山は晴れの国と言われているが、この物語からはとてもそんな気配は感じられない。気候は悪く土地は痩せ、常に飢饉と隣り合わせの貧しい村で、人びとは息詰まるような愛欲と情念を抱えて暮らしている。
女は女郎屋に売られる。女郎屋といえば、緋縮緬や緋緞子の豪奢な夜具、花魁のきらびやかな着物など、錦絵のごときまばゆいイメージを抱くが、この女は薄明かりのもとでボソボソと恐ろしい話をつむぐ醜女。その寝物語は血と汚穢にまみれているが、やはりどこまでもモノクロかセピアのイメージしか浮かんでこない。

重く暗いトーンの原作を、どことも知れぬ鮮烈な耽美的世界のもとで描いた本作。
そこは地獄か極楽か、エキゾチックで妖艶な色街(どこか浮き島であるらしい)の描写は一見の価値あり。

拷問、虐待、堕胎、近親相姦…女の語る物語は哀しく恐ろしい。
どちらかというと、心理的な怖さよりも、ビジュアルのインパクトを重視したつくり。女郎の拷問シーンなど、この手の描写には慣れている私も眼をそむけたくなった。

これがやれる女優は、確かに今のところ工藤夕貴がベストかもしれない。
原作者が出演してるのも要チェックである。志麻子サンは相当エキセントリックな人というイメージがあるので、これはハマリ役かもw

劇場公開版からカットされているのは、女(工藤夕貴)の生い立ち、クリストファー(ビリー・ドラゴ)の過去あたりだろうか。拷問シーンがこれ以上長くなってるとキツイぞ。
ラストがちょっと曖昧だったので、劇場版ではキッチリ描かれてると嬉しいのだが。

なお、この作品は絶対にデートのついでに観てはいけない。
女の業の深さを描いた作品なので、あなたの彼女は自分が女であることを疎ましくすら思うかもしれない。
女とは、内なる地獄を抱えた生き物なのである。

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2006年05月02日

江戸川乱歩の陰獣(1977/日本/監督:加藤泰)


“激情とロマン 加藤泰 映画華”にて。

推理作家の大江春泥から脅迫状を受け取った小山田静子(香山美子)は、夫婦の性生活が克明に描かれていることに恐怖を覚えた。彼女は、同じく推理作家の寒川(あおい輝彦)に助けを求める。だが第二の脅迫状通り、夫は殺されてしまう…。乱歩の世界観だけでなく、そのストーリーをも完全に映画化している。

“陰獣”は乱歩の中で最も好きな作品だ。
トリックや謎解きはたいしたことないが、乱歩自身の投影ともいえる大江春泥の不気味な存在感、生々しく濃厚な愛欲描写、怪奇幻想作家たる大乱歩のディープな世界観にどれだけ耽溺したことか。
乱歩映画はたくさん作られているが、いろんな原作のツギハギだったり、大胆に脚色されてたりと、原作に忠実な作品ってあんまりないように思うのだが、本作はほぼ原作どおりと言って良い。
船つき場の便所に死体が流れ着き、用を足そうとした老女(菅井きん)が便器から覗く死体に仰天し大騒ぎになるくだりまできっちり再現されているのは感動だ。

複雑な原作を丁寧に追っているが、全体の尺とのバランスが悪いためか、展開がわかりにくい面もある。
しかし、耽美な映像美で、密度の高い世界観が構築されており、乱歩の映像化としてはきわめて完成度が高い。

倒錯趣味をもつ男女が碁石を打つ音を鞭の打擲の音にダブらせ、次第に隠微な空気になっていくシーンと、真っ赤な部屋であおい輝彦と香山美子が激しく対立するクライマックスが圧巻。ありゃあプレイの一環だね。いわゆる言葉責めってやつ?

評価:★★★☆☆
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2006年04月01日

運命じゃない人(2004/日本/監督:内田けんじ)

新文芸坐@池袋】

気になる日本映画達〈アイツラ〉2005にて。
このあいだまでユーロスペースでアンコール上映、新文芸坐の2005年邦画セレクションではトップを飾るこの作品、どんなんだろうと興味津々だったが、期待にたがわぬ快作であった。ノーチェックだったのが悔やまれます。

unmeijanaihito.jpg典型的なお人好しの冴えないサラリーマン宮田武(中村靖日)は、結婚を前提にマンションを購入した矢先、肝心の恋人倉田あゆみ(板谷由夏)に突然去られてしまう。ある晩彼は、親友で私立探偵の神田勇介(山中聡)に呼び出され、とあるレストランへと向かう。神田はいつまでも前の彼女を忘れられない宮田を叱咤すると、その場で宮田のためにと女の子をナンパしてみせる。一人で食事していたその女、桑田真紀(霧島れいか)はちょうど彼氏にフラれて今夜の泊まる家もなく途方に暮れているところだった。そこで宮田は自分の家に泊まるようすすめ、2人で帰宅するが、そこへ行方知れずだったあゆみが戻ってきた…。

日本で一番いい人・宮田クンと、3500円の女・真紀ちゃんの“運命じゃない”出逢いのウラで、視点と時間軸をずらすと、詐欺師やヤクザの絡むとんでもないストーリーが展開。知らぬはキナ臭い裏世界とは無縁の宮田クンばかりなり。

とてつもなく凝った構成でありながら、観ていてこんがらがることは皆無。
この手の作品には、パズルのような構成に頭を整理しながらでないとついていけないものも多いが、本作は複雑な構成とわかりやすさ・面白さが両立しているという奇跡のようなシナリオである。

パルプ・フィクション(レビュー未掲載)やロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(1998年/イギリス/監督:ガイ・リッチー)を彷彿とさせるが、構成力、キャラクター造形のうまさ、セリフの妙など、これらの傑作と比べてもひけをとらない。むしろ“わかりやすく作られている”という点では軍配をあげたくなるほどである。

最終的に誰が主役だったのかよくわからないほどキャラクターが立っていて、皆がとても小市民的で親しみがわくし、ときには身につまされる。ヤクザ稼業も楽じゃないとぼやくヤクザの親分なんて、貫禄があるんだかないんだか絶妙なキャラ設定。
あまり名前は通っていないが、“いい仕事している”役者が揃っている作品だ。

探偵の友人に「お前は一人だけ別の星に生きてるなぁ。早く地球に戻ってこいよ」と言われてしまう宮田クンを見ていると、探偵や詐欺師など裏世界の人々を惹きつける要素がありながらも、平凡に生き続けることは一種の才能なのかもしれないと思いましたw

上映後、内田けんじ監督&荒木啓子(PFFディレクター)のトークショーがあった。内田監督は次作を準備中。早ければ今年中に撮影が始まるとかで、実に楽しみである。

なお併映はサマータイムマシン・ブルース(2005/日本/監督:本広克行)。2005年の邦画の中でも、とくに構成の巧さが光るこの2作を見比べてみると面白い。

評価:★★★★☆
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中村靖日 内田けんじ 霧島れいか

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2006年03月14日

刺青(いれずみ)(1966/日本/監督:増村保造)


質屋の娘・お艶(若尾文子)は、ある雪の夜、いとしい手代の新助(長谷川明男)とともに駆け落ちを果たす。二人きりで短い蜜月を過ごすが、かくまってくれた船宿の主人・権次(須賀不二夫)は札付きの悪党。新助を殺しお艶を女郎宿に売り払ってしまおうと考えていた。そのお艶に目をつけている男がもう一人いた。刺青師の清吉(山本学)である。清吉は他の何ものにも換え難いお艶の美しく白い肌に、一世一代の刺青を彫りたいと願っていた…。

このあいだ、同原作(谷崎潤一郎)の再々映画化となる、刺青 SI-SEI(2005/日本/監督:佐藤寿保)を観たばかりであるが、あまりの違いに驚いた。キャラクターの魅力、ストーリーの面白さ、映像の美しさ、全てにおいて比べものにならない。
とにかく、脂ののりきった若尾文子の美しさは嘆息もの。婀娜な魅力とは、こういう人のことをいうのだろう。
実際は吹き替えが多いらしいが、その美しい背中は最高級の和紙のよう。
刺青の図案(女郎蜘蛛)の不気味さと、汚れを知らない白いカンバスのコントラストが、いっそうまがまがしく蠱惑的に映る。

男を喰い殺す背中の女郎蜘蛛は、男の生血を吸ってますます生命力を増していく。
男なら誰しも、こんな女郎蜘蛛に抱かれて精も根も吸い尽くされたいと夢想するのではないだろうか。

評価:★★★★☆
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2006年03月11日

エミリー・ローズ(2005/アメリカ/監督:スコット・デリクソン)


emily.jpg神父ムーア(トム・ウィルキンソン)が悪魔に呪われたという19歳の女子大生エミリー・ローズ(ジェニファー・カーペンター)に悪魔祓いを施した末、死に至らしめたとして過失致死罪で起訴された。彼の弁護には、野心的な女性弁護士エリン(ローラ・リニー)があたることに。エミリーは精神病で、薬の服用をやめさせたことが原因だと主張する検事側に対し、エリンはムーアの真摯な主張をもとに悪魔の存在を証明していく―。ある深夜3時、大学寮で寝ていたエミリーは焦げ臭いにおいで目を覚ました途端、原因不明の痙攣や幻覚に見舞われる。以来、症状が悪化し、病院でも改善が見られない彼女は自宅で療養する。やがて、自分の中に何かが取り憑いていると確信したエミリーは、ムーアに全てを託す。だが、彼の懸命な悪魔祓いも空しく、エミリーは無惨な姿で命を落としてしまう…。

オカルト映画を装いながら、本格的な法廷劇であるところが面白い。アメリカの裁判って面白いよね。最終弁論てやつが実にドラマチックで、法廷の空気をひっくり返してしまったりするのである。まぁ、実際の法廷の場はどんなもんだか知らないのだけれど。

欧米人の根深い宗教観がビシビシ伝わってくる本作だが、証人として喚問された怪しい専門家も言っているように、“悪魔憑き”は世界中に見られる現象。日本なら“狐憑き”と呼ばれるだろう。
現象そのものはキリスト教だけにとどまらないだけに、真実そのような闇の世界が存在するのか、あるいは共通した身体的・精神的特徴を持つ者による科学的根拠のある言動なのか、どちらでもあるような気がするし、今のところ誰にもわからない。
こんなわけのわからないことまで裁判に持ち込むのはいかにもアメリカらしいが、その根底には“よくわからない現象には、とりあえず何らかの理由をつけたい”心理があるのだろう。
メインとなる法廷シーンは、事態の解明に揺れ動く人々の心理が伝わってきて緊迫感があった。

悪魔憑きに苦しむエミリーと、真実を見極めようとする法廷シーンが交互に進む構成が秀逸。オカルティズムとリアリズムの対比という構図は、誰も白黒はっきりつけられないだけに、実にスリリング。
これだけで充分面白いのに、神父や弁護士がオカルト現象に遭遇するシーンは後付けっぽくて、蛇足ぎみだと感じたのが惜しいなぁ。

それにしてもジェニファー・カーペンターは怖かった…。
あれを間近で見たら、絶対に悪魔の存在を信じてしまうであろう壮絶な演技。
ルックスはいまひとつだが、迫力ある演技でこの作品を真実味のあるものにしていた。
こういう作品に出てしまうと、幅を広げるのは大変だと思うが、根性ありそうな女優だしね。がんばって下さい。

評価:★★★★☆

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2006年01月28日

鴛鴦歌合戦(1939/日本/監督:マキノ正博)

ユーロスペース@渋谷】

貧乏長屋に父の志村狂斉(志村喬)と住むお春(市川春代)は、隣の貧乏浪人・浅井礼三郎(片岡千恵蔵)に恋する乙女。ライバルの金持ち商人の娘・おとみ(服部富子)とはいつも口論が耐えない。そこに礼三郎のいいなずけの藤尾(深水藤子)や、お春に恋する若殿様(ディック・ミネ)が現れややこしいことに。ある日、志村と若殿様が骨董屋で出会い意気投合、若殿様は志村に気前良く50両の骨董をプレゼントする。ところが志村がお春の父と分かると、50両のかわりにお春を差し出せと言ってきた。志村は何とかお金を集めようと骨董を手放すが、どれも贋物ばかり。親子はついに夜逃げを覚悟するのだが…。

うわぁ、なんてすてきな映画なんだ。
もう底抜けに明るくて、めちゃくちゃ楽しい。

オペレッタは時代劇、ミュージカルは現代劇という括りがあるのだとは知らなかった。
オペレッタ時代劇というジャンルは私も何作かしか観たことがないのだが、これがけっこうイケる。チョンマゲのさむらいや小粋な町娘が突然歌い踊りだすのに驚くが、だんだん違和感も消え、いつしかノリノリになってしまうのである。

主役は一応、3人娘にモッテモテの千恵蔵とされているが、千恵蔵が病気静養のため急遽台本が大幅変更となり、彼の出番はたった2時間で撮ってしまったんだそうである。なので、真のプリンシバルは志村喬。
黒澤明監督の「生きる」で、ブランコに乗ってろうろうと歌い上げるシーンが印象深いが、本作でもハリのある歌声を聞かせてくれる。
骨董にうつつを抜かして生活力はあんまりなく、いざというとき頼りになると見せかけて、やっぱり抜けている父親が実に味があって愛らしい。

ディック・ミネのバカ殿キャラも最高。
コーラス隊であるところの家来を引き連れ、“僕はおしゃれな殿様〜♪”とスウィングしながら町を練り歩くさまは、ある意味衝撃的だ。
女好きでトラブルメーカーなんだけど、マヌケで人の好い殿様は、家臣にも慕われてるようでほほえましい。

ウキウキと楽しげなメロディと、印象に残るフレーズの数々が新鮮な歌、歌、歌。

とかく浮世はままならぬ、日傘さす人作る人〜♪

まるでカーテンコールのような幕切れも鮮やかで、スカッと気持ちの良い余韻が残る、オペレッタ時代劇の傑作。
DVDも出ているけれど、今なら新しくきれいな映画館(ユーロスペースは新築ビルに移転したばかり)のスクリーンで観ることができる。急げ!

評価:★★★★☆

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2005年12月16日

ある子供(2005/ベルギー=仏/監督:リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ)


lenfant.jpg定職につかず、少年たちを使って盗みを働き、盗品を売ってその日暮らしをしている20歳の青年ブリュノ(ジェレミー・レニエ)。ある日、ブリュノの子どもを出産した18歳の恋人ソニア(デボラ・フランソワ)が病院から退院してくる。子どもを見ても何の実感も感じないブリュノ。盗品を売った金でドライブに行ったブリュノとソニアは、まるで子どものようにじゃれあう。しかしブリュノはソニアに子どもの世話を頼まれた間に、カメラを売るように子どもを売ってしまう。

…ブレブレのハンディカメラ映像は三半規管弱い人には辛いだろうなぁ。
だが、私は、これほどスクリーンの中の人物に生々しさを感じさせる監督を他に知らない。
常に被写体の心情からは一歩引いた目線にもかかわらず、独特の臨場感を生むカメラワークはまったく素晴らしい。
ブリュノと少年が警察の追手から逃れるため冷たい川に入って身を隠すシーンなど、派手なアクションも効果的なBGMもないのに、どんなサスペンス映画よりも緊迫感があった。

ブリュノは愚かで考えが足りない青年ではあるが、根っからの悪人ではない。
ただ、今さえ良ければそれでよく、できるだけ面白おかしく暮らしたいと思っているだけ。大人になりきれていない、無垢で残酷な子どもである。
ブリュノとソニアは他愛もないことでじゃれ合っているのが楽しく、それが真実の愛だと思っていたのだろう。深い考えもなく子どもを作ってしまい、ソニアは母性を発揮するが、ブリュノに実感はなく、ふたりへの責任感などあるはずもない。
だけど、そんな薄っぺらな人生に意味はない。今変わらなければ、いつ変わるのか。
ブリュノは自分の愚かさをステップに、変わることができるだろう。
他者を思いやる想像力をはたらかせ、痛みを知り、地道に生きる。それは退屈でしんどい人生ではあるけれど、ずっと意味のある生き方であるはずだ。

イゴールの約束(1996/ベルギー=仏=ルクセンブルグ=チュニジア/監督:リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ)に続き、ジェレミー・レニエはリアルで繊細な演技を見せてくれた。
もしかしたら、ブリュノはイゴールの成長した姿なのかもしれない。この兄弟監督にベルギーの抱える社会問題を見せられ、そんなことをふと思う。

評価:★★★★★

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2005年12月06日

伊賀忍法帖(1982/日本/監督:斎藤光正)


戦国の世、下剋上の機運に乗じようとする松永弾正(中尾彬)は主家、三好氏の美姫右京太夫(渡辺典子)を我がものにせんと、五人の妖術僧に命じ媚薬を作らせようとし、美女狩りを命じた。この陰謀を企んだのは、妖術僧の後ろ楯で正体不明の果心居士(成田三樹夫)だ。妖術僧たちの美女狩りの標的は、伊賀の忍者、笛吹城太郎(真田広之)の恋人、篝火(渡辺典子)に向けられた。

山田風太郎の忍法帖シリーズは、多人数VS多人数の死闘を描いたものが多く、登場人物は駒扱いで感情移入もへったくれもないのだけど、これは城太郎がひとりで根来流忍法僧軍団と闘うという構図のためヒーロー像が明確で、映像化には向いていると思う。

しかし、忍法帖のおもしろさは、奇想天外な忍法でも、どうかすれば実現可能であるかのような、無茶苦茶な解説によるところも大きいんだなぁと実感。このヘンな忍法がビジュアル化されたらどんなにインパクトのあるものに…と思ってしまうものだが、実際のところ、説明もなくぶっ飛んだ技を見せられても、「ありえね〜」で終わってしまうよね。
そういう意味では、山風の忍法帖はビジュアル化不可能ともいえる。
まぁ、そんなことは製作側も百も承知のはずだが、そこを演出なり世界観なりですんなりと受け入れられるところまで持ってきているかといえば…当然そんなわけはないのであった。
“ありえない忍法”のビジュアル化はハナからあきらめてますという感じで、城太郎と忍法僧軍団の対決はびっくりするほどあっけない。魔界転生(1981年/日本/監督:深作欣二)のようなおどろおどろしさもなく、やりたかったのは青春時代劇らしい。

城太郎の恋人・篝火と、忍法僧軍団に狙われる右京太夫を一人二役(実際は三役)で演じているのが、とっても懐かしい渡辺典子。薬師丸ひろ子や原田知世に比べると、くせのない顔立ちで正統派美少女という感じだが、かえってそれが印象薄いんだなぁ。最初ホント誰だかわかりませんでした。

ピチピチの真田広之がさわやかな印象を残すが、例によって千葉ちゃんがおいしいとこ持ってっちゃってます。そんな千葉ちゃんが好き。
あー、「柳生一族の陰謀」(レビュー未掲載)が観たくなってきたなぁ。

評価:★★☆☆☆

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2005年11月30日

エリザベスタウン(2005/アメリカ/監督:キャメロン・クロウ)


elizabethtown.jpgシューズ会社に勤務するデザイナー、ドリュー(オーランド・ブルーム)は、長年開発に打ち込んできた画期的なシューズが10億ドルもの大損害を招き、会社をクビになってしまう。恋人にも捨てられ生きる望みを失ったドリュー。そんな彼に追い討ちを掛けるように、故郷を訪れていた父親が心臓発作で亡くなったという報せが届く。父の葬儀のためにケンタッキー州の小さな街、エリザベスタウンへと向かうドリュー。失意の彼は飛行機の中で、陽気でお節介焼きのフライト・アテンダント、クレア(キルスティン・ダンスト)と出会うのだが…。

それなりに期待して観に行ったんだけど…(レディースデイ1000円だけど)。いやぁダメでした。まったく受け付けません。
感情移入できるツボも見当たらず、どっか上滑りなまま話は進み、告別式での母親のスピーチあたりから完全にしらけてきて、あとはもう早く終わってくれと祈るばかり。この内容で2時間はどう考えても長すぎる。
しかし、観客のなかには「お母さんのスピーチで泣いちゃった」と言ってる人もおり…。感動系だったのかこれ Σ (゚Д゚;)

いろんな要素が詰め込んであってテーマがはっきりしないし、この手の映画にしてはディティールが甘くリアリティがなさすぎる。
1デザイナーの失敗で1000億の損失って、どんだけずさんな経営か…とか。
一晩であんな手の込んだ地図作れるかぁ? …とか。
そもそも仕事はどうしたんだクレア…とか。
映画なんだから非現実的な設定だってかまやしないんだけど、そこはいかにもリアリティのある見せ方してくれないと。

つかみどころのないクレアのキャラクターは、ぎりぎりヤバイ。脳内彼氏と“クレアの地図”には引いた。あの作戦、効果的ではあるがかなりあざといね。
クレアの指示を忠実に実行して、手の上でころころ転がされちゃってるドリューもなんだかねぇ。バカみたい(あ、言っちゃった)。
そもそも、仲の良かった父親が死んだのに、女といちゃついてる場合かオマエ?

評価:★★☆☆☆
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2005年11月23日

イゴールの約束(1996/ベルギー=仏=ルクセンブルグ=チュニジア/監督:リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ)


2005年度カンヌ映画祭パルムドール受賞「ある子供」公開記念・ダルデンヌ兄弟特集上映にて鑑賞。

ベルギーで修理工見習いをしているイゴール(ジェレミー・レニエ)は、不法移民の斡旋をして稼いでいる父・ロジェ(オリヴィエ・グルメ)と二人暮らし。仕事中にも父の手伝いに呼び出され、しょっちゅう早退しているイゴールは、ほどなく仕事をクビになる。
ロジェが移民を住まわせているボロアパートでは、アフリカ移民のアミドゥが妻のアシタと赤ん坊を国から呼び寄せていた。ある日、アミドゥが事故で大怪我を負い、イゴールは病院へ連れていこうとするが、面倒を恐れたロジェに止められる。アミドゥはイゴールに妻子のことを頼むと言い残して死んでしまう。妻のアシタには夫の死を隠し、なんとか帰国させようとするが、夫を信じているアシタはアパートを出ていこうとせず…。

センチメンタリズムを廃した独特のカメラワークが、生々しいほどのリアルさを持つ。ストーリーに派手なところはないのに、一瞬たりともスクリーンから眼が離せなかった。

ベルギーの最下層で暮らす親子が、さらに弱い者(不法移民)から搾取して生計を立てている。父親のほうは、罪悪感など持たず、都合の悪いことは忘れて生きているように見えるが、そうしなければ愛する息子を幸せにすることはできないと信じてふるまううちに、いつしか本当にそういう人間になってしまったのだろう。
イゴールもそんな父親に精神的に支配されており、父親そっくりな言動が目立つ。父親の命令に盲従し、やりたい仕事もあきらめてしまう。すっかり人間的な感情が麻痺しているように思えるイゴールだが、アミドゥの事件がきっかけとなり、約束を果たす誠実さと、真実から逃げないで生きることを選択する。
イゴールが選んだ道は、同時に愛する父親を否定しなければならないということ。これは子どもにとって何よりも苦しく、つらいことである。親を捨てるということは、大人になってもなかなか思い切れないものなのだ。15歳のイゴールにとっては世界が一変するほどの決断であったろう。
イゴールはどのように生きていくのか。
観る者にすべてを委ねたラストが美しく、余韻が残る。

評価:★★★★☆

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2005年11月22日

アクメッド王子の冒険(1926/ドイツ/監督:ロッテ・ライニガー)

東京都写真美術館@恵比寿】

achmed.jpgミッシェル・オスロ監督の「プリンス&プリンセス」を観て影絵アニメに興味を持ったのだが、何しろ観る機会がほとんどないため、今回の「ロッテ・ライニガーの世界」を楽しみにしていた。
ロッテ・ライニガーという監督は知らなかったか、“あまりの美しさに故・淀川長治氏も絶賛し語り続けた”“世界中の多くのアーティストに影響を与えた”“映画史に極めて重要な作品”等のフレコミに期待はふくらむばかり。

achmed2.jpgプログラムは、ライニガー監督の処女作にして最高傑作とされる長編「アクメッド王子の冒険」と短編2本(「パパゲーノ」「カルメン」)。
影絵と侮るなかれ。光と影のおりなす美しいコントラストは圧巻。息を呑むとはまさにこのことだ。
細部まで緻密に作りこまれた影絵に嘆息し、80年も前の作品で特殊技術などは使われていないにもかかわらず、水の波紋、炎のゆらぎ、ランプの精などの繊細な映像表現に驚く。

achmed3.jpgアラビアンナイトをベースにしたストーリーは、王子と王女、魔法使い、魔女、魔物、アラジンとランプの精などが登場し、賑やかで楽しい。
これが極彩色のアニメだったらちょっとくどいかなと思われるほど豪華な布陣だが、影絵には独特の軽やかさがあり、わかりやすい記号的なキャラクターこそ魅力が増すのだ。

オリジナルはモノクロ&サイレントの作品だが、背景を染色しオーケストラ演奏を追加録音したサウンド版ニュープリントはワールドプレミアとなるそうだ。
世界的にも貴重なこのフィルム、見逃したらもったいない!

評価:★★★★★

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2005年11月18日

アイドルたち(1968/フランス/監督: マルク'O)

アミューズCQN@渋谷】

les_idoles.jpg1960年代のパリ、サンジェルマン・デ・プレのライブ会場。人気に陰りが見え始めたアイドル、狂乱のジジ(ビュル・オジエ)、短刀のチャーリー(ピエール・クレマンティ)、魔術師シモン(ジャン=ピエール・カルフォン)の3人が、再起をかけて新しいアイドル・ユニットを結成し、その披露会が行われた。記者会見とライブを兼ねたユニークなイベントに、会場には多くの記者やファンがつめかけるが、質疑応答タイムになると、アイドルたちはマネージャーたちの思惑に反し、華やかなショービジネスの裏側にある嘘や欺瞞まで暴露してしまう…。

日本では初公開、幻の60sフレンチ・ヴィンテージ・シネマというフレコミ。
イカれたファッションとキテレツな歌とダンスのパフォーマンスに度肝を抜かれ、もうどこか遠いところへ連れていかれそうでした…。
アバンギャルドすぎてついてくのがやっと。ホントに40年前の映画ですかこれは。

フレンチ・ポップスの“イェイェ”とはどんなものだか知らなかったが、ホントにこれを指して“イェイェ”というのだろうか。3人とも、歌ってるというよりがなり立てている。即席で言いたいこと言ってるだけのような歌詞も強烈だし、何よりも技巧とかリズム感とか超越しているダンスには絶句。何か降ろそうとしている?

3人の常軌を逸したファッションにも注目だ。
常人には決して参考にならない気がするが、チャーリーはセクシーだし、ジジのファッションはかなりカワイイ。

キッチュでポップで原色の悪夢のような映画であった。
いやー、フランス映画って奥が深すぎるよ。

評価:★★☆☆☆

アイドルたち―フレンチ60sのすべて
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2005年10月24日

狼少女(2005/日本/監督:深川栄洋)

【東京国際映画祭@VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ

ookami.jpg編み物好きの母親(大塚寧々)と仕事一筋の父親(利重剛)と暮らす小学4年生の大田明(鈴木達也)は、町にやってきた見世物小屋のチラシや看板に描かれている“狼少女”が見たくてたまらない。
明のクラスの転校生・手塚留美子(大野真緒)は美少女で頭も良く、クラスのいじめられっ子・小室秀子(増田怜奈)をいじめるガキ大将にも食ってかかる勝気な性格。
ある日、いじめられて泣いている秀子を助けたことで3人は仲良くなるが、見世物小屋の狼少女の正体は秀子だという噂が流れる。

貧しいクラスメイトを容赦なくいじめる子どもたち、秘密基地に集まるガキ大将とその仲間など、懐かしくも切ない子ども時代がよみがえる。明がいつも母親の手編みのセーターを着ていたり、リビングの壁にかかっている氷枕、子ども部屋の本棚に並ぶ“世界名作全集”など、細部にも気を配り、時代の空気というか、子ども時代の原風景を細やかに再現しており好感をもった。
はっきりした時代はわからないが、私の世代よりもう少し上かなという気がした。私の子ども時代には見世物小屋とか怪しい行商とか来なかったしw

地味ながらも丁寧な脚本で、落とし所の予想はついたものの、効果的なドラマ展開に明同様ショックを受けた。せ、せつなすぎる…。
ラストも気が付いたら涙が出てしまってましたよ。

シンプルかつストレートな“狼少女”というタイトル、実はけっこう深いのではないか。ふたりの少女のことでもあり、ウソつきの代名詞ともとれる。
見世物になるようなキャラであれば何でも良いわけだが、あえて“狼少女”としているところが、正体への伏線にもなっているのかもしれない(考えすぎか)。

一度だけだが、花園神社の酉の市で見世物小屋を体験したことがある(狼少女はいなかったけど、蛸少女はこの眼で見ますた(・∀・))。
見世物小屋という怪しげな空間に対する好奇心や後ろめたさといった、何ともいえない感じを思い出しつつ。

評価:★★★☆☆

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2005年10月08日

エイリアンVSヴァネッサ・パラディ(2004/フランス=独=英/監督:ディディエ・ポワロー)


mo3756.jpg片田舎の小さな町スコットレット。フェスティバルに参加するために街を訪れたスタントマンのジェームス・バタイユは、ステージで歌う美女コンチャ(ヴァネッサ・パラディ)にひとめぼれ。互いに惹かれあった2人は、電光石火で恋に落ちるが、コンチャの父の陰謀でジェームスは逮捕されてしまう。
コンチャに会いたい一心で脱獄するジェームスだったが、町は謎のエイリアンに襲われていた。

本日公開の「空中庭園」と迷ったあげく、100m先からでもバカ映画のスメルがぷんぷんの本作を観に行ってしまいました。果たして取るべき道はこれで正しかったのだろうか。

とりあえずこの邦題には度肝を抜かれるね。
日本で、こんなタイトルで公開されていることをヴァネッサ本人は知っているのだろうか…。
とはいえ、原題の「Atomik Circus」ってのもわけがわからないが、何か意味があるのかな。

意外なことに、内容は邦題ほどはっちゃけていなかった。いや変なことは変なんだけれども。
エイリアンについてのバックグラウンドはいっさい描かれないので、SFではない…ような気がする。ある日エイリアンが唐突に現れて無差別に人の首をはねまくるのだ。不気味っちゃ不気味だけど、よく考えたら別にエイリアンでなくても良い映画。放射能をあびた動植物でもホッケーマスクの殺人者でもおかっぱ頭の工場長でも、とりあえずヴァネッサが歌って踊って襲われとけば良し。
この邦題ではだまされてしまうが、実はヴァネッサぜんぜん戦わないしね。

犬を虐待してコーラスさせたり、エイリアンに顔をはぎとられても平気な男とかは笑うポイントなのだろうか…。難しいなフレンチコメディ。

ヴァネッサのコンチャは美人でイイ女ってことになってるけれども、アップになるたび前歯のスキマが気になってしょうがなかったナー。矯正させてあげなよジョニー・デップ。

【★★☆☆☆】

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2005年10月01日

妹の恋人(1993/アメリカ/監督:ジェレマイア・S・チェチック)

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車の修理工・ベニー(アイダン・クイン)は、神経症を病む妹のジューン(メアリー・スチュアート・マスターソン)と2人暮らし。神経過敏で精神不安定なジューンはお手伝いを次々と追い出し、ベニーは恋人を作る余裕もない。
ある日、ベニーの友人たちとのポーカーに負けたジューンは奇妙な青年・サム(ジョニー・デップ)を連れて帰る。サムは読み書きができず、ほとんど口も聞かないが、家事に長けていたり、プロ並みのパフォーマンスをしてみせたりと、不思議な魅力をもつ。次第に惹かれあっていくサムとジューンだったが……。

こういう役をやらせたら右に出るものがいないジョニー・デップ。芸達者で存在感の強いサムにばかり目がいってしまい、主役であるはずの兄妹がかすんでしまう。
ジューンの場合は症状が伝わりづらく、いまいち精神病という設定の必然性が感じられなかった。短気な芸術家でよかったんじゃなかろうか。

ストーリーの凡庸さを、ジョニー・デップの奇抜なキャラでカバーし、最後まで飽きさせない。
せつない表情とか、ほんとにうまいなぁ。
ジョニデファンは必見。

【★★★☆☆】

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2005年09月08日

オペラ座の怪人(2004/アメリカ/監督:ジョエル・シュマッカー)


来週、劇団四季の舞台を観に行くので、明日で上映が終わる早稲田松竹へ駆け込みで。
原作もはるか昔に読んではいるけど、ミステリファン(のはしくれ)にとっちゃ、ガストン・ルルーといや、オペラ座よりも「黄色い部屋の謎」の人という認識のほうが強いんである。

19世紀のパリ、オペラ座。連日華やかな舞台が繰り広げられ、人々を魅了していたが、舞台裏では謎の“ファントム”(ジェラルド・バトラー)の存在にゆれていた。ファントムに師事し、彼を“音楽の天使”だと信じているコーラスガール・クリスティーヌ(エミー・ロッサム)は、あるオペラの主役の代役に抜擢され、絶賛を浴びる。この舞台がきっかけで幼なじみのラウル(パトリック・ウィルソン)と再会し、恋に落ちるが、ファントムもまたクリスティーヌを愛しており、彼女をオペラ座の地下深くへ誘い出す。

この映画は、ミュージカルという形態を楽しめるかどうかで評価がだいぶ変わってしまうようである。
ミュージカル好きな私はとっぷりハマり込めた。セリフのほとんどが歌なのもぜんぜん抵抗なーし。どうせ舞台調にするなら徹底的にやってもらったほうがノレるってもんだ。
映画館の大音響で観たこともよかった。壮麗なパイプオルガンの音色、落下する巨大シャンデリアの大音響が腹に響き、豪華絢爛ちょっと隠微なマスカレード、怪人とクリスティーヌが妖しくも官能的に歌いあげる“ドンファン”には眼と耳を奪われる。

ミュージカル映画ってことで、奥深い人間性の描写にはあんまり期待していなかったけれど、思ったより深く怪人の愛と苦悩が描けていたと思う。ミュージカルだから大勢で歌い踊るシーンも入れなければならないし、メロディに乗せたセリフではなかなか心情を伝えきれないし、ふつうの映画より手間も制約もあるなか、怪人の不器用で一途な愛に心ゆさぶられた。
オペラ座の地下での対決のあと、怪人がクリスティーヌを恋人ラウルと行かせたのは、拒絶された絶望というよりも彼女への愛の深さゆえととったので、ラストの薔薇一本はジーンと胸に染みた。

結局は怪人とラウルとクリスティーヌの三角関係って話なのだが、肝心のクリスティーヌの魅力がいまいちだなぁ。
歌はうまいし美人だけど、どういう性格の娘なのか最後までつかめなかった。まぁ、怪人もラウルも、彼女の歌声に惚れたみたいなところがあるので、これはこれでいいのかもしれないけど、ちょっとお人形さん的な印象が残ったかな。
対して、怪人は本当によく描けていた。愛し方も愛され方も知らず、ただ手に入れさえすればなんとかなると思っている押せ押せのはげしい愛から、嫉妬や絶望を経て、全てを受け入れ相手の幸せをねがう深く静かな愛へと変わる心情の変化が、やや唐突ではあるけれど、案外そういうものなんだろうと思う。相手の一言や短いしぐさで、全てを悟る瞬間ってあるもんね。怪人にとっては、クリスティーヌとのキスが、がんじがらめの妄執が昇華された瞬間なのだろう。

めくるめくオペラ座の舞台に、心をわしづかみにされる音楽。孤独とエゴと妄執の果てに行き着いた愛の形。
これは来週の舞台がますます楽しみになってきた。ちょいと張りこんで、(私にしては)良い席とった価値は十二分にありそう。

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2005年09月04日

江戸川乱歩の一寸法師(1955/日本/監督:内川清一郎)

“義手・義足を装備して健常者のふりをする小人”っていう原作の設定自体に無理があるが、これが映像となると原作以上にシュール。僧服とかコートでごまかしきれるもんではないだろうに、気付かない人々。妙にバランスの悪い大男が、ずっと焦がれてきた夫人に、不自然な手を広げて襲いかかるシーンにこの映画の異様さが凝縮されている。

一寸法師を演じる和久井勉氏。見た目はアレだが、動きが機敏で見てて気持ちが良い。サーカスか何かの人だろうか。
小人のときに顔が爛れた変装をしていたのはなんでだろう? 和尚との二役をごまかすため? いや、わかるだろ!

なぜか、原作では探偵役だったはずの明智小五郎は出てこない。乱歩作品の映画化って、明智の出てこない作品でも無理やり明智を探偵役にしているものが多い気がするが、あえて。
代わりに、旗龍作(二本柳寛)というのが探偵として出てくるが、何者?
若き日の天知茂が、役に立たない助手として出ているが、彼が明智小五郎をやれば良かったのにと思わずにいられない。

全体的にテンポの良い演出で面白い作品ではあるのだが、古〜い作品のため映像と音質は最低。映像はしょうがないとして、小人の和尚は入れ歯でもしているためか、肝心なシーンで何を言ってるのかさっぱりわからない。字幕つけてくれませんか。

全編通して、「小間使いの小松」というフレーズがやたら連呼されるのに注目していただきたい。なんだか妙にツボにはまるから。

【★★★☆☆】

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2005年08月23日

おわらない物語 アビバの場合(2004/アメリカ/監督:トッド・ソロンズ)

aviva1.jpgソロンズ監督の最新作ということで、どうしても観たかったのだが、東京ではすでに単館上映が終わっているため、関西旅行中に相方を無理やり丸めこんで、シネ・リーブル梅田にて鑑賞。
梅田スカイビル内のミニシアターはきれいで雰囲気も良かったが、レイトショーのみの上映とは。もったいないなぁ。

物語は、「ウエルカム・ドールハウス」の主人公・ドーンの葬式から始まる。
いじめられっ子で誰からも愛されず、レイプされて妊娠し、自殺した従姉のドーンのようになりたくないと願い、たくさん子どもを産んで愛情を注ぎたいと切望するアビバ。
12歳になったアビバは、両親の友人の息子・ジュダとセックスして妊娠するが、仰天した両親に無理やり中絶させられ、二度と子どものできない身体になってしまう。
夢をあきらめきれずに家出したアビバは、障害や問題を抱えた子どもたちが暮らす“サンシャイン・ホーム”にたどり着く。

aviva2.jpgおわらない物語。原題 (Palindromes) の意味も、主人公のアビバ (Aviva) という名前も回文。
人は自分のくだらない人生を変えたいと願うが、不幸は巡って終わらない。人は、そう簡単に変われないから。
誰もがうすうす気付いてはいるが認めたくない無情な現実を、ソロンズ監督は容赦なく突きつける。
不憫な人生だったドーンは死んでからも同情もされず、「ああはなりたくない」とまで言われる救いのなさ。ドーンの不幸は終わらないのだ。

アビバの場合。
子づくりの旅(…)に出て、けなげに生きる障害児たちと、そんな子どもたちを全身全霊で愛し守護するサンシャイン夫妻に出会い、寛容な愛に相対する不寛容さの矛盾も知る。強烈な経験を経ても、結局は両親の元に戻り、性懲りもなくジュダから改名したオットーとセックスしちゃったりなんかして。アビバの純粋さ無垢さも、その同線上にある愚かさも、おそらく一生変わることはない。

アビバの本質はなにも変わらないのに、外見はくるくる変わるという大胆な趣向には驚く。年齢も人種も性別(!)も異なる俳優が、入れ替わり立ち代わりアビバを演じているのだ。それぞれのアビバの容姿が、そのときのエピソードのイコンになっているようにも思えるが、このアビバ七変化(実際は八変化)はさほど深く考えなくても良いようだ。常識的には、黒人の巨漢女性と、めっきり所帯やつれした白人女性が同一人物とはとても思えないが、アビバであることに変わりはなく、意外なほど違和感がない。

見どころと言いきるには後ろめたくなる、“サンシャイン・ホーム”の子どもたちによるゴスペルバンド。「けなげだし楽しそうだなぁ……障害者なのに。(ハッ)」。社会が蓋をしておきたいダークサイドに無理やりスポットを当て、直視させられて味わう“決まりの悪さ”がいかにもソロンズ監督らしい。
サンシャイン・シンガーズだが、盲目のアルビノ、てんかん症、ダウン症、ミゼット、アンピュティなど、アビバ役者に負けずバラエティ豊かで、フリークスファンは必見。

内容も監督も知らずにつきあってくれた相方は、「カップルで観る映画じゃない」「観るなら娯楽映画がいい」と苦笑しながらも、内容についてあれこれ分析し何やら熱く語ってて、だいぶ強烈に印象に残った様子。ソロンズ監督の他の作品も観てみるとのこと。ソロンズファン増やしてみたよ。

【★★★★★】

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2005年08月07日

IZO(2004/日本/監督:三池崇史)

幕末に“人斬り以蔵”と呼ばれ、恐れられた岡田以蔵(中山一也)。ついに処刑されるが、以蔵の怨念は時空を超え、現代のホームレスの身体を借りて転生した。IZOは、時空をも掌握する権力中枢から送られた刺客を次々と斬り、中央に迫っていく。

位相システムに生じたノイズであるIZOが時空を行き交い、悪鬼のごとき様相で人を斬って斬って斬りまくる。もうそれだけ。
モザイクのように散りばめられたシークエンスは前後の脈絡がまったくなく、何がなんだかわからない。隙あらば現われる、フォークシンガー友川かずきの何とも形容し難い歌声も不安感を煽る。この人もIZOと同じ位相のノイズ? 神出鬼没すぎます。

ではこの映画、嫌いかというと、そうでもなかったり。
IZOが不死身というのはおもしろくないし、脈絡のない映像を2時間以上見せられるのはかなりキツイが、おそらくそれぞれのシークエンスが何らかの意味をもっており、それがジグゾーパズルのようにぴたりとはまると、それなりに楽しめるのではないかと思う。ただ、イコンを探るために何度も観るには長尺とテンポの悪さが相当なネック。ホント、もう少しテンポアップして詰めてもらいたかった。

あとは、わけのわからない豪華キャストをどう受けとめるかだ。ちらりと出てきてすぐIZOに斬って捨てられる人はまだマシで、デビルマンに引き続きボブ・サップですよ……。日本映画界における、彼の待遇の良さは何なのですか?

主演の中山一也だが、人を刺したり割腹自殺をはかったり映画館に車で突っ込んだりと、クレイジーな逸話がてんこもり。どんな役者だ。
IZO役にぴったりといえるかもしれないが、殺陣の相手役はさぞ恐ろしかったのではないか。

【★★★☆☆】

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starなぜ、岡田以蔵?
star友川の素敵な天誅。
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2005年08月03日

アタック・オブ・ザ・ジャイアントケーキ(1999/ギリシャ/監督:パノス・H・コートラス)

……。
ナンデスカコレハ。

だってケーキじゃないんですよ、本当は。巨大化するのは“ムサカ”というギリシャの伝統料理で、材料は挽肉、茄子、ミートソースなどこってり系。
映画の中ではちゃんと「巨大ムサカがアテネの人々を襲っています!」と言っているのだが、タイトルも予告編もなぜかケーキと言い張っている怪しい映画。
遠目にはチョコレートケーキに見えないこともないが、アップになると意外とグロいよムサカ。

タダの食い物がなんで巨大化したかというと、これはやっぱり宇宙人のしわざです。(投げやり)
この宇宙人が意味もなくセクシーなギャル軍団。常にポージングがばっちり決まっています。
ムサカが巨大化した理屈をおねーちゃんが説明していたような気もするが、意味不明でよくわかりません。
というか全編意味不明なんだけど。ラストなんてさらに理解不能。

CGも合成もおそろしく投げやりで、何を目的に作られた映画なのか理解に苦しむ。
こういう映画があってもいいんだけどさぁ、この手のおバカ映画はもっとテンポ良く見せて欲しい。巨大ムサカが街をうろうろして屍累々のシーンがやたら長くてダレる。

主役(?)の太った女はどう見てもおっさんなのだが、これは「ピンク・フラミンゴ」のディバインをリスペクト? ますます意味がわからないなぁ。

【★☆☆☆☆】

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2005年07月30日

アイランド(2005/アメリカ/監督:マイケル・ベイ)

island.jpgリンダリンダリンダ」を観るつもりだったのだが、最終上映時間に間に合わなかったのでこちらを。

大気汚染から守られた清潔な都市空間。そこで暮らす人々が抱く共通の夢は、抽選に当選し地上に残された最後の楽園「アイランド」へ行くこと。しかし、リンカーン(ユアン・マクレガー)は全てが管理された生活に疑問を抱き、周囲を探るうち自分たちの正体を知ってしまう。ここで暮らしているのは、発注者に何かあったときに臓器を提供するためだけに造られたクローンだったのだ。
リンカーンは、アイランド行きが決まったジョーダン(スカーレット・ヨハンソン)と外の世界へ脱出し、命がけの逃亡が始まった。

SFでは繰り返されてきた、まったく新鮮味のないプロット。先にあらすじを知っていようといまいと、ほぼ予想どおりの展開で進んでいくだけなので、ここは割り切ってアクションものとして観たほうが楽しめる。作り込まれた近未来都市で繰り広げられるカーチェイスや空中戦はダイナミックで素晴らしい迫力。ちょいとアクションの比重が高すぎて疲れるが、小難しいことを考えずに観るには最適。

SFとして考えるのはやめようと思いつつ……。
厳重に管理されているリンカーンに発注者の経験や記憶が再生するのは明らかにおかしいし、そもそもリンカーンが疑問を抱くようになったのはそのあたりが原因と思われるので、これに関する説明がまったくないのはシナリオとして破綻してますね。

ユアン・マクレガーとスカーレット・ヨハンソン(とスティーブ・ブシェミ)の影に隠れて誰も触れていないがw、イーサン・フィリップス、面白い風貌に……。
スター・トレック ヴォイジャー」ではガッチリ特殊メイクで素顔はあまり見たことなかったが、えらい老け込んだなぁ。あのハゲ散らかしようは、長年にわたる特殊メイクのせいでは?

【★★★☆☆】

B000BIX81Oアイランド
ユアン・マクレガー カスピアン・トレッドウェル=オーウェン マイケル・ベイ

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2005年07月17日

エレファント(2003/アメリカ/監督:ガス・ヴァン・サント)

ジャケ借りした作品なので、前知識はいっさいナシ。
カンヌのパルムドール&監督賞はもちろん、監督がガス・ヴァン・サントだということも知らなかったよぅ(´Д`|||)
こういうところが映画ファンとは言えないなぁ、私。

コロンバインの高校で、ありふれた一日を過ごす生徒たち。
朝からアル中の父親に悩まされたり、学食で友達とくだらない会話に花を咲かせたり、ダイエットに命賭けてみたり、いじめられっ子はまた今日もいじめられ……。
いつもと変わらない一日だったはずが、その日、校内に日常を切り裂く銃声が響いた。

モチーフは1999年に起きたコロンバイン高校の銃乱射事件。
そんなことも知らずに観ていた私は、あるかなきかのストーリーにクエスチョンマークが浮かびまくる。
というか、生徒たちがそれぞれの行動範囲内ですれ違い会話を交わす日常が、時間軸を行ったり来たりしつつ淡々と映るだけなので、ストーリーなんてないのである。
いじめのターゲットになっているらしい内向的な生徒ふたりが、パソコンで人を撃ち殺すゲームを淡々とプレイしていたり、ネットの通販でライフルを買ったりするあたりから何となく先の展開が見えてくるのだが。

学校という特殊な空間の日常に潜む異常。
リアルな日常風景が、学校大嫌いだった私に息苦しさを覚えさせ、生徒たちの数は多いのに、どこか空虚な感じがするのも学校という異質空間を良くとらえている。
この映画を観ただけでは、なにが悪くてどうすれば良かったのかさっぱりわからない。犯行に至る背景や理由付けを意図的に排除しているし、何らかの問いかけも感じられない。
ただ、こんなことがありました、皆さんどう思いますか、と重いものを放り投げられた感じだ。いやー、そんなもの投げられても困るなぁ。受け取ってしまったからには、また誰かに放り投げるとか大事にしまっておくとかどっかに埋めちゃうとか、何かしなければいけない気になってしまうよ。

面白いとか面白くないとかではなく、観ると精神的に疲弊するタイプの映画。
ガス・ヴァン・サント監督特有の硬質な透明感のある映像は美しいが、頭カラッポにして楽しめる映画ではないので、コンディションは万全に。

【★★★☆☆】

エレファント デラックス版
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2005年07月17日

アルマゲドン(1998/アメリカ/監督:マイケル・ベイ)

ここんとこ邦画ばかり観ているので、コッテリしたハリウッド映画が観たくなり、ムービープラスにて鑑賞。

小惑星の接近により滅亡の危機に瀕した地球。科学者の案は、惑星の内部に核爆弾を仕掛け軌道をそらすというもの。惑星に地下240メートルもの穴を掘るために、アメリカ政府とNASAは石油採掘のプロ・ハリー(ブルース・ウィリス)に惑星上での掘削を依頼する。地球を救うため、ハリーと部下たちは厳しい訓練を受け、スペースシャトルで飛び立った。

……。
娘とデキてた男に逆上し、石油プラントで銃を撃ちまくるような男に、地球の未来を賭けてもいいものだろうか。
娯楽作とはいえ設定に無理がありすぎ。アホらしい。
荒くれ男のタフさと、宇宙飛行士の精神の強靭さはまったく質が異なるだろうし、2週間やそこらの訓練で気軽に宇宙に飛び立たないでほしい。部下も頭悪そうなのばっかりだし。

宇宙はまだ当分は選ばれた人々の領域であり、荒くれ男が宇宙で活躍するようなプロットを現代に持ってくるのはどだい無茶な話。そもそも宇宙で部下たちが何か役に立ったのかい。

惑星に降り立ってからの描写も、ゴチャゴチャしてて何だかよくわからないよ。これは小っさいテレビで観てるのが悪いのかもしれないが。

薄っぺらいストーリーに予定調和なアクシデントの連発、ハリウッド映画嫌いじゃないけど、これはハリウッド映画のよくない見本のよう。アメリカ以外の国を全て無視したストーリーに共感できるわけもない。
悪いけどこれで感動する人と友だちにはなれないなー。

【★★☆☆☆】

アルマゲドンvsディープインパクト その科学考証

アルマゲドン
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2005年07月03日

オールド・ボーイ(2003/韓国/監督:パク・チャヌク)

普段はできるだけネタバレ避けてレビュー書いているが、観た人も多いと思うのでややネタバレモードで。

平凡なサラリーマン、オ・デス(チェ・ミンシク)は、突然理由も分からず何者かに監禁され、15年後に開放された。いったい誰が、何の目的で……? 謎をさぐるためと復讐を誓い、デスは手がかりを求めて動き出す。

原作は日本の漫画だそうだが、監禁ビジネスという突飛な漫画的発想が面白いと思った。倫理性はさておき、人ひとり養うにはコストもリスクもかなりのもので、きっちり15年も監禁してくれるとは良心的でないかい。

15年にわたる監禁とは生半可な理由付けでは納得できないが、徐々に謎が明らかになるわけではなく、たたみかけるように一気に明かされる展開が素晴らしく、息もつかせない。
「たったそれだけのことで、15年も監禁を……?」。いや、たったそれだけのことと言い切るのはどうだろう。デスのせいで人ひとり死んでいるわけだし、首謀者であるウジン(カン・ヘジョン)の大切な人を亡くした苦しみは、15年間の監禁と釣り合うかどうか比較できるものでもないだろう。
しかし実は、本当の復讐は開放された後に仕掛けられていたという念のいった復讐シナリオにはぞっとさせられる。15年間の監禁も、単なる手段にすぎなかったところがこの映画のすごいところだ。
人間に復讐心さえなければ戦争もこれほど頻繁に起こらないはずだが、あえて誰もがこの不毛な感情を持っているのは、人間性の確立において何か必然性があるのだろう。復讐だけを支えに生きてきたウジンと、復讐を誓い監禁中も狂気の淵を踏みとどまったデス。足元にひざまずくデスを見て復讐が終わったのを知るウジンはその後の生きがいを無くし、自ら命を断つ。決して満足したわけではなく、復讐は復讐を呼ぶ虚しいものでしかなかったことに絶望したであろう最期に、何だかこちらまで虚無感をおぼえた。

いつまでも血の味が残っている気さえする不快な生々しさの残る過剰な暴力描写も、後味の悪さに拍車をかける。私は好きですねぇ、こういう映画。

【★★★★★】

オールド・ボーイ プレミアム・エディション
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star韓国映画の勢いを感じる名作
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2005年06月26日

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(1994/アメリカ/監督:ニール・ジョーダン)

街を見下ろすビルの一室で、インタビュアーを前に、自分はヴァンパイアだと主張する青年・ルイ(ブラッド・ピット)が自らの半生を語り始めた。
400年前、妻を亡くして絶望し死を願っていたルイの前に現われたヴァンパイアのレスタト(トム・クルーズ)。レスタトによってヴァンパイアとなったルイは人間の心を捨て切れずに苦悩するが、ある夜衝動的にまだ幼い少女クローディア(キルスティン・ダンスト)の命を奪ってしまう。レスタトは少女もまたヴァンパイアに仕立て、3人で暮らし始めるが、時が経ち、クローディアは自分が成長しない悲しみと苛立ちをぶつけ始めた。

ブラッド・ピットの映画まともに観たの初めてかも。
しかしうっとうしい役だなぁ。愚痴ってばかり。そんなネガティブな性格では確かにヴァンパイアライフは楽しめないだろう。
その点、ヴァンパイアであることのアイデンティティを確立し、喜んで人間の命を奪いまくるエキセントリックなレスタトの印象は強烈。トム・クルーズの病的で妖艶なヴァンパイアは意外なハマリ役で、一見の価値あり。

レスタト、ルイ、クローディアのヴァンパイア3人衆はそれぞれに存在感があり、3人の葛藤を描いた前半は面白いのだが、ヴァンパイアばかりが集まっている劇場が出てきてからはすっかり冗長な展開となってしまうのが残念。ただでさえ愚痴っぽいブラピに辟易しているというのに、ダラダラとした流れになってしまうと観るに耐えないことに。
もしかしていらなかったのではないか?>ヴァンパイア劇場。

死ねないヴァンパイアの苦悩と孤独というテーマは面白いと思うけど、実はあまり新鮮味を感じなかった。
なぜなら「ガラスの仮面」で、まさにそういう役どころを亜弓さんが演じていたからw。美内すずえ恐るべし。

【★★★☆☆】

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
B00005HC4Mスティーヴン・ウーレイ

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starホントに美しくも悲しい映画
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2005年06月13日

えびボクサー(2002/イギリス/監督: マーク・ロック)

……何だコリャ。けっこう評判が良いようなので期待して観たんだけど、コメディとしてもナンセンスとしても実に中途半端。眠くて眠くてしょうがありませんでした。最後まで観た自分をほめてあげたい。

ボクサー崩れのダメ中年と現役ボクサーのダメ青年とセックス大好きダメ女が、巨大エビ(っていうかシャコやねこれは)にボクシングを仕込み、一攫千金を狙う。エビの世話をするうち、おっさんに妙な愛情が生まれてきて……っていう脱力ストーリー。

チープなハリボテの巨大エビはあまりにバカバカしくて期待できそうなんだが、やるならもっと徹底的にやってください。なんでだんだんハートウォーミング路線にシフトしていっちゃうわけ?
本国ですら動物愛護団体の抗議で上映禁止をくらったらしいので、そこらへん先読みして、あんまりはっちゃけられなかったのかもしれないけど。
コミカルなシーンも、大英ギャグなのか狙っているのか、よくわからないセンス。くすりとも笑える箇所がなかった。
肝心のエビもほとんど動かないしねぇ。

イギリス映画はハズレがないという個人的ジンクスがあったのだが、覆されてしまったじゃないか。

【★☆☆☆☆】

えびボクサー
B0000V4LZ4ケヴィン・マクナリー マーク・ロック ペリー・フィッツパトリック

パンド 2004-01-09
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star画面いっぱいに広がる大切なもの。
starハートフルコメディだったのね。。。
starいいんです、このシュールさが

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2005年05月22日

赤い橋の下のぬるい水(2001/日本/監督:今村昌平)

会社が倒産し、妻子とも別居中の笹野(役所広司)は、ホームレスの太郎から聞いた能登のとある家に宝物を隠したという話を思い出し、その町を訪れる。たしかに赤い橋のたもとにその家は存在し、痴呆がかった老婆(賠償美津子)と孫のサエコ(清水美砂)がふたりで暮らしていた。
体内に水がたまると悪いことがしたくなり、セックスで水を放出するとおさまるという特異体質のサエコと関係を持ち、漁師として働き出した笹野。今日もサエコから水がたまったと連絡を受けると全速力で赤い橋のたもとの家にかけつけるのだった。

なんとも言いようのないヘンな話。
この映画を受け入れられるかどうかは、大量の謎の水が吹き出す笹野とサエコのセックスシーンで笑えるかどうかにあるような気がする(まさに濡れ場!)。
私は大いに笑えました。サエコからあふれ出したぬるい水が排水溝をつたって川に流れこみ、魚が妙に集まってくるのもオカシイ。何なんだ、ぬるい水。
水がたまり、身体をよじって笹野を呼びよせるサエコが何とも可愛らしいが、セックスシーンではほとんど脱がない清水美砂。役所広司ばっかり豪気に脱いでるのだが、オイ、それはないだろ。

だるい描写が続き、メリハリのある映画とは言えないが、妙に引き付けられるものがあって私は嫌いではないが、これといっておすすめもしづらい。
セックスシーンもどちらかというとユーモラスで、官能という感じでもないしなぁ。現代人が、局所を大胆にデフォルメされた枕絵を眺める感じに近い?

メッセージ性のあるようなないような、受け止め方にとまどう映画だが、助平万歳! ってことなのでしょうか。(違う?)

【★★★☆☆】

B000063EGT赤い橋の下のぬるい水
役所広司 清水美砂 中村嘉葎雄 夏八木勲

バップ 2002-05-02
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2005年05月15日

アトランティス 失われた帝国(2001/アメリカ/監督:ゲイリー・トルースデール カーク・ワイズ)

日本では「ふしぎの海のナディア」のパクリと騒がれ、ある意味話題となったディズニー映画。

私はナディア好きだったので放映当時に全話観ているが(ちょっと痛いぞ私)、今となってはストーリーの記憶はあいまい。
しかし、褐色の肌で常にブルーウォーターのペンダントを身に着けたナディアのキャラは印象強いものがあったので、この映画のヒロイン・キーダがナディアを彷彿とさせるのは確か。まぁ、キーダの容姿自体は日本人的感覚ではどう見ても可愛いと思えないが。

ストーリーは、前半ナディア、後半は「天空の城ラピュタ」に酷似している。それはもう驚くほどに。
この2作品は似ていて当然だが(ナディアとラピュタは宮崎駿の同じプロットをもとにそれぞれ作られている)、まったく関係ないはずの本作はこのふたつから影響を受けました、では済まされないものがある。
おまけにアメリカのTVSFドラマ・スターゲイトとの類似性も感じるのだが、なんだってこんなにあちこちからつまみ食いしたうえにこんなつまらない映画を作ってしまったのだろう。大丈夫かディズニー。

これは日本で大コケするのも無理ないわなぁ。
少なくとも日本人ウケするキャラクター造形ではないし、ストーリーもラピュタのほうが100倍面白いのだから。

【★☆☆☆☆】

B0002FQL6Kアトランティス~失われた帝国
木村佳乃,  ジェイムズ・ニュートン・ハワード,  マイケル・J.フォックス,  阪脩

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2005年04月15日

ウエルカム・ドールハウス(1995/アメリカ/監督:トッド・ソロンズ)

愛してやまない「ハピネス」のソロンズ監督デビュー作。
ハピネスほどエグくはないが、これまたずいぶんブラックな映画だ。

学校では「ブス」「レズ」といじめられてクラスの嫌われ者、家でも要領の良い兄と妹、あからさまに愛情に偏りのある両親に囲まれてみそっかす扱いの少女・ドーン。
誰からも愛されないドーンはどんどんねじまがってしまい、性格まで悪い。いじめられても言い返したりやり返したりするあたりが頼もしいが、やることなすこと裏目に出る要領の悪さで、いつも叱られるのはドーンの方。
恋愛やセックスにも興味しんしんで、兄のバンド仲間で女たらしのスティーブに恋をする。また、いつもドーンをいじめているブランドンとも微妙な関係に……。

この少女、学校ではかなり露骨なイジメを受けているのだが、それが重かったり後味の悪さがないのは、どこまでも憎たらしいドーンのキャラゆえ。
いじめられっ子が他者を思いやり優しくできるかといえば、現実はそんなことはなくて、いじめられれば心がささくれて自分よりさらに弱い誰かをいじめて八つ当たりしたくなる。
そんなリアルでシニカルな現実を改めて感じさせられるが、それも裏目に出てますますドツボにはまっていくドーンの姿がとてもおかしくて、ちょっと自分に重ね合わせてまた苦笑い。

この子は大人になっても決して美人にはならないだろうし、性格もどこか曲がったまま、ツイてない一生を送るんだろうと救いのない想像をさせてしまうところがソロンズ監督のすごいところだ。
ふてぶてしい面構えと、何だかすごいファッションセンスが個性的なドーンに幸あれ。

【★★★★☆】

ウェルカム・ドールハウス
ヘザー・マタラーゾ トッド・ソロンズ ブレンダン・セクストンjr エリック・メビウス

ビデオメーカー 2003-05-23
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