このような映画をディヴィッド・リンチが撮ったことに驚くが、これが実話だというのも驚き。どこまでもトウモロコシ畑が続く道を、自転車より遅いトラクターでじいさんが進む、いっぷう変わった、かつ正統派ロードムービー。
道中さまざまな人に会い、ときに助けられ、ときに説教を垂れつつじいさんは行く。車で送っていこうという申し出にも、頑固に自分の力で成し遂げたいと言って断る。車を使えば時間は縮められるが、自分の中の10年間の心の距離は縮められなかったのかもしれない。いろいろなことを考えながら、ゆっくりゆっくり兄の元に向かうことで、わだかまりや迷いも少しずつ消えていき、だんだん兄への思いが強くなっていくのがわかる。
ロードムービーとは、基本的に主人公の成長を描くものだと思っていたが、何しろじいさんなのでもう成長とか経験値とかはあんまり関係ない。むしろ、これまでの人生をなぞり、人生の終点に向かう旅のように思える。こんな孤高で切ない旅があるだろうか。
押し付けがましくないさらりとした感動と、心に染み入る完璧なエンディング。いい映画には必要以上のセリフはいらないのだ。
あっさり風味だが、後からじんわりと染みわたってくる良作。特にジジイっ子だった人は注意。泣いちゃっても知らないよ。
これを観て、ネビル・シュートの「パイド・パイパー - 自由への越境」を思い出した。じいさんの旅とは、どこか哀愁ただようものらしい。
【★★★☆☆】
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えっちらおっちらの逃避行
「ストレイト・ストーリー」
いい作品ですよね。
勝手ながらTBさせていただきました。
名優リチャード・ファーンズワースもさることながら、娘役のシシー・スペイセクも忘れ難いです。
たまには、こんなゆったりした映画もいいですよね。
僕はまだ24なんで、ストレイト・ストーリーの良さがあまり上手く咀嚼出来る歳じゃないんですが、それでもこの映画の完成度には驚きました。
またちょくちょく遊びに来ますね。
そう言っていただけると光栄です。
趣味で書いてるレビューなので、もっと女性らしい柔らかい文体でいきたいのですが、なかなか…
それはさておき、この映画はときどき観返したくなりますね。
時間がたつにつれ、どんどん染みてきました。滋味とはまさにこういうことを言うのでしょうか。
>何しろじいさんなのでもう成長とか経験値とかはあんまり関係ない。
たしかに(笑)。
>じいさんの旅とは、どこか哀愁ただようものらしい。
外見はそうなんですよね。中身は熱い男のはずなんだけど。ポンコツの初代トラクターをライフルで撃って破壊しちゃうぐらいですから(笑)。
>ネビル・シュートの「パイド・パイパー - 自由への越境」を思い出した。
僕も読みました!
でも、ほとんど忘れました!(笑)
忍耐強いおじいさんだったことは覚えてます。あと、当時は自販機なんてないから、代わりにオレンジを持ち歩いていたことぐらいしか・・・(←記憶力:小)。
そうそう、食事がたいていオレンジとケーキでした。
すごく好きですバイド・パイパー。何度も読み返す一冊ですねー。