深海探査艇“わだつみ”による調査で、日本海溝に異常現象が観測された。調査を続行した田所博士(小林桂樹)の「近いうちに日本が沈む」という予測を受け、政府による海底調査と民族脱出の極秘プロジェクトが発足。やがて日本列島は大地震や火山噴火など次々と異変に見舞われる。
TVドラマやノーカットなどいろんなバージョンがあるようだが、私が観たのはどれなんだろう? 2時間半で、ややエピソードが散漫な印象を受けたのでディレクターズカット版かな。
当時それほど大ヒットし、日本人に底知れぬ恐怖を植え付けた映画なのだ。
人物ドラマの部分も、災害対策・救援活動がメインなので騒然としており決して“静”ではないのだが、何しろ間に挟まれるのが地震や噴火といった大災害の描写なので、激しい“動”との対比で最後まで一気に見せてくれる感じ。
とくに関東大地震の描写はこの世の地獄といった様相で、恐ろしいことこの上ない。私もきっと、パニックのあまり皇居に詰めかける人びとの一人になりそう。
日本沈没が机上の理論ではなくなった後半からは、「国土を失って日本人はどう生きるか」という民族論に重きが置かれる。
首相(丹波哲郎)がオフィサーに「このまま何もしないという選択肢もある。日本人は国土もろとも沈むのもいいのではないか」と言われ涙を流すシーンは、ウェットな日本人の民族特性に痛烈に訴えかけてくる。おそらく、一国をあずかる首相としてはとてもそんな選択の余地はないが、一人の日本人としてはそれもまた良しと感じたのではないか。
ここらへんの民族論的脚本がハリウッドの乾いた演出のパニック映画とは趣が異なるところで、日本人にしか造れなかった映画と思う。
東大教授による「マントル対流」のレクチャーも勉強になります。
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