2005年05月21日

真珠の耳飾りの少女(2003/イギリス=ルクセンブルグ/監督:ピーター・ウェーバー)

予備知識ナシで観たが、深く美しい映画だった。
謎の天才画家ヨハネス・フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」(青いターバンの少女)をモチーフに、そのモデルとなった少女とフェルメールの芸術的つながりとも言える愛の形を描く。

一家の生活を支えるため、グリート(スカーレット・ヨハンソン)はフェルメール家に使用人として住み込む。
フェルメール家は主人であるヨハネスの絵で生計を立てているが、寡作のため、次々に子どもが生まれる一家は経済的に逼迫しており、ヨハネスの妻は精神的に余裕がない。
ヨハネスはグリートに色彩感覚の鋭さを感じ、絵具の調合を頼むようになり、またインスピレーションを受けて彼女をモデルにした絵を描きはじめる。芸術家の魂ともいえる部分で惹かれあうふたりの関係を察した妻の嫉妬を受けつつ、ヨハネスの魂のこもった絵が完成する。

フェルメールの画風そのものといった静謐さと、繊細な光と影の映像がとても美しい。
どの画面を切り取っても一枚の絵画になりそうな、非常に緻密に計算された美術設計で、眺めているだけでも吸い込まれそうである。
ストーリーに派手なところはなく、全体的に説明不足な感じもするが、それがまたこの映画の雰囲気に合っているという完成度の高さで、何ともいえぬ余韻を残す。

ほぼ完璧に近い映画に思えるが、ヨハネスとグリートの“芸術的つながり”がやや希薄に思えるので、グリートの芸術的センスをもっとストーリーに絡めるなど、せっかくの設定を活かして欲しい気がした。

常に愁いを帯びた表情で、はかなく透き通るような美しさのスカーレット・ヨハンソンが印象的。
キャスティングとしてこれ以上の人はおらず、最後には「真珠の耳飾りの少女」の絵から抜け出してきたとしか思えないほどだ。

原作読もう。DVDも買おうかな。

オランダ政府観光局「真珠の耳飾りの少女 フェルメール」

【★★★★★】

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posted by bambi at 13:48 | Comment(4) | TrackBack(5) | LOG #さ-そ
この記事へのコメント
トラックバックありがとうございました!
すごく記事に共感しました。
映画としての主題が「絵」であるのなら、
もっとそのあたりを前面に出してほしいし、
もしそうでないのなら、もっと他の表現もあったはず。
その点は確かにちょっと中途半端な感じはしました。
でも逆にそのへんの曖昧さがいいのかも!?
映像はひきこまれますねぇ。
Posted by uchi-a at 2005年05月22日 21:57
TB&コメントありがとうございます。

この映画の批評を検索すると、もともとフェルメールが好きで観た方が多いようなのですが、私は逆に予備知識がまったくなかったので(青いターバン…ならピンときてたと思いますが^^ゞ)、フェルメールにとても興味がわきました。

こういう、芸術作品にまつわる裏話的物語は面白いですね。フィクションであっても。
Posted by bambi@管理人 at 2005年05月22日 23:05
はじめまして。
本当に繊細な映像でしたね。
まさにフェルメールの絵画世界のような。
美術に相当こだわったのだろうな、ということが伺えました。

儚げな美しさのスカーレット・ヨハンソンは、まさにはまり役でしたね。

TBさせていただきますね。
追伸*ちなみに私もbambiさんと同じく、シュヴァンクマイエル作品が大好きです。
Posted by saya at 2005年11月28日 17:34
>sayaさま
こちらもTBさせていただきましたが、つい「北斎展」のほうにコメントしてしまいましたw

北斎展、もう期日がないですね。
あぁっ、行かなかったら後悔しそう…
Posted by bambi@管理人 at 2005年11月28日 19:46
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