2005年04月11日

クロスファイア(2000/日本/監督:金子修介)

パイロキネシス(念動発火能力)を持つ淳子(矢田亜希子)はその能力ゆえに人との関わりを避けて生きてきたが、ひそかに思いを寄せる同僚(伊藤英明)の妹が未成年グループに殺され、自らの能力を制裁に使うことを決意。
犯人を追い詰めるうちに、未成年グループはスナッフビデオの制作・売買のために罪もない女性を虐殺していることを知る。さらにはその背後に謎の組織と意外な人物の影が……。

たいして期待もしないで観たが、かなり面白かった。
幼いころの淳子が、近づいてきた不審者を発火させてしまう冒頭のシーンから一気に引き込まれる。

宮部みゆきの原作はもちろん読んでいるが、刊行当時に読んだきりであまりよく覚えていない。しかし、原作と違う印象を受けたのは、ヒロインの造形の違いか。原作ではもっと能動的に人を焼きまくっていたような気がするが、映画ではもう少し異能ゆえのはかなげな孤独や心の葛藤が見られる。

宮部みゆきはとても純粋な人なのだと思うが、悪者は徹底的に悪として描き、その報いには容赦がない。それはそれでスカッとしたりもするんだけれど、人を焼き殺すことにもっと葛藤があっても良いのではないか……と思ったような気がするので、このような描き方もまた正解だと思う。
ただ、原作の細部を覚えていないので検討違いかもしれず、これを機会に再読しようと思った。

平成ガメラシリーズの監督だけあって、さまざまな炎の特撮が圧倒的に美しい。
メリーゴーラウンドが爆発炎上するシーンなども迫力あるが、淳子と同僚が抱き合いキスするシーンで、周囲をゆらめく炎のバリアーが覆い、降りしきる雪が蒸発していく描写が印象的だった。

能力を発揮すればするほど事態が悪化していくヒロインの正義が哀しく、また炎に包まれる姿が美しい。
ラストのほのかにともる灯りも心に残る佳作。

【★★★★☆】

クロスファイア
矢田亜希子 伊藤英明 原田龍二 吉沢悠

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クロスファイア(上)
宮部 みゆき

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クロスファイア(下)
宮部 みゆき

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関係ないが、金子修介監督のお父さんは、ベトナム戦争当時、勢いで「アメリカはベトナムから手を引け」と書いたゼッケンをつけ、やめるにやめられず8年間ゼッケン生活をしていたというすごいエピソードの持ち主。(『ゼッケン8年』という著書あり)
いつかこのお父さんの話をぜひ映画化してもらいたいと思っている。

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posted by bambi at 00:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | LOG #か-こ
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