2004年05月02日

HERO(2002年/香港・中国/監督:チャン・イーモウ)

 中国全土の征服をもくろむ秦王(始皇帝)は、常に暗殺の脅威にさらされていた。秦王の命を狙う3人の最強の剣客、長空(ドニー・イェン)・残剣(トニー・レオン)・飛雪(マギー・チャン)を討ち果たした無名(ジェット・リー)と名乗る男が秦王に謁見を許される。3人をどのように討ったのか詳しく聞かせよという秦王に、無名はそれぞれとの決闘を語り始める。
 鮮やかな色遣いに彩られた分かりやすいシンプルなストーリーが、中国らしい壮大なスケールで描かれる。無名の語る回想シーンは赤で彩られ、残剣と飛雪の嫉妬と情念の話となっている。その話に矛盾を感じ、虚偽だと看破した秦王が真実はこうであろうと語るエピソードのテーマカラーは青。そしてさらに白で彩られる別解釈のエピソードが展開していく。この強烈な色彩感覚は、北野武監督の「DOLLS」にも通じるが、非常にアジア的で、目に染みるほどの美しさ。それぞれのエピソードは無名と秦王が語っているだけであり、どんな荒唐無稽な脚色がほどこされていてもおかしくないし、話の性格をテーマカラーが現わしているところが単純だが素晴らしい視覚効果をあげている。
 ワイヤーアクションによる重力無視度はアン・リー監督の「グリーン・ディスティニー」に匹敵するうさんくささだが、バックの風景や風になびく衣装などの映像美に眼が奪われ、どのアクションシーンも美しく仕上がっている。
 二転三転するストーリーの中でも、個人的には最初の赤バージョンが最もドラマチックで人間的だと思うし、一番印象に残りました。登場人物が皆冷静沈着で、どこか諦観したような表情であまり感情を現わさないのに対し、残剣を慕う侍女の如月(チャン・ツィイー)だけが喜怒哀楽を全面に出すのも、若さとか一途さを感じさせていいね。

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posted by bambi at 03:11 | LOG #は-ほ
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