2003年07月05日

地獄(1999/日本/監督:石井輝男)

 チープすぎるセット、下手すぎる役者、ストレートすぎる内容。お、面白すぎる〜。キングオブカルト・石井輝男監督による怪作。
 公開当時、上野で見かけたインパクトありすぎる看板(巨大なヤットコで舌を抜かれて白眼剥いてる男)と、新文芸坐の石井監督作品オールナイト上映で見た怪しげな予告編が頭から離れず、ぜひ見たいと思っていたが、よくDVDなんか出たものだ。
 人生に迷う美少女・リカの前に現われた謎の老婆。「このままだとあなたの人生は破滅する。そうならないためには、生きながら地獄を見るしかない」と無茶なことを言われ、地獄に落とされてしまう。老婆の正体は地獄の閻魔太夫その人。リカは、この世で大罪を犯した人間が地獄に落ちた後、どのような刑を受けることになるのかを次々と見せられることになるのだった。
 何がスゴイって、地獄の責め苦を受ける犯罪者として、宮崎勤・麻原彰晃・林真須美のそっくりさんが登場し、これらの事件を忠実に再現しているのだ。まだ裁判も終わっていない(※2003年7月時点)これらの犯罪者だが、この世で裁けぬのなら地獄で裁いてやろうというのが制作の動機だろうか。
 そもそもリカは宇宙真理教という宗教団体に入信しているという設定のため、オウム事件を最も詳しく再現しているのだが、モデルにしているどころの騒ぎではない。「血のイニシエーション」「サティアン」「ポアする」「サリン」などのセリフが飛び交い、一連の事件そっくりそのままである。スゴイ直球勝負。
 ラストには、ストーリーとは何の関係もない「亡八者」(丹波哲郎:元ネタの映画があるらしいのだが、未見)が現われて大暴れ。鬼たちをバッタバッタと切り捨てて(地獄の鬼は死んだらどこへ行くのか?)、「まだ切り足りぬ……」と言って地獄に背を向ける。いったい何しに出てきたのかわからない唐突さがたまらん。
 そして、この世に帰されたリカは、閻魔太夫の「信仰するなら永遠に変わらないものにしなさい。たとえば太陽とか」というよくわからない教えのとおり、宇宙真理教の女性信者たちとともに宗教服を脱ぎ捨て、沈む夕陽に向かって手を合わせるシーンでエンドロール。宗教には懲りたはずなのに、また拝むのか君たちは。しかも全員ハダカ。おっぱい祭りです。
 「悪いことをしたら地獄に落ちる」というストレートすぎる内容で、犯罪者への心理的アプローチだとか事件に対する社会的考察などは確信犯的に省かれており、そういう観点から見ると薄っぺらいとも言えるが、エンターテイメントとしてはスバラシイ一品。見るべし!

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posted by bambi at 03:54 | LOG #さ-そ
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