2003年10月29日

怪談 昇り竜(1970/日本/監督:石井輝男)

 昇り竜の3作目は、主役が代わっているうえに(扇ひろ子→梶芽衣子)、なぜか怪談仕立てのため、オーソドックスな任侠ものであった前2作とはずいぶん趣が異なる。任侠ホラーという無茶なクロスジャンル作品だが(最近では三池崇史監督の『牛頭』がこのジャンル…らしい)、石井輝男テイストが最も色濃くあらわれているカルト作なので、ファン(誰の?)は一見の価値あり。
 出入りの際、敵対する親分の妹(ホキ徳田)の眼を誤って斬ってしまった立花組二代目の梶芽衣子。その血を舐める不気味な黒猫を目にし、以来黒猫の呪いにおびえるようになる。数年後、刑務所を出所すると、立花組の縄張りは内田良平率いる愚連隊の青空一家に荒らされていた。
 実は、立花組の幹部が組を裏切り、立花組の縄張りを狙う土橋組に荷担して青空組をけしかけていたのだった。その土橋組のところには、梶芽衣子のために盲目となったホキ徳田が女剣客として雇われていた。土橋組の嫌がらせなのかホキ徳田の復讐なのか(あるいは黒猫の呪い?)判然としないまま、立花組の女子分が次々と殺されていく……。
 見どころは尽きないが、なかでも、ホキ徳田が飼いならしている、見世物小屋のせむし男役の土方巽は「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」の奇形親分役に勝るとも劣らない怪演ぶり。見世物小屋では不気味かつ意味不明なおもしろパフォーマンスを披露するかたわら、ホキ徳田のために仇である梶芽衣子の女子分の背中の皮を剥いで嬉々としていたり、死体を操って土橋組を驚かせてみたり、設定や言動に理由付けや整合性がまるでない。また、愚連隊を率いる内田良平からも目が離せない。上半身は山高帽にネクタイという紳士スタイルなのだが、下半身は赤フンドシ一丁というわけのわからないいでたち(※)で、常に半ケツで闊歩している変な役。ステッキを武器に暴れまくる姿は、ちょっと「時計じかけのオレンジ」風でもある(上半身だけね)。
 任侠とオカルトのパートがアンバランスなのはもちろんだが、意味不明な設定にオチがつくこともなく、必要性のない展開に理由付けもない。でも面白いからそんなの気にならない。これぞまさに石井輝男ワールド!
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※元ネタは「ハレンチ学園」の丸越先生との指摘あり

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posted by bambi at 00:27 | LOG #か-こ
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