2006年05月08日

インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜[TV版](2005/アメリカ/監督:三池崇史)

Perfect Choice 【 パーフェクトチョイス「プレミア!」マスターズ・オブ・ホラー/恐-1 GP チャンネル 】にて。

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5/27よりシアター・イメージフォーラムにてレイトショー公開の本作。ひと足先にTV放映版を観た。(※TV版と劇場版は尺が異なる)
劇場公開前なので、できるだけ詳細は避けるが、鑑賞予定の方は読まない方がいいかも。

日本ホラー小説大賞を受賞した岩井志麻子の傑作「ぼっけえ、きょうてえ」は、不気味で重苦しく、行間からもモノクロの世界観が広がるばかりで、ほとんど色味を感じなかった。岡山は晴れの国と言われているが、この物語からはとてもそんな気配は感じられない。気候は悪く土地は痩せ、常に飢饉と隣り合わせの貧しい村で、人びとは息詰まるような愛欲と情念を抱えて暮らしている。
女は女郎屋に売られる。女郎屋といえば、緋縮緬や緋緞子の豪奢な夜具、花魁のきらびやかな着物など、錦絵のごときまばゆいイメージを抱くが、この女は薄明かりのもとでボソボソと恐ろしい話をつむぐ醜女。その寝物語は血と汚穢にまみれているが、やはりどこまでもモノクロかセピアのイメージしか浮かんでこない。

重く暗いトーンの原作を、どことも知れぬ鮮烈な耽美的世界のもとで描いた本作。
そこは地獄か極楽か、エキゾチックで妖艶な色街(どこか浮き島であるらしい)の描写は一見の価値あり。

拷問、虐待、堕胎、近親相姦…女の語る物語は哀しく恐ろしい。
どちらかというと、心理的な怖さよりも、ビジュアルのインパクトを重視したつくり。女郎の拷問シーンなど、この手の描写には慣れている私も眼をそむけたくなった。

これがやれる女優は、確かに今のところ工藤夕貴がベストかもしれない。
原作者が出演してるのも要チェックである。志麻子サンは相当エキセントリックな人というイメージがあるので、これはハマリ役かもw

劇場公開版からカットされているのは、女(工藤夕貴)の生い立ち、クリストファー(ビリー・ドラゴ)の過去あたりだろうか。拷問シーンがこれ以上長くなってるとキツイぞ。
ラストがちょっと曖昧だったので、劇場版ではキッチリ描かれてると嬉しいのだが。

なお、この作品は絶対にデートのついでに観てはいけない。
女の業の深さを描いた作品なので、あなたの彼女は自分が女であることを疎ましくすら思うかもしれない。
女とは、内なる地獄を抱えた生き物なのである。

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posted by bambi at 23:59 | Comment(4) | TrackBack(6) | LOG #あ-お
この記事へのコメント
bambiさん、こんばんわ。コメントありがとうございました。
実は感想記事を楽しみに待っておりました。
以前から気になっていた原作小説も・・・なかなか手が出せないでおりましたが、先頃やっと読み出しました。bambiさんの記事で読んで、かなり気になってしまったものですから・・・。
うーん・・。bambiさんをこんな風にいわしめてしまうこの作品って・・・果たして劇場版になったらどれほどのすごさを発揮してしまうのか。
ぶっちゃけ、どの程度の描写だと一般的にエグくて、どの程度なら普通なのか・・私には分からないんですが。でもbambiさんでさえ目を背けたくなる描写だなんて・・・それだけでよっぽどだということが分かります。

ああ・・・楽しみ。

bambiさんにお会いできるかも・・・という希望を胸に、早く公開日よ、こい!
Posted by 睦月 at 2006年05月10日 00:30
■睦月さま
私はもともと伝奇・土俗ホラー小説が好きなので岩井志麻子の評価も高いのですが,もしお気に召しましたら,「岡山女」,津山三十人殺しがモチーフの「夜啼きの森」もおすすめです。

本作はインパクトありましたが,「変態村」みたいなイヤーな後引きはありませんでした。
三池監督のグロさは突き抜けた清々しさがあるのがイイです。
Posted by bambi@管理人 at 2006年05月10日 10:12
こんばんわ。
フェスタ開催しました。
記事中にこちらの記事を紹介させて
もらっています。

ご参加のほど・・・お待ちしております。
Posted by 睦月 at 2006年05月24日 01:24
■睦月さま
紹介いただきましてどうもです(・∀・)

そいや、ぼっけえ〜のチラシが欲しいんですが、他の映画館に置いてないですねぇ。イメージフォーラムに行かないとゲットできないかな?
Posted by bambi@管理人 at 2006年05月25日 00:35

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