2006年05月03日

君とボクの虹色の世界(2005/アメリカ/監督:ミランダ・ジュライ)

アミューズCQN@渋谷】

kimiboku.jpgアーティストになることを夢みる高齢者タクシーの運転手、クリスティーン(ミランダ・ジュライ)。ある日彼女は、ショッピングモールの靴売り場で働くリチャード(ジョン・ホークス)に恋をする。最近離婚したばかりのリチャードも、クリスティーンに惹かれるが、2人とも一歩を踏み出せずにいた。そんなリチャードには2人の息子、14歳の兄ピーターと6歳の弟ロビーがいる。ロビーはいまチャットに夢中。隣家には嫁入り道具をコレクションする小学生シルヴィー。一方、リチャードの同僚アンドリューはロリコン気味で、ピーターの同級生にちょっかいを出していた…。

本作で監督・脚本・主演とこなしているミランダ・ジュライ。ポスト ソフィア・コッポラなんて言われているようだけれど、このシニカルな視点と登場人物のネジのゆるみっぷりは、驚いたことにトッド・ソロンズの作風に近い。女性というだけでソフィア・コッポラなんぞと同列に語るべきではない。ソロンズ監督のような鬼才はオンリーワンだと思っていただけに、嬉しい収穫である。

ちょっと不思議なタイトルどおり、映像はポップでスイート、かつクリアで鮮やか。カラフルなビタミンカラーで彩られた画面を観ているだけで、なんだかウキウキしてくる。
しかし、不思議ちゃん系の甘ったるいガーリームービーと侮るなかれ、人間描写は相当シニカルで、ナイフのように鋭い。
両親が離婚してもたいして動揺もせず、エロチャットにいそしむ子どもたちがいい。大人と接しているときの無表情ぶり、エロチャットでのえげつないメッセージのやりとりなど、子どものピュアな不気味さを、エグすぎない可愛らしさで留めている監督はタダモノではないな。

監督自身の演じるクリスティーン嬢の強引なアタックぶりにも、呆れるやらほほえましいやら。美人ではないけれど、いかにもアーティストらしい予測不能な言動で、ばつぐんにキュートなキャラクター。

各エピソードのつながりがちょっと散漫ではあるけれど、まぁ第一作だしね。将来性を買います。

評価:★★★★☆

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posted by bambi at 23:58 | Comment(3) | TrackBack(13) | LOG #か-こ
この記事へのコメント
TBありがとうございました。
僕はたまたま初日に行って、まだ空席はあるような状態でしたが、今は混んでいるんですね。
ミランダ・ジュライ、良かったです。監督としても女優としても。
トッド・ソロンズを引き合いに出されているのは僕は思いもつかなかったです ^_^; ソロンズの映画は「終わらない物語」しか観ていませんが、なんだか心の裏側に触られたような心地悪さがあって・・好きです ^_^;
「闇打つ心臓」をご覧になったんですね。観たい映画でしたがレイトなので諦めました。最近、レイトでいい映画をやっているのは困ったもんです ^_^;
Posted by くまぞ at 2006年05月04日 23:32
こんばんは。
私はまずウェス・アンダーソン作品に似た感じを受けました。ソロンズにも通じるものはありますね。でも、もうちょっと優しい感じ。アメリカのインディペンデント系のいろんな作品に似ていると思いつつ、やっぱりオリジナリティを感じました。
わたし的にはかなりのヒットでした♪
Posted by かえる at 2006年05月05日 01:23
■くまぞさま
公開がシネアミューズからアミューズCQNに移ったので、箱も小さくなってると思います…。
私が行った日は満席で、補助席になっちゃいました(;´Д`)
ソロンズの「ハピネス」「ウェルカム・ドールハウス」あたりに近いテイストの印象を受けました。ソロンズ監督は大好きなので、追随者が現われたのは嬉しいかぎりです(・∀・)

■かえるさま
ソロンズほどエグくはないですね。女性アーティストらしく、ポップでやさしいかんじ。

話は変わりますが、仕事のプレゼン資料なんか、作ったのが男性か女性かってたいていわかりますね。男性は使う色に原色が多く、強いコントラストの配色。女性は中間色を使いたがり、やわらかいイメージになってるのが多いです(私もそうなる)。
性差というより個人のセンスも大きいでしょうが、案外ソロンズとミランダ・ジュライの違いもここらへんかもしれません。
Posted by bambi@管理人 at 2006年05月05日 11:27

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