2006年04月20日

女囚さそり祭 #1


今月はこのために東映チャンネル(スカパー)を契約。
東映チャンネル、高いんだよねぇ(´・ω・)


女囚701号 さそり(1972/監督:伊藤俊也)

女囚701号 さそりあぁ、梶芽衣子(ため息)。とりつくシマのない冷たい視線と修羅のごとき非情さ。主役のくせにあんまり喋らないのだが、眼ですべてを語ります。
復讐時の定番ファッション、全身黒ずくめの“さそりルック”がかっこいい。これほど黒が映える女は、メーテルとさそりくらいだろう。
クールビューティ梶芽衣子の圧倒的な存在感と、リアリティ無視の過剰演出が冴えわたる傑作。
ところで、刑務所でナミ(さそり)に力を貸す女って、石井輝男監督「昇り竜」の扇ひろ子だね。
扇姐は、「不良少女と呼ばれて」の伊藤かずえ(モナリザ…)、「セーラー服反逆同盟」の中山美穂(ほとんど出てこなかった)のような役どころで、戦隊ヒーローものでいえば担当だろうか。ときには担当よりかっこよかったりするおいしいポジションなのだが、伝説のさそりシリーズともなると、やはり梶芽衣子にはかなわない。
「昇り竜」では2作めまで扇姐が主役をつとめているが、その後スキャンダルで飛んでしまい、3作め(『怪談 昇り竜』)は主役が梶芽衣子に交代しているという、浅からぬ因縁のふたりなのであった。


女囚さそり 第41雑居房(1972/監督:伊藤俊也)

さそりはますます喋らなくなり(セリフは2,3語くらいか)、過剰演出はさらに前衛的なものへ。
歌舞伎的というか、舞台調の不条理演出が絶大なインパクト。
舞台になるのも徹底的にシュールで不思議な場所が多い。さそりが刑務官たちに陵辱されるのは、刑務所の敷地内とは思えない、岩だらけの断崖(石切場?)のようなところ。その後女囚仲間と脱走し、集団で疾走するのは荒涼たる砂漠、たどり着くのは呪いを吐き続ける老婆のみが生息する過疎化した村。
女囚たちはおなじみの囚人服(青いストライプのワンピース)にマントという不思議なスタイル。マントをなびかせ荒野を疾走する姿はかっこいいんだけど、およそ女囚ものとは思えない。
もうなんだか、いろんなものを超越してしまっている映画だ。
本作でのさそりは、ともに脱走する女囚たちの無茶苦茶っぷりの傍観者。なかでも白石加代子の演じる、リーダー格の子殺し女の存在感はすごい。顔も性格も怖すぎて、夢に見そうである。
いろんな意味でやりすぎてしまっている本作だが、圧倒的に面白いことは言うまでもない。


女囚さそり けもの部屋(1973/監督:伊藤俊也)

女囚さそり けもの部屋のっけから、手錠で繋がれた刑事の腕をぶった切って逃げるさそり。ヒ、ヒドイ。
腕をブラ下げたままではさすがに不便だったとみえ、なぜか夜の墓場で手錠を削っているさそりの怖さといったらない。こんなシーンを目撃してなおもさそりを助ける売春婦は肝がすわりすぎていると思う。
早々に都会に放たれ、売春婦やヤクザといった社会の底部に関わることになるさそり。
ヤクザに蹂躪され死んでいった女の怨みを背負い、都会の闇を暗躍する。本作でのさそりは不屈の女囚というより、孤高の殺し屋なのである。
さそりを助けた売春婦・ユキ(渡辺やよい)の境遇も凄まじい。事故で頭がおかしくなった兄貴の面倒をみているのだが、あろうことか性欲の面倒までみちゃってるのである。ついには兄貴の子どもを身ごもってしまう。タイトルの“けもの部屋”とは、非情な都会のことであり、この兄妹の暮らす部屋のことでもあるのだろう。
ユキは兄貴のためにさそりを警察を売ってしまうが、さそりは決してユキを恨まない。前作では女囚仲間への「アタシを売ったね…」というセリフで観る者を震えあがらせたさそりだったが、社会の底辺で、虐げられ傷つけられながらも懸命に生きる弱者へそそぐ眼は優しかったのである。


女囚さそり 701号怨み節(1973/監督:長谷部安春)

女囚さそり 701号怨み節監督が変わってしまったせいか、前3作に比べるとさそりの迫力がややトーンダウン。
脱走のプロフェッショナルであるさそりはまたまた護送中に逃走。元左翼だったが、公安警察の拷問で転向させられ、現在はストリップ劇場で働いている青年・工藤(田村正和)に出会う。自然と恋に落ちるふたり。要するに、さそりが惚れた男に裏切られ、復讐するというなんだかメロドラマ的な展開。こんなヘナチョコ男に翻弄されてしまうとは、さそりのクールさが薄れてしまった気がするなぁ。そりゃさそりも人並みに恋もしたいだろうけどさ。
田村正和は拷問された際に股間に熱湯を浴びせられ、「アンタのここ、とろけてるぅ〜」らしい。と、とろけてる!? 一体どうなっているのであろうか…。
なのに平然とさそりとセックスしているので、一応機能は果たせるらしいのだが…。
“とろけたイチモツ”という設定だけが印象に残る、梶芽衣子版さそりシリーズの最終章。


▼関連エントリ
女囚さそり祭 #2 (06/4/29)



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posted by bambi at 23:59 | Comment(2) | TrackBack(1) | LOG #さ-そ
この記事へのコメント
こんにちは♪ 「女囚さそり」懐かしいですねぇ。
私は上記の作品の中で、「第41雑居房」と「701号怨み節」を見たことがあります。それもかなり幼い頃に・・・。なので内容も良く分からないまま見ていたと思いますが、bambiさんの記事を読んで色々と蘇ってきましたぁ。それはそれはショックで、今も断片的に色んなシーンが頭に焼き付いています。いやはやもの凄い内容ですよね・・・。しかしうちの親も、小学校低学年の私の前でよくこんな作品を見ていたものですね(^^;)
しかし後にも先にも、邦画でこんな圧倒的な存在感の格好いいキャラクターは梶芽衣子さん@さそりだけですね〜
Posted by non at 2006年04月21日 10:19
■nonさま
さそりって,シリーズの内容がごっちゃになっちゃったりしてませんか?
なので改めて観返してみると面白いと思いますよ〜。

梶芽衣子主演ものは,さそりも修羅雪姫もリメイクされていますが,どちらも梶姐の特異な存在感で成り立っている作品なので,なまなかな女優では見劣りがしてしまいます。
さそりシリーズは70年代のサイケな雰囲気を持ちながら,日本人の感性に訴えかけてくる陰性の湿っぽさがたまらないですね。
Posted by bambi@管理人 at 2006年04月21日 11:12

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伊藤俊也監督の手紙
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Tracked: 2006-09-18 04:13
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