2006年03月17日

Respect 川本喜八郎 #特別プログラム

ユーロスペース@渋谷】

特別プログラム「蓮如とその母」

本日で川本喜八郎特集も最終日。
ユーロスペースは非常に混雑していて、てっきり「運命じゃない人」の客かと思っていたら、ほとんどこちらの客だった…。この特別プログラムは2日間しか上映されないこともあり、考えてみたら当然なのであるが。
本日は川本喜八郎氏も来場され、一般席に座っておられた。館内に入ってすぐ気が付いたのでどきどきしてしまった。
川本喜八郎氏の和やかな舞台挨拶の後、本編の上映。

室町時代の宗教改革者・蓮如の半生を描いた長編アニメ。
あまり前面に出ているわけではないけれど、“人間の差別意識”が描かれている。
ストーリー上わかりにくいテーマではあるが、人間は平等であると説き、誰にでも同じ態度で接する蓮如を見ていると、なんとなくわかる気がした。
蓮如に接した人々は皆、あたたかく思いやり深い人柄に惹かれ、彼の講和を熱心に聴く姿がとてもほほえましい。

自分の身分を思って幼い蓮如を寺に残し、身を引いた母親の愛もさることながら、蓮如の後妻となった女性との絆も印象深い。
女性差別もまた、本作の隠れたテーマであると感じた。民衆を集めて説く蓮如の説法に、女性を敬う内容のものがある(黒柳徹子と岸田今日子そっくりの人形が熱心に聴いているという遊びもアリ)。女性が虐げられていたであろう時代に、人格者である蓮如の女性観に救われる思いがした。

人形による繊細な心理表現は、長編である本作でもいっさい手抜きがない。
人形の手が震えて心の動揺を現すところなど、これがコマ撮りと言われても面食らうほどの精緻さだ。
また、比叡山の僧兵による襲撃シーンは、数十体もの人形が入り乱れて迫力満点。

地方自治体の制作のため、一般公開もソフト化もされなかった幻の作品といわれる本作も含め、これで氏の作品を全て観ることができた。
このような企画を立ててくれたユーロスペースに感謝。これからも応援しますよ。

▼関連エントリ
Respect 川本喜八郎 #Bプログラム (06/2/25)
Respect 川本喜八郎 #Aプログラム (06/3/11)

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:59 | Comment(2) | TrackBack(3) | LOG #Event
この記事へのコメント
この企画は、とても良かったですよね。
川本喜八郎氏の作品にどっぷりと浸ることができて幸せでした。
Posted by いわい at 2006年03月20日 22:10
■いわいさま
貴重なフィルムも堪能できて、素晴らしい企画でしたね〜。川本喜八郎監督のお話を聞くことができたのも嬉しかったです。

私、氏の作品集DVDを買うことにしましたですよ。
Posted by bambi@管理人 at 2006年03月20日 23:24

この記事へのトラックバック

『蓮如とその母』
Excerpt: 1981年制作の川本喜八郎初の長編アニメ。滋賀県の地方自治体の制作のため一般公開もソフト化もされななかった幻の作品。 本日は、『Respect川本喜八郎』の最終日。この作品は、今日を含めて2回しか上映..
Weblog: 狐の穴にて
Tracked: 2006-03-20 22:09

映画『死者の書』、または、リスペクト川本喜八郎!
Excerpt:  アニメーション映画としても、それが岩波ホールでだったということにおいても、異例だった映画『死者の書』の8週間の上映も、始まってみればあっという間のことでした。  実際に観てみると、“アニメ”という..
Weblog: 海から始まる!?
Tracked: 2006-04-06 18:57

死者の書
Excerpt: 死者の書公開中ストーリー ☆☆☆☆映画の作り方☆☆☆☆総合評価  ☆☆☆☆ こう
Weblog: シネマ de ぽん!
Tracked: 2006-10-19 18:58
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。