2005年12月03日

怪談かさねが渕(1957/日本/監督:中川信夫)


金貸しの宗悦は、借金の取り立てに行った旗本の屋敷で惨殺されるが、怨霊となりその旗本を累が渕で溺死させる。20年後、双方の遺児である息子と娘は、親の代の遺恨を知らずに情を交すが…。

日本三大怪談といえば「東海道四谷怪談」「番町皿屋敷」「真景累ヶ渕」(「牡丹灯籠」が入る場合もあるが)。
前2作や牡丹灯籠に比べ、累ヶ渕は名前は知っているがストーリーは良くわからん人が多いのではないか。だが、お岩さん同様、今でもこれに手を出すと祟りがあることは有名で、歌舞伎や芝居などにかける前には東京祐天寺の“累塚”にお参りするのが通例となっている。

それにしても、累ヶ渕って2バージョンあるのだろうか。
私の知っている累ヶ渕は、助(すけ)→累(かさね)→菊(きく)と続く因縁話だったのだが、この映画はストーリーが相当異なっていた。
“累”がくりかえされる因縁を象徴し、“渕”はほとんど関係がないと思っていたが、この映画では“累ヶ渕”という沼そのものが係累の人々を呼び寄せる惨劇の場となっていた。
元来、幽霊は水と関係が深い。お岩さんは戸板にくくりつけられて川に流され、お菊さんは井戸に身を投げた。そういえば因縁話の助と累も川で殺されている。水には怨念を増幅させる力があると聞く。
そういう意味では、“累が渕”から祟りが始まり、最後は“累が渕”に係累者がみな呼び寄せられ、全ての祟りが成就するこちらのプロットは、より洗練された怨念話といえるかもしれない。

東海道四谷怪談(1959/日本/監督:中川信夫)でもお岩役を演じた、若杉嘉津子の美しさにはうっとり。顔の崩れっぷりもすさまじく、後の四谷怪談にも続く、女の怨念の怖ろしさ、哀しさを堪能できる。

評価:★★★☆☆

怪談かさねが渕
B00005G0EM丹波哲郎 北沢典子 若杉嘉津子

ハピネット・ピクチャーズ 2000-09-25
売り上げランキング :

おすすめ平均 star
starやっぱり白黒

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:59 | Comment(2) | TrackBack(0) | LOG #か-こ
この記事へのコメント
ああ、怪談かさねが渕だ。見たいんですよこれ。「ストーリーが良くわからん人が多い」というご指摘はまったくその通りで、私の覚えているのは”沼”と”沼のわきの道”・・・それだけです(あれ?道ありましたよね??^^;)で、あとは子供の頃のものすごく怖かった記憶があるのみ。恐怖のイメージだけがパンパンに膨らんでいます。あー見たい!
Posted by FROST at 2005年12月07日 12:00
>FROSTさま
ちょっと調べてみたんですが、どちらの話も正典のようで混乱してます…>累ヶ渕。
どうも、因縁話のほうがオリジナルっぽい印象なのですが、たくさんある累ヶ渕の映画はほとんどこの映画と同様のストーリーで作られているみたいで。
こちらのストーリーの原典は落語っぽいのですがよくわかりません。

私が子どものころに観たのは因縁話のほうだったような気がするので、この映画ではなかったかもしれないです。

奥が深いなぁ、累ヶ渕。
Posted by bambi@管理人 at 2005年12月07日 16:18

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。