2006年04月30日

(秘)女郎責め地獄(1973/日本/監督:田中登)


“田中登の官能美学”にて。

百文女郎、死神おせん(中川梨絵)の苦界に居直って生きる姿を活写した名作。田中陽造の絶妙な脚本、高村倉太郎(キャメラ)、熊谷秀夫(照明)の名人芸が奇跡のように融合し、黒子を使っておせんが人形振りで踊る名場面の様式美は語り草になっている。

強烈なタイトルほどにはハードな性描写はないものの、全編こだわりの様式美とあいまって、すこぶる官能的。
石畳に墨で描かれたスタッフ・出演者・そしてタイトルのクレジットがパンするオープニングからぐぐっと引き込まれてしまう。

中川梨絵は現代的な顔立ちで、大きな眼が印象的。美人というより、ふっくらした愛らしい容貌である。
交わる男は次々と変死、“死神”という物騒な異名をとるおせんだが、気っぷのよさと気丈さと、情の深さをあわせもつ魅力的な女性。亭主きどりのヒモ・富蔵に売られ、多勢の男になぶりものにされても、富蔵にすがられ強く抱かれると捨てることができないのだった。
ときには甘くささやいて男を誘い、ときにはドスをきかせて男をはねつける、中川梨絵の柔軟な演技がいい。
富蔵が刺されて死んだと思いこみ、供養と称して死体から切り取った指を身体に這わせるシーン、黒子姿の男に抱かれ、人形になりきって操られるおせんと人形浄瑠璃がカットバックするシーンなどはゾクゾクするほど妖しく美しく、また物哀しく、魅入られるようにスクリーンに釘付けになってしまった。

豊かな色彩美と、生き生きとした人間描写。ロマンポルノという枠にとらわれずに観ても、極めて面白く、豊潤な日本映画である。

ラピュタ阿佐ヶ谷はとても雰囲気の良い名画座なのだが、男性ばかりのレイトショーに紛れ込んでのロマンポルノ鑑賞はさすがに肩身がせまかった。たぶん、同席の男性諸氏も気詰まりだったことと思う。
でも、「実録 阿部定」(5/13-19)「江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者」(5/27-6/2)「(秘)色情めす市場」(6/17-23)あたりは観ておきたいので、また行っちゃおう。

評価:★★★★☆
(秘)女郎責め地獄(秘)女郎責め地獄
中川梨絵 田中登 山科ゆり

ジェネオン エンタテインメント 2005-12-22
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2006年04月30日

チェコアニメ映画祭 #Dプログラム


先週は仕事が多忙だったため、なんだか疲れてしまい、寝てばっかりいた週末。
これではイカンと日曜の午後から行動開始。
新作チェックのため都心方面へ行くか、ディープな中央線沿いのミニシアターをハシゴするか逡巡した挙句、中央線方面へ。とりあえずチェコアニメ映画祭は全プログラム制覇しなければならないし、阿佐ヶ谷でステキなレイトショーがあるのだ(田中登の官能美学)。

chech_d_01.jpg■CK strelnice / シューティング・ギャラリー

69年/5分/カラー
監督:ミロスラフ・シュチェパーネク
美術:ミロスラフ・シュチェパーネク

軍服の男が、それぞれの生活を営む村人たちのレリーフを思うがままに撃ちまくる。
そうか、この男はスターリンかぁ。そうと知ると印象が変わるね。

chech_d_02.jpg■Jablonova panna / りんごのお姫様

71年/10分/カラー
監督:ブジェチスラフ・ポヤル
美術:ミロスラフ・シュチェパーネク

幻想的な美術が美しい人形アニメ。
可愛らしいりんごのお姫様と、魔法使いとしもべたちの不気味な造形の対比が王道的で、ストレートなお話。

chech_d_03.jpg■Milovnik zvira / 動物が好きな男

84年/15分/カラー
監督:ブジェチスラフ・ポヤル
美術:ミロスラフ・シュチェパーネク

ふしぎな庭シリーズ1。
孤独な老人が小動物を飼って心をなぐさめようとするが、魚はクジラに、犬はゾウに成長してしまう。
一見ほのぼのしてるんだけど、めちゃくちゃシュールな話。
なんで犬と間違えて子ゾウを買ってきてしまうのかw
おじいさんが死んでしまい、動物たちの暮らす庭は忘れ去られ、荒れ果てていくが、後にさまざまな事件の舞台になるのであった。

chech_d_04.jpg■O te velke mlze / 広がる霧

75年/14分/カラー
監督:ブジェチスラフ・ポヤル
美術:ミロスラフ・シュチェパーネク

ここから4話は、おじいさんが残した庭を仲良し4人組が探検するふしぎな庭シリーズ。
可愛らしい人形のほのぼのストーリーと見せかけて、4人組をおちょくるいじわるネコ、4人組と仲良くしたがるゾウたち(なぜか4頭に増えている)、言葉遊びの好きな物知りクジラなど、妙なキャラクターばっかりで、相当シュールでヘンテコリンなシリーズである。

chech_d_05.jpg■Jak ulovit tygra / トラをつかまえろ!

76年/18分/カラー
監督:ブジェチスラフ・ポヤル
美術:ミロスラフ・シュチェパーネク


chech_d_06.jpg■O mysich ve staniolu / 銀紙に包まれたネズミの話

77年/15分/カラー
監督:ブジェチスラフ・ポヤル
美術:ミロスラフ・シュチェパーネク


chech_d_07.jpg■Velryba abyrlev / くじらのらじく

77年/14分/カラー
監督:ブジェチスラフ・ポヤル
美術:ミロスラフ・シュチェパーネク

▼関連エントリ
チェコアニメ映画祭 #Aプログラム (06/4/14)
チェコアニメ映画祭 #Bプログラム (06/4/23)
チェコアニメ映画祭 #Cプログラム (06/5/4)

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2006年04月29日

女囚さそり祭 #2


新女囚さそり 701号(1976/監督:小平裕)

新・さそり(松島ナミ)は多岐川裕美。
前半のナミは婚約者もいるごく普通の女性で、どこが“さそり”なんだろうか…と不安になるが、代議士の秘書だった姉が政界の陰謀に巻き込まれて殺され、ナミも婚約者に裏切られて姉殺しの容疑で刑務所にぶち込まれ、ここに至って“さそり”の誕生である。
多岐川裕美の松島ナミは、刑務所にぶち込まれてからは眼は鋭くなり口もきかなくなり、さそりらしい雰囲気につとめているが、やっぱり難あり。美人はいいとして、啖呵をきる声に迫力がないのよね。
ストーリーも、レイプあり集団リンチあり吊るし責めありで、女囚もののフォーマットに則ってはいるが、伊藤俊也・梶芽衣子版の魅力であるけれんみは一切感じられず、真っ当すぎてあんまり面白くはない。
ただ、復讐時の“ニューさそりルック”の奇抜さは特筆もの。マジシャンのような大仰なマントの中は全面豹柄。昼日中に堂々と、怪人二十面相かルパンかというような怪しすぎる風体で、復讐を遂げる前に警察に職質されなかったのは運が良かったというほかない。


新・女囚さそり 特殊房X(エックス)(1977/監督:小平裕)

多岐川裕美の続投はなく、さそりには夏樹陽子。
このさそりは最初っから復讐に燃える女囚として登場。ほぼ浸水状態の特殊房や、地井武男のチンピラ看守VS舘ひろしの常にグラサン&マシンガンのあぶない看守の抗争など、刑務所の描写や全体の雰囲気は悪くない。
夏樹陽子の裸体も眩しいよう。
さそりシリーズの囚人服は青いストライプのワンピースと決まっているが(たまにこの上にマントをはおる)、初めてそれ以外のファッションが登場。作業時には、裾結びのシャツにホットパンツという、ちょっとしたリゾート時のようなカッコしている女囚たち。別に若い女囚ばっかりじゃないと思うが、このさわやかファッションは所長の趣味か?
後半は、職務を追われたやりすぎ看守・地井武男とさそりの逃走劇。2人は鎖で繋がれているので切っても切れない仲に。いつしかさそりに惹かれる地井武男のキャラがいい味出している。
ちなみに、本作のさそりルックは白のジャンプスーツに黒のロングコート。なかなかスタイリッシュではあるが、やっぱりさそりは黒ずくめがいいと思うよ。


女囚さそり 殺人予告(1991/監督:池田敏春)

時をおいて、Vシネマでよみがえったさそり。
岡本夏生(懐かしい…)のさそりはどうなんじゃろ…と不安だったが、監督のオリジナルシリーズへのリスペクト魂が伝わってきて、リメイク作品中では最も面白い。
岡本夏生は壮絶な過去をもつ殺し屋。さそりが囚われている刑務所の前所長に、20年間地下の独房に閉じ込められたままのさそりの暗殺を依頼され、刑務所に潜入する。すでにさそりの存在は女囚たちの間で神格化されていたが、実は前所長の陰謀で、地下のさそりはダミーだった。ダミーを殺した岡本夏生もそのまま囚われ、女囚の数合わせに利用されることになっていたが、本物のさそりの怨念が宿って復讐を果たす。
リミックスバージョンの“怨み節”(『キル・ビル』のエンディングに使われていたアレである)の曲もいいし、シナリオも良い。岡本夏生の演技はどうしようもないが、あんまり喋らせないことでなんとか乗り切った。
何よりも、神格化されたさそりの絶大な存在感や、回想シーンにオリジナルのシーンが使われているのがファンには嬉しいかぎり。
二代目(?)襲名したラストからは、いかにも新さそりとしてシリーズ化する気マンマンと思われたが、岡本夏生が続編を蹴ったために1作かぎりである。


▼関連エントリ
女囚さそり祭 #1 (06/4/20)

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2006年04月26日

ヒョンスンの放課後(2004/イギリス/監督:ダニエル・ゴードン)


astateofmind.jpg前作「奇蹟のイレブン 1966年W杯 北朝鮮VSイタリア戦の真実」の成功により北朝鮮での特別撮影許可を得たイギリス人監督ダニエル・ゴードンの視線から見た北朝鮮の中産層の生活。それはとても興味深いものだった。のべ400万人が参加する北朝鮮最大のイベント、マスゲーム。そのマスゲームに参加することになった二人の女子中学生、ヒョンスンとソンヨンの日常にカメラは8ヶ月間密着した。
ヒョンスンは平壌に住む、体操の得意な女の子。マスゲームへの出演は3度目。でも前回選ばれたからといって又選ばれるとは限らない。練習はきびしく、どんなに寒い冬でも毎日最低、2時間は行う。最初はつらくてさぼってしまったこともあった。それが先生に見つかって…。

私は北朝鮮のマスゲームが好きで、もちろん「アリラン祭 2002」のDVDも持っているのだが、圧倒的な数の人員による絢爛豪華で一糸乱れぬ大パフォーマンスは何度観ても飽きない。

北朝鮮という閉ざされた国については、自ら知ろうとしなければなかなか内情を窺い知ることができない。人びとは何を思い、どんな暮らしをしているのか。
ヒョンスンのマスゲーム練習風景以外にも、学校生活や家庭生活が克明に記録されているこのドキュメントフィルムについて、北朝鮮側はノーチェックだったという。これはとても画期的で興味深い、貴重な映像なのである。
ただ、平壌は特権階級の人びとが暮らす街なので、これが北朝鮮の平均的な生活とは言えない。この国の身分制度の上位にいるヒョンスンやその家族は金正日体制に揺るぎない忠誠を誓う核心層なので、当然といえば当然なのだが、ヒョンスンのような幼い少女も“偉大なる将軍様”に心酔し、しばしば自由主義を憎悪する言動がみられるのはやはり驚く。

凝り固まった一つの思想の下で結束し、テレビなどの娯楽もあまりない生活(放送は一日5時間。平壌ですらほぼ毎晩のように停電がある)のためか、ヒョンスンや友人ソンヨンの家族は対話も多く仲が良く、理想的な家庭ではないだろうか。両親は子どものことを常に考えているし、子どもたちも素直で明るい。彼女たちは親に逆らったり、道をはずれるようなことはないだろう。
しかし、ヒョンスンやソンヨン、その家族たちは北朝鮮ピラミッドの上辺にいるのであり、その下には現在も劣悪な環境や飢餓に苦しみ、現体制の続くかぎり決してそこから抜け出すことのできない無数の人びとがいることを忘れてはいけない。

ヒョンスンとソンヨンが出場するマスゲーム公演の様子がたっぷりと記録されているのも嬉しい。
そこには究極の全体主義が凝縮されている。数万もの人びとが、個を殺し、手の高さや足の角度など細部にいたるまで完璧に統制されたさまは、陶酔感とともに戦慄を感じずにはいられないだろう。

評価:★★★★★

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2006年04月23日

チェコアニメ映画祭 #Bプログラム

K's cinema@新宿】

chech_b01.jpg■Repete/反復

94年/9分/カラー
監督:ミハエラ・パヴラートヴァー
美術:ミハエラ・パヴラートヴァー

繰り返される男女の営みや生活をこれでもかとリピートで見せ、突然、日々の暮らしに疑問を抱いた人びとが新しい生活を求めるが、結局は別のパートナーと別のリピートの日々が始まる。
人は変わらない。深いねぇ。

chech_b02.jpg■Reci, reci, reci/ことば、ことば、ことば

91年/8分/カラー
監督:ミハエラ・パヴラートヴァー
美術:ミハエラ・パヴラートヴァー

ことばによって愛を育む人たち、争う人たち、うわさ話に興じる人たち…。
ときには愛を形作ったり凶器となったりするカタチのないことばに視覚効果を持たせた“言霊”的アニメ。

chech_b03.jpg■Az na veky/永遠に…

98年/15分/カラー
監督:ミハエラ・パヴラートヴァー、パヴェル・コウツキー
美術:ミハエラ・パヴラートヴァー、ヤン・ティップマン

夫婦の機微アニメ1。
幸せそうなカップルの結婚式をバックグラウンドに、結婚生活の本質をさまざまな角度で表現。
つい、新たなカップルの行く末を心配してしまうブラックな作品。

chech_b04.jpg■Etuda z alba/夫婦生活

87年/4分/カラー
監督:ミハエラ・パヴラートヴァー
美術:ミハエラ・パヴラートヴァー

夫婦の機微アニメ2。
短気でガンコな夫と、そんな夫をうまく操縦する妻。
なんかBプロは結婚にあんまり夢を持てない作品が多いがw、理想はこうだよね。

chech_b05.jpg■Kirzovka/クロスワード

88年/5分/カラー
監督:ミハエラ・パヴラートヴァー
美術:ミハエラ・パヴラートヴァー

夫婦の機微アニメ3。
クロスワードばっかりやっている夫を、あの手この手でベッドに誘う妻。大人しくベッドに入ったと思ったら…。
チェコではクロスワードってポピュラーな趣味なのかな? 日本だとさしずめPCにかじりついてる夫とその妻ってカンジかも。

chech_b06.jpg■40 dedecku/おじいさんは40人

62年/8分/カラー
監督:ヴァーツラフ・ベドジフ
美術:ミロスラフ・シュチェパーネク

魔法の壷に落ちてしまったおじいさんが40人にも増えてしまい、おばあさんはてんてこまい。
ときどき40人以上にもなっている気がするがw、ほのぼのした絵柄ともあいまって、つい頬がゆるむ。

chech_b07.jpg■Tulacka pohadka/宿なしルンペンくんの話

72年/13分/カラー
監督:エドゥアルト・ホフマン
美術:ヨゼフ・チャペック(原画)

ヨゼフ・チャペックの原画が美しい。金持ちのおじさんの帽子が風に飛ばされ、世界各国を旅して、しまいには結婚までしようとするヘンテコな話。

chech_b08.jpg■Symbioza/共存

67年/6分/カラー
監督:ズデネック・スメタナ
美術:ズデネック・スメタナ

夫婦の機微アニメ4。
幸せな結婚式の後に待つのは、平凡な生活…。編み物好きの妻に翻弄される夫を描く。
逃げ出そうとする夫を余裕であしらう妻の編み物攻撃が笑いを誘う。

chech_b09.jpg■Rikadla/わらべ歌

49年/7分/カラー
監督:エドゥアルト・ホフマン
美術:ヨゼフ・ラダ

チェコに昔から伝わるわらべ歌が、絵本のような仕掛けで動き出す。
チェコのわらべ歌って、残酷性が感じられず、シュールでユニークだね。

chech_b10.jpg■Tylinek /カバのティリーネック

77年/11分/カラー
原案・脚本・監督:リブシェ・パレチュコヴァー
美術:ヨゼフ・パレチェク

急に自分の姿を醜いと感じはじめ、魔法の花に別の生き物の姿にしてほしいと願うティリーネック。
いろいろな生き物の暮らしを経験した結果、やっぱり自分がいちばんなりたいものは…。
Aプログラムの「ちびトラちゃん」同様、鮮やかで温かみのある絵柄にウキウキしてくる。

chech_b11.jpg■Rikani o vile Amalce/アマールカ 森番をやっつけた日

74年/7分/カラー
監督:ヴァーツラフ・ベドジフ
美術:ヴァーツラフ・ベドジフ、ボフミル・シシュカ

森の妖精・アマールカが魔法によって森番に撃たれた子ジカを助ける。
ファンタジックで美しい絵柄が魅力。

▼関連エントリ
チェコアニメ映画祭 #Aプログラム (06/4/14)
チェコアニメ映画祭 #Dプログラム (06/4/30)
チェコアニメ映画祭 #Cプログラム (06/5/4)

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2006年04月23日

ヨコハマメリー(2005/日本/監督:中村高寛)


すでにこの映画を観ていた友人に「客は年配の人が多いよ」と聞いてはいたが…。
劇場に着いてびっくり。現在はモーニングショーのみの上映だが、受付にはずらりと人が並び、スタッフが「もうすぐ立ち見となります」と呼びかけるほどの盛況ぶり。ギリギリで席を確保することができたが、周囲は友人の言っていたとおり、年配の方が多かった。
私の隣には、白髪の老婦人2人づれ。場所は新宿だったけれど、やはり横浜に縁のある方たちだろうか。

yokohamamary.jpg顔を白く塗り、横浜の街角に立ち続ける老婆。戦後50年間、娼婦としての生き方を貫き、“ハマのメリーさん”と呼ばれた彼女は、95年冬、忽然と姿を消した。弱冠30歳の中村高寛監督が、そんな伝説の女性の半生を追った感動ドキュメンタリー。

私は関東へ来たのがたぶん96年くらいなので(当時は川崎に住んでました)、ヨコハマメリーさんの存在は知らなかったのだが、都市伝説となったメリーさんの半生は非常に興味深く、メリーさんの生きざまに戦後史や街の変容を投影する人々の思いに、強く心を打たれるドキュメンタリーになっている。
どんな街にも、誰も素性を知らず噂だけで語られる有名人はいるものだが、いつの時点からか時代の流れからドロップアウトしたメリーさんの影からは、一人で生き抜く強さと哀しさが垣間見える。
誰にも心を開くことなく街を彷徨い続け、プライドが高く施しを嫌い、芸術と美しいものを愛したメリーさん。
そんな不思議なメリーさんの半生を縦軸に、メリーさんと交流のあった人々が語る“ヨコハマ”史が横軸となり、かつては米兵とパンパンが闊歩し、外人墓地には混血の赤ん坊が捨てられていたというダークな戦後ヨコハマ史が浮き彫りになっている。

多くの人の記憶に刻まれつつ、不意にヨコハマから姿を消したメリーさん。
映画は、メリーさんの友人であったヨコハマのシャンソン歌手、故・永登元次郎氏が、故郷に戻ったメリーさんを訪ねるシーンで締めくくられるが、そこには白塗りや貴族チックなドレスといった仮面を脱いだ、平凡な老婆が映っていた。
ここで初めて、お化けのような白塗りのイメージしかないメリーさんの素顔を見ることになるが、穏やかで気品のある老婆の姿にあの波乱万丈の人生を思い、メリーさんの存在した意味や、残したものについて考えずにはいられない。

評価:★★★★☆

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2006年04月21日

トカゲ女(2004/タイ/監督:マノップ・ウドムデート)


tokage.jpgバンコクに住む女流人気作家のクワン(ルンラウィー・バリジンダークン)は、ヤモリの悪霊を題材にしたホラー小説を発表、キャンペーンのために訪れたチェンマイで民芸品の小さな箱を購入する。その直後から、彼女は巨大なヤモリの幻覚に悩まされるようになる。やがて、彼女の周囲で奇怪な事件が続き、ついにはヤモリの悪霊に憑依されたクワンがおぞましい“トカゲ女”に変貌してしまう。彼女の恋人で医師のウィトゥーン(ピート・トーンジュア)は彼女を救おうと奔走するが…。

ううむ…。
本編中でもトカゲとヤモリがごっちゃになっているが、意図的なんだろうね。トルネード・フィルムだもんね。
ヤモリの悪霊の呪いで、なんで“トカゲ女”になるんだよ…。
そもそもトカゲ/ヤモリ/イモリあたりになると、見分けがつかない人が多いのだろうか?
今でこそ洗練されたシティ派の私だが(・∀・)、子どものころは野生児だったので一目瞭然。騙されないゾー。

たぶん、トカゲって壁や天井を這わないので、ビジュアル上の都合でヤモリにせざるを得ず、でもヤモリってマイナーだし…、どうせ誰も区別つかないからインパクトのある“トカゲ女”にしちゃえ! ってところかな。
別にいいけど、子どものころからヤモリは“屋守”といって家を守ってくれる存在だと思っていたので、悪霊扱いはヤモリに代わって遺憾である。よく見るとカワイイのに、ヤモリ。

古代の呪術師が箱にヤモリの悪霊を封じたため、数百年後に箱を開けた人間に呪いがふりかかる…って、いつの時代のホラー映画でしょうか。なんというユルい設定。
そもそもヤモリの悪霊って何なんだ。意味不明。設定のための設定というか、唐突に浮上してきて何の説明もないので、怖くもなんともない。
そうなんです、これほど怖くないホラー映画は久しぶり。というか初めてかも…。
ヤモリの呪いのかかった人間が仲間を襲ったりするんだけど、あまりにも野暮ったいヤッツケ演出で、怖いわけでも、ましてや笑えるわけでもない。この監督、ホラー映画なんか観たことないに違いない。

ケチョンケチョンに書いてしまったが、実はトルネード・フィルム配給作品の中ではそれほど悪くないw
エロもグロも中途半端で、とにかくユルいホラー映画だが、冒頭の地質学者夫婦(なぜか日本人。この人たち誰?)一行が、ヤモリの呪いで殺しあうくだりなんか、湿度の高いタイの秘境な雰囲気がちょっとよかった気が…したようなしないような。

ココの映画は毎回ボロクソに書いてるのに、懲りずに観ている私も私だが、少なくともえびボクサー(2002/イギリス/監督: マーク・ロック)コアラ課長(2005/日本/監督:河崎実)ほど退屈ではなかったと思うけど、慣れてしまっただけなのか?

評価:★★☆☆☆

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2006年04月21日

立喰師列伝(2006/日本/監督:押井守)

シネクイント@渋谷】

tachiguishi.jpg“立喰師”――それは、己の全知全能を懸けて言葉巧みに無銭飲食を繰り返し、飲食店主たちを震撼させる流浪の仕業師たち。敗戦直後の東京。混沌とした闇市の立喰い蕎麦屋に一人の男が現われた。「つきみ。そばで」。何やらただならぬ雰囲気を漂わせたこの男こそ、のちに“月見の銀二”として人々に怖れられた伝説の立喰師だった。

こ、これは…!
うっすら予想はしていたが、「うる星やつら」の“立ち食いウォーズ”だぁ( ゚Д゚)
…後からフライヤー見て知ったのだが、立喰師って押井守がいろんな作品で使ってきたモチーフなんだね。逆転イッパツマンにも出てたとは知らなかった。

映像は、デジタル写真を3DCGアニメーションで動かすスーパーライブメーションという技法が使われていて、非常に独特。実写でもアニメでもあるような、どちらでもないような。確かに見たことのない映像である。
なんというか、コラージュがギクシャク動いているようなこの技法自体はあまり好きになれなかったけれど、ストーリーは…大好きと言っていいかもしれん。
まぁ、ストーリーなんてないようなもんで、架空の立喰師のキャラクターを立て、日本の戦後史にからめた経歴や伝説をいかにもペダンチックなナレーションで紹介しているだけなのであるが。

ハッキリいって、とてつもなく人を選ぶ作品。まず普段本をあまり読まない人にはおすすめできない。立て板に流るる水のごときナレーションは情報量が半端ではなく、それなりの処理能力を要求される。

展開に起伏がないので、立喰師の紹介も4人までいくと中だるみしてくるが、牛丼の牛五郎による“予知野屋襲撃”あたりから俄然面白くなってくるので、なんとか我慢して観て下さい。
システマチックな外食産業の盲点を突く立喰師たちと、店側の攻防。それまでの緩慢な流れから急に動きのある展開になり、マシンガンナレーションとのバランスも良くなってくる。

鑑賞後は狐につままれたような、不可思議な感触が残る。とんでもない作品なのか、押井信者向けのしょーもないシロモノなのか…。少なくとも、私は評価するけど。

ケツネコロッケのお銀”にビビッときた向きは観るべし。

評価:★★★★☆

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2006年04月20日

女囚さそり祭 #1


今月はこのために東映チャンネル(スカパー)を契約。
東映チャンネル、高いんだよねぇ(´・ω・)


女囚701号 さそり(1972/監督:伊藤俊也)

女囚701号 さそりあぁ、梶芽衣子(ため息)。とりつくシマのない冷たい視線と修羅のごとき非情さ。主役のくせにあんまり喋らないのだが、眼ですべてを語ります。
復讐時の定番ファッション、全身黒ずくめの“さそりルック”がかっこいい。これほど黒が映える女は、メーテルとさそりくらいだろう。
クールビューティ梶芽衣子の圧倒的な存在感と、リアリティ無視の過剰演出が冴えわたる傑作。
ところで、刑務所でナミ(さそり)に力を貸す女って、石井輝男監督「昇り竜」の扇ひろ子だね。
扇姐は、「不良少女と呼ばれて」の伊藤かずえ(モナリザ…)、「セーラー服反逆同盟」の中山美穂(ほとんど出てこなかった)のような役どころで、戦隊ヒーローものでいえば担当だろうか。ときには担当よりかっこよかったりするおいしいポジションなのだが、伝説のさそりシリーズともなると、やはり梶芽衣子にはかなわない。
「昇り竜」では2作めまで扇姐が主役をつとめているが、その後スキャンダルで飛んでしまい、3作め(『怪談 昇り竜』)は主役が梶芽衣子に交代しているという、浅からぬ因縁のふたりなのであった。


女囚さそり 第41雑居房(1972/監督:伊藤俊也)

さそりはますます喋らなくなり(セリフは2,3語くらいか)、過剰演出はさらに前衛的なものへ。
歌舞伎的というか、舞台調の不条理演出が絶大なインパクト。
舞台になるのも徹底的にシュールで不思議な場所が多い。さそりが刑務官たちに陵辱されるのは、刑務所の敷地内とは思えない、岩だらけの断崖(石切場?)のようなところ。その後女囚仲間と脱走し、集団で疾走するのは荒涼たる砂漠、たどり着くのは呪いを吐き続ける老婆のみが生息する過疎化した村。
女囚たちはおなじみの囚人服(青いストライプのワンピース)にマントという不思議なスタイル。マントをなびかせ荒野を疾走する姿はかっこいいんだけど、およそ女囚ものとは思えない。
もうなんだか、いろんなものを超越してしまっている映画だ。
本作でのさそりは、ともに脱走する女囚たちの無茶苦茶っぷりの傍観者。なかでも白石加代子の演じる、リーダー格の子殺し女の存在感はすごい。顔も性格も怖すぎて、夢に見そうである。
いろんな意味でやりすぎてしまっている本作だが、圧倒的に面白いことは言うまでもない。


女囚さそり けもの部屋(1973/監督:伊藤俊也)

女囚さそり けもの部屋のっけから、手錠で繋がれた刑事の腕をぶった切って逃げるさそり。ヒ、ヒドイ。
腕をブラ下げたままではさすがに不便だったとみえ、なぜか夜の墓場で手錠を削っているさそりの怖さといったらない。こんなシーンを目撃してなおもさそりを助ける売春婦は肝がすわりすぎていると思う。
早々に都会に放たれ、売春婦やヤクザといった社会の底部に関わることになるさそり。
ヤクザに蹂躪され死んでいった女の怨みを背負い、都会の闇を暗躍する。本作でのさそりは不屈の女囚というより、孤高の殺し屋なのである。
さそりを助けた売春婦・ユキ(渡辺やよい)の境遇も凄まじい。事故で頭がおかしくなった兄貴の面倒をみているのだが、あろうことか性欲の面倒までみちゃってるのである。ついには兄貴の子どもを身ごもってしまう。タイトルの“けもの部屋”とは、非情な都会のことであり、この兄妹の暮らす部屋のことでもあるのだろう。
ユキは兄貴のためにさそりを警察を売ってしまうが、さそりは決してユキを恨まない。前作では女囚仲間への「アタシを売ったね…」というセリフで観る者を震えあがらせたさそりだったが、社会の底辺で、虐げられ傷つけられながらも懸命に生きる弱者へそそぐ眼は優しかったのである。


女囚さそり 701号怨み節(1973/監督:長谷部安春)

女囚さそり 701号怨み節監督が変わってしまったせいか、前3作に比べるとさそりの迫力がややトーンダウン。
脱走のプロフェッショナルであるさそりはまたまた護送中に逃走。元左翼だったが、公安警察の拷問で転向させられ、現在はストリップ劇場で働いている青年・工藤(田村正和)に出会う。自然と恋に落ちるふたり。要するに、さそりが惚れた男に裏切られ、復讐するというなんだかメロドラマ的な展開。こんなヘナチョコ男に翻弄されてしまうとは、さそりのクールさが薄れてしまった気がするなぁ。そりゃさそりも人並みに恋もしたいだろうけどさ。
田村正和は拷問された際に股間に熱湯を浴びせられ、「アンタのここ、とろけてるぅ〜」らしい。と、とろけてる!? 一体どうなっているのであろうか…。
なのに平然とさそりとセックスしているので、一応機能は果たせるらしいのだが…。
“とろけたイチモツ”という設定だけが印象に残る、梶芽衣子版さそりシリーズの最終章。


▼関連エントリ
女囚さそり祭 #2 (06/4/29)

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2006年04月18日

§映画バトン

珍しくバトンを受け取ってみました(・∀・)
カリスマ映画論」の睦月さんより。
今回は映画バトンということで、これならなんとか。あとは“お笑いバトン”“漫画バトン”くらいしか受け取れません。

1. 持っているDVD、あるいはビデオの数

お金を出せばいつでも観られるジャンルのソフトは手元に置かない主義なので、ほとんど買わないけど。
DVD…20本くらい。新東宝名画傑作選や石井輝男のDVDBOX、ルネ・ラルー、ヤン・シュヴァンクマイエル、川本喜八郎などのアートアニメとか。マニアックなところでは、「金日成のパレード」「アリラン祭」など北朝鮮ドキュメント。
ビデオ…セルビデオは0。あとはお笑いやバラエティを録りだめたのが10年分くらいある。最近はチェックしてないし、大量のビデオをどうしたもんかと思案中(´・ω・)

2. あなたのお気に入りの監督・俳優・脚本家などの映画人(5人まで)

石井輝男(監督)
日本が誇るキングオブカルトだから
トッド・ソロンズ(監督)
エグいほど毒々しいから
ヤン・シュヴァンクマイエル(監督)
不気味な人形の不気味な動き、不気味な作風だから
リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ(監督)
これほどスクリーンの人物に生々しさを感じる監督はいないから
ヴィクトル・エリセ(監督)
死ぬ前にもう1本くらいは撮ってほしいから
トラン・アン・ユン(監督)
映像がエロいから
フルーツ・チャン(監督)
名前が好きだから
ヴィンセント・ギャロ(監督/俳優)
どんな役でも怪しさ極まりないから
千葉真一(俳優)
どんな役でも眼がキラキラしてるから
梶芽衣子(俳優)
どんな役でも眼光鋭いから

…あれ、10人も。(と見せかけて実は11人)

3. 一番最近観た映画

スカパーですが。
女囚701号 さそり(伊藤俊也)
女囚さそり 第41雑居房(伊藤俊也)

4. 人生で初めて観た映画

■初めてスクリーンで観たのは:南極物語(蔵原惟繕)
■初めて映画の面白さを知ったのは:インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説(スティーヴン・スピルバーグ)

5. 今、観たい映画

Lunacy(ヤン・シュヴァンクマイエル)
日本公開は来年? シュヴァンクマイエルの最新作。

インプリント(三池崇史)
岩井志麻子の「ぼっけえ、きょうてえ」がいつのまにか映像化されていた。
米ケーブルテレビの「マスターズ・オブ・ホラー」13作のうち、これだけ放送中止になったとか。日本公開は未定だが、とにかくすごそう。
ちなみに原作も相当エグい。
【4/19 追記】
※5/8〜5/31 「マスターズ・オブ・ホラー」全13作品 スカイパーフェクTV! パーフェクトチョイスにて放送
※5/27〜 「インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜」シアター・イメージフォーラムにてレイトショー公開
http://www.eiga.com/official/imprint/index.html


犬神家の一族(市川昆)
同じ監督&主演(石坂浩二)でセルフリメイクする意味も意義もワカラン。
だけど乱歩や横溝の映画が作られるとあれば、浮き足立っちゃうのがミステリファンの性(サガ)。
果たして公開まで市川昆監督(90歳)は生きておるのかというスリル要素もアリ。

6. 何度も観てしまう映画、あるいは特別な思い入れがある映画(5本)

好きな映画はサイドのプロフィールに書いちゃってるんで、それ以外の作品を。DVD欲しいなっていうのが基準。

ファンタジアファンタジア(ウォルト・ディズニー)
その昔、ディズニー映画のビデオはほぼ買っていた時期があった…(遠い目)。
ディズニーの新作ソフトは、たいてい期間限定生産とかシリアルナンバー入り(意味不明)とかで、えらい踊らされたものだが、ある日憑き物が落ちたかのように全てヤフオクでさばいてしまったヨーン。
いちばん好きなのは、真の意味で映像と音楽がシンクロしているこれ。

ジュラシック・パーク コレクターズ・エディションジュラシック・パーク(スティーブン・スピルバーグ)
怪獣映画そしてパニック映画の最高峰。私の中でこれを超えるパニック映画は現れていない。何度観てもガクガクブルブル。
コナミのPSゲーム「経営シミュレーション ジュラシック・パーク」もよくできていて、いろんなシミュレーションゲームに手を出した私もかなりハマった。
無人島ひとつぽんとまかされて、恐竜テーマパークを創り上げるという、映画では果たされなかった夢を実現できる隠れた名作。

コーラスラインコーラスライン(リチャード・アッテンボロー)
邦楽・洋楽問わず音楽はまったく聴かないプチ欠陥人間なのだが、どういうわけか音楽/ダンス映画大好き。
これは虫唾がはしるほど嫌いなマイケル・ダグラスが出てるにも関わらず、何度も観ちゃう。四季の舞台にも行ったっけ。
“ONE”を聴くとなんか心が震える。

ふたり デラックス版ふたり(大林宣彦)
中嶋朋子はこの映画がいちばんかわいくて、輝いている。お化けのくせに。
切なく力強い青春ファンタジー。
初見では、いろんな要素が詰め込まれていてふしぎな映画という印象だった。観るたびさまざまな思いが交錯する。
尾道行ってみたい。“草の想い”は名曲。

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーうる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(押井守)
うる星やつらの世界観と押井守の作家性がせめぎあい、きわどいバランスで両立している傑作。
夢と現実、現実と虚構といったキーワードをうる星のキャラを借りて描き出した。マトリックスの原点といっても良い。
あと「うる星やつら 完結編」は毎回号泣。


7. バトンを回したい人

数少ないネット友人は、ブログやってない/ブログ放置中/mixiばっかし。廻す人がいないΣ (゚Д゚;)
なので、スティーヴン・スピルバーグ氏、トム・クルーズ氏、小泉総一郎氏、細木数子さん、西川きよし師匠、ココ読んでたらお願いします。

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2006年04月17日

§日本空手映画祭@シネマート六本木

いつのまにかオープンしていたシネマート六本木で、こんな企画やってたとは!
ココ、韓国映画ばっかりやってるみたいなんでぜんぜんノーチェックだった…不覚。
風のファイター公開記念 日本空手映画祭 映画秘宝セレクション編

開催期間:4月8日〜4月28日

最強伝説、再び!70年代日本が大熱狂した伝説の空手ムービーがスクリーンに蘇る!
あの“映画秘宝”がセレクションした、今観ないと一生後悔する(かもしれない)貴重な12作品を一挙上映!千葉真一主演の『空手バカ一代』シリーズをはじめ志穂美悦子主演の『女必殺拳』など、ファンにはたまらない上映作品群!

上映予定作品:
『けんか空手 極真拳』『けんか空手 極真無頼拳』『空手バカ一代』『ボディガード牙』
『カラテ大戦争』『直撃地獄拳/大逆転』『激突!殺人拳』『殺人拳2』『激殺!邪道拳』
『女必殺拳』『女必殺拳 危機一発』『若い貴族たち 13階段のマキ』

なんと素晴らしいラインナップ! ビバ千葉真一!! ブラボー志穂美悦子!!!
六本木でレイトショーのみってのがツライなぁ。
今週は東映チャンネルの「女囚さそり」祭に浸る予定なので、来週行けたらいいんだけど、ちょっと難しいかな…

シネマート六本木、イイ!!(・∀・)

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2006年04月16日

プロデューサーズ(2005/アメリカ/監督:スーザン・ストローマン)


先週、日生劇場の「レ・ミゼラブル」を鑑賞したばかりの私。その余韻も抜けないまま、本作の鑑賞とあいなった。
「プロデューサーズ」の日本版は確か、昨年青山劇場でかかったんだよね。チケット取ろうかと思ってたんだけど、結局「リトルショップ・オブ・ホラーズ」にしちゃったんだよなぁ。

theproducers.jpg1959年、ニューヨーク。かつてはブロードウェイで栄光を極めたものの今やすっかり落ち目のプロデューサー、マックス・ビアリストック(ネイサン・レイン)。製作費を集めるため、今日も有閑老婦人のご機嫌とりに悪戦苦闘。そんな彼のもとにやって来たのは、異常に神経質な小心者の会計士レオ・ブルーム(マシュー・ブロデリック)。さっそく帳簿の整理を始めた彼は、ショウが失敗したほうがプロデューサーは儲かる場合もあるという不思議なカラクリを発見する。それを聞いたマックスは、大コケ確実のミュージカルを作り出資金を丸ごといただいてしまおうとレオに協力を持ちかける。一度は拒否したレオだったが、小さい頃からの夢だったブロードウェイのプロデューサーになるチャンスと思い直し、マックスのもとへと舞い戻る。かくしてレオとマックスは史上最低のミュージカルを作るべく、まずは史上最低の脚本選びに取り掛かるのだが…。

ミュージカルとしては致命的なことに、楽曲にそれほど魅力がないのが残念だ。観終わって、つい口ずさんじゃうような曲が一つもない。正直、これでよくトニー賞とれたなぁと思う。
楽曲のことさえ考えなければ、エンターテイメントに徹したゴキゲンなミュージカルである。
全編きわどいネタと底抜けのバカっぷりで、大いに楽しめた。
ここまでやるかというくらい、徹底的にナチスドイツをおちょくった劇中舞台が不謹慎すぎて、もう大笑いである。

マジメに“史上最低のミュージカルを作る”というコンセプトも良いね。
その作品中において最高とされるものを描いてみせるのは簡単だが、逆に“最低”の素材を集めるとなると、これまた観客のハードルも上がる。皆に“これはヒドイ!”と納得させつつ、実際は最高のエンターテイメントを提供するという難しいことを見事にやってのけている。素晴らしいです。

出演はブロードウェイのオリジナルキャストということで、さすがに歌もダンスも安心して観られる。
ヒロインのユマ・サーマンも、頭のヨワそうなコーラスガール役がばっちり。ダンスはちょっとぎこちないけどね。

最後までハッピー、もやもや気分も憂鬱も吹き飛ばす、爽快な映画。

評価:★★★★☆

舞台の話。
私はあまり舞台鑑賞は多くないが、それでも半年に1度くらいは足を運ぶ。映画もいいが、やはりナマの舞台の感動は何者にも代えがたい。
どんな舞台でも、カーテンコールの直前に客席の熱気がどっとあがる瞬間があり、あぁ舞台っていいなぁと思うのである。
私の場合、ココロもカラダも揺さぶられるミュージカルが好きなので、四季や東宝ミュージカルが多いのだが、京劇や歌舞伎も面白い。今後は宝塚にも行ってみたいのだが(未体験)、おすすめがあれば教えて下さい(・∀・)

今年は、夏の「ダンス オブ ヴァンパイア」(帝劇)、秋に「魔界転生」(新橋演舞場)を狙ってるんだけど、チケット確保はこれから。そんなに上席狙ってるわけじゃないけどね。

…それでは、独断と偏見による“ミュージカルに行ってみよう”のコーナー。もちろん本場のブロードウェイは夢として、国内で観られるものを。
おすすめはやはり、常時質の高い舞台が観られる四季。超ロングランの「ライオンキング」は一度観ておいて損はない。「キャッツ」は歌とダンスがメインで、ストーリー性はあまりないので好き嫌いあり(私は好き)。「オペラ座の怪人」は、映画もいい出来なので充分だが、余裕があれば舞台を。個人的には「美女と野獣」も好きなのだが、今はやってないのかな。

東宝の「レ・ミゼラブル」は何度も観ているが、私の場合2,3日余韻が抜けなくなる。まさに魂を揺さぶられる舞台だ。あぁ、次はいつ観られるんだろう〜

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2006年04月15日

ナイト・ウォッチ NOCHNOI DOZOR(2004/ロシア/監督:ティムール・ベクマンベトフ)


nightwatch.jpg世界はかつて、光の勢力と闇の勢力との間で激戦を続け、破滅の危機にあった。やがて戦いの無益さに気付いた両者は、1000年前に休戦協定を結ぶ。以来、特殊な超能力を持つ“異種(アザーズ)”に目覚めた人間は、光につくか闇につくか、それぞれ本人の意志で決めることに。そして光は闇の監視人“ナイト・ウォッチ”、闇は光の監視人“デイ・ウォッチ”として互いを見張り、その均衡を保っていった。現代のモスクワ。予知能力を持つナイト・ウォッチのメンバー、アントン(コンスタンチン・ハベンスキー)はある日、地下鉄で狙われた12歳の少年イゴール(ディマ・マルティノフ)を助けるために闇のヴァンパイアを仕留める。また彼はそこで、伝説の“災いを招く乙女”を見かけた。それが世に現われると光と闇の均衡が崩れ、“偉大なる異種”が出現し、光と闇どちらかに加勢するという。そんな中、モスクワに異常気象が発生。またしてもイゴールを巡り、アントンら光と闇とが相まみえるのだが…。

わはは、どこもかしこも酷評だね。まぁ、東欧SFなんてターゲットはだいぶ狭いだろうし、さもありなんという気はする。
といいつつ、私もSFは不案内なほうなのだが、これってSFというよりダークファンタジーだね。
…と思ったら、ロシアにはハードSF小説ってほとんどないみたいである。

酷評が多いが、ストーリーは面白いと思う。分かりづらくてついてけない人も多いだろうけど。
ナイト・ウォッチ、デイ・ウォッチが互いに監視しあってるとか、“災いを招く乙女”のくだりもわりと好きな世界観だ。光と闇が単純な善悪では描かれていないところもあって、読みこみや解釈が要求される作品は嫌いじゃない。
ただやっぱり、原作読者が前提だなぁと感じるところが多々あり、説明不足な感は否めない。
主人公アントンの“異種”能力がほとんど描かれておらず、ナゼ彼が主役なのか? ヴァンパイアの女が「ナイト・ウォッチは私を守ってくれなかった」というセリフの意味は?
ここらへんは鑑賞後に東欧SFヲタの相方に補完してもらったので、皆さんにもおすそわけ。
  • “異種”の能力にはランクがあり、アントンは低いレベル。つまり彼はスーパーヒーローではない、生身の人間に近いヒーローとして描かれている。オリガ(フクロウ女)はそれなりに高いランクの魔女。“災いを招く乙女”は最高ランク(原作では呪いをかけるのは別の人間らしい)。…確かにすごい呪いだった。

  • 光の異種は自分のために能力を使ってはいけない。オリガはその昔、その掟に違反したために罰を受けた。パートナーとして特に何の役にも立っていないように見えるがw、いちおうアントンのブレイン。

  • 闇の異種が血液摂取のために襲っても良い人間は、ナイト・ウォッチがランダムに決めている。ヴァンパイア女は襲って良い人間とされていたので、ナイト・ウォッチのせいでヴァンパイアになったとも言える。

…間違ってたらスイマセンだが、詳しく聞けばなかなか興味深い設定ではないの。
本作はやや飛ばしすぎた感はあるが、次作以降で、猿でもわかるように描いてくれれば面白いシリーズになるんじゃないかと期待。

映像については、せっかく独特の映像表現やカメラワークが見られたのに、何もマトリックスを引き合いに出すことはなかった。これは大失敗であろう。
サイバーパンクには程遠い泥臭さというか、いかにも東欧的な、薄汚いw映像は好みが別れると思うんだけど、私は好きだなぁ。

評価:★★★☆☆

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2006年04月14日

チェコアニメ映画祭 #Aプログラム

K's cinema@新宿】

アニメーション作品において、ときには監督より重要な役割を果たす美術(デザイナー)に視点をあてたプログラム。
ずいぶん凝った企画で、チェコアニメ好きにはたまりません。

パヴェル・コウツキーの4作品は毒と風刺をきかせた激辛アニメ。「カフェ」なんて私はけっこう面白かったんだけど、大人の思惑や男と女の欲望ゲームをズバリ描いちゃってます。もう、ストレート過ぎ。子どもには見せられません!
かと思えば、ヨゼフ・チャペックの「犬と妖精の話」、ヨゼフ・パレチェクの「ちびトラちゃん」「カシュパーレックとホンザ」なんて可愛らしい絵本調の作品も。
個人的には、思いもよらないトラの秘密(あのシマシマもようが○○○だったなんて…)にびっくりした「ちびトラちゃん」がお気に入り。
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーの「ある粉屋の話」は怖かったなぁ。教訓が含まれているにしても怖すぎる話だ。

■Media/メディア
00年/5分/カラー
監督:パヴェル・コウツキー
美術:パヴェル・コウツキー

■Kavarna/カフェ
98年/8分/カラー
監督:パヴェル・コウツキー
美術:パヴェル・コウツキー

■At Zije mys/ネズミ、万歳!
93年/6分/カラー
監督:パヴェル・コウツキー
美術:パヴェル・コウツキー

■Houslovy koncert/バイオリン・コンサート
81年/4分/カラー
監督:パヴェル・コウツキー
美術:パヴェル・コウツキー

■Pomsta/復讐
68年/15分/カラー
監督:イジー・ブルデチュカ
美術:ミロスラフ・シュチェパーネク

■Psi pohadka/犬と妖精の話
59年/15分/カラー
監督:エドゥアルト・ホフマン
美術:ヨゼフ・チャペック(原画)

■Konec krychle/エンド・オブ・ザ・キューブ
79年/5分/カラー
監督:ズデネック・スメタナ
美術:ズデネック・スメタナ

■Jsouc narece mlynar jeden./ある粉屋の話
71年/11分/カラー
監督:イジー・ブルデチュカ
美術:エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー

■Maly tygr/ちびトラちゃん
76年/12分/カラー
原案:H.ヤヌシェフスカー/脚本リブシェ・パレチュコヴァー
監督:ボフスラフ・シュラーメク
美術:ヨゼフ・パレチェク

■Jak Kasparek a Honza zachranili korunu/カシュパーレックとホンザ 盗まれた王冠
73年/6.5分/カラー
監督:ボフスラフ・シュラーメク 
美術:ヨゼフ・パレチェク

▼関連エントリ
チェコアニメ映画祭 #Bプログラム (06/4/23)
チェコアニメ映画祭 #Dプログラム (06/4/30)
チェコアニメ映画祭 #Cプログラム (06/5/4)

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2006年04月07日

ナイチンゲーロ(2006/日本/監督:末永賢)


ヘンなもの好きの同僚と。
レイトショーの時間まで、渋谷センター街にオープンしたヨシモト∞ホールで第二部(MC:ほっしゃん。)を観覧。CSのチャンネルなので観た人も少ないと思うが、この日の放送でネタオークションを1件落札したのは私の同僚です…。

nightingalo.jpg看護学校に通う女の子5人組が、最後の夏休みを海辺の宿舎で過ごすことに。ところが彼女たちはそれぞれに秘密を抱え、どこか険悪なムードすら漂っていた。やがて、そのうちの一人が海でケガをして身体に異常を来すと、それが引き金となり、想像を絶する惨劇が彼女たちに襲い掛かってくるのだった…。

上映前に、この映画のエンディングテーマを歌っているレディ・ママレードのミニライブあり。
デビューしたばかりの若い女の子3人組で、最前列におっかけらしき人々が…。うわぁ、なんかすげぇな。

さて、映画のほうは…面白くないねぇ(;´Д`)
コンセプトはピチピチの女の子5人組が水着ではしゃぐことらしい。
水着できゃいきゃいしてるだけではなく、5人が泊まったいわくありげな宿舎で、過去に凄惨な死に方をした女(吉井怜)の呪いに巻き込まれるという至って安易な設定もあることはある。
とにかくホラー描写に至るまでが長い。5人は看護学生なのだが、看護士ではなくOLという道を選んだ子に対して裏切られたという思いがあるようで、徐々に友情に亀裂が入っていくのだが、そんなのどうでもいいって感じである。
仲間同士で抜けがけは許さないという、ドロドロした女の友情の一面がよく出ているが、女5人の友情なんて無理があるのはわかりきってる気がするなぁ。

途中から夢なのか現実なのかあいまいな描写になってきて、もう何だかよくわからないまま終わる。
女の呪いは夢だったのかもしれないという解釈もできるため、怖くもなんともないし。
出てる女の子のファンとかでないかぎり、タダのホラー好きには決して楽しめない作品である。
“ナイチンゲーロ”というタイトルはなかなかインパクトがあるが、結局意味がわかりませんでした。

評価:★☆☆☆☆

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2006年04月05日

火の鳥(1978/日本/監督:市川崑)


永遠の命を持つという伝説の火の鳥。その生血を飲んだ者もまた、不老不死の身を得られるという。時の強国・ヤマタイ国の女王ヒミコ(高峰三枝子)は、永遠の美貌と命を求めていた。火の鳥は、クマソの国に棲むという。「何としても生血を手に入れよ!」と、ヒミコの命令が下った。クマソの国では、旅の放浪者グズリ(林隆三)が病に苦しむヒナク(大原麗子)という娘の命を救う。二人はみんなの祝福を受け結婚することになった。その婚礼の夜、ヤマタイ国の闘将・猿田彦(若山富三郎)の率いる軍隊がクマソ国を急襲する。クマソ国は壊滅状態。ヒナクの弟・ナギ(尾美としのり)は、猿田彦に捕らえられてしまう。

原作は、日本人なら誰でも知っている手塚治虫の“火の鳥 黎明編”。
番組表で見かけたときはてっきりアニメ作品だと思ったのだが、実写だったので腰を抜かした。
そういえば市川昆監督の“火の鳥”実写映画があると聞いたことがあったが、ソフト化もされてないようなので、実際に観る機会があろうとは思いもよらなんだ。

キャスティング的にはほとんど角川の金田一シリーズを観ているようだが、豪華なことは間違いない。
ああいう原作なので、実写で俳優が演じることなど誰も考えが及ばないと思うが、逆にいえばこのキャスティングにあんまり違和感もない。
若山富三郎の猿田彦なんて、インパクトがあってなかなか良かったです。

原作はいつのまにか処分してしまったのであまり詳しく覚えていなかったが、観ているうちにだんだん鮮明に思い出してきた。ということは、だいぶ原作に忠実に作られていると思う。
忠実に再現するあまり、ところどころ妙な演出が入っているのだが…。
その最たるものは、一部でアニメーションが使われていることであろう。戦闘や自然現象など、ヘンなタイミングでアニメが入ってくるし、そもそも火の鳥自体がアニメ。もちろん全て手塚治虫の絵そのまんまである。
実験的試みではあるが、実写とのバランスが悪く、アニメ部分が浮いてしまっている。
やっぱりオール実写でやってもらいたかったなぁ。リアル火の鳥がどれほどショボくても、それはそれで迷作と呼ばれるものになっていたかもしれない。

しかしまぁ、こんな時代の描写にお目にかかれるのは歴史番組の再現ドラマくらいだろう。
ある意味とてもレアな映画である。
今のところソフト化されていないのでなかなか観る機会はないと思うが、話のネタにどうぞ。

評価:★★★☆☆
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2006年04月04日

§四谷怪談あれこれ

先日、コクーン歌舞伎 東海道四谷怪談[南番]を平場席で鑑賞。
常々、意表をついた仕掛けが話題の四谷怪談の舞台を観てみたいと思っていたが、お化け屋敷のような演出がとても楽しくて大満足。
観劇レポは別ブログに書いているので、興味がありましたら読んでみてください

そういうわけで、今までに観た四谷怪談映画について書いてみようかと。

東海道四谷怪談(1959/日本/監督:中川信夫)
お岩:若杉嘉津子/伊右衛門:天知茂
四谷怪談映画の最高傑作と名高い。けれんみたっぷりの演出がすばらしい。いま観ても怖いですぞ。
天知茂の伊右衛門は相当ハマリ役。晩年の明智小五郎よりこっちのほうがイイ!

忠臣蔵外伝 四谷怪談(1994/日本/監督:深作欣二)
お岩:高岡早紀/伊右衛門:佐藤浩市
あんまりおぼえてませーん。忠臣蔵と四谷怪談を融合させているあたりは原作に忠実なのかも。
高岡早紀のステキなおっぱいと、荻野目慶子の白塗り狂女はよくおぼえている。

嗤う伊右衛門(2003/日本/監督:蜷川幸雄)
お岩:小雪/伊右衛門:唐沢寿明
原作は京極夏彦。かなり大胆な解釈がほどこされ、お岩と伊右衛門の純然たるラブストーリーになっている。
お岩は最初から顔が爛れているが凛とした気高い女性で、誰も祟ったりはしないし、伊右衛門もけっこういいヤツ。
お岩は執念深くて、伊右衛門は鬼畜だと思っている人には新鮮なプロットかもしれない。
ただ、よく知られている四谷怪談は鶴屋南北の創作であり、於岩稲荷に伝わる史実はべつに怪談ではなかったりする。お岩は現在も続く田宮家を立て直した貞女で、別に化けて出るような壮絶な人生ではなかったらしい。
また四谷怪談の別バージョンには、お岩は幼いころ天然痘に罹ったためアバタだらけの顔だったというのもある。
京極夏彦はそこらへんの話をもとに書いたんじゃないかな?(原作は未読)

四谷怪談の考証については、マンガ家・永久保貴一の「検証・四谷怪談」が非常に詳しく、丁寧な調査がされているのでオススメである。マンガなので読みやすいよ。

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2006年04月03日

§七人の侍フィギュア@海洋堂

sitininn02.jpg

海洋堂による、精巧な七人の侍ボトルキャップフィギュアが発売中。
コンビニで見かけたので、ためしに1個買ってみたところ、木村功の勝四郎(モノクロ)が出てきましたよ〜。
同梱の説明書には、勝四郎にまつわる撮影ウラ話やエピソードが書かれていて面白い。

やっぱり菊千代(三船敏郎)や久蔵(宮口精二)は梱包率低いのだろうか?

七人の侍の他に、黒澤明監督とカメラクルーのフィギュアもアリ。9種×2パターン(彩色/モノクロバージョン)で全18種。
机の上に七人の侍ズ並べておいたらカッコイイだろうなぁ。黒澤監督とカメラクルーを入れるとジオラマ的な飾り方もできるね。

この商品、売上の1%は日本映画の振興のために寄付されるそうなので、皆さんも見かけたら是非。そんで不要だったら私に下さいw
ちなみに、おまけ(w)の飴は、黒澤監督も愛飲していたプロポリス黒飴となっております。

七人の侍 海洋堂 黒澤明2
七人の侍七人の侍
三船敏郎 志村喬 稲葉義男

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2006年04月01日

送還日記(2003/韓国/監督:キム・ドンウォン)


soukannikki.jpg朝鮮半島の南北分断後、韓国側には北から数多くのスパイが送り込まれた。韓国では逮捕した“北のスパイ”に対し、共産主義思想を放棄するよう転向を強制する工作が行なわれていた。そして転向を拒否し続ける者はいつまでも収監され続け、中には30年以上も囚われていた人々もいた。やがて、韓国政府の太陽政策への転換を機に多くの長期囚が非転向のまま釈放、北朝鮮へと送還されることになる。本作はそんな非転向長期囚の老人たちを中心に、歴史に翻弄された元北朝鮮スパイの人々の姿を12年にもわたって撮り続けた珠玉のドキュメンタリー映画。

まだまだ続く韓流ブームの中、南北問題の現実を描いたこのドキュメントフィルムを観る意義は計り知れない。
北のスパイとして南(韓国)に送り込まれ、逮捕された彼らは、過酷な拷問を受け思想の転向を強制された。拷問に耐えかねて転向した人もいるが、頑なに拒否し続け長期にわたり囚われていた人も多い。2、30年は当たり前、中には40年以上も独房で過ごした者もおり、祖国に帰ることもできないままに老人となってしまった。
韓国の行った転向工作の結果はどうだろうか。さまざまな人の支援や好意を受けながらもなお、祖国への忠誠を忘れず、ときには語気強く共産主義を主張する。老人となってますます頑迷さを増しているように思えるが、それも当然であろう。拷問のすえ長期収監するような体制の思想を受け入れられるわけがない。
拷問の結果転向した人たちも、決して幸せな生活を送っていない。忸怩たる思いを抱えたまま、どこか疲れたような表情の老人がいるばかりだ。
“北風と太陽”の教訓どおり、彼らは強風の前にますますコートをしっかりかき合わせただけだったのである。

北の深刻な食糧不足や財政難が報道されても信じなかったり、彼らを訪れた拉北被害者家族の会と向き合うことなく一方的にはねつけたりする場面もある。
観ていて彼らの頑迷さに苛立つが、これが韓国の政策のまねいた結果なのかもしれない。

そんな彼らと人間として向き合い、交流を重ねた監督。彼らを支える支援団体。こういう心の触れ合いこそ、彼らの核の部分を融かすことができるのではないかと思った。
彼らは祖国への思いを捨てることなく北へ送還されたけれど、あたたかい南の人々のことは決して忘れることはないだろう。同じ人間なのだから。

彼らとの別れを惜しむ人々の連日の歓送会の様子にはじんわりとするが、北側の大仰な歓迎ぶりはどこか嘘くさくて白々しい。北では英雄となった彼らは、手厚く保護され贅沢な暮らしを送っているようだけれど、今後も体制の喧伝に利用され消費されていくことは避けられないだろう。彼らは、自分たちが信念を捧げた北朝鮮全体主義の矛盾に気づくことはあるのだろうか。
国家に利用され翻弄され続けた彼らの人生から読み取るべきメッセージは重い。

評価:★★★★☆

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posted by bambi at 23:59 | Comment(2) | TrackBack(5) | LOG #さ-そ

2006年04月01日

運命じゃない人(2004/日本/監督:内田けんじ)

新文芸坐@池袋】

気になる日本映画達〈アイツラ〉2005にて。
このあいだまでユーロスペースでアンコール上映、新文芸坐の2005年邦画セレクションではトップを飾るこの作品、どんなんだろうと興味津々だったが、期待にたがわぬ快作であった。ノーチェックだったのが悔やまれます。

unmeijanaihito.jpg典型的なお人好しの冴えないサラリーマン宮田武(中村靖日)は、結婚を前提にマンションを購入した矢先、肝心の恋人倉田あゆみ(板谷由夏)に突然去られてしまう。ある晩彼は、親友で私立探偵の神田勇介(山中聡)に呼び出され、とあるレストランへと向かう。神田はいつまでも前の彼女を忘れられない宮田を叱咤すると、その場で宮田のためにと女の子をナンパしてみせる。一人で食事していたその女、桑田真紀(霧島れいか)はちょうど彼氏にフラれて今夜の泊まる家もなく途方に暮れているところだった。そこで宮田は自分の家に泊まるようすすめ、2人で帰宅するが、そこへ行方知れずだったあゆみが戻ってきた…。

日本で一番いい人・宮田クンと、3500円の女・真紀ちゃんの“運命じゃない”出逢いのウラで、視点と時間軸をずらすと、詐欺師やヤクザの絡むとんでもないストーリーが展開。知らぬはキナ臭い裏世界とは無縁の宮田クンばかりなり。

とてつもなく凝った構成でありながら、観ていてこんがらがることは皆無。
この手の作品には、パズルのような構成に頭を整理しながらでないとついていけないものも多いが、本作は複雑な構成とわかりやすさ・面白さが両立しているという奇跡のようなシナリオである。

パルプ・フィクション(レビュー未掲載)やロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(1998年/イギリス/監督:ガイ・リッチー)を彷彿とさせるが、構成力、キャラクター造形のうまさ、セリフの妙など、これらの傑作と比べてもひけをとらない。むしろ“わかりやすく作られている”という点では軍配をあげたくなるほどである。

最終的に誰が主役だったのかよくわからないほどキャラクターが立っていて、皆がとても小市民的で親しみがわくし、ときには身につまされる。ヤクザ稼業も楽じゃないとぼやくヤクザの親分なんて、貫禄があるんだかないんだか絶妙なキャラ設定。
あまり名前は通っていないが、“いい仕事している”役者が揃っている作品だ。

探偵の友人に「お前は一人だけ別の星に生きてるなぁ。早く地球に戻ってこいよ」と言われてしまう宮田クンを見ていると、探偵や詐欺師など裏世界の人々を惹きつける要素がありながらも、平凡に生き続けることは一種の才能なのかもしれないと思いましたw

上映後、内田けんじ監督&荒木啓子(PFFディレクター)のトークショーがあった。内田監督は次作を準備中。早ければ今年中に撮影が始まるとかで、実に楽しみである。

なお併映はサマータイムマシン・ブルース(2005/日本/監督:本広克行)。2005年の邦画の中でも、とくに構成の巧さが光るこの2作を見比べてみると面白い。

評価:★★★★☆
運命じゃない人運命じゃない人
中村靖日 内田けんじ 霧島れいか

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posted by bambi at 23:58 | Comment(12) | TrackBack(37) | LOG #あ-お

2006年04月01日

§4月公開映画

今月は「コクーン歌舞伎 東海道四谷怪談」と「レ・ミゼラブル」の舞台鑑賞を予定しておりチケット貧乏なのだが、映画も観たいしねぇ。

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 ◎観たい ○観たいかも △気分次第
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【現在公開中】
 ○雨の町@シアター・イメージフォーラム
  …菊池秀行原作と聞けば観ないとなぁ
 △THE MYTH 神話@みゆき座系
  …老いたジャッキー・チェンの勇姿を!
 ○かもめ食堂@シネスイッチ銀座他
  …ククーシュカに続いて北欧祭りだ!
 ◎ブロークバック・マウンテン@シネマライズ他
  …新宿や池袋でも上映始まったしね
 ◎送還日記@渋谷シネ・ラ・セット
  …興味深いドキュメンタリーなんだけど、尺が長そうで及び腰

【4月公開】
 △バイバイ、ママ@シアター・イメージフォーラム
  …なんだかフライヤーの女の子が可愛らしいので
 ◎ナイト・ウォッチ@シネマメディアージュ
  …東欧SFヲタの相方が観たいんだってさ
 ◎プロデューサーズ@日劇1系
  …ミュージカル好きなんでマスト。舞台観たことないけど
 ○寝ずの番@シネスイッチ銀座他
  …予告面白そうだし
 ◎トカゲ女@シネセゾン渋谷(レイト)
  …またしてもトルネードフィルムに騙される気マンマン
 ○立食師列伝@シネクイント
  …押井守だし設定はよさげだし
 ◎君とボクの虹色の世界@CINE AMUSE EAST&WEST
  …アメリ風? だったらイヤだなぁ
 ◎闇打つ心臓@CINE AMUSE EAST&WEST(レイト)
  …予告面白そうだし
 △キス・キス バン・バン@TOHO CINEMAS六本木ヒルズ
  …同名のイギリス映画との関係は? リメイクではないのか
 △ナニー・マクフィーの魔法のステッキ@みゆき座系
  …よくわからんが、なんとなく
 ◎ヨコハマメリー@テアトル新宿(モーニング/レイト)
  …直感的にこれは外せない気がスル
 △僕の大事なコレクション@アミューズCQN他
  …よくわからんが、なんとなく

【特集・企画上映】
 ◎チェコアニメ映画祭@K's cinema /吉祥寺バウスシアター
  …4回券買っちゃったもんね〜
 ○中川信夫・業の人間アラベスク@ラピュタ阿佐ヶ谷
  …未見の作品を観ておきたい
 △気になる日本映画達(アイツラ)2005@新文芸坐
  …昨年の拾いこぼしはもちろん、もう一度観たいのもあるし
 △第18回 ピンク大賞@新文芸坐
  …「援助交際物語 したがるオンナたち」(かえるのうた)がもう一度観たい

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