(06/03/31) §映画検定
(06/03/29) サウンド・オブ・サンダー(2004/アメリカ=独/監督:ピーター・ハイアムズ)
(06/03/26) ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005/アメリカ=加/監督:デヴィッド・クローネンバーグ)
(06/03/25) 変態村(2004/ベルギー=仏=ルクセンブルグ/監督:ファブリス・ドゥ・ヴェルツ)
(06/03/25) ククーシュカ ラップランドの妖精(2002/ロシア/監督:アレクサンドル・ロゴシュキン)
(06/03/24) ファンタスティック・プラネット(1973/フランス=チェコ/監督:ルネ・ラルー)
(06/03/22) 真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章(2006/日本/監督:今村隆寛)
(06/03/17) Respect 川本喜八郎 #特別プログラム
(06/03/17) Touch the Sound そこにある音。(2004/ドイツ/監督:トーマス・リーデルシェイマー)
(06/03/15) マンダレイ(2005/デンマーク=スウェーデン=蘭=仏=独=米/監督:ラース・フォン・トリアー)
(06/03/14) 刺青(いれずみ)(1966/日本/監督:増村保造)
(06/03/14) 死者の書(2005/日本/監督:川本喜八郎)
(06/03/11) Respect 川本喜八郎 #Aプログラム
(06/03/11) エミリー・ローズ(2005/アメリカ/監督:スコット・デリクソン)
(06/03/11) ドラえもん のび太の恐竜2006(2006/日本/監督:渡辺歩)
(06/03/08) ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女(2005/アメリカ/アンドリュー・アダムソン)
(06/03/05) 彼のオートバイ、彼女の島(1986/日本/監督:大林宣彦)
(06/03/04) 刺青 SI-SEI(2005/日本/監督:佐藤寿保)
(06/03/04) シリアナ(2005/アメリカ/監督:スティーヴン・ギャガン)
(06/03/01) スティーヴィー(2002/アメリカ/監督:スティーヴ・ジェームズ)
(06/03/01) §3月公開映画

2006年03月31日

§映画検定

ブログのネタに取り上げようと思っていて、すっかり遅くなってしまった…。
キネマ旬報社から、映画検定ってのが発足してますね。

4級20代、30代の若い世代の方を対象とし、90年代以降の作品を中心に、映画史では欠かすことの出来ない古典や、監督、俳優、簡単な映画用語を含む、基礎知識を問う。映画ファン入門コース。

3級映画全般を通して、映画史に欠かすことの出来ない古典、多くの観客を集めた作品、映画会社、監督、俳優、スタッフや簡単な映画用語についてを問う。映画ファン初級コース。

2級映画全般を通して、映画史に欠かすことの出来ない古典のみならず、B級作品、カルト作品も対象とし、映画についてのあらゆる角度からの問題を問う。映画史、映画用語、興行関連なども対象とする。映画ファン上級コース。

1級映画全般を通して、あらゆる映画をあらゆる角度から問う。また映画史、映画用語、興行関連など映画周辺の知識についてもより深いレベルで対象とする。映画ファン達人コース。

試験会場は札幌、東京、名古屋、関西、福岡。検定料は4級・3級:\4,000、2級:\4,500(今回は1級検定はなし)。
要項を見るとけっこう本格的な検定なんだけど、今後どれくらい浸透するのか楽しみである。

ちなみに私は知識が偏っているので4級すら自信がない。試験もキライなので受けることはないと思うが、「映画検定・公式テキストブック」は欲しいな。
映画検定・公式テキストブック映画検定・公式テキストブック
キネマ旬報映画総合研究所


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:59 | Comment(2) | TrackBack(0) | * memo *

2006年03月29日

サウンド・オブ・サンダー(2004/アメリカ=独/監督:ピーター・ハイアムズ)


sot.jpg西暦2055年、人類はタイムトラベルを可能にしていた。シカゴの大手旅行代理店タイム・サファリ社では、6500年前にタイムトラベルして恐竜狩りを楽しむという人気ツアーを主催していた。地球の歴史が変わらぬよう、ツアーは厳格に管理されていたが、ある時、ツアー客の一人が気づかぬうちにごく小さな何かを過去から持ち帰ってしまったため、地球上の進化が大きく狂ってしまう。それはタイム・ウェイブ(進化の波)として地球に押し寄せる。最初に異常気象が引き起こされ、続く波で巨大植物の異常繁殖、さらには未知の巨大生物まで出現する。そして最後の波が来たとき、人類は滅亡してしまう。それまでに残された時間はあと僅か。はたして、人類はこの未曾有の危機を乗り越えることができるのか?

なぜ今ブラッドベリの古典の映画化? という疑問はさておき、タイムトラベルものとしてのスケールのデカさは、昨年のベスト10にも入れたサマータイムマシン・ブルース(2005/日本/監督:本広克行)と対極ですね。
何しろタイムパラドックスが地球規模なので、細かいつじつま合わせなど知ったことかと言わんばかりの大味さ。矛盾点を突き詰めるとよくわからなくなってくるので、とりあえず脳みそは明日の献立のことにでも使おう。
BTTF、ターミネーター以降、過去を少しくらい変えても無問題ってことになっていたのに、こんなスケールでタイムパラドックスの恐ろしさを描かれると、タイムトラベルへの夢も希望もしぼむ〜。

進化の環が狂ってしまったため、通常とは異なる進化を遂げた生物がわらわら出てくる。
マントヒヒと恐竜の合いの子みたいなのとか、巨大肉食コウモリとか、バカっぽくて面白いのだけど、どうもクリーチャー造形のセンスは今ひとつ。フィギュア出しても売れそうにない気が。
センスといえば、CGの酷さは想像を絶するものがあった。ホントに2004年製作なのかと眼を疑ってしまう出来。どうも、製作過程で紆余曲折あって制作費も大幅に削られたらしいので、映像の専門学校生にでも頼んだのかもしれない。

ボロクソに書いたけど、決して嫌いじゃありません。
期待しなければそれなりに楽しめるし、ブラッドベリの映像化という心意気も買いたい。
しかし、ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005/アメリカ=加/監督:デヴィッド・クローネンバーグ)と同じ評価つけてていいのか、私。何かが間違ってるような気がするが、まぁいいか。

評価:★★★☆☆

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:59 | Comment(4) | TrackBack(28) | LOG #さ-そ

2006年03月26日

ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005/アメリカ=加/監督:デヴィッド・クローネンバーグ)


久しぶりの吉祥寺。上映時間まで井の頭公園を散策したり、心地よい時間を過ごした。
しかしまぁ、桜もまだほとんどつぼみだというのに、園内は気のはやい花見客でみっしり。来週末あたりがピークかな?

hov.jpgインディアナ州の田舎町で小さなダイナーを経営するトム・ストール(ヴィゴ・モーテンセン)は、弁護士の妻エディ(マリア・ベロ)と2人の子どもとともに穏やかな日々を送っていた。そんなある夜、彼の店が拳銃を持った2人組の強盗に襲われる。しかしトムは驚くべき身のこなしで2人を一瞬にして倒してしまう。店の客や従業員の危機を救ったトムは一夜にしてヒーローとなる。それから数日後、片目をえぐられた曰くありげな男がダイナーに現われ、トムに親しげに話しかける。人違いだと否定するトムだったが、トムの過去を知るというその男は、以来執拗に家族につきまとい始める。

…コナン・ドイルの「恐怖の谷」かと思いました( ゚Д゚)
「恐怖の谷」は、過去に追い詰められた男と、その過去のエピソードが2部構成になっているのが秀逸なのだが(といってもシャーロック・ホームズの長編4作中、最も人気がない…私ゃ好きなんだけどなぁ)、本作はトムの“ジョーイ”時代がまったく描かれないためか、トムの贖罪意識に感情移入がしづらかった…というか、突然思いもよらない事態に陥った家族と同じ目線でトムを見るように、あえてそういうつくりになっているのかも。
トムよりも、家族の側にたって、同じ立場だったら…と自問するのが正しい見方かもしれない。
どっちにしろ、ジョーイ時代は相当大暴れしていたようなので、具体的な暴力描写はちょっときつかったかもね。有刺鉄線で眼をえぐるシーンなんか見たくありません。

身近な人の思いもよらない過去が発覚したら。
私は、15年ほど前に世間を震撼させた“女子高生コンクリート詰め事件”の犯人の一人が、現在は普通に結婚して子どもがいると知ったとき、よくわからない怒りと、どうにもやるせない思いが交錯したことを思い出した。
本作の主人公・トムが身を置いていたのがギャングの裏社会であるため、妻の葛藤に共感しづらいのだが、これが例えば日本で起きた、誰もが知っている殺人事件の犯人の妻だと仮定してみると、また違う見方になるのではないだろうか。そしてそれを知らされずに結婚したとしたら…。
過去は過去だと割り切ることは難しいに違いない。

トムの妻エディの職業が弁護士だというのは絶妙な設定だなぁと思った。正義感は人一倍強いだろうし、いろいろと残酷な事件も見てきているかもしれない。弁護士といえども、殺人を犯した被告に嫌悪感を抱くこともあるだろう。それでも手を尽くして被告を救うのが仕事だ。
この夫婦の今後の展開に、意外とエディの弁護士という職業意識はキモになるかもしれない。

ところで、トム役のヴィゴ・モーテンセンって、マイケル・ダグラスに似てるね。私はマイケル・ダグラスが苦手。ヴィゴもやや受け付けない役者になってきた…。

評価:★★★☆☆

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:59 | Comment(10) | TrackBack(25) | LOG #は-ほ

2006年03月25日

変態村(2004/ベルギー=仏=ルクセンブルグ/監督:ファブリス・ドゥ・ヴェルツ)

ライズX@渋谷】

東京国際ファンタスティック映画祭2005の「超!ストレンジ・ムービーナイト」のライナップで見たときから眼を引くタイトルだったねぇ。
結局、ファンタ映画祭は石井輝男ナイトに行ったのだが、同じ企画で上映された奇妙なサーカス(2005/日本/監督:園子温)を公開後に観てツボだったので、これも公開を楽しみにしていた。

hentaimura.jpg各地を巡りながらイベントやお祝いの席で歌を歌い生計を立てているキャバレー・シンガーのマルク(ローラン・リュカ)。彼はある日、移動中に車の故障で立ち往生してしまう。土砂降りの雨の中、辺鄙な場所で途方に暮れるマルク。やがて、森の中の小さなペンションに辿り着いた彼は、そこに一泊することに。ところが初老のオーナー、バルテル(ジャッキー・ベロワイエ)は歌手であるマルクに異様な態度を取り始める。彼は、歌手だった最愛の妻グロリアとマルクを混同し始めていたのだ。翌朝、バルテルの忠告を無視して散歩に出たマルクは、近くの村で恐るべき光景を目撃してしまう。急いでペンションに引き返すマルクだったが、そこにはさらなる恐怖が待っていた。

…いやぁダメですね。
私もエログロ/カルトと呼ばれる映画は嫌いじゃないほうだが、どっちかというとカラッと明るく突き抜けたバカ映画が好きなんでね。こういう陰鬱なやつはどうも。
そもそも、原題の“CALVAIRE”はキリスト磔刑の丘の名前。この手の、キリスト教の隠喩が込められた作品は日本人には理解しづらいものがある。
“ヨーロッパ全土を震撼させた衝撃作!”というコピーは嘘ではないだろうが、変態性というよりも、主人公の磔刑シーンなどキリスト教裏設定の部分に対してのことであろう。

そういうわけで、邦題勝ち(あるいは負け)しているこの作品。
自らハードルを上げているともいえるが、ただタイトルだけ聞けば強烈なインパクトである。さすがトルネードフィルム。
このタイトルが放つインパクトほど、内容は変態じみているわけではない。フィルム全体から漂う陰鬱で不快な雰囲気を除けば、充分鑑賞に耐えられる。

多少、変態じみた描写といえば、村人たちの獣姦シーンだろうか。でもこの村、そもそも女が少ないんじゃない? パブに集う村人たちの中には性別不明なヒトもいるのだが、ほとんど女が出てこない。異性と接する機会が少ない社会では、羊さんや山羊さんや豚さんと仲良くするのは必然的というか、歴史上よくあることだ。
ただ、キリスト教では動物姦はご法度なので(日本でもあんまり褒められることじゃないけど)、このシーンも大変なタブーを犯していることになる。敬虔なヨーロッパ人はどう観たのであろうか。

女の少ない村だとすれば、過去バルテルの妻グロリアを巡って何があったのか、ぼんやりと想像はつく。
マルクが逃げまどう森の中に放置されたままの、磔刑にされた死体は一体誰なのか。グロリアかもしれないし、マルク以前に同じ目にあった旅行者かもしれない。
もしかしたら、この村の住民たちは、マルクが訪れる以前から同じことを繰り返していたのかもしれず、ゾッとさせられるシーンであった。

評価:★★☆☆☆

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:59 | Comment(4) | TrackBack(13) | LOG #は-ほ

2006年03月25日

ククーシュカ ラップランドの妖精(2002/ロシア/監督:アレクサンドル・ロゴシュキン)

シネアミューズ@渋谷】

kukushka.jpg1944年、第二次世界大戦末期のラップランド地方。フィンランド軍はかつて奪われた土地を奪還するためドイツ軍と同盟を組みロシア軍と戦っていた。フィンランド軍の狙撃兵ヴェイッコ(ヴィッレ・ハーパサロ)は反戦的態度が問題とされ、ロシア軍の標的となりやすいドイツの軍服を着せられ岩に鎖で繋がれ置き去りにされてしまう。一方、反体制という濡れ衣で秘密警察に逮捕されたロシア軍大尉イワン(ヴィクトル・ブィチコフ)は、護送中に味方の誤爆に遭い、重傷を負ってしまう。近くを通りかかったサーミ人のアンニ(アンニ=クリスティーナ・ユーソ)は、イワンを自分の小屋へ連れ帰り手当てする。やがて、その小屋に、岩から自力で脱出したヴェイッコもやって来た。こうして、3人の奇妙な共同生活が始まるが、それぞれロシア語、フィンランド語、サーミ語しか話せない彼らの会話はまるで噛みあわない。おまけに、戦争未亡人のアンニは4年もごぶさたで、突然現われた2人の男にすっかり欲情してしまい…。

スクリーンから濃密な空気が漂ってくるラップランドの自然からは、神秘さと過酷さが感じられ、じわじわと引き込まれた。

言葉の壁を超えて絆が生まれる3人…というようなありきたりの展開になるのかと思いきや、3人とも最後まで好き勝手に振る舞い、ちぐはぐな会話を交わし、意思の疎通がとれているのかいないのか、不思議な関係が続く。
まったく言葉の通じない3人の会話は、いわゆる無理問答を聞いているようでとてもおかしい。すれ違いや自己解釈による誤解で大変なことになりそうな状況であるが、開放的な性格であっけらかんとしたアンニの存在が緩衝材となり、三角関係もコミカルでほほえましい。

言葉は通じなくても、ラップランドの大地と自然とともにたくましく生きている女性に出会って、身も心も疲弊した2人の元兵士が癒され、活力を得ていくのが、静かにゆっくりと描かれる。
夫を戦争に取られ4年もごぶさたのアンニが、久しぶりの男性に対する欲情を隠すことなく、本能のまま2人と寝て燃えちゃうところなんてとてもチャーミング。素朴な小屋から響き渡る交歓の声は、いやらしさよりも、原始的な生の営みというような力強さがある。

誤解からイワンに撃たれ、生死の境をさまようヴェイッコの魂を呼び戻すため、アンニの行う不思議な呪術の儀式はとても興味深い。
サーミ人とはラップランドの先住民のこと。詳しい文化的背景などはまったくわからないのだが、「おばあさんも(儀式を)やっていた」と言っていたし、アンニはそういう能力を持つ一族なのかもしれない。呪術師といえど、人の魂を呼び戻すなんて相当ポテンシャルが高い。だとすれば、“ククーシュカ”(ロシア語で鳥のカッコーのこと。“狙撃兵”という意味がある)のもう一つの意味とは、その能力と関係があるとも考えられる。超人的な能力ってのは、何かとひきかえに得られるものであり、アンニはやや頭が弱いという設定なのかも。

まぁ、私の穿った推測はさておき、とても素晴らしい映画であった。北欧に興味のある人は是非。

評価:★★★★★

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:48 | Comment(4) | TrackBack(12) | LOG #か-こ

2006年03月24日

ファンタスティック・プラネット(1973/フランス=チェコ/監督:ルネ・ラルー)

【DVD】

仏のSF作家ステファン・ウルの長編小説を、マンガ家ローラン・トポールの絵でアニメ化した異色のファンタジー作品で、未開の惑星イガムを舞台に、人間型のオム族と、彼らを奴隷のように扱うドラーグ族の戦いと協調を描く。

ルネ・ラルーのDVDはバラバラに買っているのだが、「ルネ・ラルー コンプリートDVD-BOX」なんてのが出てたのねΣ (゚Д゚;)

巨大なドラーグ族の手のひらに乗るほど小さい人間族は、彼らに生きたオモチャとして扱われている。
まるで虫けらのように弄ばれたり踏みつぶされたりしているのが哀れ。
まぁ、これだけサイズが違うと、人間の家畜や虫に対する扱いを顧みれば当然そうなるかと。ドラーグ族は悪くありません。

切り絵アニメの独特の動きと、サイケでシュールな世界観がマッチし、他に類を見ないアニメとなっている。
グロテスクなクリーチャーたちが蠢く世界は、悪夢としか言いようがない。どこからこんな発想がわくんだろうね。

一度観たら忘れられない、トラウマ的インパクトを放つ作品。

評価:★★★★☆
ファンタスティック・プラネットファンタスティック・プラネット
ステファン・ウル

ジェネオン エンタテインメント 2001-03-23
売り上げランキング : 3,862
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ルネ・ラルー コンプリートDVD-BOXルネ・ラルー コンプリートDVD-BOX
ルネ・ラルー

ジェネオン エンタテインメント 2005-03-10
売り上げランキング : 10,552
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(1) | LOG #は-ほ

2006年03月22日

真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章(2006/日本/監督:今村隆寛)


レディースデイの本日。新宿でも上映が始まった「ブロークバック・マウンテン」を観るつもりだったのだが、強敵と書いて“とも”と呼ぶ同僚に「そんなホモの映画やめて、ケンシロウ観に行こうよ〜」と誘われ急遽変更。
ちなみに、私のケンシロウ体験は、以前同棲していた彼氏が揃えていた原作を何度か読んではいるが、リアルタイムでTVアニメは観ていない。記憶はかなりうっすら。

hokutonoken.jpg核戦争後の近未来。暴力が支配する混沌の世界。究極の暗殺拳・北斗神拳は一子相伝の厳格な掟の下、長兄ラオウ(声:宇梶剛士)、次兄トキ(声:堀内賢雄)、末弟ケンシロウ(声:阿部寛)の中から、正統伝承者としてケンシロウが選ばれる。民衆と共に闘い続け、いつしか救世主と呼ばれるようになるケンシロウ。一方ラオウは、師父リュウケンと決別、自ら拳王を名乗り、戦乱の世の覇者となる野望を抱き突き進んでいた。そんなラオウの胸に秘められた哀しき真実を、彼の親衛隊を率いる美しき猛将レイナ(声:柴咲コウ)だけは知っていた…。

コアな原作ファンには評判よくないようだが、私のようなライトファンは充分楽しめた。
前半と後半でややバランスを欠いている感はあるが、原作のエピソードをそつなくまとめ、初心者も入りやすい入門編になっていたと思う。
私などは適度に記憶があいまいで、こまかいところはぜんぜん覚えてなかったり、「あー、こんなシーンあった」って鮮明に思い出したり。
ラオウとレイナ(キャラデザインは北条司)の関係性が原作にはないエッセンスとなっているが、完成度の高い原作に無理やりオリジナルキャラをぶち込んだせいか、レイナの存在はかなりビミョウ。ラオウの内面を描くための触媒としたかったのは分かるが、複雑なはずのラオウ像への踏み込みがやや安易な印象になってしまって残念である。

聖帝サウザーと仁星のシュウのエピソードは、サウザーのバックグラウンドが完全にスポイルされて非情な極悪人として描かれているため、シュウの漢っぷりが際立つ。自己犠牲が服を着て歩いているシュウの最期は涙なくして観れない。
サウザーの過去を描かなかった点については、映画という手段においては、壮大な原作をある程度取捨選択せざるを得ないし、テーマ(子どもたちの未来を守る)がより明瞭になっているので、これはこれで成功しているのではないか。
いまわの際の「愛ゆえに人は苦しむ…」というセリフで、充分「このヒトはただの権力バカではなかったのか」って窺わせるしね。

聖帝さまの名セリフ、

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!

は一言ごとにアングルが異なるというこだわりの演出。カッコよすぎてぞくぞくしちゃうよ。

キャストについては、あちこちで語られているとおりの感想。宇梶ラオウの「むーーーーー」にはちょっと笑った。阿部ケンシロウは悪くなかったね。
サウザーとシュウは、新スタートレックのライカー副長(大塚明夫)とデータ少佐(大塚芳忠)ということで、コンビネーションもバッチリ。安心して観られた。

評価:★★★☆☆
北斗の拳 DVDスーパープレミアムBOX北斗の拳 DVDスーパープレミアムBOX
武論尊 原哲夫

ユニバーサルミュージック 2006-03-29
売り上げランキング : 10,117
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:59 | Comment(2) | TrackBack(19) | LOG #さ-そ

2006年03月17日

Respect 川本喜八郎 #特別プログラム

ユーロスペース@渋谷】

特別プログラム「蓮如とその母」

本日で川本喜八郎特集も最終日。
ユーロスペースは非常に混雑していて、てっきり「運命じゃない人」の客かと思っていたら、ほとんどこちらの客だった…。この特別プログラムは2日間しか上映されないこともあり、考えてみたら当然なのであるが。
本日は川本喜八郎氏も来場され、一般席に座っておられた。館内に入ってすぐ気が付いたのでどきどきしてしまった。
川本喜八郎氏の和やかな舞台挨拶の後、本編の上映。

室町時代の宗教改革者・蓮如の半生を描いた長編アニメ。
あまり前面に出ているわけではないけれど、“人間の差別意識”が描かれている。
ストーリー上わかりにくいテーマではあるが、人間は平等であると説き、誰にでも同じ態度で接する蓮如を見ていると、なんとなくわかる気がした。
蓮如に接した人々は皆、あたたかく思いやり深い人柄に惹かれ、彼の講和を熱心に聴く姿がとてもほほえましい。

自分の身分を思って幼い蓮如を寺に残し、身を引いた母親の愛もさることながら、蓮如の後妻となった女性との絆も印象深い。
女性差別もまた、本作の隠れたテーマであると感じた。民衆を集めて説く蓮如の説法に、女性を敬う内容のものがある(黒柳徹子と岸田今日子そっくりの人形が熱心に聴いているという遊びもアリ)。女性が虐げられていたであろう時代に、人格者である蓮如の女性観に救われる思いがした。

人形による繊細な心理表現は、長編である本作でもいっさい手抜きがない。
人形の手が震えて心の動揺を現すところなど、これがコマ撮りと言われても面食らうほどの精緻さだ。
また、比叡山の僧兵による襲撃シーンは、数十体もの人形が入り乱れて迫力満点。

地方自治体の制作のため、一般公開もソフト化もされなかった幻の作品といわれる本作も含め、これで氏の作品を全て観ることができた。
このような企画を立ててくれたユーロスペースに感謝。これからも応援しますよ。

▼関連エントリ
Respect 川本喜八郎 #Bプログラム (06/2/25)
Respect 川本喜八郎 #Aプログラム (06/3/11)

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:59 | Comment(2) | TrackBack(3) | LOG #Event

2006年03月17日

Touch the Sound そこにある音。(2004/ドイツ/監督:トーマス・リーデルシェイマー)

ユーロスペース@渋谷】

touchthesound.jpg聴覚障害を持ちながらも世界的パーカッショニストとして活躍するエヴリン・グレニーの姿を追ったドキュメンタリー。精力的に活動を続ける彼女の日々の生活に密着、彼女が身体全体で感じとるという音の世界を、映画を通して同じように体感することを目指して制作された画期的な音の映像詩。

おそらくは絶対音感とリンクする能力なのだと思うが、世の中には音に色が見える(イメージ?)人がいるらしい。
そんな人たちは一体、どんな世界に住んでいるのだろう。
このドキュメントフィルムは、まさにそんな世界を少しだけ味わえる気がした。五感が研ぎ澄まされるような感覚をおぼえ、映像を聴き、音を観る。
打楽器のリズムと、この世にあふれる音が全身にしみこんでくる。心地よい時間だった。

エヴリン・グレニーが来日し、日本の音がクローズアップされるシークエンスは興味深い。
不協和音といえそうな街の喧騒と、古寺の静寂のコントラスト。
ふだんはたいして気にしてないけれど、私たちはありとあらゆる音に囲まれている。ふつうの人は快い音・不快な音を無意識に取捨選択して音の洪水をやりすごしているのかもしれない。もしかしたら、私たちの耳は世の中にあふれる音を半分も拾っていないのではないか。それは、常にオープンにしているつもりで、実は何も聴いてないに等しいのかも。
エヴリンのように、すべての音を拾いながらすごすことはしんどいけれど、日常への認識が変わる気がした。

エヴリンのみごとな即興演奏もたっぷり味わえ、打楽器の魅力に気づかされた。
音楽好き・音に興味のある人は必見。

評価:評価:★★★★☆

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:58 | Comment(2) | TrackBack(3) | LOG #た-と

2006年03月15日

マンダレイ(2005/デンマーク=スウェーデン=蘭=仏=独=米/監督:ラース・フォン・トリアー)

シャンテ シネ@日比谷】

レディースデイなのに、劇場は思いのほか空いてて拍子抜け。
昨年のディア・ウェンディ(2005/デンマーク/監督:トマス・ヴィンターベア)(トリアー脚本)も、心配になるほどガラガラだったしねぇ。
トリアーって、人気があるのかないのかよくわかんないね。

manderlay.jpg1933年。ドッグヴィルをあとにしたグレース(ブライス・ダラス・ハワード)は、父親らと共に新たな居住地を求めてアメリカ深南部へとやって来る。やがて“マンダレイ”という名の大農園にたどり着いた彼らは、そこで驚くべき光景を目にする。白人が黒人を鞭打っていたのだ。70年以上も前に廃止されたはずの奴隷制度がここには残っていた。グレースは黒人たちを今すぐ解放し、彼らに自分たちの権利と民主主義を教育しなければならないとの使命感に駆り立てられる。そして、父親の制止を振り切りさっそく行動に出るのだったが…。

アメリカ3部作の第2弾となる本作は、前作ドッグヴィル(2003/デンマーク/監督:ラース・フォン・トリアー)よりややパワーダウンとの評が多いようだが、いやいやどうして、良いじゃないの。個人的には、前作に勝るとも劣らないと感じた。
前作から踏襲された、殺風景な舞台装置(セットなし)のパンチ力が薄れたのはしょうがない。単に観客が慣れちゃっただけである。
このスタイル、一瞬で村全体が見渡せて、主要人物がどこで何をしているのか一目瞭然という、神の視点をもたせる効果がある。ドッグヴィルやマンダレイの矮小さや閉塞性が劇的に際立ち、ホントに感心してしまう。ほんのちょっとだけ、宇宙から地球を見おろす神の気分が味わえるのだ。

それにしてもグレース嬢はドッグヴィルで一体何を学んだのやら。
権力を行使し単純に理想を押し付けるのみで、複雑怪奇な人間心理や事象の本質を見極めようとしない。むしろ一層バカになってしまったかのようであるw
受けるイメージも、ニコール・キッドマンの演じた前作のグレースとの連続性は薄いが、同人物だったらかえって違和感があったかもしれないほどキャラが変わっている(退行してるw)気がした。

グレースの浅はかさは、そのまんまアメリカの矛盾である。
正義感が強くて一本気、権力もあって頼りになりそうだけれど、実際は視野が狭くて価値観の多様性が認められない。
なにごとも原因があって、結果がある。己の価値観にそぐわない結果だけを見て短絡的に決め付けるのは、愚か者のすることだなぁと考えさせられた。

毒っ気たっぷり、あとをひく作品。

評価:★★★★☆

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(14) | LOG #ま-も

2006年03月14日

刺青(いれずみ)(1966/日本/監督:増村保造)


質屋の娘・お艶(若尾文子)は、ある雪の夜、いとしい手代の新助(長谷川明男)とともに駆け落ちを果たす。二人きりで短い蜜月を過ごすが、かくまってくれた船宿の主人・権次(須賀不二夫)は札付きの悪党。新助を殺しお艶を女郎宿に売り払ってしまおうと考えていた。そのお艶に目をつけている男がもう一人いた。刺青師の清吉(山本学)である。清吉は他の何ものにも換え難いお艶の美しく白い肌に、一世一代の刺青を彫りたいと願っていた…。

このあいだ、同原作(谷崎潤一郎)の再々映画化となる、刺青 SI-SEI(2005/日本/監督:佐藤寿保)を観たばかりであるが、あまりの違いに驚いた。キャラクターの魅力、ストーリーの面白さ、映像の美しさ、全てにおいて比べものにならない。
とにかく、脂ののりきった若尾文子の美しさは嘆息もの。婀娜な魅力とは、こういう人のことをいうのだろう。
実際は吹き替えが多いらしいが、その美しい背中は最高級の和紙のよう。
刺青の図案(女郎蜘蛛)の不気味さと、汚れを知らない白いカンバスのコントラストが、いっそうまがまがしく蠱惑的に映る。

男を喰い殺す背中の女郎蜘蛛は、男の生血を吸ってますます生命力を増していく。
男なら誰しも、こんな女郎蜘蛛に抱かれて精も根も吸い尽くされたいと夢想するのではないだろうか。

評価:★★★★☆
刺青(いれずみ)
刺青(いれずみ)
posted with amazlet on 06.03.15
徳間ジャパンコミュニケーションズ (2001/06/27)
売り上げランキング: 19,375

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | LOG #あ-お

2006年03月14日

死者の書(2005/日本/監督:川本喜八郎)

岩波ホール@神保町】

sishanosho.jpg8世紀半ば、奈良の都。平城京の大貴族、藤原南家の姫、郎女(声:宮沢りえ)は“称讃浄土経”を一心に写経し、仏の教えに帰依していた。春分の日、郎女は二上山の上に荘厳な俤びとの姿を見て、千部写経を発願する。1年後の春分の日、郎女は、千部目の最後の文字を書き終えると、激しい雨の中、俤びとに導かれるように、ひとり西へ西へと歩き、二上山のふもとの當麻寺にたどりつく。
そこで郎女は、當麻の語り部の媼(声:黒柳徹子)から、50年前に処刑された悲劇の人、大津皇子(声:観世銕之丞)の話を聞かされる。皇子は死の直前に一目見た女性、耳面刀自への執心から亡霊となってこの世に甦った。皇子の霊にとっては、郎女が耳面刀自と映ったのだ。やがて郎女には、夜更けに現れる皇子の亡霊と俤びとが重なり、その寒々とした身を被う衣を作ろうと、ひたむきに祈りながら蓮の糸で布を織りはじめる。

かなり難解な作品。川本喜八郎および奈良時代に興味のない人は観ないほうがよろしい。
伝奇小説好きな私は、この時代わりと好きなので、バックグラウンドは無問題。
ストーリーは充分ついていけたし、人形アニメの美しさもあり最後まで引き込まれて観たが、解釈は難しかった。そもそも折口信夫の原作が相当難解なもので、川本喜八郎も読み解くのに10年かかっているそうだ。

アチラの映画や小説をみると、つくづく欧米社会はキリスト教という大前提のもとに成り立っているんだなぁと感じる。すべてにおいて、宗教観が基盤となっている。
日本人にはいまひとつ実感しにくい価値観だ。この作品が難しく感じるのは、時代背景よりもそっちのせいかもしれない。自国の宗教観や死生観についての理解が難しいと思うなんて、ちょっぴり寂しくなってしまったのは私だけだろうか。

人形アニメの表現、心理描写は素晴らしいの一言につきる。
ナチュラルに風に舞う衣装や髪の繊細な表現にはっと息をのみ、眼を奪われる。
表情のない人形たちから伝わってくるひたむきさ、優しさ、“おもい”の激しさ。どうしてこんな表現が可能なんだろう。
…私はすっかり、川本喜八郎の人形たちから発せられる生々しい情操に魅入られてしまったようである。

岩波ホールって初めて行ったのだが、すごい独特な劇場だね。
雰囲気も客層もレトロ。年配の女性の多いこと。いつもこんな感じなのかしら。
それと、スタッフの対応がとてもよかったです。好印象。

評価:★★★★☆

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:58 | Comment(1) | TrackBack(4) | LOG #さ-そ

2006年03月11日

Respect 川本喜八郎 #Aプログラム

ユーロスペース@渋谷】

Bプログラムの鑑賞からちょっと間が開いてしまったが、本日はなんと、川本喜八郎氏と、日本アカデミー賞を総ナメにした山崎貴監督(『ALWAYS 三丁目の夕日』…観てないけど)のトークショーが!
川本喜八郎氏は大正生まれ。81歳という御歳でありながら、とても闊達で溌剌としておられ、トークも面白い。厳然としたイメージの職人的作品とはあまり結びつかない、気さくで優しい雰囲気のおじいちゃんだった。
山崎監督とのトークでは、ミニチュアセットや人形など、CGでは表現しきれない“モノ”へのこだわりや、ロシアのアニメーション作家ユーリ・ノルシュテインの職人エピソードなど、非常に興味深い話が聞けた。
映画2本観たあとで、やや疲れ気味だったのだが、やっぱり来てよかったなぁ。

doujouji.jpg

セルフポートレート

アサヒビールCM集
楽しいドタバタ西部劇のCM集。これってとてつもなく貴重なフィルムではないだろうか?

花折り
留守番の小坊主が酒好きだったのが運の尽き。花見と酒とおおらかな笑い。

犬儒戯画
犬たちが疾走するドッグレースの突然の停電…暗闇の中で何が起きたか?
人形のモノクロ写真を再撮影しているとのことで、不思議な味わいの作品。


中世の夜の暗黒の中、猟師の兄弟に襲いかかったものは…。
川本喜八郎の真骨頂。命を得ているかのような人形たちの動きは、ときにユーモラスで、ときに恐怖感を煽る。漆黒の闇と簡略化されたセットの融合もまた、様式美の極致。

道成寺
恋した男を追って、追って、追って…
若い僧侶に惚れた女の情念を、繊細で巧みな心理描写で表現。表情のない人形から紅蓮の炎が立ち上っているようで、背筋が凍る。
怖ろしい…。そして、息をのむほど美しい。

不射之射
弓の名人を目指した若者の修行の歳月。
奇抜なストーリーがマンガチックで楽しい。川本喜八郎の人形と、中国の水墨画的雰囲気がマッチし、独自の世界観が作り上げられた作品。

劇場を出ると、観客を見送る川本喜八郎氏と眼が合う。どうしていいかわからず頭を下げると、とてもすてきな笑顔を返してくださった。
生き生きと自信に溢れる表情、とても80歳を越えておられるとは思えない。一生の仕事を持っている方は違うなぁと感銘を受けた一瞬であった。

▼関連エントリ
Respect 川本喜八郎 #Bプログラム (06/2/25)
Respect 川本喜八郎 #特別プログラム (06/3/17)

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:59 | Comment(3) | TrackBack(2) | LOG #Event

2006年03月11日

エミリー・ローズ(2005/アメリカ/監督:スコット・デリクソン)


emily.jpg神父ムーア(トム・ウィルキンソン)が悪魔に呪われたという19歳の女子大生エミリー・ローズ(ジェニファー・カーペンター)に悪魔祓いを施した末、死に至らしめたとして過失致死罪で起訴された。彼の弁護には、野心的な女性弁護士エリン(ローラ・リニー)があたることに。エミリーは精神病で、薬の服用をやめさせたことが原因だと主張する検事側に対し、エリンはムーアの真摯な主張をもとに悪魔の存在を証明していく―。ある深夜3時、大学寮で寝ていたエミリーは焦げ臭いにおいで目を覚ました途端、原因不明の痙攣や幻覚に見舞われる。以来、症状が悪化し、病院でも改善が見られない彼女は自宅で療養する。やがて、自分の中に何かが取り憑いていると確信したエミリーは、ムーアに全てを託す。だが、彼の懸命な悪魔祓いも空しく、エミリーは無惨な姿で命を落としてしまう…。

オカルト映画を装いながら、本格的な法廷劇であるところが面白い。アメリカの裁判って面白いよね。最終弁論てやつが実にドラマチックで、法廷の空気をひっくり返してしまったりするのである。まぁ、実際の法廷の場はどんなもんだか知らないのだけれど。

欧米人の根深い宗教観がビシビシ伝わってくる本作だが、証人として喚問された怪しい専門家も言っているように、“悪魔憑き”は世界中に見られる現象。日本なら“狐憑き”と呼ばれるだろう。
現象そのものはキリスト教だけにとどまらないだけに、真実そのような闇の世界が存在するのか、あるいは共通した身体的・精神的特徴を持つ者による科学的根拠のある言動なのか、どちらでもあるような気がするし、今のところ誰にもわからない。
こんなわけのわからないことまで裁判に持ち込むのはいかにもアメリカらしいが、その根底には“よくわからない現象には、とりあえず何らかの理由をつけたい”心理があるのだろう。
メインとなる法廷シーンは、事態の解明に揺れ動く人々の心理が伝わってきて緊迫感があった。

悪魔憑きに苦しむエミリーと、真実を見極めようとする法廷シーンが交互に進む構成が秀逸。オカルティズムとリアリズムの対比という構図は、誰も白黒はっきりつけられないだけに、実にスリリング。
これだけで充分面白いのに、神父や弁護士がオカルト現象に遭遇するシーンは後付けっぽくて、蛇足ぎみだと感じたのが惜しいなぁ。

それにしてもジェニファー・カーペンターは怖かった…。
あれを間近で見たら、絶対に悪魔の存在を信じてしまうであろう壮絶な演技。
ルックスはいまひとつだが、迫力ある演技でこの作品を真実味のあるものにしていた。
こういう作品に出てしまうと、幅を広げるのは大変だと思うが、根性ありそうな女優だしね。がんばって下さい。

評価:★★★★☆

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:58 | Comment(13) | TrackBack(46) | LOG #あ-お

2006年03月11日

ドラえもん のび太の恐竜2006(2006/日本/監督:渡辺歩)


私は映画館へはほぼ一人で行くが、本作はさすがに浮いてしまったなぁ。
孤独な隠れドラファンの大人も来てるはずとふんだのだが、見渡すかぎり大人一人は私だけだったように思う。
こまいのばっかり、にぎやかな映画館でした。

dora2006.jpgある日のび太(声:大原めぐみ)は、恐竜の化石を自慢するスネ夫(声:関智一)に対抗し、自分も恐竜の化石探しを開始する。すると、ひょんなことから恐竜の卵らしきものを発見するのだった。そして、その卵を孵化させてみると、なんとそれは白亜紀の日本海近海に棲息していたフタバスズキリュウだった。のび太はこの首長竜を“ピー助”(声:神木隆之介)と名付け、ママに内緒で大切に育て始めるのだったが…。

号泣必至の名作、劇場版第一作「ドラえもん のび太の恐竜」のリメイクである。
私は声優陣がリニューアルしてからのドラえもんは見ていないので、不安はあったものの、オリジナルも細部までは覚えていないこともあり新鮮な気持ちで観ることができた。

新声優陣については、やはり最後までドラえもんの声(水田わさび)に違和感がぬぐえなかった。ほとんどの日本人にはドラえもん=大山のぶ代が強烈にすり込まれているので、これは致し方ないかもしれない。だが、ヘタに大山ドラを踏襲することなく、新しいドラえもんをやろうとしている苦労と心意気は買いたい。

新しいドラえもんといえば、作画の個性は相当なもの。キャラの線が今までとぜんぜん違う。どちらかといえば、アニメ版よりも原作に近いのかな。ギャグを全身で表現する、柔軟な線のキャラクターになっている。そういえば、ドラえもんはギャグ漫画だったのだ。
好き嫌いがかなり出るであろう絵で、私も最初は荒っぽい印象を受けたが、これまでの優等生的ドラえもんキャラでは考えられないギャグ表現は新鮮だった。
テレビアニメ版はどうなんだろう。映画は良い意味であくの強いドラえもんになったという印象である。

もともと素晴らしいストーリーだが、今回も私、号泣してしまいました。
仲間との信頼と友情、冒険と成長、のび太とピー助の別れ。エンタテイメントの全てが詰まっている。
タケコプターで墜落しそうになったジャイアンの手を取り助けるのび太。しずかちゃんのピンチに真っ先に飛び出していくのび太。なんて勇気のある少年なんだろう。のび太の本質を誰よりも見抜いているピー助との別れは胸を揺さぶられる。

そういえば、本作では、もちろん大いにドラえもんの秘密道具の恩恵には預かっているものの、のび太は自分の力でいろいろなことをなし遂げ、仲間の信頼を得ている。
ドラえもんが、本来の役目どおり、のび太のサポートに徹しているところは、長い間のび太の成長を見守ってきている大人の観客には感慨深いものがあるだろう。

印象に残ったのは、のび太とパパのエピソード、ラストで白亜紀から戻ってきたのび太たちとママのやりとり。
「多勢で、何をやってたの?」「うん、ちょっとね…」
大人には理解できない、5人の冒険物語のしめくくりは、とても感動的だった。

久しぶりにオリジナルも観たいね。泣きたいときは、これを観よう。

評価:★★★★☆
映画ドラえもん のび太の恐竜映画ドラえもん のび太の恐竜
大山のぶ代 小原乃梨子 肝付兼太

ポニーキャニオン 2001-03-14
売り上げランキング : 8,781
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:57 | Comment(4) | TrackBack(8) | LOG #た-と

2006年03月08日

ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女(2005/アメリカ/アンドリュー・アダムソン)


narnia.jpg第二次世界大戦下のイギリス。ペベンシー家の子どもたち、ピーター(ウィリアム・モーズリー)、スーザン(アナ・ポップルウェル)、エドマンド(スキャンダー・ケインズ)、ルーシー(ジョージー・ヘンリー)の4人は、ロンドンの空襲を逃れ、田舎のカーク教授(ジム・ブロードベント)のもとに預けられる。古くて広い教授の屋敷を探索していた末っ子のルーシーは、空き部屋で大きな衣装だんすを見つけ、何かに導かれるようにその奥へと進んでいく。そして、ふと気づくとルーシーは雪に覆われた森の中に立っていた。そこは、言葉を話す不思議な生きものたちが暮らす魔法の国“ナルニア”。偉大な王アスラン(声:リーアム・ニーソン)が作った美しいこの国は、冷酷な白い魔女(ティルダ・スウィントン)によって100年もの間冬の世界に閉じ込められていた。ナルニアの住人たちはひたすらにアスランの帰還を祈り続けていた。やがてペベンシー家の4人の幼き子どもたちは、この国の運命が自分たちの手に託されたことを知るのだった…。

面白かったよ、うん。
何にも残らないけどw

誰もが楽しめるストーリー、美麗なCGによる異世界の作りこみ、多彩なキャラクター・クリーチャーなど、全体的にバランスのとれた及第点の作品。
ファミリー向け、あるいはデートムービーに徹したつくりだが、突出したものがあるとすれば、キャスティングかな。
冒頭ではえらく地味に感じる4人きょうだいのアンサンブルも、物語が進むにつれ、それぞれのキャラクターがしっかり描きわけられ魅力が増していく。とくに末っ子のルーシー役ジョージー・ヘンリーは、初出演とは思えないほど表現力が豊かで、おしゃまな感じがとてもかわいらしかった。
アスランと、ティルダ・スウィントン(てっきりケイト・ブランシェットかと…)の魔女もよかったね。善悪の対比のわかりやすいキャラ設定で、子どもにもなじみやすい。

原作はファンタジー児童文学の金字塔とはいえ、書かれたのは半世紀も前となれば、もはや古典。
子どもはともかく、骨太なファンタジーを見慣れたすれっからしの大人にはもの足りない作品であろう。世界観やストーリーに夢と高揚感はあるけれど、重厚さやリアリズムは感じられず、今となっては、ハリポタやLOTRを超えることはむずかしいだろう。
このジャンルで、別の視点からインパクトあるものにするには、やっぱアレしかない。

ミ ュ ー ジ カ ル。

史上初(たぶん…)、ファンタジーミュージカル連作。
ミュージカルて、ファンタジーよりもさらに好き嫌いが激しいが、うまくハマればライトファンからコアなファンまで、さまざまな層が見込めると思う。
ディズニーならミュージカル映画のノウハウもばっちり。
キモとなる楽曲に力をそそげば、それだけで語り継がれるものになるはずだ。
ハリポタ、LOTRに比べても、シンプルなストーリーと牧歌的な世界観がミュージカルに向いてると思うんだけどなぁ。

どうですかディズニーさん。そういうのやってくれませんか。

評価:★★★☆☆
「ナルニア国ものがたり」全7冊セット 美装ケース入り「ナルニア国ものがたり」全7冊セット 美装ケース入り
C.S. Lewis C.S.ルイス 瀬田 貞二

岩波書店 2000-11
売り上げランキング : 611
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:59 | Comment(18) | TrackBack(87) | LOG #な-の

2006年03月05日

彼のオートバイ、彼女の島(1986/日本/監督:大林宣彦)


橋本巧(竹内力)は、音楽大学に通うかたわら、プレスライダーのバイトをしている。ある日、先輩から妹・冬美(渡辺典子)との責任を取れと迫られ、心の整理をつけるため、信州にバイクで一人旅に出る。そんな彼の前に、不思議な透明感を漂わせるミーヨこと白石美代子(原田喜和子)が現れる。

バイク乗りのバイブルと言われる片岡義男の原作。映画も絶大な人気があるらしい。
私はバイクとも片岡義男とも無縁なのだが、原作の“彼女の島”とは、私にとっては“彼の島”であり、常々映画を観てみたいと思っていた。“彼女の島”こと、白石島(ミーヨの苗字はここから来てるんだね)は、穏やかな瀬戸内海に浮かぶ、風光明媚な小さな島である。
残念ながら、映画のロケで使われているのは別の島(尾道の向島)だったんだけれど。

若き日の竹内力、そして原田喜和子の初々しく弾けるような存在感がまぶしい。
原田喜和子のみずみずしいオールヌードには眼を奪われたが、なぜか竹内力もやたら脱いでいる。
リーゼントではない竹内力なんて初めて見た気がするが、ナイーブな青年像が意外とはまってるね。

雰囲気はなんていうか、とても80年代ぽい。なんとなくわたせせいぞうとか思い出してみたり。
軽やかでほろ苦い青春映画に仕上がっているが、セリフのこっ恥ずかしさは悶絶もの。

「これからどうするの?」 「風を探して、昼寝!」

うひょー、たまらん。風を探しますか。そうですか。

とにかく、この映画の真の主役はなんといってもバイクであろう。
私はバイク乗りではないけれど、“風と一体化する”感覚が伝わってきて、とても心地よい。
ツーリングを通して出会う男女、ヘルメットからなびく長い髪。多くのバイク乗りを生み出したという本作は、今観てもなかなか魅力的な秀作であった。

評価:★★★☆☆

“彼女の島”(白石島)について
彼のオートバイ、彼女の島
彼のオートバイ、彼女の島彼のオートバイ、彼女の島
原田貴和子 竹内力 渡辺典子

PI,ASM/角川書店 2001-10-25
売り上げランキング : 6,404
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 21:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | LOG #か-こ

2006年03月04日

刺青 SI-SEI(2005/日本/監督:佐藤寿保)


si-sei.jpg来栖精像(弓削智久)は、芸術作品として後世に伝えられる刺青を残したいと考えていた。ある日、彼は大学院で錦絵の研究に携わる女性・雨宮美妙(吉井怜)と出会う。精像は美妙を誘拐監禁して刺青を彫らせるよう迫るが、やがて錦絵の魅力と刺青の持つ魔性に取りつかれた美妙は、逆に最高の刺青を彫ることを要求するのだった。そして遂に、見事な“八重垣姫”の刺青が完成する…。

とりあえず、ビデオ画像が哀しいほどに安っぽい。
刺青をほどこされる吉井怜の苦悶の表情と喘ぎ声はなかなかそそられるが、それ以外の演技が鼻につく。観念的なセリフ廻しがまったくおぼついてないしね。これは弓削智久も同様。

谷崎潤一郎の原作は読んだことがないが、監禁する男とされる女の関係性が次第に逆転していくという、乱歩の“盲獣”を彷彿とさせるプロットには期待していた。しかし、たいして心理的プロセスも描かれないまま、女は早々にそちらの魅力に目覚めてしまう。
ここらへんの心理描写が本作のキモになるはずなのだが、肝心なところが粗く、説得力にとぼしい。

ふたりの関係の設定も唐突だし、刺青コレクションのくだりもよくわからない。
結局、何が言いたかったんだろう?

吉井怜がそちらの魅力に目覚めるアイテムとして、月岡(大蘇)芳年・落合芳幾、そして丸尾末広・花輪和一の“血みどろ絵”が使われているのには興味を引かれた。
幕末の浮世絵師、芳年と芳幾は“英名二十八衆句”をはじめ、凄惨なシーンを描いた血なまぐさい絵を数多く残している。これらは血糊の質感を出すために絵具に膠を混ぜているという凝りようで、後年の“その筋の人々”に多大な影響を与えている。
丸尾末広・花輪和一は嫌いじゃないけれど、彼らの“新英名二十八衆句”を同列に扱っているのは違和感をぬぐえない。観客は何にも分からないと思っているのかね。

新英名二十八衆句”、復刊されないかなぁ。

評価:★★☆☆☆

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(2) | LOG #さ-そ

2006年03月04日

シリアナ(2005/アメリカ/監督:スティーヴン・ギャガン)


syriana.jpg改革に意欲的な王子ナシール(アレクサンダー・シディグ)が王位継承権を持つ中東のとある小国。長年危険な諜報活動に従事してきたCIA工作員のボブ・バーンズ(ジョージ・クルーニー)は息子の大学進学を機に引退を決意する。そんなボブに最後の極秘指令が下される…。ワシントンの大手事務所で働く野心溢れる弁護士ベネット(ジェフリー・ライト)は、アメリカの巨大石油企業コネックス社が絡んだ大型合併を巡る調査を任される…。ジュネーブに暮らすエネルギーアナリストのブライアン(マット・デイモン)は、ある出来事をきっかけに、ナシール王子の相談役に抜擢される…。ナシールの国に出稼ぎに来てコネックス社の油田で働いていたパキスタン人青年ワシーム(マザール・ムニール)は、突然の解雇に遭い、路頭に迷う…。まるで繋がりを持たないはずの彼らの運命は、容易に見通すことのできない一つの巨大なシステムの中に深く組み込まれていく。

そうか、こういう話だったのね…。
例によって、まったく予習ナシで観に行った私は、なにやらシリアスなテーマと、とんでもなく複雑な構成に、初っ端から思考停止状態。ついていけんかったとです…。
一見バラバラのエピソードが並行して進み、ラストで収束する。こういう脚本好きなんだけれども、本作はあまりにも不親切だと思う。とくに前半は場面転換が早すぎて、誰が誰だか、何が何やら。

「理解できないのは私だけか? みんなついていけているのかぁ?!」と池袋の中心で叫びたくなった。
疾走するバイクに乗ってはみたものの、早々に振り落とされて、呆然としている私がいましたよ…。

とりあえず、アメリカは無茶苦茶するなぁと。おまいらこそテロ国家じゃないのかと。

…頭が悪くてスミマセン。

評価:★★☆☆☆

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:58 | Comment(13) | TrackBack(49) | LOG #さ-そ

2006年03月01日

スティーヴィー(2002/アメリカ/監督:スティーヴ・ジェームズ)


stevie.jpg大学生時代に11歳の少年スティーヴィー・フィールディングの更生を助ける“ビッグ・ブラザー(兄役の制度)”になったジェームズ監督は、10年ぶりに故郷へ戻り、スティーヴィーの現在の姿をカメラに収めようと考えた。ところが、スティーヴィーが重大な犯罪の容疑者に問われたことで、ジェームズ監督は図らずも犯罪の加害者と向き合うことになってしまう。本作はそうした状況で様々な苦悩を抱えながらもカメラを手放さず映画を撮り続ける選択をしたジェームズ監督による4年半におよぶ魂の記録。

児童虐待・ネグレストの被害者であり、いとこの少女への性的虐待の加害者でもあるスティーヴィー。彼の母親とその妹(被害者の母親)もまた、貧しい地区の生まれでアル中の父親から虐待を受けて育ったと語る。スティーヴィーの母は、自分が育てられたように子どもを育て、ついには捨てた。
やりきれない虐待の連鎖の中で、必死で絆を繋ごうとする家族のありようが、観ていてとてもつらかった。
スティーヴィーは母親を憎んでいる。彼の妹(兄のように虐待はされていない)夫婦は、誠意を裏切り続ける兄をもてあましている。母親も悩んではいるけれど、彼女の罪は、犯罪をくりかえす息子を見れば一目瞭然。けっして心安らかなときはないだろう。

個人的なことだが、私自身、恵まれた家庭環境ではなかったし、10年近く帰省もしていない。家族という閉塞した集団への拒否反応はいまだに根深くて、なぜお互い憎みあい疎みあっていても家族というだけで寄り添って生きているのか、理解も共感もしづらかった。
どうしても、“共依存”という言葉が胸をよぎってしまうが、家族のありようは千差万別。スティーヴィーたち家族の関係は、息苦しく澱んでいるように見えるけれど、傷つけあいながらも寄り添っていることは、欠けたものを埋め、細い絆を縒り合わせながら生きていくことなのかもしれない。
家族としてどのように乗り越え、支えあっていくのがベストなのか、100の家族があれば100の答えが出るだろう。
子どもの産まれた妹夫婦や、婚約者の待つスティーヴィー自身の身をもって、負の連鎖が断ち切られることを祈らずにはいられない。

ジェームズ監督とスティーヴィーの関係も、擬似家族と呼ぶには程遠い、とても危うい距離感が伝わってきて、時折ひやりとさせられる。
自分の行為に、ときには意義を感じたり疑問を抱いたりする監督の葛藤がストレートに映し出され、一進一退をくりかえしてなかなか変わらないスティーヴィーに、監督同様、苛立ちを覚える。
一人の人生を見守ることは、とてつもなく重いことだ。
監督の真摯な思いを綴ったこのドキュメンタリーを観るには、それなりの覚悟が必要なのである。

評価:★★★★☆

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | LOG #さ-そ

2006年03月01日

§3月公開映画

**************************************************
○観たい △観たいかも □気分次第
**************************************************
【現在公開中】
 □アメリカ,家族のいる風景@シネスイッチ銀座
 ○スティーヴィー@ポレポレ東中野
 □プロミス
 ○死者の書@岩波ホール
 □ベロニカは死ぬことにした@恵比寿ガーデンシネマ
 □三年身籠る@新宿武蔵野館
【3月公開】
 ○シリアナ
 △ナルニア国物語 第1章ライオンと魔女
 ○ドラえもん のび太の恐竜2006
 ○ブロークバック・マウンテン@シネマライズ
 △送還日記@CINE AMUSE EAST&WEST
 △真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章
 ○ヒストリー・オブ・バイオレンス
 ○マンダレー@シャンテシネ
 △かもめ食堂@シネスイッチ銀座
 □Touch the Sound そこにある音@ユーロスペース
 □メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬@恵比寿ガーデンシネマ
 □THE MYTH 神話
 ○変態村@ライズエックス
 ○ククーシュカ ラップランドの妖精@CINE AMUSE EAST&WEST
 ○玲玲の電影日記@シアターN渋谷
 ○君とボクの虹色の世界@CINE AMUSE EAST&WEST
 ○闇打つ心臓@CINE AMUSE EAST&WEST
 △雨の町@シアター・イメージフォーラム
**************************************************

3月はなかなかのラインナップだね。
ナルニア国…私はファンタジー嫌いなんだけど、子どものころ読んでたシリーズなのでやっぱり懐かしい。
アニメ2本…ドラえもんはマスト。北斗の拳、以前同棲してた彼氏の本棚にあってハマったよう。阿部寛のケンシロウに興味わかない人なんているか?
マンダレー…ラース・フォン・トリアーのアメリカ3部作は観ないとね。
ほのぼの系…勝手にイメージ。ククーシュカと玲玲はそうじゃないかな? この系統はたいていハマる。

特集上映は、ユーロスペースの「アイスランド映画祭」にちょっと興味あり。

人気blogRanking ≪ひっそり参加中。よろしかったらclickしてって下さい。
posted by bambi at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | * memo *

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。