(05/12/31) §2005年ベスト10
(05/12/30) 50回目のファースト・キス(2004/アメリカ/監督:ピーター・シーガル)
(05/12/29) 天空の草原のナンサ(2005/ドイツ/監督:ビャンバスレン・ダバーン)
(05/12/24) 奇妙なサーカス(2005/日本/監督:園子温)
(05/12/22) マシニスト(2004/スペイン=米/監督:ブラッド・アンダーソン)
(05/12/22) フライト・オブ・フェニックス(2004/アメリカ/監督:ジョン・ムーア)
(05/12/21) ザスーラ(2005/アメリカ/監督:ジョン・ファブロー)
(05/12/18) ディア・ウェンディ(2005/デンマーク/監督:トマス・ヴィンターベア)
(05/12/16) ある子供(2005/ベルギー=仏/監督:リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ)
(05/12/12) 逆境ナイン(2005/日本/監督:羽住英一郎)
(05/12/11) メゾン・ド・ヒミコ(2005/日本/監督:犬童一心)
(05/12/10) スチームボーイ(2004/日本/監督:大友克洋)
(05/12/07) 天然性侵略と模造愛(2005/日本/監督:山岡信貴)
(05/12/06) 伊賀忍法帖(1982/日本/監督:斎藤光正)
(05/12/05) ジュマンジ(1995/アメリカ/監督:ジョー・ジョンストン)
(05/12/04) フランケンシュタイン(1931/アメリカ/監督:ジェームズ・ホエール)
(05/12/03) 怪談かさねが渕(1957/日本/監督:中川信夫)

2005年12月31日

§2005年ベスト10


1. おわらない物語 アビバの場合(2004/アメリカ/監督:トッド・ソロンズ)
 これ選出するの私だけかな…。待望のソロンズ監督最新作ということも含め、型破りの演出が印象深い。

2. 銀河ヒッチハイク・ガイド(2005/アメリカ=英/監督:ガース・ジェニングス)
 評価の別れる本作だが、個人的にはど真ん中。

3. 空中庭園(2005/日本/監督:豊田利晃)
 豊田監督、早期復帰キボン。

4. ある子供(2005/ベルギー=仏/監督:リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ)
 観る前から、今年のベストに入ることはわかっていたさ。

5. オペラ座の怪人(2004/アメリカ/監督:ジョエル・シュマッカー)
 これ忘れるとこだった! ミュージカル好きにはタマラナイ。

6. そして、ひと粒のひかり(2004/アメリカ=コロンビア/監督:ジョシュア・マーストン)
 思いがけない拾い物。稀に見る美しいラスト。

7. リンダリンダリンダ(2005/日本/監督:山下敦弘)
 熱くない青春。シネセゾン渋谷のオールナイトイベントにも行ったよ。

8. 旅するジーンズと16歳の夏(2005/アメリカ/監督:ケン・クワピス)
 思いがけない拾い物その2。今年の映画で、最も泣いた。

9. SAW2(2005/アメリカ/監督:ダーレン・リン・バウズマン)
 続編としては会心の出来。

10. サマータイムマシン・ブルース(2005/日本/監督:本広克行)
 まぬけな青春。SFとしてもよくできてる。

【次点】
天空の草原のナンサ(2005/ドイツ/監督:ビャンバスレン・ダバーン)
 モンゴルの遊牧民の暮らしぶりは一見の価値あり。
ディア・ウェンディ(2005/デンマーク/監督:トマス・ヴィンターベア)
 監督は別人だが、ラース・フォン・トリアー節全開。
アクメッド王子の冒険(1926/ドイツ/監督:ロッテ・ライニガー)
 ほとんど初公開だが、新作じゃないしなぁ。
チャーリーとチョコレート工場(2005/アメリカ/監督:ティム・バートン)
 たぶん、時が経っても楽しめる。
逆境ナイン(2005/日本/監督:羽住英一郎)
 ムダに熱い青春。
50回目のファースト・キス(2004/アメリカ/監督:ピーター・シーガル)
 後味スッキリ爽やか。
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2005年12月30日

50回目のファースト・キス(2004/アメリカ/監督:ピーター・シーガル)

新文芸坐@池袋】

シネマ・カーテンコール2005 「当館選出 2005年のハリウッド映画ベスト1&2」にて。

常夏のハワイで旅行者を次々とひっかけるプレイボーイ・ヘンリー(アダム・サンドラー)は、ある朝カフェで地元の女の子ルーシー(ドリュー・バリモア)に声をかける。その場で二人はすっかり打ち解けたのに、翌日ヘンリーがルーシーに近づくと、彼女はなぜか冷たい態度。混乱するヘンリーに、カフェの店員が教えてくれる。彼女は一年前にあった交通事故の後遺症で、一晩寝ると前日起きたことをすべて忘れてしまう記憶障害なのだ、と。しかし彼女を本気で好きになったヘンリーは、翌日忘れられるのを覚悟の上で、毎日彼女を口説きはじめるのだが…。

美しいハワイの風景をバックに、記憶障害をからめたロマンチックなラブコメ。
恋愛映画、とくにラブコメは通常なら避けて通るジャンルだが、文芸坐のベストなら間違いなかろうと安心して観たところ、いや素晴らしい映画でした。

一定時間以上の記憶が保てないという、メメント(2000/アメリカ/監督:クリストファー・ノーラン)のようなプロット。メメントの記憶時間は10分だったが、ルーシーは寝てしまうとその日の記憶が定着せずに朝にはリセットされ、1年前の交通事故の日を繰り返している。
ルーシーの記憶がつながるのが1日ってところがミソかなぁ。本編内に出てくる10秒トムはかなり極端だが、起きてる間に記憶がブツブツと途切れたら本人も自覚せざるを得ないだろうが、寝てる間にリセットされちゃうとなると、これまた周囲の対応が難しい。
ルーシーの父や弟も試行錯誤のうえに、何事もなかったかのように交通事故の日を再現するという毎日にたどり着いたんだろうね。
先のことは不安でも、この対応はベストではないがベターだろうし、全面的に支えているルーシーの家族や周囲の人々の深い愛が感じられる。

まったく先に進まないルーシーの日常に、ヘンリーというプレイボーイでも優しくて懐の広い男が変化をもたらす。動物や友人に対する態度を見ても、やっぱ優しい男だよね、ヘンリーは。
ヘンリーはすっかりルーシーにほれ込んでしまい、あの手この手で猛アタックをかけるのだ。毎日出会いと別れを繰り返すふたり。
最初のうちは、ルーシーの家族がやってる方法と何ら変わりないように思えるが、惚れた弱みのヘンリーの涙ぐましい努力によって、少しずつ進展していく様子がほほえましく、あったかい気持ちになる。
そのうちルーシーの記憶障害が治って、朝になってもヘンリーのことを覚えているときがくるんじゃないかと思ってしまう。そうなりそうでならないところが絶妙なバランスで、ラストは完全に予想を上回っている。よかったね、ルーシー。

ベタベタの感動作にももっていけるテーマを、ライトなノリのコメディに仕上げたところが、ハリウッド映画の懐の深いところである。
ハワイの明るい空気に、愛にあふれるさわやかな登場人物たち。
とても素敵な映画でしたよ。

評価:★★★★☆
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2005年12月29日

天空の草原のナンサ(2005/ドイツ/監督:ビャンバスレン・ダバーン)

シャンテ シネ@日比谷】

nansa.jpgどこまでも続くモンゴルの大草原。その中に遊牧民の一家が暮らしている。父と母、そしてその愛を受けた6歳の娘ナンサとその妹、小さな弟の5人だ。ある日、ナンサはほら穴で見つけた子犬にツォーホルと名付けて、家に連れ帰る。しかし父親は飼うことを許さない。父の留守中にこっそりツォーホルを飼い出すナンサだが、ある日、放牧先でツォーホルとはぐれてしまう。そこで遊牧民のおばあさんに出会ったナンサは、“黄色い犬の伝説”を知る。

ストーリーはどうってことのない、モンゴルの遊牧民の日常を淡々と追ったドキュメント風ドラマ。出演しているのは実際の家族で、まったく気負いのない自然な演技に引き込まれた(犬ですら!)。
これが遊牧民の普遍的な家族像なのかな。家族の一員としてあたりまえのように仕事をこなす子どもたち、優しい母親、寡黙な父親、生活を支える動物たち。
とても素敵な家族である。

舞台は終始、見渡すかぎり何もない、風の吹き抜ける草原。日本ではアニメでくらいしかお眼にかかれない風景で、“天空の草原”とは言い得て妙だ。
このように自然と直結した暮らしは、ときには苛酷な大自然に翻弄されることもあるだろうが、すべてを包み込む大地と晴れ渡った空のコントラストは限りなくやさしくて、心に染み入る。

モンゴルというなじみの薄い国で、大地とともに生きる遊牧民の暮らしぶりを丁寧に追った映像は一見の価値がある。
テントのような移動式家屋の内部が意外と豪華で暮らしやすそうなことに驚いたり、これを解体するシーンも興味深い。
家をたたんでしまえば、一家の荷物はびっくりするほど少ない。荷を牛に引かせ、羊を追いながらお引っ越し。こんなに身軽でシンプルな生活には憧れてしまうなぁ。
家の跡地で、お父さんとお母さんが感謝の祈りを捧げるシーンは素朴な感動を覚えることだろう。

評価:★★★★☆

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2005年12月24日

奇妙なサーカス(2005/日本/監督:園子温)


strange.jpg小学生の美津子(桑名里瑛)は実の父親・剛三(大口広司)に犯され続けていた。しかし、それが忌むべき近親相姦と自覚することはなく、ただ心だけが壊れていく。妻・小百合(宮崎ますみ)は、そんな夫と娘の関係に激しい嫉妬を覚え、娘への虐待を繰り返す。
一方、倒錯したエロスの世界を描く車イスの人気女流作家・三ッ沢妙子。新たに担当となった編集者・田宮雄二(いしだ壱成)はそんな妙子に気に入られる。しかし雄二のほうは、謎に包まれた妙子の素性を探るよう編集長から命じられ、秘かに妙子の私生活を調べ始めるのだが…。

ネタバレありよ。

エロいのはいいとして、やたらと血なまぐさい描写が多く、これほどグロい映画だとは、正直、予想もしていなかった。
血が象徴的に使われているが、それも鮮血ではなく、鼻血のように赤黒い粘度をもつ液体が全編に滴り、壊れた精神の深淵を覗き見しているようで、不快感や不安感を増幅させる。

近親相姦というテーマを真っ向から扱い、グロテスクな親娘関係が生々しく鮮烈に描かれる。壊れていく母と娘。
妻子を代わるがわる犯す父親の変態度は想像を絶する。このおっさんには性のタブーは存在せず、歩く生殖器といった体で不快極まりない。

近親相姦や児童虐待が、人格形成においてどれほどの歪みをもたらすのか、説得力をもって描かれていたと思う。
感情がなく、ロボットのように無機質で、人格が遊離しているような印象を受ける雄二。
私はあまり詳しくないが、これらは典型的な離人症の症状と思われる。
なぜ美津子が乳房を切り落とし(すごい傷跡だけど、まさか自分でやったんじゃあるまいな)、雄二になったのかは説明不足でよくわからない。父親に犯され続け、母親のあさましい愛欲の姿を眼にし続けたことで、女性性を嫌悪し、自己のアニマを完全否定したのだろうか。
非常に複雑で狂気的な役だが、中性的でどこか危うげないしだ壱成はベストキャスティングだろう。

美津子の心象風景であるかのような、非現実的なサーカスの光景。
奇妙で耽美なサーカスのメンバーや観客の面々は、どのようなメタファーを含んでいるのだろう。
残念ながら、美津子の現実の世界の異常さのほうに翻弄されてしまい、そこまで考えながら観ることができなかった。
あまりもう一度観たいと思う作品ではないが、血の味と猟奇性と、哀しさが残る異色映画だった。

評価:★★★★☆
奇妙なサーカス Strange Circus
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2005年12月22日

マシニスト(2004/スペイン=米/監督:ブラッド・アンダーソン)

新文芸坐@池袋】

シネマ・カーテンコール2005 「極限状況からの脱出!!」にて。

機械工のトレヴァー(クリスチャン・ベイル)は、極度の不眠症で1年間ほとんど眠れずにいた。ある日、トレヴァーは新入りの溶接工、アイバンに気を取られ、仲間の腕を機械に巻き込む大事故を起こしてしまう。上司や同僚は、アイバンという男は存在しないと、トレヴァーに不信感を抱く。同じ頃、トレヴァーの自宅の冷蔵庫には、身に覚えのない不気味な首吊りゲームの絵が張られていた。誰かが自分を陥れようとしている、そう信じたトレヴァーは、ますます精神を蝕まれていく。

何がスゴイって、やはりクリスチャン・ベイルの地獄の餓鬼のようなガリガリっぷり。
命を削った痩せかたで、よくこれで映画の撮影に臨めたなぁと思うほど。役者の気迫と執念を感じる。

男はなぜこれほど痩せてしまい、眠れずにいるのか。
その原因のヒントはあちこちに散りばめられている。
トレヴァー以外には感知できない存在のアイバンが最大のヒントでありながら、おそらく誰でも早いうちからオチが読めてしまうというのは、脚本の弱さと思わせるが、実際は計算のうちだと思う。
そういう映画ってたくさんあるし、アイバンの正体は添え物的な存在にすぎじゃないんじゃないかな。
それよりも、緻密に張り巡らされた伏線や、全編に漂うイヤーな空気を楽しむべきかと。
メタファーの散りばめ方にかなり凝ったものが感じられ、ネタが割れたところで退屈はしない。

トレヴァーの勤める工場や、遊園地のルート666の雰囲気はすごくよかった。
ルート666、怖っ。途中で出てきたモーテルで、何やら怪しい影絵が蠢いていたけれど、あれは何だったんだろう。

ラストはきちんとピースがおさまり、スッキリ腑に落ちた心持ちで席を立つことができた。
クリスチャン・ベイルの鬼気迫る役者バカっぷりもさることながら、不快感を煽る映像と音楽が功を奏し、根っこのところの恐怖感をそそるという意味で、秀逸なサイコサスペンス映画。
睡眠不足って怖ろしい、ね。

評価:★★★★☆
マシニスト
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2005年12月22日

フライト・オブ・フェニックス(2004/アメリカ/監督:ジョン・ムーア)

新文芸坐@池袋】

シネマ・カーテンコール2005 「極限状況からの脱出!!」にて。

7月のある日、モンゴルでの石油探掘作業を終えたスタッフと廃材を乗せた貨物運搬機が巨大な砂嵐に遭遇、無線と片方のエンジンを破損しゴビ砂漠のど真ん中に不時着してしまう。この事故から生き残ったのは操縦士フランク(デニス・クエイド)ら10人。容赦ない陽差しが照りつける中、やがて彼らは、捜索隊による救出が望み薄であることを悟る。食料も水もほとんどなく、窮地に立たされていく生存者たち。そんな時、生存者の一人エリオット(ジョヴァンニ・リビシ)が不時着した貨物機を調べ、みんなの協力があれば機体の残骸から新しい飛行機を造ることができると提案するのだった。

キャストは地味めでストーリーもシンプルだが、王道シチュエーションをトレースし、熱さとスリリングさ、ついでに男臭さ溢れる本作。
冒頭、砂嵐に襲われて飛行機が墜落するシーンはスゴイ迫力。機体の一部が剥がれ飛んでコックピットをガリガリ削るところなど圧巻である。この臨場感、まさに映画の醍醐味といえよう。

砂漠から脱出するために、飛行機の残骸から新しい飛行機を造ってしまえという荒唐無稽なプロットは、「それがあったか!」と膝を打つべきか、「そんなんアリか?!」と突っ込むべきか。
修理は無理だけど新しいのは造れるって、どんな壊れ方なんだか。

素人ばかりが突貫工事で組み立てた飛行機が果たして飛ぶのか?
…ハリウッド映画だし、もちろん飛ぶに決まってるんだけど、絶妙のタイミングで自称・飛行機設計技術者エリオットの正体が発覚。カメレオン俳優・リビシの演じるエキセントリックで胡散臭いキャラは当然何かあるだろうと予想させるが、なるほどそう来たか。愕然度高めのうまい設定だなぁ。

紆余曲折あっても、やっぱり飛んじゃうDIY飛行機。
でもやっぱり、ラストはこうでなくっちゃね。
爽快で後味の良いラストに大満足。

評価:★★★☆☆
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2005年12月21日

ザスーラ(2005/アメリカ/監督:ジョン・ファブロー)


zathura.jpg弟ダニー(ジョナ・ボボ)は、兄ウォルター(ジョシュ・ハッチャーソン)のことが大好き。でもウォルターはダニーのことを疎ましく思っていた。その日も、ダニーはウォルターと一緒に遊ぼうとしたが、逆に怒らせてしまう。地下室に入れられ、そして見つけたボード・ゲーム“ザスーラ”をリビングに持ち帰り、何気なくボタンを押したダニー。禁断のゲームだとは知らずに。ゲームから飛び出したカードには、なにやら指示が。いつの間にか、彼らは家ごと宇宙へと飛び出していた。

ジュマンジ(1995/アメリカ/監督:ジョー・ジョンストン)面白かったんで、期待してたんだけど。
これほど何でもアリのオイシイ設定はそうないはずだが、何だかびっみょ〜な出来。
ジュマンジはウチのちっこいテレビ、ザスーラは大スクリーンという、えらい条件差があったにもかかわらず、ジュマンジほどハラハラドキドキ感が味わえなかった…。むしろジュマンジ未見のほうが楽しめたのかもしれないと思うほど。
なんでかなぁ。
凶悪なエイリアン、隕石、ブラックホール…。んー、宇宙で起こりそうなハプニングってあらかた予想がついちゃうかも。
何でもアリなプロットのわりに、いまひとつ予定調和から抜け出していない印象だったかな。

ジュマンジは地球上のアフリカとは似て非なる世界のようだったし、ザスーラの宇宙もおそらくは別次元あるいは(何者かによる)作りものの世界と思われる。なので、宇宙空間で呼吸可能だったり、ソファが勢いよく燃えてたり、重力があったりするのはオッケイだろう。野暮なツッコミなしね。
…しかし! やっぱり、あの宇宙飛行士の正体は強引すぎていただけない。
果たしてあの設定が必要だったのかと。

…映画館のこと。
シネマイレージカードを作りっぱなしだったので、たまにはと来てみたけど、あいかわらずここは客質悪いね。
エンドロールになったとたん、あちこちで携帯パカパカ開きだす。ゴミ、ペットボトル、食べかけのポップコーンを座席や床に放置。
自分の出したゴミや食べ残しの始末もしないとは、おまいら動物ですか?

評価:★★☆☆☆

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2005年12月18日

ディア・ウェンディ(2005/デンマーク/監督:トマス・ヴィンターベア)

アミューズCQN@渋谷】

ラース・フォン・トリアー脚本と知って俄然興味の沸いた本作だが、集客率は今ひとつのようで、劇場はガラガラ。ゆったり観られてよかったんだけど、ちょっと寂しいねぇ。

dearwendy.jpgアメリカの小さな炭坑町。今、僕は愛する“ウェンディ”への別れの手紙を書いている。何でこういうことになったか…。話は初めて僕がウェンディに出会ったころに遡る。スーパーで働くディック(ジェイミー・ベル)がふとしたきっかけで購入した玩具の銃。しかしそれは本物の銃だった。友人のスティーヴィーとともに射撃練習を始めたディックは、銃をウェンディと名付け、恋人のような一体感を感じる。銃を片時も放さないようになった2人。ディックは町の負け犬たちを誘い、銃を持つことによって自信をつけさせようとする。

監督は別人でも、トリアー色の色濃い本作。
話が進むにつれ、舞台である炭鉱町があまりに小さいことに驚く。独特の閉塞感が、ドッグヴィル(2003/デンマーク/監督:ラース・フォン・トリアー)を彷彿とさせる。
小さな町で、コンプレックスと疎外感を味わっていた子どもたちが、銃を手にしたことにより、自信と優越感を持ちはじめる。
子どもたちは“ダンディーズ”というチームを作り、廃炭鉱で集会を開くようになる。だんだんと儀式が仰々しくなり、銃を神格化させていくさまは、あまりにも幼稚で滑稽。本来の自分では生き辛い現実から逃避し、ファンタジーの世界にのめり込んでいくのが痛々しい。
こういう秘密結社ごっこは子どもにとっては魅力的で、それだけなら他愛のない遊びだが、何しろ本物の銃を扱っているのだから穏やかではない。
いつでも人を殺せる道具を懐に忍ばせていれば、誰でも気が大きくなるし、堂々とふるまえるだろう。
死なないと分かっていて車に飛び込むのは、勇気とは言わないのだ。

“正義の名のもとに銃を持つ”だなんて、どう考えたって矛盾している。
自分たちが見下されないよう、無言の脅しをかけるのが正義?
武力を誇示するものを、武力で叩きのめすのが正義?
“平和のための銃社会”“平和のための核武装”、何かが間違っている。いつか必ず破滅に導くことがわかっているのに、借り物の鎧をまとわずにいられない。
人間って、なんて愚かで弱いんだろう。

評価:★★★★☆

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2005年12月16日

ある子供(2005/ベルギー=仏/監督:リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ)


lenfant.jpg定職につかず、少年たちを使って盗みを働き、盗品を売ってその日暮らしをしている20歳の青年ブリュノ(ジェレミー・レニエ)。ある日、ブリュノの子どもを出産した18歳の恋人ソニア(デボラ・フランソワ)が病院から退院してくる。子どもを見ても何の実感も感じないブリュノ。盗品を売った金でドライブに行ったブリュノとソニアは、まるで子どものようにじゃれあう。しかしブリュノはソニアに子どもの世話を頼まれた間に、カメラを売るように子どもを売ってしまう。

…ブレブレのハンディカメラ映像は三半規管弱い人には辛いだろうなぁ。
だが、私は、これほどスクリーンの中の人物に生々しさを感じさせる監督を他に知らない。
常に被写体の心情からは一歩引いた目線にもかかわらず、独特の臨場感を生むカメラワークはまったく素晴らしい。
ブリュノと少年が警察の追手から逃れるため冷たい川に入って身を隠すシーンなど、派手なアクションも効果的なBGMもないのに、どんなサスペンス映画よりも緊迫感があった。

ブリュノは愚かで考えが足りない青年ではあるが、根っからの悪人ではない。
ただ、今さえ良ければそれでよく、できるだけ面白おかしく暮らしたいと思っているだけ。大人になりきれていない、無垢で残酷な子どもである。
ブリュノとソニアは他愛もないことでじゃれ合っているのが楽しく、それが真実の愛だと思っていたのだろう。深い考えもなく子どもを作ってしまい、ソニアは母性を発揮するが、ブリュノに実感はなく、ふたりへの責任感などあるはずもない。
だけど、そんな薄っぺらな人生に意味はない。今変わらなければ、いつ変わるのか。
ブリュノは自分の愚かさをステップに、変わることができるだろう。
他者を思いやる想像力をはたらかせ、痛みを知り、地道に生きる。それは退屈でしんどい人生ではあるけれど、ずっと意味のある生き方であるはずだ。

イゴールの約束(1996/ベルギー=仏=ルクセンブルグ=チュニジア/監督:リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ)に続き、ジェレミー・レニエはリアルで繊細な演技を見せてくれた。
もしかしたら、ブリュノはイゴールの成長した姿なのかもしれない。この兄弟監督にベルギーの抱える社会問題を見せられ、そんなことをふと思う。

評価:★★★★★

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2005年12月12日

逆境ナイン(2005/日本/監督:羽住英一郎)


gk9.jpg島本和彦マンガといえば、「燃えよペン」「炎の転校生」くらいしか読んだことがないが、果たしてあの暑苦しい世界観がどこまで再現されているのか?

突然、校長より廃部を言い渡された全力学園野球部は万年勝ち知らず。何事にも全力を好む校長(藤岡弘、)は、生半可な活動しかできない野球部を不要と決めた。キャプテンの不屈闘志(玉山鉄二)は、廃部を阻止すべく甲子園行きを宣言した。この無謀発言に、野球部ナインと月田マネージャー(堀北真希)は大騒ぎ。不屈の屁理屈に丸め込まれ猛練習を開始した。春の甲子園優勝校“日の出商”との試合は間近に迫っていた。だが何と不戦勝!?

メゾン・ド・ヒミコ(2005/日本/監督:犬童一心)と2本立て上映。ヒミコのエントリで、「最近の邦画って“淡々としたゆるい空気感”ばっかり。もっと熱い映画撮ってくれる監督はいないのかなぁ」と書いたのは、実はこのエントリへの伏線だったのですよ。

おかゆのようなユルユル系淡白邦画全盛の昨今においては、胸焼けしそうなこってり牛丼的本作が光り輝いてみえる。こういう邦画が観たかった!
どちらかというと、男ごころをガッチリ掴む作品というあたりも牛丼的味わいだ。場内は男性客の野太い笑い声が響き渡ることたびたびで、映画館のこういう空気は珍しい気がする。

くだらなさもここまでたたみ掛けられたら笑うしかなく、意外やジーンとさせられたりもして、出演者・スタッフ一同マジメにバカ映画を作っている姿勢が垣間見え、こちらまでわけもなく熱くなった。
私は「少林サッカー」(レビュー未掲載)などチャウ・シンチーものはたいして面白いと思わなかったのだが、さすがにこちらは本家本元。総合的なレベルはともかく、バカっぷりはチャウ・シンチーをしのぐ。
この調子で「炎の転校生」あたりの映画化もお願いしたいです。

個人的に最もツボだったのは、次々と試合不可能になる全力ナインの代わりに、月田マネージャーがかき集めてきたという“クラスの暇な人たち”。存在ではなく、このフレーズ自体が連呼されるのがおかしかったんだよね。
妙に説得力のある格言(『自業自得』『それはそれ、これはこれ!』『恋に恋して恋気分!』)がモノリスとなって降ってきたり、エフェクトで表現されたりするのはちょっとくどいかなという気がしたが、映像表現はわりとどうでも良い。的確かつシンプルなフレーズがぴたりとはまる感じで、こういう言葉選びは外すと痛いが、説得力のある笑いにもっていけてるところはセンスを感じた。ま、これは原作が良いのだろうけど。

本気でバカバカしい本作だが、テーマ曲が岡村孝子の「夢をあきらめないで」というのはステキすぎだ。
一服の清涼剤のごとき名曲がばっちりハマってしまっているという時点で、ただのバカ映画ではないのである。

ところで、試合解説者の“炎尾燃”って、「燃えよペン」=島本先生だよね?

評価:★★★★☆
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2005年12月11日

メゾン・ド・ヒミコ(2005/日本/監督:犬童一心)


himiko.jpg吉田沙織(柴咲コウ)は、ある事情で借金を抱え朝から夜まで働き通しだった。ある雨の日、彼女のもとに若くて美しい男が訪ねてくる。岸本春彦(オダギリジョー)…彼は、沙織が幼い頃に沙織と母親を捨てて出て行った父の恋人だった。沙織の父照雄(田中泯)は、今ゲイのための老人ホームを創設、その館長を勤めているらしい。春彦の申し出によって、沙織はその老人ホーム“メゾン・ド・ヒミコ”の手伝いを始めることになった。個性的な住人達と接するうちに、沙織の心は大きく揺れ動く…。

独特の生々しいセリフ廻しと、キャスティングの妙が光る。
印象に残ったのは、やはりヒミコの「 あ な た が す き よ 」だろうか。この一言で、ヒミコの背負ってきたものと捨ててきたものが一瞬で溶解してしまうのではないかという気さえした。

オダギリジョーと柴咲コウ、縮まったり遠のいたりするなんとも微妙な距離感をみごとに表現していた。ふたりの作り出す、なんだかいたたまれない空気感は絶品。

全体としては、マイノリティで被差別対象であるという特殊性を免罪符に、全員が馴れ合っているようで、誰にも共感は持てなかった。たとえば多額の借金作って家族を捨てるような男とどこが違うのか、私には理解できないね。沙織の母親が、自分を捨てた男を憎みきれなかったのはなぜなのか、そこがキーポイントであるような気がするのだが。
その点、沙織の苛立ちや怒り、常に仏頂面のキャラは理解しやすい。私は家族であれ、相容れない他者とわかりあう必要はないと思っているが、それがどんなに沙織を苦しめてきたかもわかる気がする。
安易に父親を受け入れようとはしないところはリアルで、いとおしかった。

それにしても、最近の邦画って、“淡々としたゆるい空気感”ばっかり。
嫌いじゃないけど、おかゆばっかり食わされても腹は満たされない。
もっと熱い映画撮ってくれる監督はいないのかなぁ。

評価:★★★☆☆
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2005年12月10日

スチームボーイ(2004/日本/監督:大友克洋)


時は19世紀半ば、舞台は世界初の万国博覧会を控えたイギリス。少年レイは、祖父ロイドと父エディが発明した謎の球体・スチームボールを手にしたことから、アメリカのオハラ財団の手の者に捕われる。連れて行かれたのは、巨大な機械の要塞・スチーム城。そこで財団は、超高圧の蒸気を封じ込めたスチームボールの力を武器として売りさばこうとしていた。レイはそれを阻止しようとするが…。

ネームバリューのわりに、あんまり評価良くないみたい。
私は好きだなぁ、こういうメカメカしいの。
それも硬質なサイバー感ではなく、スチームというところにアナログ的な味わいがある。
19世紀ロンドンの暗く湿っぽく煤けた雰囲気に、蒸気機械はよく似合う。

テーマやストーリーはわかりやすく最後まで飽きなかったが、どうしてもラピュタが頭をよぎる。
しかしラピュタほど壮大な設定ではなく、世界観はわりとこじんまり。
いくらなんでもスチームボール3個で国家にケンカ売るのは無茶すぎるよ。
スチームって、未知の技術ではないところが脅威を抱かせるには弱い。

科学は諸刃の剣というテーマに目新しさはないが、ストレートで共感しやすいので悪くはないと思う。科学による未来は明るいのか絶望的なのか。各キャラクターのスタンスにも物語の展開にも答えを用意せず、ニュートラルに徹しているのが、焦点をぼやけさせてしまっている点でもある。観る者の心にインパクトを残すためには、もう少し強烈なメッセージ性がほしいところだ。

アニメーションとしては、偏執的な描きこみ具合が美しくもあり、うるさくもあり。
ターゲットの年齢層の設定が低すぎたのと、公開時期が遅すぎた(構想9年)のが評価につながらなかったのだと思うが、それもまた監督の実力のうちか。

評価:★★★☆☆

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2005年12月07日

天然性侵略と模造愛(2005/日本/監督:山岡信貴)

アップリンクX@渋谷】

アンダーグラウンドの鬼才・山岡信貴監督がパソコンを駆使し、たったひとりで作り上げた異色のSFサスペンス。

tennensei.jpg

恋人のマヒルに働かせて、自分はのんびり自堕落な生活を楽しむ青年ナナセ。ある日、不思議なメッセージをきっかけに彼の身辺に異変が起こり始める。どうやら、ナナセそっくりの男がいる。それも一人や二人ではない。それらの異変の裏にちらつく20年前に失踪した生物科学者の父の影。そして、地球外から来た謎の生命体の死骸…。些細な事件はやがて生物としての人類の危機へとなだれ込んでゆく。

な、なんだかすごいものを観てしまったぞ。
面白かった…かな? うん、面白かった。

観る前はきっと、ついていけない映画だと思っていた。
実際のところ、ついていけてたのかどうかわからないが、小さなスクリーンに収まりきらない、圧倒的な狂気にひれ伏しそうになってしまった。
難解で深遠なテーマ、どこに進んでいくのかまったくわからないストーリー。ぐいぐい引き込まれた。みたことのない独自のビジュアルセンスと濃密な世界観。いやもう、放心状態です。

同監督の「Pig's Inferno」も多いに気になってきたけど、追加上映も9日限りかぁ。
い、行けない…(´・ω・`)

評価:★★★★☆

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2005年12月06日

伊賀忍法帖(1982/日本/監督:斎藤光正)


戦国の世、下剋上の機運に乗じようとする松永弾正(中尾彬)は主家、三好氏の美姫右京太夫(渡辺典子)を我がものにせんと、五人の妖術僧に命じ媚薬を作らせようとし、美女狩りを命じた。この陰謀を企んだのは、妖術僧の後ろ楯で正体不明の果心居士(成田三樹夫)だ。妖術僧たちの美女狩りの標的は、伊賀の忍者、笛吹城太郎(真田広之)の恋人、篝火(渡辺典子)に向けられた。

山田風太郎の忍法帖シリーズは、多人数VS多人数の死闘を描いたものが多く、登場人物は駒扱いで感情移入もへったくれもないのだけど、これは城太郎がひとりで根来流忍法僧軍団と闘うという構図のためヒーロー像が明確で、映像化には向いていると思う。

しかし、忍法帖のおもしろさは、奇想天外な忍法でも、どうかすれば実現可能であるかのような、無茶苦茶な解説によるところも大きいんだなぁと実感。このヘンな忍法がビジュアル化されたらどんなにインパクトのあるものに…と思ってしまうものだが、実際のところ、説明もなくぶっ飛んだ技を見せられても、「ありえね〜」で終わってしまうよね。
そういう意味では、山風の忍法帖はビジュアル化不可能ともいえる。
まぁ、そんなことは製作側も百も承知のはずだが、そこを演出なり世界観なりですんなりと受け入れられるところまで持ってきているかといえば…当然そんなわけはないのであった。
“ありえない忍法”のビジュアル化はハナからあきらめてますという感じで、城太郎と忍法僧軍団の対決はびっくりするほどあっけない。魔界転生(1981年/日本/監督:深作欣二)のようなおどろおどろしさもなく、やりたかったのは青春時代劇らしい。

城太郎の恋人・篝火と、忍法僧軍団に狙われる右京太夫を一人二役(実際は三役)で演じているのが、とっても懐かしい渡辺典子。薬師丸ひろ子や原田知世に比べると、くせのない顔立ちで正統派美少女という感じだが、かえってそれが印象薄いんだなぁ。最初ホント誰だかわかりませんでした。

ピチピチの真田広之がさわやかな印象を残すが、例によって千葉ちゃんがおいしいとこ持ってっちゃってます。そんな千葉ちゃんが好き。
あー、「柳生一族の陰謀」(レビュー未掲載)が観たくなってきたなぁ。

評価:★★☆☆☆

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2005年12月05日

ジュマンジ(1995/アメリカ/監督:ジョー・ジョンストン)


来週公開の「ザスーラ」が面白げなので、まずは前作を観てみることに。

100年前に封印された奇妙なボードゲームを手に入れた少年アランは友だちのサリーとゲームを始める。だが、ボードのメッセージ通りの事が起きた上、アランはどこかに消えてしまった。それから26年後、売りに出されていた屋敷に移り住んできた幼い姉弟ジョディとピーターは屋根裏部屋でそのゲーム“ジュマンジ”を発見。実は26年前のゲームはまだ続いていたのだ。そしてゲームから出現した猛獣たちによって静かな町はとんでもないパニックに襲われる。ルールに従って今や大人となったアランも復活、事態を収拾するにはゲームを終わらせるしかないことを知った3人は、残ったメンバーであるサリーの元を訪れる…。

んー、こういう映画はいいね。いかにもハリウッドの娯楽作という感じで、正しいお金の使いみちだと思う。
ただ、私はロビン・ウィリアムズが大嫌いなので、彼が登場した瞬間、ギョエッと唸ってしまったのだが…。こういうキショい役をよくやってましたね、この頃は。
そんでもって、おやまぁ、先週、エリザベスタウン(2005/アメリカ/監督:キャメロン・クロウ)で10年後の姿を見たばかりのキルスティンたんが。偶然にも、なぜか靴屋つながりなのがちょっとおかしい。

さすがに当時のCG技術にはムラを感じないでもないが、ストーリーは今観てもハラハラドキドキ。よくできてます。
ジュマンジゲームのつながる先が、中世ヨーロッパでもSF的な未来でもなく、アフリカな世界というのが面白い。ドンドコドコドコ…って太鼓の重低音も雰囲気を盛り上げてくれるし。

これはこれで、充分ファミリーで楽しめるアドベンチャー映画の佳作に仕上がっているんだけど、設定を大人向けにしても面白いだろうな。「ザスーラ」はそこんとこどうなんでしょ。期待していいんでしょうか。

評価:★★★☆☆

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2005年12月04日

フランケンシュタイン(1931/アメリカ/監督:ジェームズ・ホエール)


frankenstein.jpgホラー映画の金字塔「フランケンシュタイン」「フランケンシュタインの花嫁」を続けて観ることができた。

永遠の生命を追い求めるフランケンシュタイン博士は、幾つかの死体を組み合わせて人造人間を造り上げることに成功した。だが、その頭蓋に収められたものは、殺人者の狂った脳髄だった…。

モノクロ映像はときにカラーより美しく見えることがあるが、この映画はまさにそれ。凝ったセットと、フランケンシュタインの造形の怖ろしさが、光と影のコントラストに怪しく映る。
ホラー映画としてのクオリティもさることながら、1シーン1シーンが絵画のように美しく、印象に残る。
フランケンシュタイン像を定着させた、名優ボリス・カーロフのモンスターメイクはすさまじくインパクトがあるが、それ以上に、非常に凝った美術・セットもまた見ごたえがある。重厚な雰囲気の石造りの塔、怪しさきわまりない実験室、炎上する水車小屋など、ゴシックホラーの世界観の根底を支えている。

続編の「フランケンシュタインの花嫁」も必見。
プレトリアス博士の創造した人工生命体はユニークだし、フランケンシュタイン以上に哀れな失敗作に見える花嫁のキャラクター造形も見事。
続編もあわせてひとつの物語と成している完成度の高さである。

評価:★★★★☆

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2005年12月03日

怪談かさねが渕(1957/日本/監督:中川信夫)


金貸しの宗悦は、借金の取り立てに行った旗本の屋敷で惨殺されるが、怨霊となりその旗本を累が渕で溺死させる。20年後、双方の遺児である息子と娘は、親の代の遺恨を知らずに情を交すが…。

日本三大怪談といえば「東海道四谷怪談」「番町皿屋敷」「真景累ヶ渕」(「牡丹灯籠」が入る場合もあるが)。
前2作や牡丹灯籠に比べ、累ヶ渕は名前は知っているがストーリーは良くわからん人が多いのではないか。だが、お岩さん同様、今でもこれに手を出すと祟りがあることは有名で、歌舞伎や芝居などにかける前には東京祐天寺の“累塚”にお参りするのが通例となっている。

それにしても、累ヶ渕って2バージョンあるのだろうか。
私の知っている累ヶ渕は、助(すけ)→累(かさね)→菊(きく)と続く因縁話だったのだが、この映画はストーリーが相当異なっていた。
“累”がくりかえされる因縁を象徴し、“渕”はほとんど関係がないと思っていたが、この映画では“累ヶ渕”という沼そのものが係累の人々を呼び寄せる惨劇の場となっていた。
元来、幽霊は水と関係が深い。お岩さんは戸板にくくりつけられて川に流され、お菊さんは井戸に身を投げた。そういえば因縁話の助と累も川で殺されている。水には怨念を増幅させる力があると聞く。
そういう意味では、“累が渕”から祟りが始まり、最後は“累が渕”に係累者がみな呼び寄せられ、全ての祟りが成就するこちらのプロットは、より洗練された怨念話といえるかもしれない。

東海道四谷怪談(1959/日本/監督:中川信夫)でもお岩役を演じた、若杉嘉津子の美しさにはうっとり。顔の崩れっぷりもすさまじく、後の四谷怪談にも続く、女の怨念の怖ろしさ、哀しさを堪能できる。

評価:★★★☆☆

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